94 / 196
凍土の王国編
第94話 三人称視点・鉄腕敗れたり
しおりを挟む
凍土は過酷な大地である。
強い者しか生き残ることはできない。
例え強大な魔法使いであろうと、凍れる大地の厳しさの前では、ただの人間に戻る。
ただ生きるだけでも、生命として根本的な強さが必要になるのだ。
だからこそ、凍土に生きるバーバリアンは、何よりも個体としての強さを重んじた。
狩りができる強さ。
凍土を侵す敵を倒せる強さ。
強さこそが、凍土の大地にある王国で、唯一絶対の法だった。
ちなみに、凍土の大地の横に肥沃な森があり、そこにエルフたちが住んでいる。
彼らはバーバリアンの力に満ちた肉体を美しいものであると判断し、協力することになった。
最強と言われたバーバリアンの王子と、森で指導者をしていたハイエルフの女戦士が恋に落ち、結ばれた。
その辺りから、凍土の暮らしはかなり楽になった。
狩りの獲物がなくても、常に果物などは食べられるようになったのである。
凍土は、まあまあ過酷な大地である。
それなりに強い者しか生き残ることはできない。
「ということが昔あったそうなんですよ」
「そうなのだ? だからそんなに過酷そうでもないのだなー。あっ、マナビのいるところがちょっとずれたのだ。チュートリアルから戻ってきたのだ!」
「マスター! ここの人たちは敵ではないのですから、加減してあげて下さいねー!」
遠くで、三人が見つめるのは中肉中背で手ぶらの男。
筋骨隆々というわけではない、凍土の王国では浮く外見の男だ。
バーバリアンたちは、常日頃通り、力に劣るその男が捻り潰されるものだと思っていた。
相手はガガン。
最近、大いに力を付けてきた戦士だ。王国の若年戦士団の中では最強を誇る。
武器は、闘気を腕に集中し、鋼のような強度に変えて殴る打撃。
アイアンフィストと呼ばれているそれは、凍土に潜む殺人セイウチの牙すら一撃でへし折る。
人間がこれを喰らえば、ひとたまりも無いのだ。
果たして、雄叫びを上げるガガンが、アイアンフィストを全力で展開。
決闘相手である男に殴りかかった。
勝負はついた!
三人の少女と、王の妻と、その息子たち『以外』の誰もがそう思った。
しかし、男は横にトコトコ歩き、アイアンフィストを回避していた。
歩いた!
機敏に動くわけでもなく、地面に身を投げ出すわけでもなく。
普通に攻撃から視線を変えて、横にフツーに歩いた!
それだけで、アイアンフィストが空を切る!
怒るガガン。
「モギャオー!!」
咆哮とともに繰り出される、連続攻撃!
今度こそ終わった!
やっぱり、三人の少女と、王の妻と、その息子たち『以外』の誰もがそう思った。
いや、今回はエルフたちも、まだ終わってないなーと思った。
その通りである。
男は今度は床に腰を下ろし、体育座りをしたのである。
彼の頭上を、ガガンの連続攻撃が抜けていく。
これを、男はぼーっと眺めた。
当たらない!
全く攻撃が当たらない。
相手は回避する素振りすら見せず、どこに攻撃が来るのかを正確に予知した上で、舐めきったアクションで攻撃の範囲外に移動するのだ。
どれもこれも、範囲ギリギリにいるので、傍から見ていると当たりそうで当たらない。
「何やってるんだガガン!」
「下だ、下下!」
「拳がデカくなりすぎて見えてないんじゃないのか!」
「ムギャオー!!」
ガガンは吠えた。
外野がうるせえええええ! と思っているが、そんな事を口に出す余裕はない。
彼からすると、必殺の攻撃を放った瞬間、相手が視界から消えるのだ。
決闘相手の男は……このモヤシ野郎は……、ガガンが何かをするたびに死角に移動する。
全く見えなくなる。
ガガンの中に生まれたのは戸惑いだった。
偶然か?
だが、偶然が二度続くとは思えない。
まぐれか?
まぐれで、あんな舐めた動きはしない。
ガガンは慌てて拳を止め、男が座る地面に向けて叩き下ろした。
物に当たったガガンのアイアンフィストは、そこから衝撃波を放つ。
これは回避するとか、そういうことができる攻撃ではない。
決める!!
ガガンは強く意識し、地面を殴った。
当然のように男は尻だけで移動し、拳は当たらなかった。
尻移動が異常に速くてキモいなー、とガガンは思ったが、そんな事を口に出す余裕はない。
生まれた衝撃波が、男を打ち据える!
これで、相手は吹っ飛ばされて態勢を崩すはず……。
普通の相手ならば、だ。
男は衝撃波の勢いに乗り、そのまま上空にふわっと浮いた。
体育座りの姿勢から、座禅の態勢に変わっている。
そして衝撃波に任せて、空中でくるくる回った。
楽しそうである。
「バカな!?」
ガガンは思わず叫んでいた。
必殺の攻撃がどれも当たらないどころか、不可避の広範囲攻撃ですらもこの男には通じないのか!
いや、衝撃波に乗ってふわっと浮かぶなんて、初めて見たけれど!
「だが、空中なら身動きは取れねえだろう! 死ね! オレのアイアンフィストで……!! ヌウウオオオオオオオ!!」
ガガンは叫んだ。
振りかぶった拳が、今までで最大の闘気を纏う。
拳に収まりきらなかった闘気が溢れ出し、ガガンの拳を輝かせた。
光が渦を巻き、外に向かって広がっていく。
必殺の気合を込めて、ガガンはアイアンフィストを突き出した。
その瞬間である。
男はじーっと、ガガンの拳を見た。
初めて、ガガンのことをよく見た。
若きバーバリアンの戦士は、一瞬、背筋が凍った心地になる。
その感覚は何か。
理解する暇などない。
だが、ガガンはこの感覚に気付けただけ、非凡であった。
男の手が伸び、ガガンの拳から放たれる闘気に触れる。
実体が無いはずの闘気が、男の手に撫でられてその方向を変えた。
外に放出されるはずだったそれが、ガガンに向けて戻ってくる。
アイアンフィストを取り巻く闘気の流れが変わる。
放出ではなく、螺旋に。
螺旋が、拳へと逆流を開始する。
「ウ、ウグワーッ!?」
アイアンフィストが止まった。
逆流する闘気に押し留められて、そこから一歩も進めない。
戻すこともできない。
ガガンの腕が、闘気の逆流によって膨れ上がっていく。
「こ、これは……これは……!」
眼の前に、あの男がいる。
既に地面に降り立ち、視線はガガンを見ていた。
彼は「あー、終わった終わった。すまんな、四手になっちまった」と呟きながら、ガガンの腕をぞんざいに叩いた。
すると、ガガンの腕が破裂した。
闘気が撒き散らされ、衝撃波が生まれ、決闘場に吹き荒れる。
「ウグワー!?」
「な、何が起きウグワー!?」
「まるで嵐ウグワー!?」
バーバリアンたちは理解ができない。
ガガンは己の腕が破裂した勢いで吹っ飛ばされながら、男を見た。
その男が立っている場所だけ、闘気の嵐も衝撃波も発生していないのだ。
いや、そここそが、この状況の中心点。
嵐の中央の、凪だった。
それを完璧に理解し、コントロールしきり、男はただ一度ガガンに触れるだけで、若きバーバリアンの戦士を完膚なきまでに粉砕したのである。
「ば、化け物か!! ウグワーッ!!」
ガガンの意識は遠ざかっていったのだった。
「おーい、ルミイ! 回復の魔法使ってやって。これならまだ治るでしょ」
「はいはーい」
強い者しか生き残ることはできない。
例え強大な魔法使いであろうと、凍れる大地の厳しさの前では、ただの人間に戻る。
ただ生きるだけでも、生命として根本的な強さが必要になるのだ。
だからこそ、凍土に生きるバーバリアンは、何よりも個体としての強さを重んじた。
狩りができる強さ。
凍土を侵す敵を倒せる強さ。
強さこそが、凍土の大地にある王国で、唯一絶対の法だった。
ちなみに、凍土の大地の横に肥沃な森があり、そこにエルフたちが住んでいる。
彼らはバーバリアンの力に満ちた肉体を美しいものであると判断し、協力することになった。
最強と言われたバーバリアンの王子と、森で指導者をしていたハイエルフの女戦士が恋に落ち、結ばれた。
その辺りから、凍土の暮らしはかなり楽になった。
狩りの獲物がなくても、常に果物などは食べられるようになったのである。
凍土は、まあまあ過酷な大地である。
それなりに強い者しか生き残ることはできない。
「ということが昔あったそうなんですよ」
「そうなのだ? だからそんなに過酷そうでもないのだなー。あっ、マナビのいるところがちょっとずれたのだ。チュートリアルから戻ってきたのだ!」
「マスター! ここの人たちは敵ではないのですから、加減してあげて下さいねー!」
遠くで、三人が見つめるのは中肉中背で手ぶらの男。
筋骨隆々というわけではない、凍土の王国では浮く外見の男だ。
バーバリアンたちは、常日頃通り、力に劣るその男が捻り潰されるものだと思っていた。
相手はガガン。
最近、大いに力を付けてきた戦士だ。王国の若年戦士団の中では最強を誇る。
武器は、闘気を腕に集中し、鋼のような強度に変えて殴る打撃。
アイアンフィストと呼ばれているそれは、凍土に潜む殺人セイウチの牙すら一撃でへし折る。
人間がこれを喰らえば、ひとたまりも無いのだ。
果たして、雄叫びを上げるガガンが、アイアンフィストを全力で展開。
決闘相手である男に殴りかかった。
勝負はついた!
三人の少女と、王の妻と、その息子たち『以外』の誰もがそう思った。
しかし、男は横にトコトコ歩き、アイアンフィストを回避していた。
歩いた!
機敏に動くわけでもなく、地面に身を投げ出すわけでもなく。
普通に攻撃から視線を変えて、横にフツーに歩いた!
それだけで、アイアンフィストが空を切る!
怒るガガン。
「モギャオー!!」
咆哮とともに繰り出される、連続攻撃!
今度こそ終わった!
やっぱり、三人の少女と、王の妻と、その息子たち『以外』の誰もがそう思った。
いや、今回はエルフたちも、まだ終わってないなーと思った。
その通りである。
男は今度は床に腰を下ろし、体育座りをしたのである。
彼の頭上を、ガガンの連続攻撃が抜けていく。
これを、男はぼーっと眺めた。
当たらない!
全く攻撃が当たらない。
相手は回避する素振りすら見せず、どこに攻撃が来るのかを正確に予知した上で、舐めきったアクションで攻撃の範囲外に移動するのだ。
どれもこれも、範囲ギリギリにいるので、傍から見ていると当たりそうで当たらない。
「何やってるんだガガン!」
「下だ、下下!」
「拳がデカくなりすぎて見えてないんじゃないのか!」
「ムギャオー!!」
ガガンは吠えた。
外野がうるせえええええ! と思っているが、そんな事を口に出す余裕はない。
彼からすると、必殺の攻撃を放った瞬間、相手が視界から消えるのだ。
決闘相手の男は……このモヤシ野郎は……、ガガンが何かをするたびに死角に移動する。
全く見えなくなる。
ガガンの中に生まれたのは戸惑いだった。
偶然か?
だが、偶然が二度続くとは思えない。
まぐれか?
まぐれで、あんな舐めた動きはしない。
ガガンは慌てて拳を止め、男が座る地面に向けて叩き下ろした。
物に当たったガガンのアイアンフィストは、そこから衝撃波を放つ。
これは回避するとか、そういうことができる攻撃ではない。
決める!!
ガガンは強く意識し、地面を殴った。
当然のように男は尻だけで移動し、拳は当たらなかった。
尻移動が異常に速くてキモいなー、とガガンは思ったが、そんな事を口に出す余裕はない。
生まれた衝撃波が、男を打ち据える!
これで、相手は吹っ飛ばされて態勢を崩すはず……。
普通の相手ならば、だ。
男は衝撃波の勢いに乗り、そのまま上空にふわっと浮いた。
体育座りの姿勢から、座禅の態勢に変わっている。
そして衝撃波に任せて、空中でくるくる回った。
楽しそうである。
「バカな!?」
ガガンは思わず叫んでいた。
必殺の攻撃がどれも当たらないどころか、不可避の広範囲攻撃ですらもこの男には通じないのか!
いや、衝撃波に乗ってふわっと浮かぶなんて、初めて見たけれど!
「だが、空中なら身動きは取れねえだろう! 死ね! オレのアイアンフィストで……!! ヌウウオオオオオオオ!!」
ガガンは叫んだ。
振りかぶった拳が、今までで最大の闘気を纏う。
拳に収まりきらなかった闘気が溢れ出し、ガガンの拳を輝かせた。
光が渦を巻き、外に向かって広がっていく。
必殺の気合を込めて、ガガンはアイアンフィストを突き出した。
その瞬間である。
男はじーっと、ガガンの拳を見た。
初めて、ガガンのことをよく見た。
若きバーバリアンの戦士は、一瞬、背筋が凍った心地になる。
その感覚は何か。
理解する暇などない。
だが、ガガンはこの感覚に気付けただけ、非凡であった。
男の手が伸び、ガガンの拳から放たれる闘気に触れる。
実体が無いはずの闘気が、男の手に撫でられてその方向を変えた。
外に放出されるはずだったそれが、ガガンに向けて戻ってくる。
アイアンフィストを取り巻く闘気の流れが変わる。
放出ではなく、螺旋に。
螺旋が、拳へと逆流を開始する。
「ウ、ウグワーッ!?」
アイアンフィストが止まった。
逆流する闘気に押し留められて、そこから一歩も進めない。
戻すこともできない。
ガガンの腕が、闘気の逆流によって膨れ上がっていく。
「こ、これは……これは……!」
眼の前に、あの男がいる。
既に地面に降り立ち、視線はガガンを見ていた。
彼は「あー、終わった終わった。すまんな、四手になっちまった」と呟きながら、ガガンの腕をぞんざいに叩いた。
すると、ガガンの腕が破裂した。
闘気が撒き散らされ、衝撃波が生まれ、決闘場に吹き荒れる。
「ウグワー!?」
「な、何が起きウグワー!?」
「まるで嵐ウグワー!?」
バーバリアンたちは理解ができない。
ガガンは己の腕が破裂した勢いで吹っ飛ばされながら、男を見た。
その男が立っている場所だけ、闘気の嵐も衝撃波も発生していないのだ。
いや、そここそが、この状況の中心点。
嵐の中央の、凪だった。
それを完璧に理解し、コントロールしきり、男はただ一度ガガンに触れるだけで、若きバーバリアンの戦士を完膚なきまでに粉砕したのである。
「ば、化け物か!! ウグワーッ!!」
ガガンの意識は遠ざかっていったのだった。
「おーい、ルミイ! 回復の魔法使ってやって。これならまだ治るでしょ」
「はいはーい」
0
お気に入りに追加
671
あなたにおすすめの小説
「スキル:くさい息で敵ごと全滅するところだった!」と追放された俺は理解ある女騎士と出会って真の力に覚醒する~ラーニング能力で楽々冒険ライフ~
あけちともあき
ファンタジー
初級冒険者ドルマには特技があった。
それは、巻き込まれたもの全てを昏倒させるくっさいくっさい息、バッドステータスブレス。
かつてモンスターにやられた時に身に着けたこれが、彼の唯一にして最大の技だった。
彼はともに村を出た仲間たちとともに冒険者となり、依頼でピンチに陥る。
そこで放たれたバッドステータスブレスは、凄まじい威力を発揮する。
モンスターは全滅!
仲間も全滅!
ということで、どうにか生きていた仲間たちから、くさい息は追放ですわーっ!!と追放されてしまう。
失意のドルマは、大騎士を目指す風変わりな少女エリカと出会う。
騎士は強いのでくさい息も我慢できると、エリカはドルマを仲間にする。
新の仲間を得たドルマは、数々の冒険の中、己の力を自覚した。
それは受けた敵の技をラーニングする、伝説の職業青魔道士。
敵が強ければ強いほどドルマも強くなる。
どんな危機でも、エリカの笑顔があれば頑張れる。
今ここに幕開く、ドルマの充実冒険ライフ!
……は、傍からは新たなる英雄の道行にしか見えなかったりするのだ。
異世界サバイバルセットでダンジョン無双。精霊樹復活に貢献します。
karashima_s
ファンタジー
地球にダンジョンが出来て10年。
その当時は、世界中が混乱したけれど、今ではすでに日常となっていたりする。
ダンジョンに巣くう魔物は、ダンジョン外にでる事はなく、浅い階層であれば、魔物を倒すと、魔石を手に入れる事が出来、その魔石は再生可能エネルギーとして利用できる事が解ると、各国は、こぞってダンジョン探索を行うようになった。
ダンジョンでは魔石だけでなく、傷や病気を癒す貴重なアイテム等をドロップしたり、また、稀に宝箱と呼ばれる箱から、後発的に付与できる様々な魔法やスキルを覚える事が出来る魔法書やスキルオーブと呼ばれる物等も手に入ったりする。
当時は、危険だとして制限されていたダンジョン探索も、今では門戸も広がり、適正があると判断された者は、ある程度の教習を受けた後、試験に合格すると認定を与えられ、探索者(シーカー)として認められるようになっていた。
運転免許のように、学校や教習所ができ、人気の職業の一つになっていたりするのだ。
新田 蓮(あらた れん)もその一人である。
高校を出て、別にやりたい事もなく、他人との関わりが嫌いだった事で会社勤めもきつそうだと判断、高校在学中からシーカー免許教習所に通い、卒業と同時にシーカーデビューをする。そして、浅い階層で、低級モンスターを狩って、安全第一で日々の糧を細々得ては、その収入で気楽に生きる生活を送っていた。
そんなある日、ダンジョン内でスキルオーブをゲットする。手に入れたオーブは『XXXサバイバルセット』。
ほんの0.00001パーセントの確実でユニークスキルがドロップする事がある。今回、それだったら、数億の価値だ。それを売り払えば、悠々自適に生きて行けるんじゃねぇー?と大喜びした蓮だったが、なんと難儀な連中に見られて絡まれてしまった。
必死で逃げる算段を考えていた時、爆音と共に、大きな揺れが襲ってきて、足元が崩れて。
落ちた。
落ちる!と思ったとたん、思わず、持っていたオーブを強く握ってしまったのだ。
落ちながら、蓮の頭の中に声が響く。
「XXXサバイバルセットが使用されました…。」
そして落ちた所が…。
外れスキル「両替」が使えないとスラムに追い出された俺が、異世界召喚少女とボーイミーツガールして世界を広げながら強くなる話
あけちともあき
ファンタジー
「あたしの能力は運命の女。関わった者に世界を変えられる運命と宿命を授けるの」
能力者養成孤児院から、両替スキルはダメだと追い出され、スラム暮らしをする少年ウーサー。
冴えない彼の元に、異世界召喚された少女ミスティが現れる。
彼女は追っ手に追われており、彼女を助けたウーサーはミスティと行動をともにすることになる。
ミスティを巡って巻き起こる騒動、事件、戦争。
彼女は深く関わった人間に、世界の運命を変えるほどの力を与えると言われている能力者だったのだ。
それはそれとして、ウーサーとミスティの楽しい日常。
近づく心の距離と、スラムでは知れなかった世の中の姿と仕組み。
楽しい毎日の中、ミスティの助けを受けて成長を始めるウーサーの両替スキル。
やがて超絶強くなるが、今はミスティを守りながら、日々を楽しく過ごすことが最も大事なのだ。
いつか、運命も宿命もぶっ飛ばせるようになる。
そういう前向きな物語。
バイトで冒険者始めたら最強だったっていう話
紅赤
ファンタジー
ここは、地球とはまた別の世界――
田舎町の実家で働きもせずニートをしていたタロー。
暢気に暮らしていたタローであったが、ある日両親から家を追い出されてしまう。
仕方なく。本当に仕方なく、当てもなく歩を進めて辿り着いたのは冒険者の集う街<タイタン>
「冒険者って何の仕事だ?」とよくわからないまま、彼はバイトで冒険者を始めることに。
最初は田舎者だと他の冒険者にバカにされるが、気にせずテキトーに依頼を受けるタロー。
しかし、その依頼は難度Aの高ランククエストであることが判明。
ギルドマスターのドラムスは急いで救出チームを編成し、タローを助けに向かおうと――
――する前に、タローは何事もなく帰ってくるのであった。
しかもその姿は、
血まみれ。
右手には討伐したモンスターの首。
左手にはモンスターのドロップアイテム。
そしてスルメをかじりながら、背中にお爺さんを担いでいた。
「いや、情報量多すぎだろぉがあ゛ぁ!!」
ドラムスの叫びが響く中で、タローの意外な才能が発揮された瞬間だった。
タローの冒険者としての摩訶不思議な人生はこうして幕を開けたのである。
――これは、バイトで冒険者を始めたら最強だった。という話――
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる
静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】
【複数サイトでランキング入り】
追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語
主人公フライ。
仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。
フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。
外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。
しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。
そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。
「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」
最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。
仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。
そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。
そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。
一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。
イラスト 卯月凪沙様より
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる