272 / 517
ハッピーバースデーな私と激動の世の中編
第272話 後方腕組み購入確認はづきっち伝説
しおりを挟む
物凄く写真を撮られた。
おかしい……。
周りの人達に比べて、特に目立つコスプレではなかったはずなのに。
むしろ本物なので、デザイン的にはオーソドックスなのだ。
だが!
ものすごーくみんな集まってきて、「いいですか!?」「撮影いいですか!?」「うわあ本物みたいだ」「なあ、本物って顔までそっくりにできるものなのか?」「あっ本物だこれ……」
何か仰ってる。
スマホと私たちを見比べたりしてるなあ。
なお、凄くローアングルから撮影しようとした人がAフォンに何かエナジーみたいなのをチュルッと吸い上げられてて、「ウグワーッ!!」と叫んでいた。
あれは後で蠱毒になるパターンだなあ……。
なお、ちゃんと歩いて帰れるくらいの力は残してあるよ! 単に今日一日気力がガタガタに低下するだけで。
広島VS大阪のシャツの人も、奇声を上げながら撮影しまくってた。
で、
「すみません! はづきっち、ビッキーと腕組みして右肩と左肩を合わせてからちょっとこっちに目線もらってもいいです? はい、センシティーブ!」
撮影の指示上手いなー!
というか、もう私とビクトリアを普通に呼んでるし。
どうも昔からいる感じのリスナーさんの気配が濃厚だなあ。
だが、詮索はしない。
詮索はしないが……。キャベツが本体だったり焼きそばを生地でサンドする系で様々な派閥が戦ってる御飯のお供にもなる粉物の雰囲気を感じる……。
「い、いつも応援、ありがとうございまあす」
撮影後に一声掛けたら、感激して飛び上がっていた。
「VRでもお喋りしたけど、リアルだと臨場感がちがーう!! 一生ファンやります!!」
喜んでもらえて嬉しいなあ。
そして撮影は放っておくといつまでも続きそうなので、私はビクトリアの手を引っ張って強制的に撤退することにした。
後ろから残念そうな声が上がる。
ちょっとAフォンを確認したら、15人くらい新型の蠱毒の材料が溜まっていた。
ローアングル狙いの人多いなー!
新しい戦力になりそうな気がするから、この蠱毒たちは鍛えておこう。
さて、いよいよフリーでブースを回って行きます。
年齢制限ありの同人誌なので、扱いがとてもセンシティブなのだ。
未成年の私が本を手にとって読んだら、サークルの人たちに迷惑が掛かる。
あらかじめ、ネットで確認できる私の同人誌サンプルには一通りチェックしておいた。
もう完璧よ完璧。
「リーダー、このバツマークのところはチェック必須で、他は軽く回るのね?」
「そうそう。ビクトリアは本を確認しておいて。私は後ろで腕組みしながら待ってるから」
「了解! 早くリーダーも成人するといいわねえ。あ、でもそれで悲しむ人もいるか」
「まあねー、そうねー」
色々な事に価値を見出す人がいるからね!
こうして、あちこちのサークルを巡る。
「は、はづきっちとビクトリアちゃん!?」「後方で腕組みして例の笑顔をしてる……本物だあれ……」「コスプレで再現不可能だもんな」
うーん、なぜかバレるぞ……?
どうしてなんだ。
「きゃーっ、は、はづきっち!? あのあの、握手して! 握手して下さい!!」
「あ、は、はいー」
サークル主の女の子に握手を求められたり。
「こ、これ新刊売り切れてたんですけど、身内用の本が一冊あるんでもらってください!!」
「ええっ、いいんですか!?」
「はづきっちにあげたって言ったら身内も絶対喜ぶんで!!」
もらってしまったり。
なお、受け取り、お金を出すのは全てビクトリア。
これはあくまで、現在18歳で成人しているビクトリアが買っているのだ……!!
私は荷物係ね。
相当な重量でも私は平気なので。
「はづきっち本のサークルをはづきっちが巡ってるってマ!?」「き、来た! はづきっちだ!」「え? コスプレじゃないの? あ、本物だわあれ」「配信で見たままの動きと見たままの表情してる……」
おかしい。
私たちがやたらと注目されているような……。
「はづきっち、明日誕生日でしょ! おめでとう!」「はづきっち、明日決戦でしょ! がんばって!」
「あ、ありがとうございます~」
あちこちから声援が飛んでくるなあ。
私は!
ビクトリアに任せて自分のエッチな同人誌を買っているだけなのに!
健全なのは昨日買いまくったからね。
今日のと合わせてすごい量になりそう。
明日魔将をやっつけたら、じっくり読もう……。
今後のことを考えてちょっとニヤニヤする私だった。
「リーダー! 周りから注目されてるのにニヤニヤ笑いするのよくないわ」
「ハッ」
しかし激写されてしまったあとだったらしく、私にだらしない感じの笑顔がツブヤキックスに流れてしまった!
なんたること~。
その写真に、
『解釈一致』『リアルで会ったはづきっちも配信の中と同じなんだな』『人間として一本筋が通っている』
高評価なんですけど?
「リーダーは表も裏も同じ顔をしているから、その辺りは評価されてるわよね。私もそこは好き」
「あ、これはどうもどうも……」
恐縮する私。
大量の本をゲットした私たちは、これの一部を宅配便で家まで送った。
フェイバリットな本は直接持ち帰るよ!
係の人が、
「明日以降の魔将襲撃の関係で、配送が遅れる可能性がありますがよろしいですか?」
とか言ってきたので、私とビクトリアはサムズアップして見せた。
「大丈夫です。一日で片付けますから」
おかしい……。
周りの人達に比べて、特に目立つコスプレではなかったはずなのに。
むしろ本物なので、デザイン的にはオーソドックスなのだ。
だが!
ものすごーくみんな集まってきて、「いいですか!?」「撮影いいですか!?」「うわあ本物みたいだ」「なあ、本物って顔までそっくりにできるものなのか?」「あっ本物だこれ……」
何か仰ってる。
スマホと私たちを見比べたりしてるなあ。
なお、凄くローアングルから撮影しようとした人がAフォンに何かエナジーみたいなのをチュルッと吸い上げられてて、「ウグワーッ!!」と叫んでいた。
あれは後で蠱毒になるパターンだなあ……。
なお、ちゃんと歩いて帰れるくらいの力は残してあるよ! 単に今日一日気力がガタガタに低下するだけで。
広島VS大阪のシャツの人も、奇声を上げながら撮影しまくってた。
で、
「すみません! はづきっち、ビッキーと腕組みして右肩と左肩を合わせてからちょっとこっちに目線もらってもいいです? はい、センシティーブ!」
撮影の指示上手いなー!
というか、もう私とビクトリアを普通に呼んでるし。
どうも昔からいる感じのリスナーさんの気配が濃厚だなあ。
だが、詮索はしない。
詮索はしないが……。キャベツが本体だったり焼きそばを生地でサンドする系で様々な派閥が戦ってる御飯のお供にもなる粉物の雰囲気を感じる……。
「い、いつも応援、ありがとうございまあす」
撮影後に一声掛けたら、感激して飛び上がっていた。
「VRでもお喋りしたけど、リアルだと臨場感がちがーう!! 一生ファンやります!!」
喜んでもらえて嬉しいなあ。
そして撮影は放っておくといつまでも続きそうなので、私はビクトリアの手を引っ張って強制的に撤退することにした。
後ろから残念そうな声が上がる。
ちょっとAフォンを確認したら、15人くらい新型の蠱毒の材料が溜まっていた。
ローアングル狙いの人多いなー!
新しい戦力になりそうな気がするから、この蠱毒たちは鍛えておこう。
さて、いよいよフリーでブースを回って行きます。
年齢制限ありの同人誌なので、扱いがとてもセンシティブなのだ。
未成年の私が本を手にとって読んだら、サークルの人たちに迷惑が掛かる。
あらかじめ、ネットで確認できる私の同人誌サンプルには一通りチェックしておいた。
もう完璧よ完璧。
「リーダー、このバツマークのところはチェック必須で、他は軽く回るのね?」
「そうそう。ビクトリアは本を確認しておいて。私は後ろで腕組みしながら待ってるから」
「了解! 早くリーダーも成人するといいわねえ。あ、でもそれで悲しむ人もいるか」
「まあねー、そうねー」
色々な事に価値を見出す人がいるからね!
