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年越し私のまったり編
第371話 やっぱり!?新年最初のダンジョン化伝説
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色々な配信者が来てるなー。
神社は広くて、色々な参拝ポイントがあったりする。
なので、配信者の皆さんはグループを組んであちこち回ってるみたい。
アクティビティになってるのね。
「ウグワーッ」
あっ!
配信者の人が空を飛んでいった!
神社で空にぶっ飛ばされることってある?
あるんだなー。
どうやら向こうで、引いたおみくじによって祝福されたり、運が悪いと落とし穴に落とされたりバネで空に打ち上げられたりするところがあるらしい。
面白そう……。
「師匠、振り袖でそんな色物イベントに参加を……!?」
「参加せずにはいられない……」
『私たちだからこそやらなきゃいけないよね』
「先輩の芸人魂~!」
「まあ、はづきちゃんらしいっちゃあ、らしい」
私もベルっちも決意は固いぞ!!
イノシカチョウの三人は、まあ仕方ないよねみたいな顔でついてきた。
「ウグワーッ!!」
あっ、チャラウェイさんが飛んでいく!
コメント欄は大盛りあがりだ。
フォーガイズはこういうお約束でひどい目に遭うのが人気だもんね。
「チャラウェイ、おみくじを引く時に気合を入れないからそうなるんだ。いいか? こうやって気合を込めておみくじをだな」
スレイヤーVさんがおみくじを引いて……。
凶だった。
「あれえーっ!?」
首を傾げながら空に打ち上げられていくスレイヤーV。
すっかりコミカルなキャラも上手くなって……。
私、母のような心境です。
その後、八咫烏さんは落とし穴に落ちて、「ぐわーっ」スパイスちゃんは横から出てきたクッション付きの壁にボイーンと跳ね飛ばされた。
「うわ~っ」
こ、これは……。
外れしか入っていないおみくじなのでは?
「ううん、私中吉だったよ~!」
スパイスちゃんがおみくじを見せてくれた。
「中吉でもふっ飛ばされるの……?」
『これは大吉だとより凄いところにぶっ飛ばされる可能性が』
「あるね」
『二人のパワーを結集して引こう』
「そうしようそうしよう」
※『はづきっちとベルっちのパワーが、今一つに……!?』『そんなパワーの融合みたいな劇的なシーンが、何を引いてもぶっ飛ばされるおみくじを引くためだけってことある?』『はづきっちらしいなあ……』
ほうほう、このおみくじマシーンの横のハンドルを回すとおみくじが?
どーれ。
二人で「いくぞお」『やったるー』とぐりぐり回す。
最後の一回しで「『あちょー!』」と気合を入れた。
そうしたら……。
ピカピカピカっとマシーンが光り輝いた。
そしてニューっとおみくじが吐き出されてくる。
これは……。
大吉!!
「大吉ーっ!!」
『私の運があればこんなもんだよね!』
得意げな私たち。
あれ?
そんな私たちの足場がどんどん沈んでいってません?
そして対面の地面が持ち上がっていく。
これは……。
なんていうか、投石機みたいな……。
※『飛ぶぞ飛ぶぞw!』『お約束過ぎるw!』『いけー!!』『翔べ、はづきっち!!』
「あひー!? そ、そんなばかなー!」『大吉だというのにー!』
私とベルっちは次の瞬間、空に向かって弾き飛ばされたのだった。
もう、今までの配信者で一番高いところまで吹っ飛んだ。
コメント欄は大盛り上がり。
※『はづきっちのやられセリフは健康にいいw』『新年早々いいものを拝めましたわ……』『振り袖着て自らふっ飛ばされに行くの本当にはづきっちだわw』
お喜びいただけて何よりです!
で、大吉は加護がもらえるという話だったけど、確かに何か、私を包み込む光みたいなのが生まれてきていた。
これは何かしら。
あ、運営さんからのメッセージが。
『おめでとうございます! ちょっとだけおめでたい光でピカピカします。今年もよろしくお願いします』
光るだけだった!
『はづき、なんかいる!』
「なんか?」
空に慣れていたベルっちはすぐに平静を取り戻し、周りを見回していたらしい。
そこで発見したのは、バーチャル神社の周辺に集まる人々。
リスナー?
いや、なんか雰囲気が違う。
『バーチャル空間は公共の場だぞー!!』『配信者だけに独占させるなー!』『俺達も入れろー!!』
わあわあ騒いでいる人たちがいる。
あれは何かしら……。
『さあねえ。とりあえず、あの人達がいるところからバーチャル空間のダンジョン化が始まってるみたいだけど……』
「なんですと」
ダンジョンは、人間の負の感情の高まりから生まれたりする。
なので、確かにああいう人たちがいるとできやすくなるよね。
どこから来たのかさっぱり分からないけど……。
この大ダンジョン配信時代でも、配信で有名になったり稼いだりする冒険配信者を「既得権益!」とか「趣味でダンジョン潜ってるくせに稼いでてけしからん!」「配信者は賤業! わきまえろ!」みたいな変な人はいるもので。
どうやらそう言うのが大挙してきたみたい?
『皆さーん! こちらです! こちらが、皆さんが現実社会で上手く行かない理由そのものです! チヤホヤの量には絶対値がありますから、彼らがチヤホヤされると皆さんが苦しくなるんですよー! そう、みんな配信者がわるーい!』
「露骨に先導してる人がいるー!」
『角の生えた女の人でしょ? あれもしかして……地の大魔将の尖兵とかじゃない?』
「ありうるー」
『私たちのイベント中に襲ってきたら、新曲発表のついでで撃退されたから慎重に攻めてきてるのかも』
「人間を使って同士討ち狙い! こわあ」
※『はづきっちがなんかまた凄いのを見つけたぞ……!』『やべえってこれ!』『ツブヤキックスで拡散だ!』『バーチャル神社周辺にダンジョン発生ー!!』『新年のダンジョン攻略始まるぞー!!』
そう、お正月なのにゆっくりさせてもらえない!
ダンジョン配信が始まってしまうのだ!
その前に、私達は一体どこに着地するんでしょう……!
神社は広くて、色々な参拝ポイントがあったりする。
なので、配信者の皆さんはグループを組んであちこち回ってるみたい。
アクティビティになってるのね。
「ウグワーッ」
あっ!
配信者の人が空を飛んでいった!
神社で空にぶっ飛ばされることってある?
あるんだなー。
どうやら向こうで、引いたおみくじによって祝福されたり、運が悪いと落とし穴に落とされたりバネで空に打ち上げられたりするところがあるらしい。
面白そう……。
「師匠、振り袖でそんな色物イベントに参加を……!?」
「参加せずにはいられない……」
『私たちだからこそやらなきゃいけないよね』
「先輩の芸人魂~!」
「まあ、はづきちゃんらしいっちゃあ、らしい」
私もベルっちも決意は固いぞ!!
イノシカチョウの三人は、まあ仕方ないよねみたいな顔でついてきた。
「ウグワーッ!!」
あっ、チャラウェイさんが飛んでいく!
コメント欄は大盛りあがりだ。
フォーガイズはこういうお約束でひどい目に遭うのが人気だもんね。
「チャラウェイ、おみくじを引く時に気合を入れないからそうなるんだ。いいか? こうやって気合を込めておみくじをだな」
スレイヤーVさんがおみくじを引いて……。
凶だった。
「あれえーっ!?」
首を傾げながら空に打ち上げられていくスレイヤーV。
すっかりコミカルなキャラも上手くなって……。
私、母のような心境です。
その後、八咫烏さんは落とし穴に落ちて、「ぐわーっ」スパイスちゃんは横から出てきたクッション付きの壁にボイーンと跳ね飛ばされた。
「うわ~っ」
こ、これは……。
外れしか入っていないおみくじなのでは?
「ううん、私中吉だったよ~!」
スパイスちゃんがおみくじを見せてくれた。
「中吉でもふっ飛ばされるの……?」
『これは大吉だとより凄いところにぶっ飛ばされる可能性が』
「あるね」
『二人のパワーを結集して引こう』
「そうしようそうしよう」
※『はづきっちとベルっちのパワーが、今一つに……!?』『そんなパワーの融合みたいな劇的なシーンが、何を引いてもぶっ飛ばされるおみくじを引くためだけってことある?』『はづきっちらしいなあ……』
ほうほう、このおみくじマシーンの横のハンドルを回すとおみくじが?
どーれ。
二人で「いくぞお」『やったるー』とぐりぐり回す。
最後の一回しで「『あちょー!』」と気合を入れた。
そうしたら……。
ピカピカピカっとマシーンが光り輝いた。
そしてニューっとおみくじが吐き出されてくる。
これは……。
大吉!!
「大吉ーっ!!」
『私の運があればこんなもんだよね!』
得意げな私たち。
あれ?
そんな私たちの足場がどんどん沈んでいってません?
そして対面の地面が持ち上がっていく。
これは……。
なんていうか、投石機みたいな……。
※『飛ぶぞ飛ぶぞw!』『お約束過ぎるw!』『いけー!!』『翔べ、はづきっち!!』
「あひー!? そ、そんなばかなー!」『大吉だというのにー!』
私とベルっちは次の瞬間、空に向かって弾き飛ばされたのだった。
もう、今までの配信者で一番高いところまで吹っ飛んだ。
コメント欄は大盛り上がり。
※『はづきっちのやられセリフは健康にいいw』『新年早々いいものを拝めましたわ……』『振り袖着て自らふっ飛ばされに行くの本当にはづきっちだわw』
お喜びいただけて何よりです!
で、大吉は加護がもらえるという話だったけど、確かに何か、私を包み込む光みたいなのが生まれてきていた。
これは何かしら。
あ、運営さんからのメッセージが。
『おめでとうございます! ちょっとだけおめでたい光でピカピカします。今年もよろしくお願いします』
光るだけだった!
『はづき、なんかいる!』
「なんか?」
空に慣れていたベルっちはすぐに平静を取り戻し、周りを見回していたらしい。
そこで発見したのは、バーチャル神社の周辺に集まる人々。
リスナー?
いや、なんか雰囲気が違う。
『バーチャル空間は公共の場だぞー!!』『配信者だけに独占させるなー!』『俺達も入れろー!!』
わあわあ騒いでいる人たちがいる。
あれは何かしら……。
『さあねえ。とりあえず、あの人達がいるところからバーチャル空間のダンジョン化が始まってるみたいだけど……』
「なんですと」
ダンジョンは、人間の負の感情の高まりから生まれたりする。
なので、確かにああいう人たちがいるとできやすくなるよね。
どこから来たのかさっぱり分からないけど……。
この大ダンジョン配信時代でも、配信で有名になったり稼いだりする冒険配信者を「既得権益!」とか「趣味でダンジョン潜ってるくせに稼いでてけしからん!」「配信者は賤業! わきまえろ!」みたいな変な人はいるもので。
どうやらそう言うのが大挙してきたみたい?
『皆さーん! こちらです! こちらが、皆さんが現実社会で上手く行かない理由そのものです! チヤホヤの量には絶対値がありますから、彼らがチヤホヤされると皆さんが苦しくなるんですよー! そう、みんな配信者がわるーい!』
「露骨に先導してる人がいるー!」
『角の生えた女の人でしょ? あれもしかして……地の大魔将の尖兵とかじゃない?』
「ありうるー」
『私たちのイベント中に襲ってきたら、新曲発表のついでで撃退されたから慎重に攻めてきてるのかも』
「人間を使って同士討ち狙い! こわあ」
※『はづきっちがなんかまた凄いのを見つけたぞ……!』『やべえってこれ!』『ツブヤキックスで拡散だ!』『バーチャル神社周辺にダンジョン発生ー!!』『新年のダンジョン攻略始まるぞー!!』
そう、お正月なのにゆっくりさせてもらえない!
ダンジョン配信が始まってしまうのだ!
その前に、私達は一体どこに着地するんでしょう……!
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