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第4章 夢の実現へ
ミカエル殿下
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【SIDE マックス】
もう1人の王子の機嫌が悪いと、担当事務官から相談を受けた。
正直なところ、僕は、姉のことが無ければ、この城で仕事をするつもりは無い。
いつ、この城を出るかを考えている僕にとっては、ご機嫌伺いなんてやってられない。
どうせ、ミカエル殿下の不満は、王太子に関係している事だろう。
前王妃は、自分の息子であるミカエル殿下に肩入れをしていたが、ミカエル殿下本人は、王位を欲しがるような人間とは違うように、僕には見えている。
それどころか、ミカエル殿下は、今の甘んじた立場を上手く利用している気がしていた。
なのに、王妃に協力した……。狙いは?
昔、ミカエル殿下は、王太子への優越感から令嬢達と関係を持っていると、僕に口を滑らせていた。
ミカエル殿下が、高位貴族の大半の令嬢へ手を出していた理由が、王太子がどの令嬢を妃に選んでも、兄は自分の次になると……。
兄を見返したいと考えついた結果に、呆れてものが言えなかった。
僕は、そんなくだらない事はどうでも良いし、真っ当な事では、兄と並べないと考える事も理解出来なかったから。
姉が妃教育に参加した後に、令嬢達の会話について行けないと、夜会に興味を持っていた。
友人が出来ないと、落ち込んでる事は知っていたが、僕は姉を夜会に連れて行かなかったんだ。
あの、能天気な姉なら、あっと言う間にミカエル殿下に、別室に連れ込まれてしまうから。
機嫌が悪いと言う割には、僕が来て満足そうな顔をしているが。
「公務の事で、相談があると担当の事務官から報告がありましたが、どのような件でしょうか?」
「担当の事務官が、きちんと情報を確認しないから、兄から苦情を言われたんだよ。担当の事務官の質も、僕の仕事の量もおかしいんじゃないのかい?」
公務の大半を姉に振っているが……。それでも。
「いえ、ミカエル殿下には、経験豊富な事務官が付いてますので、そのような事は無いかと。それに、公務の量も多いとは言い難いですが」
公務の苦手なミカエル殿下の為に、フレデリック王太子自ら指導した事務官だ。何年も王太子の元で仕事をしていた事務官を、僕がこの城に来たタイミングで、ミカエル殿下の担当に替えたのだから。
「アリーチェ妃は、ほとんど公務をしてないだろう。前の担当の事務官、……トミーだったっけ。彼から、アリーチェ妃の1日のスケジュールを聞いて、呆れたよ」
なるほど。
姉の事を、家名だけの奇天烈令嬢だと思ってたのに、違って残念だったな。
「そうですか、アリーチェ妃殿下は仕事が早いので。ですからトミー事務官から聞き入った状況だと思いますけど」
「アリーチェ妃の仕事が早いなら、母が担当してた分は、そちらに回してくれる。いちいち、兄から煩い事を言われるのに、もう、うんざりだから」
「ミカエル殿下がそれでよろしいなら、そうしますが。それと、担当事務官については、僕がミカエル殿下の公務の確認に、頻繁に関わらせていただきます」
「頼むよ。そう言えば、兄の直近の視察はいつだい?」
「明日、辺境伯領に行く予定で、朝から終日不在です。――良ければ、ミカエル殿下が今抱えている公務は、この際ですので全て、アリーチェ妃殿下にお願いするのに、持って行きますね」
姉の執務室へ行っても、どうせ最中だろうし、終わったら、仲良く王太子の部屋へ行くだろう。
王太子の事だ、どうせ知っているんだろうから、まあいいか。
もう1人の王子の機嫌が悪いと、担当事務官から相談を受けた。
正直なところ、僕は、姉のことが無ければ、この城で仕事をするつもりは無い。
いつ、この城を出るかを考えている僕にとっては、ご機嫌伺いなんてやってられない。
どうせ、ミカエル殿下の不満は、王太子に関係している事だろう。
前王妃は、自分の息子であるミカエル殿下に肩入れをしていたが、ミカエル殿下本人は、王位を欲しがるような人間とは違うように、僕には見えている。
それどころか、ミカエル殿下は、今の甘んじた立場を上手く利用している気がしていた。
なのに、王妃に協力した……。狙いは?
昔、ミカエル殿下は、王太子への優越感から令嬢達と関係を持っていると、僕に口を滑らせていた。
ミカエル殿下が、高位貴族の大半の令嬢へ手を出していた理由が、王太子がどの令嬢を妃に選んでも、兄は自分の次になると……。
兄を見返したいと考えついた結果に、呆れてものが言えなかった。
僕は、そんなくだらない事はどうでも良いし、真っ当な事では、兄と並べないと考える事も理解出来なかったから。
姉が妃教育に参加した後に、令嬢達の会話について行けないと、夜会に興味を持っていた。
友人が出来ないと、落ち込んでる事は知っていたが、僕は姉を夜会に連れて行かなかったんだ。
あの、能天気な姉なら、あっと言う間にミカエル殿下に、別室に連れ込まれてしまうから。
機嫌が悪いと言う割には、僕が来て満足そうな顔をしているが。
「公務の事で、相談があると担当の事務官から報告がありましたが、どのような件でしょうか?」
「担当の事務官が、きちんと情報を確認しないから、兄から苦情を言われたんだよ。担当の事務官の質も、僕の仕事の量もおかしいんじゃないのかい?」
公務の大半を姉に振っているが……。それでも。
「いえ、ミカエル殿下には、経験豊富な事務官が付いてますので、そのような事は無いかと。それに、公務の量も多いとは言い難いですが」
公務の苦手なミカエル殿下の為に、フレデリック王太子自ら指導した事務官だ。何年も王太子の元で仕事をしていた事務官を、僕がこの城に来たタイミングで、ミカエル殿下の担当に替えたのだから。
「アリーチェ妃は、ほとんど公務をしてないだろう。前の担当の事務官、……トミーだったっけ。彼から、アリーチェ妃の1日のスケジュールを聞いて、呆れたよ」
なるほど。
姉の事を、家名だけの奇天烈令嬢だと思ってたのに、違って残念だったな。
「そうですか、アリーチェ妃殿下は仕事が早いので。ですからトミー事務官から聞き入った状況だと思いますけど」
「アリーチェ妃の仕事が早いなら、母が担当してた分は、そちらに回してくれる。いちいち、兄から煩い事を言われるのに、もう、うんざりだから」
「ミカエル殿下がそれでよろしいなら、そうしますが。それと、担当事務官については、僕がミカエル殿下の公務の確認に、頻繁に関わらせていただきます」
「頼むよ。そう言えば、兄の直近の視察はいつだい?」
「明日、辺境伯領に行く予定で、朝から終日不在です。――良ければ、ミカエル殿下が今抱えている公務は、この際ですので全て、アリーチェ妃殿下にお願いするのに、持って行きますね」
姉の執務室へ行っても、どうせ最中だろうし、終わったら、仲良く王太子の部屋へ行くだろう。
王太子の事だ、どうせ知っているんだろうから、まあいいか。
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