こうして、あちこちのサークルを巡る。
「は、はづきっちとビクトリアちゃん!?」「後方で腕組みして例の笑顔をしてる……本物だあれ……」「コスプレで再現不可能だもんな」
うーん、なぜかバレるぞ……?
どうしてなんだ。
「きゃーっ、は、はづきっち!? あのあの、握手して! 握手して下さい!!」
「あ、は、はいー」
サークル主の女の子に握手を求められたり。
「こ、これ新刊売り切れてたんですけど、身内用の本が一冊あるんでもらってください!!」
「ええっ、いいんですか!?」
「はづきっちにあげたって言ったら身内も絶対喜ぶんで!!」
もらってしまったり。
なお、受け取り、お金を出すのは全てビクトリア。
これはあくまで、現在18歳で成人しているビクトリアが買っているのだ……!!
私は荷物係ね。
相当な重量でも私は平気なので。
「はづきっち本のサークルをはづきっちが巡ってるってマ!?」「き、来た! はづきっちだ!」「え? コスプレじゃないの? あ、本物だわあれ」「配信で見たままの動きと見たままの表情してる……」
おかしい。
私たちがやたらと注目されているような……。
「はづきっち、明日誕生日でしょ! おめでとう!」「はづきっち、明日決戦でしょ! がんばって!」
「あ、ありがとうございます~」
あちこちから声援が飛んでくるなあ。
私は!
ビクトリアに任せて自分のエッチな同人誌を買っているだけなのに!
健全なのは昨日買いまくったからね。
今日のと合わせてすごい量になりそう。
明日魔将をやっつけたら、じっくり読もう……。
今後のことを考えてちょっとニヤニヤする私だった。
「リーダー! 周りから注目されてるのにニヤニヤ笑いするのよくないわ」
「ハッ」
しかし激写されてしまったあとだったらしく、私にだらしない感じの笑顔がツブヤキックスに流れてしまった!
なんたること~。
その写真に、
『解釈一致』『リアルで会ったはづきっちも配信の中と同じなんだな』『人間として一本筋が通っている』
高評価なんですけど?
「リーダーは表も裏も同じ顔をしているから、その辺りは評価されてるわよね。私もそこは好き」
「あ、これはどうもどうも……」
恐縮する私。
大量の本をゲットした私たちは、これの一部を宅配便で家まで送った。
フェイバリットな本は直接持ち帰るよ!
係の人が、
「明日以降の魔将襲撃の関係で、配送が遅れる可能性がありますがよろしいですか?」
とか言ってきたので、私とビクトリアはサムズアップして見せた。
「大丈夫です。一日で片付けますから」
20
お気に入りに追加
246
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
タブレット片手に異世界転移!〜元社畜、ダウンロード→インストールでチート強化しつつ温泉巡り始めます〜
夢・風魔
ファンタジー
一か月の平均残業時間130時間。残業代ゼロ。そんなブラック企業で働いていた葉月悠斗は、巨漢上司が眩暈を起こし倒れた所に居たため圧死した。
不真面目な天使のせいでデスルーラを繰り返すハメになった彼は、輪廻の女神によって1001回目にようやくまともな異世界転移を果たす。
その際、便利アイテムとしてタブレットを貰った。検索機能、収納機能を持ったタブレットで『ダウンロード』『インストール』で徐々に強化されていく悠斗。
彼を「勇者殿」と呼び慕うどうみても美少女な男装エルフと共に、彼は社畜時代に夢見た「温泉巡り」を異世界ですることにした。
異世界の温泉事情もあり、温泉地でいろいろな事件に巻き込まれつつも、彼は社畜時代には無かったポジティブ思考で事件を解決していく!?
*小説家になろうでも公開しております。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる