308 / 517
出張!私のイギリス編
第308話 スカーブラ観光……いやいや攻略です伝説
しおりを挟む
やって来ました、スカーブラ!
私はあんまり詳しくないけど、イギリスの有名な観光地なんだそうで。
「というわけでスカーブラなんですけどー」
※『スカボロー・フェア!!』『上陸二日目にしてここか!』『はづきっち今朝何食べたの?』
「イングリッシュ・ブレックファスト!! トーストとバターとソーセージと、目玉焼きとなんか豆を煮た味がないやつが出ましたねー。豆にはテーブルの上の調味料を掛けて味付けて食べるんだそうで。全体的に普通でした!!」
※『はづきっちに普通と言わせるとは……!!』『イングリッシュ料理、恐ろしい子……!!』
「普通だけどお代わりしてたくさん食べました。紅茶は本当に美味しかったですねえ」
※『凍りついた旧市街って感じの街をバックにして朝食の話をしてるの、草なのよ』
「そうでしたそうでした」
私はスカーブラに向き直る。
そこは、なんか風情のあるヨーロッパーって感じの港町なんだけど。
どこもかしこも氷漬けになっている。
風の大魔将は氷を使うタイプの人?
氷属性?
『うむ、そこについてだが、風は吹き付けた対象の温度を奪う……ということで、大魔将は地上においては、凍てつかせる力をも己の権能として取り込んだのだ』
「おおーっ! 解説のバングラッドさんでした!」
※『普通にバングラッドがいるw!!』『いや、機内でも一緒にゲームしてたけどさw』『画面の隅っこにビクトリアもいるぞw』『イカルガの不動のトップとナンバー2、それから人間側に寝返った魔将が揃ってるのか……』
「ほう、配信をしているのか」
※『ルシファーもおる!!』『過剰戦力だろこれw』
そうかも知れない。
ということで配信スタートです。
街に入った私たちめがけて、空から次々に緑色の大きな影が飛び降りてくる。
これはなんですかね?
「ウェンディゴだ。それぞれが小規模な魔将ほどの力を持つ風の大魔将の眷属だぞ。だが、その中では雑魚と言えよう。ミス・ハヅキ。君がドイツ上空で蹴散らした連中がこれだ」
「ほへー」
ルシファーさんの解説を受けて感心する私。
ウェンディゴたちは、目からビームみたいなのを出してくる。
これを、ルシファーさんが纏っていたマントを翻して打ち払っている。
ビクトリアはこれを回避しながら、ラーフのスポンジ弾をポンポン撃っているのだ。
ウェンディゴが『ウグワーッ!』と叫びながら消滅したり、落ちたりしている。
それでも、飛んでいるのはめんどくさいなあ。
「空を飛んでいる敵をどうするかというのは問題ですよねえ皆さん」
※『はづきっちが新しい振りをしてきたぞ……!』『何か隠し玉があるのか!?』『お、おい、後ろでバングラッドが変形してるって!』
「昨日、バングラッド氏が現地協力者から、新しいアバターとしての力を得てきたので、初披露しようかと……」
『合体するぞきら星はづき!』
「あっ、早いです早い! まだタイミングが、あひー」
全身を展開して大きい翼みたいになったバングラッド氏が、私の背中にくっついてきた。
※おこのみ『合体!?!?!?!?!』『合体だと!?』『ガタッ!!』『落ち着けお前ら!!』
センシティブワード!!
それはそれとして、私が反応を考えているうちにバビューンと飛び上がってしまう。
飛行能力高いなー。
集まってきていたウェンディゴの集団に突っ込んだら、触れただけで何体か『ウグワーッ!?』と弾け飛んだ。
※『まるごと弾丸みたいになったぞ!!』『はづきスクランダー!!』『はづきっち、ちょくちょく素手で怨霊をふっ飛ばしてたからな……』『ちゃんと力を込めると、そりゃあ相手は死ぬ』『しかも本物の魔将のバフが掛かってるのよ』『やべえよやべえよ……』
イギリスにいた、バングラッド氏のゲーム友達。
この人が優秀なアバターデザイナーで、今の時代のアバターって現実に影響を与える能力があるのでですね、こういう感じになってます。
バングラッド氏が獲得したのは、新しい変形能力だった。
お陰でなんか飛べるんですが、まあ、私の意志で飛ばないので。
『こっちに行くぞ!』
「はえー、武器の召喚が間に合わないんですけど」
『ぶっつけ本番だったからな! お主は黙ってぶつけられる武器になっておればいい!』
「なるほど、それは楽~。じゃあお前ら、雑談をですね。結構美味しかったんですよフィッシュ&チップス。揚げたてをむしゃむしゃーっと!」
『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』
『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』
『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』
『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』
※『当たり前みたいな顔で雑談しながら自分を弾丸にして敵を殲滅しとるw』『舐めプが過ぎるだろ……w!!』『フィッシュ&チップス美味しかったかあ』『よかったねえ^^』
「ほう、やるではないか、ミス・ハヅキ。ではやるか」
視界の端で、ルシファーさんも空に浮かび上がってますねえ。
あの人、自前で飛べるのかー。
周りに来たウェンディゴが、ルシファーさんのオーラみたいなのが実体化したやつに引き裂かれてるんだけど。
あれはグリフォンかな?
さらにルシファーさんの周りに出てきたちっちゃいグリフォンみたいなのが、縦横無尽に飛び回ってウェンディゴを貫いていく。
「力を見るつもりだったが、あの女、何もしないままこの空を制圧するつもりか。ここであれに任せていては傲慢の名折れよ!」
「ルシファーさん、なんか空を歩きながら手近なウェンディゴの頭を掴んで『消えるが良い下郎』とか言って消滅させたりしてるなあ。私もですね、マネをしてみようかと。ひょいっと」
※『はづきっちのルシファーモノマネでイケボが出たw』『あっ、はづきっちがウェンディゴを素手でつまんだ!!』『背中の皮の辺りをつまんでるw!!』『つまんだまま振り回してるぞ!』『ウェンディゴが鈍器代わりにー!!』
「あっ、ここから古いお城が見えますね! 凍りついてたのがどんどん融けていっているみたいです。綺麗ですねー」
『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』
※『敵の断末魔をBGMに観光解説してるのよw』『新しいスタイルの配信だなあ……』『あっ、ダンジョン化解けた』
ウェンディゴ、全滅したようですねえ……!!
儚い。
後でビクトリアから、「私がリーダーとバングラッドさんの上に立って戦うのはどうかしら」
「私を踏み台に!?」
新しいシナジー、生まれてしまうな……!
私はあんまり詳しくないけど、イギリスの有名な観光地なんだそうで。
「というわけでスカーブラなんですけどー」
※『スカボロー・フェア!!』『上陸二日目にしてここか!』『はづきっち今朝何食べたの?』
「イングリッシュ・ブレックファスト!! トーストとバターとソーセージと、目玉焼きとなんか豆を煮た味がないやつが出ましたねー。豆にはテーブルの上の調味料を掛けて味付けて食べるんだそうで。全体的に普通でした!!」
※『はづきっちに普通と言わせるとは……!!』『イングリッシュ料理、恐ろしい子……!!』
「普通だけどお代わりしてたくさん食べました。紅茶は本当に美味しかったですねえ」
※『凍りついた旧市街って感じの街をバックにして朝食の話をしてるの、草なのよ』
「そうでしたそうでした」
私はスカーブラに向き直る。
そこは、なんか風情のあるヨーロッパーって感じの港町なんだけど。
どこもかしこも氷漬けになっている。
風の大魔将は氷を使うタイプの人?
氷属性?
『うむ、そこについてだが、風は吹き付けた対象の温度を奪う……ということで、大魔将は地上においては、凍てつかせる力をも己の権能として取り込んだのだ』
「おおーっ! 解説のバングラッドさんでした!」
※『普通にバングラッドがいるw!!』『いや、機内でも一緒にゲームしてたけどさw』『画面の隅っこにビクトリアもいるぞw』『イカルガの不動のトップとナンバー2、それから人間側に寝返った魔将が揃ってるのか……』
「ほう、配信をしているのか」
※『ルシファーもおる!!』『過剰戦力だろこれw』
そうかも知れない。
ということで配信スタートです。
街に入った私たちめがけて、空から次々に緑色の大きな影が飛び降りてくる。
これはなんですかね?
「ウェンディゴだ。それぞれが小規模な魔将ほどの力を持つ風の大魔将の眷属だぞ。だが、その中では雑魚と言えよう。ミス・ハヅキ。君がドイツ上空で蹴散らした連中がこれだ」
「ほへー」
ルシファーさんの解説を受けて感心する私。
ウェンディゴたちは、目からビームみたいなのを出してくる。
これを、ルシファーさんが纏っていたマントを翻して打ち払っている。
ビクトリアはこれを回避しながら、ラーフのスポンジ弾をポンポン撃っているのだ。
ウェンディゴが『ウグワーッ!』と叫びながら消滅したり、落ちたりしている。
それでも、飛んでいるのはめんどくさいなあ。
「空を飛んでいる敵をどうするかというのは問題ですよねえ皆さん」
※『はづきっちが新しい振りをしてきたぞ……!』『何か隠し玉があるのか!?』『お、おい、後ろでバングラッドが変形してるって!』
「昨日、バングラッド氏が現地協力者から、新しいアバターとしての力を得てきたので、初披露しようかと……」
『合体するぞきら星はづき!』
「あっ、早いです早い! まだタイミングが、あひー」
全身を展開して大きい翼みたいになったバングラッド氏が、私の背中にくっついてきた。
※おこのみ『合体!?!?!?!?!』『合体だと!?』『ガタッ!!』『落ち着けお前ら!!』
センシティブワード!!
それはそれとして、私が反応を考えているうちにバビューンと飛び上がってしまう。
飛行能力高いなー。
集まってきていたウェンディゴの集団に突っ込んだら、触れただけで何体か『ウグワーッ!?』と弾け飛んだ。
※『まるごと弾丸みたいになったぞ!!』『はづきスクランダー!!』『はづきっち、ちょくちょく素手で怨霊をふっ飛ばしてたからな……』『ちゃんと力を込めると、そりゃあ相手は死ぬ』『しかも本物の魔将のバフが掛かってるのよ』『やべえよやべえよ……』
イギリスにいた、バングラッド氏のゲーム友達。
この人が優秀なアバターデザイナーで、今の時代のアバターって現実に影響を与える能力があるのでですね、こういう感じになってます。
バングラッド氏が獲得したのは、新しい変形能力だった。
お陰でなんか飛べるんですが、まあ、私の意志で飛ばないので。
『こっちに行くぞ!』
「はえー、武器の召喚が間に合わないんですけど」
『ぶっつけ本番だったからな! お主は黙ってぶつけられる武器になっておればいい!』
「なるほど、それは楽~。じゃあお前ら、雑談をですね。結構美味しかったんですよフィッシュ&チップス。揚げたてをむしゃむしゃーっと!」
『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』
『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』
『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』
『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』
※『当たり前みたいな顔で雑談しながら自分を弾丸にして敵を殲滅しとるw』『舐めプが過ぎるだろ……w!!』『フィッシュ&チップス美味しかったかあ』『よかったねえ^^』
「ほう、やるではないか、ミス・ハヅキ。ではやるか」
視界の端で、ルシファーさんも空に浮かび上がってますねえ。
あの人、自前で飛べるのかー。
周りに来たウェンディゴが、ルシファーさんのオーラみたいなのが実体化したやつに引き裂かれてるんだけど。
あれはグリフォンかな?
さらにルシファーさんの周りに出てきたちっちゃいグリフォンみたいなのが、縦横無尽に飛び回ってウェンディゴを貫いていく。
「力を見るつもりだったが、あの女、何もしないままこの空を制圧するつもりか。ここであれに任せていては傲慢の名折れよ!」
「ルシファーさん、なんか空を歩きながら手近なウェンディゴの頭を掴んで『消えるが良い下郎』とか言って消滅させたりしてるなあ。私もですね、マネをしてみようかと。ひょいっと」
※『はづきっちのルシファーモノマネでイケボが出たw』『あっ、はづきっちがウェンディゴを素手でつまんだ!!』『背中の皮の辺りをつまんでるw!!』『つまんだまま振り回してるぞ!』『ウェンディゴが鈍器代わりにー!!』
「あっ、ここから古いお城が見えますね! 凍りついてたのがどんどん融けていっているみたいです。綺麗ですねー」
『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』『ウグワーッ!』
※『敵の断末魔をBGMに観光解説してるのよw』『新しいスタイルの配信だなあ……』『あっ、ダンジョン化解けた』
ウェンディゴ、全滅したようですねえ……!!
儚い。
後でビクトリアから、「私がリーダーとバングラッドさんの上に立って戦うのはどうかしら」
「私を踏み台に!?」
新しいシナジー、生まれてしまうな……!
20
お気に入りに追加
246
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
タブレット片手に異世界転移!〜元社畜、ダウンロード→インストールでチート強化しつつ温泉巡り始めます〜
夢・風魔
ファンタジー
一か月の平均残業時間130時間。残業代ゼロ。そんなブラック企業で働いていた葉月悠斗は、巨漢上司が眩暈を起こし倒れた所に居たため圧死した。
不真面目な天使のせいでデスルーラを繰り返すハメになった彼は、輪廻の女神によって1001回目にようやくまともな異世界転移を果たす。
その際、便利アイテムとしてタブレットを貰った。検索機能、収納機能を持ったタブレットで『ダウンロード』『インストール』で徐々に強化されていく悠斗。
彼を「勇者殿」と呼び慕うどうみても美少女な男装エルフと共に、彼は社畜時代に夢見た「温泉巡り」を異世界ですることにした。
異世界の温泉事情もあり、温泉地でいろいろな事件に巻き込まれつつも、彼は社畜時代には無かったポジティブ思考で事件を解決していく!?
*小説家になろうでも公開しております。
【ダン信王】#Aランク第1位の探索者が、ダンジョン配信を始める話
三角形MGS
ファンタジー
ダンジョンが地球上に出現してから五十年。
探索者という職業はようやく世の中へ浸透していった。
そんな中、ダンジョンを攻略するところをライブ配信する、所謂ダンジョン配信なるものがネット上で流行り始める。
ダンジョン配信の人気に火を付けたのは、Sランク探索者あるアンタレス。
世界最強と名高い探索者がダンジョン配信をした甲斐あってか、ネット上ではダンジョン配信ブームが来ていた。
それを知った世界最強が気に食わないAランク探索者のクロ。
彼は世界最強を越えるべく、ダンジョン配信を始めることにするのだった。
※全然フィクション
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる