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私の最終決戦?編

第478話 エンジョイダンジョン攻略!?伝説

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 ジーヤが日本で撃破されてから、まあ大規模なダンジョン化は起こらないだろうみたいな話をメディアが頻繁にしてたみたいです。
 で、それを信じた人たちがお気楽に過ごしてたら、大規模なダンジョン化が発生したと。

 それがこの流れるプールのあるリゾートですねー。

「迷宮省でも注意はしたらしいんだけど、もう電波に乗っちゃった後だったって」

「はえ~、裏付けのない希望的観測~」

「はづきっちはちょこちょこ難しい物言いするよねえ」

※『はづきっちはラノベで語彙を仕入れてるからな』『ちょっと小難しい物言いが身につくんだよな』

「う、うるちゃーい!」

 ユーシャちゃんと二人で流れるプールダンジョンに入る。
 イノシカチョウの三人が先行していて、配信しながらダンジョンを紹介しているみたい。

 三人の水着姿もあるから、コメント欄は大盛りあがりだ。
 で、流れるプールダンジョンは……。
 
 ぐねぐねうねる超巨大化したプールが、本当にダンジョン型に変化しているのだ。
 プールの水が壁や床や天井になってるわけね。

 近寄って触ってみたら、ひんやりぶよぶよしてる。

「これを破壊してしまってもいいわけですがー。中に沢山の人が巻き込まれてるみたいなので、助けながら攻略していく方向性で行きます!」

 私は独自ルートを行ってもいいんだけど、ここは攻略をイノシカチョウに任せつつ、外から解説しつつ援護ということに。

 まずはもみじちゃん。
 あっという間にダンジョンをパンで侵食し始めたので、こりゃあすぐにダンジョン無くなっちゃうぞと私は気付いた。

「一瞬でダンジョンなんかパン屋にしますよー」

 むふーっと鼻息も荒いもみじちゃん。
 コメント欄で、もみちゃんやっちまえー!と大歓声。

「だが待って欲しい。流れるプールがパン屋になったら、プール目当てのお客さんが困るのではなかろうか」

 私は疑問を呈した。
 ハッとするもみじちゃん。

「そうだった……! じゃあ、パン屋は今回封印で……。パンのボートで行きます!」

 出現したのは、コッペパンをくり抜いたボート。
 もみじちゃんが具材みたいにここに乗り込み、バゲットのオールで漕いで行く。

 ダンジョンはぶにぶにになってても、もとはプールの水。
 船とオールがあると、浮かべて漕いで行けるみたいですねえ。

「もみじちゃん、調子はいかがですかー」

「えっと、思ったより広くってー。ほんとにダンジョンだなーって感じです! あっ、モンスター!」

 水底から、半魚人みたいなモンスターが浮かび上がってきた。
 もみじちゃんはすぐさま、たくさんのピザ風パンを呼び出して半魚人にぶつける。

『もがー!』『もががーっ!!』

 ピザはとろ~りチーズとソーセージ、それにペパロニやピーマンが乗っており、具沢山!

「この場合、具沢山はどういう意味が? 打撃が重くなる?」

※『ピザが回転しながら具材を撃ち出して戦ってる!』『ピザ型ドローン……いや、ドローン型ピザだ!!』

 もみじちゃん、新しい流れを早くも取り込んでパワーアップを……!!

 なお、もみじちゃんを狙って後ろから大きなタコみたいなのが出現しようとしてたので、私はバーチャルゴボウを使ってAフォン越しにもみじちゃんの配信に介入。
 ぺちっと引っ叩いて撃破しておいたのだった。

※『もみちゃんのAフォンからはづきっちのゴボウが伸びてきた!』『あの人こんなこともできるのか!?』『ムーブの一つ一つが特異なんよw』

「せんぱーい、ありがとうございまーす! それじゃあぐんぐん進みながら、遭難してる人を発見していくよ!」

 もみじちゃんが、えっほ、えっほ、と掛け声を上げながらオールで漕ぐ。
 なお、このパンのボートは自動推進らしくて、漕ぐ必要はない模様。

 だけど水着のかわいいもみじちゃんが、汗をかきながらオールを使っている様子はリスナーさんに大好評ですねえ。

 これぞ配信者のサービスというもの。
 おっ、第一遭難者発見。
 新しく作られたパンのボートに、その人は載せられた。

 あ、遭難者をどんどん回収して、引き連れながら攻略する方針なんですねえ。

 では今度は別のところを映し出して……。

 私はダンジョンの上を走りながら、Aフォンでイノシカチョウの居場所を検索した。
 いたいた、はぎゅうちゃん!

 腕のついたイッカククジラのモンスターと格闘してますねー。
 あれ?
 はぎゅうちゃん巨大化してない?
 肌も赤く染まって、なんかバーサーカーモード的な。

※『ご存じないのですか!? あれこそはぎゅたんの新モード、はぎゅラース!』

「はぎゅラース!! 私がご存知されてしまった」

 いやあ、みんな凄いところまで来たなあ、と感心する私。
 なお、はぎゅうちゃんはイッカククジラを持ち上げ、水面に叩きつけた。
 なんかコンクリートみたいな材質に変化した水面が粉砕されて、イッカククジラが『ウグワーッ』とか叫んでる。

 で、この周りには遭難者らしき浮き輪の人やボートの人がたくさん。

「ウワーッ」「お助けーっ」

 頑張って耐えて下さい!
 水面を固くしたお陰で、衝撃波はあるけど波はあまり起きてないから。

「ムギャオー!!」

『も、もがー!』

 おっ、はぎゅうちゃん優勢ですねえ。
 そして巨大化したことで迫力満点になった水着がなかなかけしからん感じです。

※『いや、怪獣大決戦が凄すぎて興奮している状況ではない』おこのみ『俺、巨女でもいけます!!』

 おこのみ~!!
 こっちはこっちで一般の人たちが心配ではある……。

『ほいほい、じゃあこちらは私担当ということで……』

「あっ、任せたベルっち~!」

 持つべきものは分身の魔王だなあ!
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