375 / 517
打ち上げ! 私のロケット編
第376話 打ち上げ体験をしよう!伝説
しおりを挟む
「えっ!? 冬休み中に打ち上げ体験を!?」
『そうそう!』
ケイトさんからザッコで連絡が届いたのだった。
バーチャル空間で、体感とかを現実にかなり近づけた打ち上げ体験ができるんだとか。
今は安全性をある程度確保しないと、打ち上げはゴーサイン出ないので、私にもきちんと体験しておいてもらおうということらしかった。
なるほどなあ、大変ですねえ。
『あと、うちのパパとの配信見ました。はづきちゃんがパパのママなら、私のグランマってことになるのかな? グランマは別でまだ元気にいるんだけど』
おっと、ケイトさんはおばあちゃんを三人持っている人なんだった!
スレイヤーVさんちは奥さん二人いるからねえ。
『そういうわけで、バーチャル空間のこのロビーで会いましょう。座標を送ります』
「はいはーい」
コンピューター関連はまあまあ強い私。
送られてきた座標情報をAフォンに登録した。
「リーダーは新年からずっとバーチャルにいるわねえ」
「なんかねー。前はバーチャルなんかこりごりだーって言ってたのにねえ」
「縁みたいなものかも知れないな。はづきの動きは私も予測ができないから」
今日は珍しく家に揃っている、ビクトリアとカナンさん。
二人に見送られつつ、私はバーチャル空間へ!
まあ、バーチャルヘルメット被って布団に寝転がるだけなんですが。
さて、到着しました621ロビー。
『あっ、また当たり前みたいな顔してはづきっちが歩いてる!』『疑似のアバターじゃなく?』『本物な気がする……』
なんかまた注目されてるな。
だけど、お正月三が日が終わった後なので、流石に人の数も減ってる。
話しかけられたりして足止めを食らう前に突破だ!
私は小走りで移動した。
『あの小走り、はづきっちだ!』『は、速い!! 追いつけない!!』『あれが噂の物理法則を無視した小走り!!』
無視してはないと思うなあ!
とりあえず他の人達を振り切って、総合ロビーへ。
ついでに上にアバターを被った。私よりもちょっとリア充っぽいアバターだ。
メイクをバリバリに決めて、きらきらの☆付きネイルをつけた、サイドアップのパンクなギャル!
これはですねー、私のアバターのバリエーションとして考えてたんですけど、なんかリア充オーラが強くて拒絶反応が出たので放置してたら、ベルっちが勝手に完成させてたやつ。
上に被ると姿が見えないからセーフだな……。
あっ、か、鏡が!
「ウグワー」
私は鏡に映されると正体を表す妖怪みたいな悲鳴をあげて、慌てて距離を取る。
危ない危ない……。
『やっぱりここは鏡を遮る存在が必要でしょ。私も出よう』
「ベルっち!」
ベルっちは、ビクトリア用に用意していた白ゴスのアバター。
顔は汎用のモブのを使用!
よし、これでギャルと白ゴスのコンビだ。
まさかきら星はづきコンビとは思うまい。
だけど会話をしたら、魂に刻まれた陰の者オーラが出るかも知れないので、無言移動をしたのだった。
指定された座標に到着。
そこは、たくさんの貸しスペースがあるバーチャル駐車場みたいなところだ。
ここでパスコードを送信して、本人確認して。
そうしたら、眼の前にエレベーターみたいなのが出てきた。
ベルっちと二人で乗り込む。
扉が閉じて、移動を開始した。
ここで私達は変装を解いたのだった。
「ふいーっ!! 全然バレなかったねえ」
『うんうん、やはり私達は陰とかセンシティブなイメージがあるのかも知れない。陽のパワーを纏ったら完璧な偽装になるね』
「鏡の存在だけは計算外だったけど。あれってちょっとフクザツな演算必要じゃなかったっけ? 趣味で置いてるのかなあ」
『はづきみたいな存在をあぶり出すため?』
「あひー! 退魔の鏡だ!!」
一人でわちゃわちゃ盛り上がりながら、私達は目的地に到着した。
エレベーターの扉が開くと、そこはだだっ広い草原。
中央に、ドドーンと大きなロケットがそびえ立っている。
『グランマー!』
ケイトさんが駆け寄ってきた。
あなた、私より二個上ですよね!?
年上からママとかグランマと呼ばれてしまう女子高生!
