152 / 196
終末の王編
第152話 解析からの飢餓の騎士
しおりを挟む
フォーホース帝国のちゃんとした街が見えてきた。
なかなかでかいではないか。
そして意外なことに、俺たちの旅を邪魔するものはいなかった。
噂の四騎士も出て来ない。
「あのバーバリアンが襲われたのはなんでなんだろうな。よし、ヘルプで調べちゃおう。アカネル頼む」
「はい。四騎士はもっとも最初に現れた異世界召喚者……でしたが、この全てが魔導王に敗れて死んでいます」
「あっ、死んでた」
「魔導王が五人目の召喚者だったそうです。それで、フォーホース帝国は四騎士の力を解析して、これを再現する装置を作ったとか。装置は魔導石によって動いています。あ、バーバリアンは大騒ぎしながら敵意と闘気を撒き散らして来たので即座にやられたそうです」
「わかりやすい!」
「相変わらず、身も蓋も無いねえ!」
喜ぶ俺と、唖然とするナルカなのだ。
ヘルプ機能のいいところは、秘められた謎が速攻で明かされるところだな。
つまり、四騎士は異世界召喚者として存在してはいない。
フォーホース帝国の防衛装置として存在してるわけだ。
で、バーバリアンはあからさまに敵だったからやられた。
コンボの達人はおそらく、防衛装置より強かった。
そして俺たちだが……。
「マナビが鞍を手に入れるまで、カオルンが独り占めするのだー! ちゅっちゅっ」
「うおーカオルンが首筋にキスしてくる! 猛烈にハグしてくる!」
「むきー! アカネルもマナビさんに頼られてて、わたしは運転しかしてないじゃないですかー! このままでは差をつけられてしまいます!!」
「ふふふ、当機能はオンリーワンな役割を果たせますから……。あっ、そろそろ体を鍛える時間……」
「アカネル運動するのだ? カオルンが手伝うのだー!」
おお、後ろからぬくもりが離れていった。
カオルンは運動する人を応援する性格らしく、アカネルが体を鍛えるのによく付き合っている。
二人の仲がかなり良くなって来ているのを感じるな。
ルミイは基本的に人当たりがよく、そしてうちの奥さんたちのリーダーなので人間関係は問題なし。
そもそも、差なんかつかないと思うんだが……。
「あれはああやって自分の闘争心を煽ってるんだね。さすがバーバリアンの血が流れた女だよ」
「なるほど、そういう……。それで夜は燃え上がる……」
感心してしまう俺なのだった。
なんという完璧なマインドセットであろうか。
……という、俺たちは和気あいあいとしながらまったり移動しているので、敵対行動だと思われていなかったらしい。
どう見ても旅人である。
そして外見からはあまり脅威が感じられない。
強そうじゃないってのはお得だなあ!
なんて考えていたのだが。
一応防衛装置は発動したようだ。
「ぶるる」
「どうしたラバー」
「ウグワー」
「あっ、ルミイが運転席に突っ伏した! ナルカ、ブレーキ踏めブレーキ」
「あいよ!」
キキーッと止まるバギー。
ルミイはしおしおになって動けない様子だ。
これは……。
「飢餓の罠だな。腹ペコキャラのルミイが動けなくなるなら決定だ。そういう攻撃が仕掛けられてきたと見るべきだ」
アカネルとカオルンは人間ではないので、これは平気。
ナルカは防衛装置の発動を死の魔眼で見切ったようで、回避済みだ。
なお、俺だが。
「チートモード。ほあーっ!」
ゾーンに入った後、攻略法を探す。
さて、飢餓の防衛装置はどういう構造になっているのか。
ゲーム画面風になった視界の中、上に矢印がある。
見上げてみると、滑空する鳥のようなものがあった。
よく見ると、翼が生えた黒い馬であり、その上に天秤を持った騎士が乗っているではないか。
多分魔導機械の類だと思うんだが、良く出来てるなあ。
「よし、チートモードにカオルンを入れる」
「おっ!? 世界が変わったのだ! あ、マナビ、やるのだな!」
「おう、やるぞやるぞ。上空を翼のある馬が飛んでるだろ。あれが元凶だ」
「おおー。カオルンたちに喧嘩をふっかけて来たのだな! 行くのだ!」
カオルンがビューンと行ってしまった。
そして、途中でヘロヘロ落ちてくる。
「ち、近づいたらお腹が減って動けなくなったのだー」
「やはり。有効範囲内で相手にそういう錯覚を起こさせる力を持っているのだな。離れたらどうなった?」
「あれ? 平気になったのだ!」
「うむ。相手を飢餓状態にするってのは色々無理があるからな。そもそも、精霊に守られているルミイを一発であの状態にするっていうのは、魔法攻撃云々ではない。暗示みたいなもんだろう。しかも強烈なやつだ」
つまり、この飢餓っぽい感じは、生命の危険には直結しないというわけだ。
相手を行動不能にした後、別働隊やらがとどめを刺しに来るのではないか。
しばらく様子を見ていたら、周りからフォーホース帝国の兵士が現れた。
彼らは魔導弩弓を使って、こちらを狙撃してくる……。
というところでチートモード終了。
「カオルン、ナルカを連れて範囲外の上空へ行くんだ。ナルカ、飛んでるやつがいるだろ。あいつを仕留めろ。近づいたらやられるぞ」
「分かったのだ!」
「なるほど、あれを使ったんだね? 了解だよ」
ナルカの理解が早い。
カオルンが彼女に抱きつき、翼を広げて飛翔していく。
ナルカが取り出したのは、銃のような形をしたアイテムだ。
初登場の武器だなあ。
あれは……。
「マスター、あれはダーツガンです。ダーツをバネの仕掛けで射出するものですね。ナルカが持つ最長射程の武器です」
「なるほど、射程に合わせて使い分けるんだな」
普段使わないのは、かさばるからだろう。
飢餓の能力の範囲外から、ナルカは射撃する。
死の魔眼によって、飢餓の騎士が機能停止する箇所は判明している。
そこに向けて、数発。
一つのダーツが見事に突き刺さり、飢餓の騎士はガクガクと震えた。
全身を構成していた魔導パーツみたいなのがバラバラとこぼれ落ち、哀れ飢餓の騎士は空中分解である。
「やっぱり本体はそれほど強くないんだな。だが、あいつを認識し、能力の外から狙撃して倒さないといけないから、まあまあ強い」
俺は分析しつつ、ラバーの首をペチペチ叩いた。
「ぶるる?」
「周りに潜んでるからな。そいつらを蹴散らすぞラバー」
「ぶるるー!」
ルサルカラバーが走り出す。
彼が本気になると、アンデッドホースとしての姿になる。
そうすると、他の防衛装置を呼びそうだったので、俺は手加減モードで行くことにした。
ネクタイブレードを最長に伸ばす。
すると、ネクタイスピアとでも言うような姿になるのだ。
迫ってくる俺に向かって、魔導弩弓が矢を放ってくる。
「チュートリアル……戻った」
矢が当たらない移動行程を、ラバーと共有してきた。
なので、俺たちは無防備な感じでトコトコ走る。
で、矢が俺たちを避けていく。
「ぶるるー」
「わっはっは、楽だろう。どう飛び道具がくるか分かってれば、全然怖くないからな」
これに対して、潜んでいたフォーホース兵士たちは大慌てである。
俺がかなり近づいたところで、一斉に逃げ出した。
全力疾走している。
「ありゃー。あいつらは出来る兵士だな。立ち向かってこない」
勝ち目の有無の判断が早い。
多分、俺が何か能力を使ってるっていうのをすぐに察知したな?
フォーホース帝国、なかなかやる。
一筋縄ではいかないかもな。
なかなかでかいではないか。
そして意外なことに、俺たちの旅を邪魔するものはいなかった。
噂の四騎士も出て来ない。
「あのバーバリアンが襲われたのはなんでなんだろうな。よし、ヘルプで調べちゃおう。アカネル頼む」
「はい。四騎士はもっとも最初に現れた異世界召喚者……でしたが、この全てが魔導王に敗れて死んでいます」
「あっ、死んでた」
「魔導王が五人目の召喚者だったそうです。それで、フォーホース帝国は四騎士の力を解析して、これを再現する装置を作ったとか。装置は魔導石によって動いています。あ、バーバリアンは大騒ぎしながら敵意と闘気を撒き散らして来たので即座にやられたそうです」
「わかりやすい!」
「相変わらず、身も蓋も無いねえ!」
喜ぶ俺と、唖然とするナルカなのだ。
ヘルプ機能のいいところは、秘められた謎が速攻で明かされるところだな。
つまり、四騎士は異世界召喚者として存在してはいない。
フォーホース帝国の防衛装置として存在してるわけだ。
で、バーバリアンはあからさまに敵だったからやられた。
コンボの達人はおそらく、防衛装置より強かった。
そして俺たちだが……。
「マナビが鞍を手に入れるまで、カオルンが独り占めするのだー! ちゅっちゅっ」
「うおーカオルンが首筋にキスしてくる! 猛烈にハグしてくる!」
「むきー! アカネルもマナビさんに頼られてて、わたしは運転しかしてないじゃないですかー! このままでは差をつけられてしまいます!!」
「ふふふ、当機能はオンリーワンな役割を果たせますから……。あっ、そろそろ体を鍛える時間……」
「アカネル運動するのだ? カオルンが手伝うのだー!」
おお、後ろからぬくもりが離れていった。
カオルンは運動する人を応援する性格らしく、アカネルが体を鍛えるのによく付き合っている。
二人の仲がかなり良くなって来ているのを感じるな。
ルミイは基本的に人当たりがよく、そしてうちの奥さんたちのリーダーなので人間関係は問題なし。
そもそも、差なんかつかないと思うんだが……。
「あれはああやって自分の闘争心を煽ってるんだね。さすがバーバリアンの血が流れた女だよ」
「なるほど、そういう……。それで夜は燃え上がる……」
感心してしまう俺なのだった。
なんという完璧なマインドセットであろうか。
……という、俺たちは和気あいあいとしながらまったり移動しているので、敵対行動だと思われていなかったらしい。
どう見ても旅人である。
そして外見からはあまり脅威が感じられない。
強そうじゃないってのはお得だなあ!
なんて考えていたのだが。
一応防衛装置は発動したようだ。
「ぶるる」
「どうしたラバー」
「ウグワー」
「あっ、ルミイが運転席に突っ伏した! ナルカ、ブレーキ踏めブレーキ」
「あいよ!」
キキーッと止まるバギー。
ルミイはしおしおになって動けない様子だ。
これは……。
「飢餓の罠だな。腹ペコキャラのルミイが動けなくなるなら決定だ。そういう攻撃が仕掛けられてきたと見るべきだ」
アカネルとカオルンは人間ではないので、これは平気。
ナルカは防衛装置の発動を死の魔眼で見切ったようで、回避済みだ。
なお、俺だが。
「チートモード。ほあーっ!」
ゾーンに入った後、攻略法を探す。
さて、飢餓の防衛装置はどういう構造になっているのか。
ゲーム画面風になった視界の中、上に矢印がある。
見上げてみると、滑空する鳥のようなものがあった。
よく見ると、翼が生えた黒い馬であり、その上に天秤を持った騎士が乗っているではないか。
多分魔導機械の類だと思うんだが、良く出来てるなあ。
「よし、チートモードにカオルンを入れる」
「おっ!? 世界が変わったのだ! あ、マナビ、やるのだな!」
「おう、やるぞやるぞ。上空を翼のある馬が飛んでるだろ。あれが元凶だ」
「おおー。カオルンたちに喧嘩をふっかけて来たのだな! 行くのだ!」
カオルンがビューンと行ってしまった。
そして、途中でヘロヘロ落ちてくる。
「ち、近づいたらお腹が減って動けなくなったのだー」
「やはり。有効範囲内で相手にそういう錯覚を起こさせる力を持っているのだな。離れたらどうなった?」
「あれ? 平気になったのだ!」
「うむ。相手を飢餓状態にするってのは色々無理があるからな。そもそも、精霊に守られているルミイを一発であの状態にするっていうのは、魔法攻撃云々ではない。暗示みたいなもんだろう。しかも強烈なやつだ」
つまり、この飢餓っぽい感じは、生命の危険には直結しないというわけだ。
相手を行動不能にした後、別働隊やらがとどめを刺しに来るのではないか。
しばらく様子を見ていたら、周りからフォーホース帝国の兵士が現れた。
彼らは魔導弩弓を使って、こちらを狙撃してくる……。
というところでチートモード終了。
「カオルン、ナルカを連れて範囲外の上空へ行くんだ。ナルカ、飛んでるやつがいるだろ。あいつを仕留めろ。近づいたらやられるぞ」
「分かったのだ!」
「なるほど、あれを使ったんだね? 了解だよ」
ナルカの理解が早い。
カオルンが彼女に抱きつき、翼を広げて飛翔していく。
ナルカが取り出したのは、銃のような形をしたアイテムだ。
初登場の武器だなあ。
あれは……。
「マスター、あれはダーツガンです。ダーツをバネの仕掛けで射出するものですね。ナルカが持つ最長射程の武器です」
「なるほど、射程に合わせて使い分けるんだな」
普段使わないのは、かさばるからだろう。
飢餓の能力の範囲外から、ナルカは射撃する。
死の魔眼によって、飢餓の騎士が機能停止する箇所は判明している。
そこに向けて、数発。
一つのダーツが見事に突き刺さり、飢餓の騎士はガクガクと震えた。
全身を構成していた魔導パーツみたいなのがバラバラとこぼれ落ち、哀れ飢餓の騎士は空中分解である。
「やっぱり本体はそれほど強くないんだな。だが、あいつを認識し、能力の外から狙撃して倒さないといけないから、まあまあ強い」
俺は分析しつつ、ラバーの首をペチペチ叩いた。
「ぶるる?」
「周りに潜んでるからな。そいつらを蹴散らすぞラバー」
「ぶるるー!」
ルサルカラバーが走り出す。
彼が本気になると、アンデッドホースとしての姿になる。
そうすると、他の防衛装置を呼びそうだったので、俺は手加減モードで行くことにした。
ネクタイブレードを最長に伸ばす。
すると、ネクタイスピアとでも言うような姿になるのだ。
迫ってくる俺に向かって、魔導弩弓が矢を放ってくる。
「チュートリアル……戻った」
矢が当たらない移動行程を、ラバーと共有してきた。
なので、俺たちは無防備な感じでトコトコ走る。
で、矢が俺たちを避けていく。
「ぶるるー」
「わっはっは、楽だろう。どう飛び道具がくるか分かってれば、全然怖くないからな」
これに対して、潜んでいたフォーホース兵士たちは大慌てである。
俺がかなり近づいたところで、一斉に逃げ出した。
全力疾走している。
「ありゃー。あいつらは出来る兵士だな。立ち向かってこない」
勝ち目の有無の判断が早い。
多分、俺が何か能力を使ってるっていうのをすぐに察知したな?
フォーホース帝国、なかなかやる。
一筋縄ではいかないかもな。
0
お気に入りに追加
671
あなたにおすすめの小説
異世界サバイバルセットでダンジョン無双。精霊樹復活に貢献します。
karashima_s
ファンタジー
地球にダンジョンが出来て10年。
その当時は、世界中が混乱したけれど、今ではすでに日常となっていたりする。
ダンジョンに巣くう魔物は、ダンジョン外にでる事はなく、浅い階層であれば、魔物を倒すと、魔石を手に入れる事が出来、その魔石は再生可能エネルギーとして利用できる事が解ると、各国は、こぞってダンジョン探索を行うようになった。
ダンジョンでは魔石だけでなく、傷や病気を癒す貴重なアイテム等をドロップしたり、また、稀に宝箱と呼ばれる箱から、後発的に付与できる様々な魔法やスキルを覚える事が出来る魔法書やスキルオーブと呼ばれる物等も手に入ったりする。
当時は、危険だとして制限されていたダンジョン探索も、今では門戸も広がり、適正があると判断された者は、ある程度の教習を受けた後、試験に合格すると認定を与えられ、探索者(シーカー)として認められるようになっていた。
運転免許のように、学校や教習所ができ、人気の職業の一つになっていたりするのだ。
新田 蓮(あらた れん)もその一人である。
高校を出て、別にやりたい事もなく、他人との関わりが嫌いだった事で会社勤めもきつそうだと判断、高校在学中からシーカー免許教習所に通い、卒業と同時にシーカーデビューをする。そして、浅い階層で、低級モンスターを狩って、安全第一で日々の糧を細々得ては、その収入で気楽に生きる生活を送っていた。
そんなある日、ダンジョン内でスキルオーブをゲットする。手に入れたオーブは『XXXサバイバルセット』。
ほんの0.00001パーセントの確実でユニークスキルがドロップする事がある。今回、それだったら、数億の価値だ。それを売り払えば、悠々自適に生きて行けるんじゃねぇー?と大喜びした蓮だったが、なんと難儀な連中に見られて絡まれてしまった。
必死で逃げる算段を考えていた時、爆音と共に、大きな揺れが襲ってきて、足元が崩れて。
落ちた。
落ちる!と思ったとたん、思わず、持っていたオーブを強く握ってしまったのだ。
落ちながら、蓮の頭の中に声が響く。
「XXXサバイバルセットが使用されました…。」
そして落ちた所が…。
「スキル:くさい息で敵ごと全滅するところだった!」と追放された俺は理解ある女騎士と出会って真の力に覚醒する~ラーニング能力で楽々冒険ライフ~
あけちともあき
ファンタジー
初級冒険者ドルマには特技があった。
それは、巻き込まれたもの全てを昏倒させるくっさいくっさい息、バッドステータスブレス。
かつてモンスターにやられた時に身に着けたこれが、彼の唯一にして最大の技だった。
彼はともに村を出た仲間たちとともに冒険者となり、依頼でピンチに陥る。
そこで放たれたバッドステータスブレスは、凄まじい威力を発揮する。
モンスターは全滅!
仲間も全滅!
ということで、どうにか生きていた仲間たちから、くさい息は追放ですわーっ!!と追放されてしまう。
失意のドルマは、大騎士を目指す風変わりな少女エリカと出会う。
騎士は強いのでくさい息も我慢できると、エリカはドルマを仲間にする。
新の仲間を得たドルマは、数々の冒険の中、己の力を自覚した。
それは受けた敵の技をラーニングする、伝説の職業青魔道士。
敵が強ければ強いほどドルマも強くなる。
どんな危機でも、エリカの笑顔があれば頑張れる。
今ここに幕開く、ドルマの充実冒険ライフ!
……は、傍からは新たなる英雄の道行にしか見えなかったりするのだ。
外れスキル「両替」が使えないとスラムに追い出された俺が、異世界召喚少女とボーイミーツガールして世界を広げながら強くなる話
あけちともあき
ファンタジー
「あたしの能力は運命の女。関わった者に世界を変えられる運命と宿命を授けるの」
能力者養成孤児院から、両替スキルはダメだと追い出され、スラム暮らしをする少年ウーサー。
冴えない彼の元に、異世界召喚された少女ミスティが現れる。
彼女は追っ手に追われており、彼女を助けたウーサーはミスティと行動をともにすることになる。
ミスティを巡って巻き起こる騒動、事件、戦争。
彼女は深く関わった人間に、世界の運命を変えるほどの力を与えると言われている能力者だったのだ。
それはそれとして、ウーサーとミスティの楽しい日常。
近づく心の距離と、スラムでは知れなかった世の中の姿と仕組み。
楽しい毎日の中、ミスティの助けを受けて成長を始めるウーサーの両替スキル。
やがて超絶強くなるが、今はミスティを守りながら、日々を楽しく過ごすことが最も大事なのだ。
いつか、運命も宿命もぶっ飛ばせるようになる。
そういう前向きな物語。
バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話
紅赤
ファンタジー
ここは、地球とはまた別の世界――
田舎町の実家で働きもせずニートをしていたタロー。
暢気に暮らしていたタローであったが、ある日両親から家を追い出されてしまう。
仕方なく。本当に仕方なく、当てもなく歩を進めて辿り着いたのは冒険者の集う街<タイタン>
「冒険者って何の仕事だ?」とよくわからないまま、彼はバイトで冒険者を始めることに。
最初は田舎者だと他の冒険者にバカにされるが、気にせずテキトーに依頼を受けるタロー。
しかし、その依頼は難度Aの高ランククエストであることが判明。
ギルドマスターのドラムスは急いで救出チームを編成し、タローを助けに向かおうと――
――する前に、タローは何事もなく帰ってくるのであった。
しかもその姿は、
血まみれ。
右手には討伐したモンスターの首。
左手にはモンスターのドロップアイテム。
そしてスルメをかじりながら、背中にお爺さんを担いでいた。
「いや、情報量多すぎだろぉがあ゛ぁ!!」
ドラムスの叫びが響く中で、タローの意外な才能が発揮された瞬間だった。
タローの冒険者としての摩訶不思議な人生はこうして幕を開けたのである。
――これは、バイトで冒険者を始めたら最強だった。という話――
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる
静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】
【複数サイトでランキング入り】
追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語
主人公フライ。
仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。
フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。
外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。
しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。
そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。
「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」
最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。
仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。
そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。
そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。
一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。
イラスト 卯月凪沙様より
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる