上 下
450 / 517
初夏な私の下準備編

第451話 息抜きコラボ?ダンジョン攻略伝説

しおりを挟む
「こんばすたー! 南くろすです!」

「こんきらー。きら星はづきです~」

「ということでですね、今日ははづきちゃんをゲストにお迎えして一緒に歌ったりゲームしていこうという雑談枠でして」

 南くろすさんとコラボしておりまーす!
 息抜きは大事ですよね。
 息抜きコラボ。

 南くろすさんは私の学校のOGであり、この間教育実習生で来た人でもあり、そして私のロケット関連の頼れる相談役でもある。

 中の人は知的な感じのお姉さんなんだけど、南くろすさんになると、ギャラクシーな感じの銀色の髪色をした宇宙っぽい美少女になる。
 なので本日は私も宇宙服アバターでですね……。

※『超豪華ゲスト!』『歌ったりゲームをする雑談枠!?』『カオスだ』

「宇宙の始まりはそもそもカオスであったガスの中から星々が生まれたものですからね。さもありなん。えー、ではオープニングの歌は……」

「あひー、こ、このイントロは私の歌……」

「あっ、打ち合わせしてませんでしたっけ!!」

「来ていきなり配信始まりましたよー」

「すみませんすみません、最近私も配信忙しくて頭がプーに」

 南さんも大忙しらしい!
 それはそれとして、バリバリユニゾンして私の一曲目の歌を一緒に歌ったのだ。
 うーん、南さんも上手い。

 その後、エアホッケーのゲームで対決。
 互角の勝負……!!

 どっちも下手っぴなので、お互いが自殺点を決めまくってマッチポイントまで行ったのだ。

※『一進一退の下手っぷり!!』『はづきっちがゲーム苦手なのガチだったか!』『純粋に運が関わるゲームだと無敵だけどなw』

 結局ギリギリで南さんが勝利し、わあわあと盛り上がったのだった。
 そしてここからまったり雑談。

「実は配信者が宇宙で活動するという計画はどんどん進んでいて、はづきさんで得られたデータがフィードバックされているんですよ」

「な、なんだってー」

 いや知ってました。
 アバターを被ることで配信中は、より安全な状態で宇宙に上がることができる。
 これ、アバターが強力な防護服になり、訓練の浅い配信者が纏っても対Gとか対放射線と言った役割を果たせるのだ。

 ただまあ、やっぱり宇宙が危険なことは変わらないので。
 財力があり、きちんと訓練するモチベーションがあり、さらに身体的に鍛えてて危険OKの人だけが宇宙配信を予定しているという感じ。

 早ければ今年の夏には宇宙での配信が始まるんだそうだ。

 危険なこともたくさんだけど、宇宙はなかなか刺激的なので体験できる人ならやって欲しいですね!
 大魔将戦もエキサイティングでしたし。

「私は最近ですね、あまりダンジョン配信少なめなのも良くないなと」

「はづきちゃん、ちょっとダンジョン少なめになっていますもんね」

「ですです。ということで、これからはバンバンダンジョン配信に挑戦してみようかなと」

 そういう話をして、今回のコラボは終わったのだった。
 その後、二人でご飯を食べに行ったりした。

 駅前商店街のちょっといいお店とかにですね。
 こういうところは大体個室が設けてあるから、本当に便利。
 秘密の話ができちゃうからね。

 そこで南さんと、個人配信者はいかに配信以外も使ってマネタイズしていくのか、みたいな話をしたりしたのだ。
 私はずーっと兄任せだから、そこら辺は疎いなあ。
 個人勢さすが……。

 そう言えばスパイスちゃんはコラボしたゲーミングPC出してたし、そのPCも普通に三十万近くしたもんなあ。

「まあ、はづきちゃんがコラボしてる案件一つ一つがとんでもない額だと思うけど……」

「えっ、そうなんですか!?」

 そうだったらしい。
 なんということでしょう。

 楽しいお喋りの最中、お店がドシン、と揺れた気がした。
 なんだなんだ?
 地震かな……?

 個室の外がわあわあと騒がしくなる。

 扉がノックされ、慌てた様子の店員さんが現れた。

「お、お客様! 当店がダンジョン化……はやく、避難をウグワーッ」

 ぼぼぼぼーっと灰色のスライムみたいな波が起きて、店員さんを押し流した。

「え、ええーっ!? なんでいきなり!? ダンジョンって、ええーっ!!」

 南さんが慌てている!
 ここは安心していただかないと。

「大丈夫、私がいるんで。えー、では突発配信をするんで南さんもアバターを被ってください……。あ、冒険配信者ではないからAフォンがない?」

 彼女の場合、PCのカメラを通してアバター化する擬似的なタイプだった!
 でも、そこはお任せ。

「ベルっちお願い!」

『オッケー。魔王変身、Aフォンの術~!』

 出てきたベルっちがノリノリでむにゃむにゃ呪文を唱えたら、Aフォンが二つになった。
 これは、私のAフォンをベルっちの魔力で複製したやつね。

 その場にある最も優れたものに、準ずるくらいのものを作り上げる。
嫉妬の大罪の能力みたい。
 ベルっちが維持しないといけないから、実用性は本来薄いんだけど。
 あ、そうそう。ベルっちは今まで食らってきた大罪の権能が使えるっぽいです。最近知った。

「じゃあ一緒に変身しちゃおう、南さん!」

「わっ、私は一般人なので戦闘力とかまーったく無いんですけど!」

「アバター被ってたほうが安全なので。じゃあバーチャライズ!」

「ば、バーチャライズっ!」

 二人で変身しての、配信開始なのだ。

「こんきらー!」

「こ、こんばすたー! ダンジョンに巻き込まれちゃいましたーっ!!」

しおりを挟む
感想 189

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった

白藍まこと
恋愛
 主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。  クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。  明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。  しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。  そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。  三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。 ※他サイトでも掲載中です。

幼馴染と話し合って恋人になってみた→夫婦になってみた

久野真一
青春
 最近の俺はちょっとした悩みを抱えている。クラスメート曰く、  幼馴染である百合(ゆり)と仲が良すぎるせいで付き合ってるか気になるらしい。  堀川百合(ほりかわゆり)。美人で成績優秀、運動完璧だけど朝が弱くてゲーム好きな天才肌の女の子。  猫みたいに気まぐれだけど優しい一面もあるそんな女の子。  百合とはゲームや面白いことが好きなところが馬が合って仲の良い関係を続けている。    そんな百合は今年は隣のクラス。俺と付き合ってるのかよく勘ぐられるらしい。  男女が仲良くしてるからすぐ付き合ってるだの何だの勘ぐってくるのは困る。  とはいえ。百合は異性としても魅力的なわけで付き合ってみたいという気持ちもある。  そんなことを悩んでいたある日の下校途中。百合から 「修二は私と恋人になりたい?」  なんて聞かれた。考えた末の言葉らしい。  百合としても満更じゃないのなら恋人になるのを躊躇する理由もない。 「なれたらいいと思ってる」    少し曖昧な返事とともに恋人になった俺たち。  食べさせあいをしたり、キスやその先もしてみたり。  恋人になった後は今までよりもっと楽しい毎日。  そんな俺達は大学に入る時に籍を入れて学生夫婦としての生活も開始。  夜一緒に寝たり、一緒に大学の講義を受けたり、新婚旅行に行ったりと  新婚生活も満喫中。  これは俺と百合が恋人としてイチャイチャしたり、  新婚生活を楽しんだりする、甘くてほのぼのとする日常のお話。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

社畜探索者〜紅蓮の王と異界迷宮と配信者〜

代永 並木
ファンタジー
井坂蓮二、23歳 日々サービス残業を繰り返し連続出勤更新し続け精神が疲弊しても働き続ける社畜 ふと残業帰りにダンジョンと呼ばれる物を見つけた ダンジョンとは10年ほど前に突如現れた謎の迷宮、魔物と呼ばれる存在が闊歩する危険なダンジョンの内部には科学では再現不可能とされるアイテムが眠っている ダンジョンが現れた影響で人々の中に異能と呼ばれる力を得た者が現れた 夢か金か、探索者と呼ばれる人々が日々ダンジョンに挑んでいる 社畜の蓮二には関係の無い話であったが疲れ果てた蓮二は何をとち狂ったのか市販の剣(10万)を持ってダンジョンに潜り己の異能を解放する それも3等級と呼ばれる探索者の最高峰が挑む高難易度のダンジョンに 偶然危機に瀕していた探索系配信者竜胆天音を助け社畜の傍ら配信の手伝いをする事に 配信者や異能者に出会いながら探索者として活躍していく 現2章

処理中です...