ちなみに、ケイトさんはとても優秀な人で、飛び級でもう大学は卒業。
今は大学院みたいな感じで、アメリカの大学の研究室でバンバン論文も書いたりしてるらしい。
専門はまさに、配信とアバター関連。
お父さんであるスレイヤーVさんの影響だなあ。
それはそうと。
「グランマではありません」
『パパのママなんだからグランマみたいなものじゃない? 四人目のグランマ』
『すごく押しが強い』
ベルっちもたじたじだ。
おっと、ここで私はベルっちに帰還のお願いをした。
空腹時の栄養補給のためです。
『じゃあ私はこれでー。はづき、後で体験共有よろしくねー』
彼女が消えた。
これを見ていたケイトさんが、
『本当にはづきちゃんは二人になったり一人になったりするの? 体験共有って一つになると記憶が統合されるってこと?』
研究者らしく色々聞いてくるなあ。
専門分野では無いと思うんですが!
その後、アメリカのスタッフと日本のスタッフがわーっとやって来て、私と片っ端から握手した。
「こ、こんきらこんきら」
『コンキラー! I'm happy to meet you!!』『本物のはづきっちだ! あなたを打ち上げられることを光栄に思います!』
もうね、お正月のあけおめと同じくらい挨拶した。
それくらいたくさんのスタッフがいて、私の打ち上げ体験に協力してくれるのだ。
代表らしきおじさんが、
『我々の技術の粋を結集し、必ずあなたを無事に宇宙まで送り届けますし、必ずあなたを地球へ帰還させます!』
力強いお約束をしてくれるのだった!
カッコイー!
私こういうシチュエーション大好き!
打ち上げられるのが私じゃなければな!
『そうそう!』
ケイトさんからザッコで連絡が届いたのだった。
バーチャル空間で、体感とかを現実にかなり近づけた打ち上げ体験ができるんだとか。
今は安全性をある程度確保しないと、打ち上げはゴーサイン出ないので、私にもきちんと体験しておいてもらおうということらしかった。
なるほどなあ、大変ですねえ。
『あと、うちのパパとの配信見ました。はづきちゃんがパパのママなら、私のグランマってことになるのかな? グランマは別でまだ元気にいるんだけど』
おっと、ケイトさんはおばあちゃんを三人持っている人なんだった!
スレイヤーVさんちは奥さん二人いるからねえ。
『そういうわけで、バーチャル空間のこのロビーで会いましょう。座標を送ります』
「はいはーい」
コンピューター関連はまあまあ強い私。
送られてきた座標情報をAフォンに登録した。
「リーダーは新年からずっとバーチャルにいるわねえ」
「なんかねー。前はバーチャルなんかこりごりだーって言ってたのにねえ」
「縁みたいなものかも知れないな。はづきの動きは私も予測ができないから」
今日は珍しく家に揃っている、ビクトリアとカナンさん。
二人に見送られつつ、私はバーチャル空間へ!
まあ、バーチャルヘルメット被って布団に寝転がるだけなんですが。
さて、到着しました621ロビー。
『あっ、また当たり前みたいな顔してはづきっちが歩いてる!』『疑似のアバターじゃなく?』『本物な気がする……』
なんかまた注目されてるな。
だけど、お正月三が日が終わった後なので、流石に人の数も減ってる。
話しかけられたりして足止めを食らう前に突破だ!
私は小走りで移動した。
『あの小走り、はづきっちだ!』『は、速い!! 追いつけない!!』『あれが噂の物理法則を無視した小走り!!』
無視してはないと思うなあ!
とりあえず他の人達を振り切って、総合ロビーへ。
ついでに上にアバターを被った。私よりもちょっとリア充っぽいアバターだ。
メイクをバリバリに決めて、きらきらの☆付きネイルをつけた、サイドアップのパンクなギャル!
これはですねー、私のアバターのバリエーションとして考えてたんですけど、なんかリア充オーラが強くて拒絶反応が出たので放置してたら、ベルっちが勝手に完成させてたやつ。
上に被ると姿が見えないからセーフだな……。
あっ、か、鏡が!
「ウグワー」
私は鏡に映されると正体を表す妖怪みたいな悲鳴をあげて、慌てて距離を取る。
危ない危ない……。
『やっぱりここは鏡を遮る存在が必要でしょ。私も出よう』
「ベルっち!」
ベルっちは、ビクトリア用に用意していた白ゴスのアバター。
顔は汎用のモブのを使用!
よし、これでギャルと白ゴスのコンビだ。
まさかきら星はづきコンビとは思うまい。
だけど会話をしたら、魂に刻まれた陰の者オーラが出るかも知れないので、無言移動をしたのだった。
指定された座標に到着。
そこは、たくさんの貸しスペースがあるバーチャル駐車場みたいなところだ。
ここでパスコードを送信して、本人確認して。
そうしたら、眼の前にエレベーターみたいなのが出てきた。
ベルっちと二人で乗り込む。
扉が閉じて、移動を開始した。
ここで私達は変装を解いたのだった。
「ふいーっ!! 全然バレなかったねえ」
『うんうん、やはり私達は陰とかセンシティブなイメージがあるのかも知れない。陽のパワーを纏ったら完璧な偽装になるね』
「鏡の存在だけは計算外だったけど。あれってちょっとフクザツな演算必要じゃなかったっけ? 趣味で置いてるのかなあ」
『はづきみたいな存在をあぶり出すため?』
「あひー! 退魔の鏡だ!!」
一人でわちゃわちゃ盛り上がりながら、私達は目的地に到着した。
エレベーターの扉が開くと、そこはだだっ広い草原。
中央に、ドドーンと大きなロケットがそびえ立っている。
『グランマー!』
ケイトさんが駆け寄ってきた。
あなた、私より二個上ですよね!?
年上からママとかグランマと呼ばれてしまう女子高生!
ちなみに、ケイトさんはとても優秀な人で、飛び級でもう大学は卒業。
今は大学院みたいな感じで、アメリカの大学の研究室でバンバン論文も書いたりしてるらしい。
専門はまさに、配信とアバター関連。
お父さんであるスレイヤーVさんの影響だなあ。
それはそうと。
「グランマではありません」
『パパのママなんだからグランマみたいなものじゃない? 四人目のグランマ』
『すごく押しが強い』
ベルっちもたじたじだ。
おっと、ここで私はベルっちに帰還のお願いをした。
空腹時の栄養補給のためです。
『じゃあ私はこれでー。はづき、後で体験共有よろしくねー』
彼女が消えた。
これを見ていたケイトさんが、
『本当にはづきちゃんは二人になったり一人になったりするの? 体験共有って一つになると記憶が統合されるってこと?』
研究者らしく色々聞いてくるなあ。
専門分野では無いと思うんですが!
その後、アメリカのスタッフと日本のスタッフがわーっとやって来て、私と片っ端から握手した。
「こ、こんきらこんきら」
『コンキラー! I'm happy to meet you!!』『本物のはづきっちだ! あなたを打ち上げられることを光栄に思います!』
もうね、お正月のあけおめと同じくらい挨拶した。
それくらいたくさんのスタッフがいて、私の打ち上げ体験に協力してくれるのだ。
代表らしきおじさんが、
『我々の技術の粋を結集し、必ずあなたを無事に宇宙まで送り届けますし、必ずあなたを地球へ帰還させます!』
力強いお約束をしてくれるのだった!
カッコイー!
私こういうシチュエーション大好き!
打ち上げられるのが私じゃなければな!
70
お気に入りに追加
246
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
タブレット片手に異世界転移!〜元社畜、ダウンロード→インストールでチート強化しつつ温泉巡り始めます〜
夢・風魔
ファンタジー
一か月の平均残業時間130時間。残業代ゼロ。そんなブラック企業で働いていた葉月悠斗は、巨漢上司が眩暈を起こし倒れた所に居たため圧死した。
不真面目な天使のせいでデスルーラを繰り返すハメになった彼は、輪廻の女神によって1001回目にようやくまともな異世界転移を果たす。
その際、便利アイテムとしてタブレットを貰った。検索機能、収納機能を持ったタブレットで『ダウンロード』『インストール』で徐々に強化されていく悠斗。
彼を「勇者殿」と呼び慕うどうみても美少女な男装エルフと共に、彼は社畜時代に夢見た「温泉巡り」を異世界ですることにした。
異世界の温泉事情もあり、温泉地でいろいろな事件に巻き込まれつつも、彼は社畜時代には無かったポジティブ思考で事件を解決していく!?
*小説家になろうでも公開しております。
【ダン信王】#Aランク第1位の探索者が、ダンジョン配信を始める話
三角形MGS
ファンタジー
ダンジョンが地球上に出現してから五十年。
探索者という職業はようやく世の中へ浸透していった。
そんな中、ダンジョンを攻略するところをライブ配信する、所謂ダンジョン配信なるものがネット上で流行り始める。
ダンジョン配信の人気に火を付けたのは、Sランク探索者あるアンタレス。
世界最強と名高い探索者がダンジョン配信をした甲斐あってか、ネット上ではダンジョン配信ブームが来ていた。
それを知った世界最強が気に食わないAランク探索者のクロ。
彼は世界最強を越えるべく、ダンジョン配信を始めることにするのだった。
※全然フィクション
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる