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秋な私の呉越同舟編
第280話 第一回大罪立食パーティー伝説
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「あっ、どうもどうも」
「なるほど……こうして眼の前にしていても分かる凄まじいプレッシャー……。レヴィアタンがああも無様に粉砕された理由がよく分かるというものだ」
「うう……できることならワタシは何もしたくないね……。こうして立っているのも面倒くさい……」
なんか立食パーティーみたいな感じになって、私とルシファーさんとウォンさんが同じテーブルに割り当てられた。
あとイノシカチョウの三人ね。
「あわわわわ」
なんかぼたんちゃんがガクブルしてるんだけど。
そんなことよりお腹が減りましたね……。
「三人の眷属を引き連れているのかね。なるほど、中でも彼女の力は飛び抜けている。育ち切る前であれば大罪にも手が届くだろう」
「あっ、うちですか?」
なんかもみじちゃんが褒められてるんだけど。
恐縮するもみじちゃん。
外国の人に褒められたねー。
私はちょっとお姉さん気分でニコニコしていた。
そうしたら、各テーブルにお料理が運ばれてきた。
うーん、これはちょっといい冷食をチンしたやつですね。
でもまあ、最近の冷食は美味しいからいいのです。
中林長官がなんか言いながら乾杯の音頭を取って、他の人たちも乾杯した。
私たち四人はジュース。
私はグーッと一息で飲むと、自分の分のお料理を率先して取った。
パクパク食べる。
うんうん、なかなかいける。
空腹は最高のスパイスですしね。
「ああ、食べることも面倒くさい……だけどこうやって料理もしないのに出してくれるなら食べておくかあ……」
ウォンさんが自分の分を取って、むしゃむしゃ食べ始めた。
あらゆることに覇気がない人なのだ!
ルシファー議員はなんか、もみじちゃんに話しかけてる。
「私の眷属にならないかね? 君には大罪に匹敵する欲が無いからそこまでは至らぬだろうが、当代最強の現代魔法の使い手になれる素質がある」
「ええーっ、う、うちがそんな才能……。えへへ、照れますー」
「もみじモテてるじゃーん」
「二人とも、そういう次元の話じゃなくてまずいんだってば!! 悪魔の誘惑を白昼堂々とやらないでください!! もーっ!」
賑やかだなあ。
それに対して、ウォンさんが横でもそもそとグラタンを食べてる。
「日本の料理は油が少ないね……。健康になっちゃうよ……」
「あのあの、油多めのラーメンとかありますよ」
「日本のラーメン……。食べてみたい……。でも店を探すのが面倒くさい……」
「あっ、このすぐ近くにもあるんで後で案内します」
「そう……? ありがとう」
「はづきちゃんが怠惰の人となんか仲良くなってるしー!!」
ぼたんちゃんは何をジタバタしてるんだ。
少ししたら、中林長官がやってきた。
「やあ皆さん、仲良くやっていらっしゃるようで何よりだ。お呼びした甲斐がありました。以前の態勢ではそれができませんでしたのでね」
そして、もりもりご飯を食べる私をじっと中林さんが見てくるのだ。
なんだなんだ。
どんなに見られても、私が食べるのは止まらないぞ。
「はづきちゃん! 長官が喋ってる前で食べ続けるのは……」
「お料理冷めちゃう」
「はづきちゃん~~~~!!」
「ああ、いいんですよいいんですよ。日本を代表する最高の冒険配信者なのです。気にしなくても構いませんよ。例え人間が変異したデーモンであっても容赦なくその手に掛けてきたお人だ」
「あっはい。あのあの、ジュ、ジュースお代わりをいただいても……」
中林さんのこめかみがなんかピクピクした。
なんだなんだ。
ジュースお代わり禁止だった……!?
でも、すぐにワーッと人が来て新しいジュースを入れてくれた。
「あの、ペットボトルで置いていただいても……。えっ、ボトルがガラス? 凄くいいオレンジジュースじゃないですか!! あひー!」
「どういうことなの?」
ウォンさんがなんか質問してきたので、私が説明した。
「ペットボトルのオレンジジュースも美味しいんですけど、瓶のは果汁が多かったりいいオレンジ使ったりしてるお高いやつなんですよー」
「へえー。ワタシも一杯もらっていい?」
「注ぎますよー」
「あー、ありがとう」
「はづきちゃんがまた怠惰の人と仲良くなってるー!!」
「くっ……! 私は忙しいのでね! 次に挨拶に行きましょう。だが、配信者の方々はこれまで同様に好き勝手が許される時代ではなくなったと理解しておいてもらいたいですな!」
中林さんがなんか捨て台詞を言って去っていった。
私たちと中林さんを、楽しげに眺めていたルシファーさん。
「ああ、はづきさん、彼は息子さんがデーモン化してね。他でもないあなたに討たれたのだよ」
「ほーん」
私が気のない返事をしたので、ルシファーさんが「あれっ?」という顔になった。
「気にならないのかね? 仮にも人間を手にかけたことになるのだが」
「えっとえっと、あの、デーモンも怨霊もみんなそうですし、あとあと、もともとそういうの知ってるか知らないかありますからねー。仕方ないんじゃないですかねー」
ルシファーさんがちょっと首を傾げた後で、ふん、と頷いた。
「我々と同じ力を持つ者の中で、人間に味方する愚か者がいると思っていたが……。どうやら奥底では我々と同類だったようだ。ただ、ほんの僅かなボタンの掛け違えが我々の道を分けていたのだろうな」
むつかしいことをおっしゃる!
食事中の私の知力はサボテン並みになるから何を言ってるのか全然わからないぞ!
「おっと、そんなことよりもだ。私がウォンを伴ってこの国までやって来たのには理由がある」
ルシファーさんがなんか私に顔を近づけた。
ぼたんちゃんがこれを見て、キーキー言う。
「我々大罪は、奴の支配から逃れた。力だけを掠め取り、自由になったというわけだ。この状況にあっては、異世界からの侵略は我々の敵も同然。暴食よ、大罪同士、手を組もうじゃないか」
「ああ、めんどくさ……。でも支配されて強制されるのはもっとずっと面倒ね……」
ウォンさんはめんどくさそうだけど、基本的にはルシファーさんと同じスタンスらしい。
ほうほう。
何を言っているかよく分からないけど、これは外国の議員さんにコネができるということ?
なんか中林さんはやな感じだし、味方を作っておくのも悪くないかなあ。
お腹がちょっと膨れ、考える余裕ができた私はそんなことを思ったりするのだった。
「なるほど……こうして眼の前にしていても分かる凄まじいプレッシャー……。レヴィアタンがああも無様に粉砕された理由がよく分かるというものだ」
「うう……できることならワタシは何もしたくないね……。こうして立っているのも面倒くさい……」
なんか立食パーティーみたいな感じになって、私とルシファーさんとウォンさんが同じテーブルに割り当てられた。
あとイノシカチョウの三人ね。
「あわわわわ」
なんかぼたんちゃんがガクブルしてるんだけど。
そんなことよりお腹が減りましたね……。
「三人の眷属を引き連れているのかね。なるほど、中でも彼女の力は飛び抜けている。育ち切る前であれば大罪にも手が届くだろう」
「あっ、うちですか?」
なんかもみじちゃんが褒められてるんだけど。
恐縮するもみじちゃん。
外国の人に褒められたねー。
私はちょっとお姉さん気分でニコニコしていた。
そうしたら、各テーブルにお料理が運ばれてきた。
うーん、これはちょっといい冷食をチンしたやつですね。
でもまあ、最近の冷食は美味しいからいいのです。
中林長官がなんか言いながら乾杯の音頭を取って、他の人たちも乾杯した。
私たち四人はジュース。
私はグーッと一息で飲むと、自分の分のお料理を率先して取った。
パクパク食べる。
うんうん、なかなかいける。
空腹は最高のスパイスですしね。
「ああ、食べることも面倒くさい……だけどこうやって料理もしないのに出してくれるなら食べておくかあ……」
ウォンさんが自分の分を取って、むしゃむしゃ食べ始めた。
あらゆることに覇気がない人なのだ!
ルシファー議員はなんか、もみじちゃんに話しかけてる。
「私の眷属にならないかね? 君には大罪に匹敵する欲が無いからそこまでは至らぬだろうが、当代最強の現代魔法の使い手になれる素質がある」
「ええーっ、う、うちがそんな才能……。えへへ、照れますー」
「もみじモテてるじゃーん」
「二人とも、そういう次元の話じゃなくてまずいんだってば!! 悪魔の誘惑を白昼堂々とやらないでください!! もーっ!」
賑やかだなあ。
それに対して、ウォンさんが横でもそもそとグラタンを食べてる。
「日本の料理は油が少ないね……。健康になっちゃうよ……」
「あのあの、油多めのラーメンとかありますよ」
「日本のラーメン……。食べてみたい……。でも店を探すのが面倒くさい……」
「あっ、このすぐ近くにもあるんで後で案内します」
「そう……? ありがとう」
「はづきちゃんが怠惰の人となんか仲良くなってるしー!!」
ぼたんちゃんは何をジタバタしてるんだ。
少ししたら、中林長官がやってきた。
「やあ皆さん、仲良くやっていらっしゃるようで何よりだ。お呼びした甲斐がありました。以前の態勢ではそれができませんでしたのでね」
そして、もりもりご飯を食べる私をじっと中林さんが見てくるのだ。
なんだなんだ。
どんなに見られても、私が食べるのは止まらないぞ。
「はづきちゃん! 長官が喋ってる前で食べ続けるのは……」
「お料理冷めちゃう」
「はづきちゃん~~~~!!」
「ああ、いいんですよいいんですよ。日本を代表する最高の冒険配信者なのです。気にしなくても構いませんよ。例え人間が変異したデーモンであっても容赦なくその手に掛けてきたお人だ」
「あっはい。あのあの、ジュ、ジュースお代わりをいただいても……」
中林さんのこめかみがなんかピクピクした。
なんだなんだ。
ジュースお代わり禁止だった……!?
でも、すぐにワーッと人が来て新しいジュースを入れてくれた。
「あの、ペットボトルで置いていただいても……。えっ、ボトルがガラス? 凄くいいオレンジジュースじゃないですか!! あひー!」
「どういうことなの?」
ウォンさんがなんか質問してきたので、私が説明した。
「ペットボトルのオレンジジュースも美味しいんですけど、瓶のは果汁が多かったりいいオレンジ使ったりしてるお高いやつなんですよー」
「へえー。ワタシも一杯もらっていい?」
「注ぎますよー」
「あー、ありがとう」
「はづきちゃんがまた怠惰の人と仲良くなってるー!!」
「くっ……! 私は忙しいのでね! 次に挨拶に行きましょう。だが、配信者の方々はこれまで同様に好き勝手が許される時代ではなくなったと理解しておいてもらいたいですな!」
中林さんがなんか捨て台詞を言って去っていった。
私たちと中林さんを、楽しげに眺めていたルシファーさん。
「ああ、はづきさん、彼は息子さんがデーモン化してね。他でもないあなたに討たれたのだよ」
「ほーん」
私が気のない返事をしたので、ルシファーさんが「あれっ?」という顔になった。
「気にならないのかね? 仮にも人間を手にかけたことになるのだが」
「えっとえっと、あの、デーモンも怨霊もみんなそうですし、あとあと、もともとそういうの知ってるか知らないかありますからねー。仕方ないんじゃないですかねー」
ルシファーさんがちょっと首を傾げた後で、ふん、と頷いた。
「我々と同じ力を持つ者の中で、人間に味方する愚か者がいると思っていたが……。どうやら奥底では我々と同類だったようだ。ただ、ほんの僅かなボタンの掛け違えが我々の道を分けていたのだろうな」
むつかしいことをおっしゃる!
食事中の私の知力はサボテン並みになるから何を言ってるのか全然わからないぞ!
「おっと、そんなことよりもだ。私がウォンを伴ってこの国までやって来たのには理由がある」
ルシファーさんがなんか私に顔を近づけた。
ぼたんちゃんがこれを見て、キーキー言う。
「我々大罪は、奴の支配から逃れた。力だけを掠め取り、自由になったというわけだ。この状況にあっては、異世界からの侵略は我々の敵も同然。暴食よ、大罪同士、手を組もうじゃないか」
「ああ、めんどくさ……。でも支配されて強制されるのはもっとずっと面倒ね……」
ウォンさんはめんどくさそうだけど、基本的にはルシファーさんと同じスタンスらしい。
ほうほう。
何を言っているかよく分からないけど、これは外国の議員さんにコネができるということ?
なんか中林さんはやな感じだし、味方を作っておくのも悪くないかなあ。
お腹がちょっと膨れ、考える余裕ができた私はそんなことを思ったりするのだった。
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