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第1章 気が付かない3人の関係
分かっていない③
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【SIDE フレデリック第1王子】
今日は、フレンツ語の試験なのか。
皆随分と熱心に直前まで勉強しているようだ、1人以外は……。
派手な真っ赤なドレスを着ているのは誰だ?
試験なのに、大きく肩の開いた場違いな恰好だが、ここは舞踏会ではないだろう。
それに、持ったと思ったらすぐに筆を置いた……。試験なのに何をしている、不審なのが混ざっているぞ。
げっ、こっちを向いて……、笑った………。
不敵な笑みを浮かべる、不細工。いや、人の容姿を悪く言うのは良くない。
奇抜な顔の令嬢と目が合った瞬間から、ざわざわと胸騒ぎがする。
心臓がドクドクと激しく拍動しているのが分かる。
まさか、自分の妃試験の会場で、恐怖を感じているのか?
来たーッ。
なぜ、試験を放り投げてこっちへ来る。
「フレデリック殿下~。いたなら声を掛けてくれれば良かったのに。そうしたら、もっと早くに殿下とお話できたのに」
「貴方は、誰だ?」
「ワーグナー公爵家のアリーチェですよ、先日、ご挨拶は済んでいますが」
ファウラーの言っている意味を理解した。
これは酷い。
「ワーグナー公爵令嬢……。貴女は試験中だろう。私の元に来てないで、戻って」
「試験は大丈夫ですから。そんなことより、わたしの手紙を読んで、むふぅ~ってなって、わたしに会いに来てくれたんですか?」
自分の席へ戻るように促しても、一向に机に行かないし、変なことを言っている。
むふぅ~って、何だ?
ヤバい! この令嬢は、何か、いやっ、全てが変だ。
この令嬢が傍にいると、悪寒が止まらない。
いや、大丈夫だ。私との関係はこれまでだ。
この試験をさぼっているんだ、ワーグナー公爵家の令嬢は、ここで落第となるだろう。
明日以降、会うことはないはずだ。
****
「おい、ファウラー! 私の妃試験はどうなっている! どうしてワーグナー公爵家の令嬢は落第にならないんだ。もう他の令嬢達は付いていけずに、全員辞退したんだろう」
「いや~、それがですね……、講義は一切聞かないのは変わらないのですが、成績だけは良くて。アリーチェ様は、試験開始5分で席を立ち、試験が終わる頃に、ふらっと戻ってきて、回収した試験は満点なんですよ。講師達も何も言えなくて」
「明らかに不正だろうっっ! 講師達は何を見ているんだ!」
「アリーチェ様を注意するのに疲れて静観してます。不正する現場だって掴めてませんし。それに、相手はワーグナー公爵家の令嬢です。確証のない疑いは誰も向けられませんから。僕にも無理ですし、講師達も報復を恐れています」
「何なんだ一体! 彼女に妃教育するんだ。それも、逃げ出したくなるような厳しいものをだ」
堂々と不正を働き、講師達を買収するとは。
とんだわがままな令嬢が、わたしの婚約者候補として決まりつつある。
リーを見つけるための思い付きで、由々しき事態が起きている。
何としても、彼女との婚約は阻止する。
探し続けているリーは見つからない。
それなのに、明らかにおかしな娘を、婚約者としなくてはいけない状況に追い込まれている。
今日は、フレンツ語の試験なのか。
皆随分と熱心に直前まで勉強しているようだ、1人以外は……。
派手な真っ赤なドレスを着ているのは誰だ?
試験なのに、大きく肩の開いた場違いな恰好だが、ここは舞踏会ではないだろう。
それに、持ったと思ったらすぐに筆を置いた……。試験なのに何をしている、不審なのが混ざっているぞ。
げっ、こっちを向いて……、笑った………。
不敵な笑みを浮かべる、不細工。いや、人の容姿を悪く言うのは良くない。
奇抜な顔の令嬢と目が合った瞬間から、ざわざわと胸騒ぎがする。
心臓がドクドクと激しく拍動しているのが分かる。
まさか、自分の妃試験の会場で、恐怖を感じているのか?
来たーッ。
なぜ、試験を放り投げてこっちへ来る。
「フレデリック殿下~。いたなら声を掛けてくれれば良かったのに。そうしたら、もっと早くに殿下とお話できたのに」
「貴方は、誰だ?」
「ワーグナー公爵家のアリーチェですよ、先日、ご挨拶は済んでいますが」
ファウラーの言っている意味を理解した。
これは酷い。
「ワーグナー公爵令嬢……。貴女は試験中だろう。私の元に来てないで、戻って」
「試験は大丈夫ですから。そんなことより、わたしの手紙を読んで、むふぅ~ってなって、わたしに会いに来てくれたんですか?」
自分の席へ戻るように促しても、一向に机に行かないし、変なことを言っている。
むふぅ~って、何だ?
ヤバい! この令嬢は、何か、いやっ、全てが変だ。
この令嬢が傍にいると、悪寒が止まらない。
いや、大丈夫だ。私との関係はこれまでだ。
この試験をさぼっているんだ、ワーグナー公爵家の令嬢は、ここで落第となるだろう。
明日以降、会うことはないはずだ。
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「おい、ファウラー! 私の妃試験はどうなっている! どうしてワーグナー公爵家の令嬢は落第にならないんだ。もう他の令嬢達は付いていけずに、全員辞退したんだろう」
「いや~、それがですね……、講義は一切聞かないのは変わらないのですが、成績だけは良くて。アリーチェ様は、試験開始5分で席を立ち、試験が終わる頃に、ふらっと戻ってきて、回収した試験は満点なんですよ。講師達も何も言えなくて」
「明らかに不正だろうっっ! 講師達は何を見ているんだ!」
「アリーチェ様を注意するのに疲れて静観してます。不正する現場だって掴めてませんし。それに、相手はワーグナー公爵家の令嬢です。確証のない疑いは誰も向けられませんから。僕にも無理ですし、講師達も報復を恐れています」
「何なんだ一体! 彼女に妃教育するんだ。それも、逃げ出したくなるような厳しいものをだ」
堂々と不正を働き、講師達を買収するとは。
とんだわがままな令嬢が、わたしの婚約者候補として決まりつつある。
リーを見つけるための思い付きで、由々しき事態が起きている。
何としても、彼女との婚約は阻止する。
探し続けているリーは見つからない。
それなのに、明らかにおかしな娘を、婚約者としなくてはいけない状況に追い込まれている。
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