【完結】突然の変わり身「俺に惚れるな」と、言っていたのは誰ですか⁉ ~脱走令嬢は、素性を隠した俺様令息に捕獲される~

 世間から見れば、普通に暮らしている伯爵家令嬢ルイーズ。
 けれど実際は、愛人の子ルイーズは継母に蔑まれた毎日を送っている。
 継母から、されるがままの仕打ち。彼女は育ててもらった恩義もあり、反抗できずにいる。

 継母は疎ましいルイーズを娼館へ売るのを心待ちにしているが、それをルイーズに伝えてしまう。
 18歳になれば自分は娼館へ売られる。彼女はそうなる前に伯爵家から逃げるつもりだ。

 しかし、継母の狙いとは裏腹に、ルイーズは子爵家のモーガンと婚約。
 モーガンの本性をルイーズは知らない。
 婚約者の狙いでルイーズは、騎士候補生の訓練に参加する。そこで、ルイーズと侯爵家嫡男のエドワードは出会うことになる。

 全ての始まりはここから。

 この2人、出会う前から互いに因縁があり、会えば常に喧嘩を繰り広げる。
「どうしてエドワードは、わたしと練習するのよ。文句ばっかり言うなら、誰か別の人とやればいいでしょう! もしかして、わたしのことが好きなの?」
「馬鹿っ! 取り柄のないやつを、俺が好きになるわけがないだろう‼ お前、俺のことが分かっているのか? 煩わしいからお前の方が、俺に惚れるなよ」

 エドワードは侯爵家嫡男の顔の他に、至上者としての職位がある。それは国の最重要人物たちしか知らないこと。

 その2人に、ある出来事で入れ替わりが起きる。それによって互いの距離がグッと縮まる。
 一緒にいると互いに居心地が良く、何の気兼ねも要らない2人。
 2人で過ごす時間は、あまりにも楽しい…。
 それでもエドワードは、ルイーズへの気持ちを自覚しない。

 あるきっかけで体が戻る。
 常々、陛下から王女との結婚を持ち掛けられているエドワード。
 彼の気持ちはルイーズに向かないままで、自分の結婚相手ではないと判断している。

 そんななか、ルイーズがいなくなった…。
 青ざめるエドワード。もう会えない…。焦ったエドワードは彼女を探しに行く。
 エドワードが、ルイーズを見つけ声を掛けるが、彼女の反応は随分とそっけない。
 このときのルイーズは、エドワードに打ち明けたくない事情を抱えていた。

「わたし、親戚の家へ行く用事があるので、あの馬車に乗らないと…。エドワード様お世話になりました」
「待てっ! どこにも行くな。ルイーズは俺のそばからいなくなるな」
 吹っ切れたエドワード。自分はルイーズが好きだと気付く。

 さらに、切れたエドワードは、ルイーズと共に舞踏会で大騒動を起こす!
 出会うはずのない2人の、変わり身の恋物語。


※常用漢字外はひらがな表記やルビを付けています。
 読めるのに、どうしてルビ? という漢字があるかもしれませんが、ご了承ください。
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