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フォローアップ! 私の春休み編
第209話 春休み最終日はまったり伝説
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一周年イベントも大いに盛り上がって終わったなあー。
春休み最終日、私は自室でまったりしていた。
イベントの評判は色々。
モンスター襲撃はイカルガの仕込みだ! とか……。
あれを仕込めるとしたら凄すぎるでしょ……!
イカルガのメンバー勢ぞろいで壮観だった! とか。
そうだねえ。これからデビューする二人も一緒にいたからねえ。
斑鳩が一晩限りの復活! 衰えを見せない魅せるガンカタは健在! みんな画面の前でニッコニコ! とか。
うん、話題の半分はこっちだったね!
あとは純粋に私の一周年を祝う声とか。
兄の名前に惹かれて私をフォローした人とかは、斑鳩復活が嬉しかったみたいねー。
しっかし、兄、あんな強かったんだなあ……。
私が今まで見てきた配信者の中でも、トップクラスだと思う。
色々権利問題があったので今まで使えなかったのを、水面下でのなうファンタジーとの交渉が終わって晴れて使えるようになったと。
詳しくは、物凄いお金が動いた……!
『お前が頑張ってくれたおかげだ。俺のために金を使ってしまうのは心苦しいがな……』
「いやいや、お兄ちゃんがサポートしてくれたお陰でここまで来てるでしょ。いいのいいの! また私がバンバン配信するから」
というようなやり取りをした。
この話をカンナちゃんとのザッコでお話をしたら、
『えっ、あの斑鳩さんとはづきちゃんのやり取り……エッモ……!!』
とか言われてしまった。
そうなのか……!?
『ちょっとあの動画見返すね。本人から情報をもらってから見る『いかきら』尊い……兄弟愛……』
「カンナちゃん? か、カンナちゃーん」
おお、なんか変なスイッチが入ってしまった……。
仕方ないので、私は明日以降のイベントの企画書を作ることにした。
昨日営業さんにやり方を教わったんだよね。
ぼたんちゃんとはぎゅうちゃんのデビュー……。
二人のイベントは同時にやっちゃって、それでそこからお互いのチャンネルに誘導っと。
しばらく二人はダンジョンに潜ってもらって、登録者数を稼いでもらうのだ。
「二人のためのダンジョンはガッツリ枕投げっていうコメント投稿サービスで情報をもらってるもんね。そこそこ強力なダンジョンだから、他の企業系配信者さんが行かない限りは残ってると思うけど……」
一応、各配信者系企業にも連絡を入れているのだ。
ダンジョンを確保しておくのは大事。
日数制限があるから、被害が出ない程度の期間で攻略しないといけないけど。
「で、ビクトリアの50万人記念でしょ? えーと、こっちは事務所のスタジオを使って、ラノベ部屋を作り上げて……参加するラノベ作家さんやマンガ家さんの配信者はこの人たちで……」
カチャカチャとタイピングで企画書を仕上げていく。
うんうん、いいぞいいぞ。
「リーダー、リーダーママからお茶とお菓子をどうぞって」
「ありがとー!」
ビクトリアが差し入れを持ってきてくれた。
彼女は私がバリバリ企画書を作っているのを見て、目を丸くした。
「せっかくのオフなのに、リーダー仕事しているの!?」
「趣味みたいなもんだよー。新しいことができるようになったら試してみたいし……」
「勤勉……。リーダーが配信者界の頂点に君臨している理由が分かる気がする……」
「そ、そんな大したものではないですよー」
すぐにビクトリアは持ち上げてくるんだから!
さて、本日のお茶は温かい緑茶で、お菓子は茶色いおまんじゅうです。
あんこぎっしり。
これは堪らん……。
一口かじると、頭脳労働した体に甘味が染み渡っていく……。
最高。
やる気がバリバリ湧いてくる。
「なんかリーダー、ちょっと変わったよね」
「そお?」
もぐもぐやりながら首を傾げる。
「カンナを助けたときから、こう……ちょっと大人っぽくなったみたいな。前はもっとカッとなって動いてる感じだったでしょ」
「言われてみれば……。こうねえ、私が守護らねば……! みたいな気持ちがもりもりっと強くなっていてですね」
「オー、業界をプッシュアップするリーダーの自覚!」
「そんな大層なものでは……!」
だけど褒められると嬉しくなってしまうのだ。
甘味とお茶でエネルギーを補給し、ビクトリアに褒められてハートのエネルギーも補給した。
さあ、やるぞう。
春休み最終日は引きこもって企画書を仕上げるのだ!
……と思ったら、普通に昼過ぎに終わってしまった。
「うーん! 詰め方とかわからないからこのまま送信」
ポチッとな。
少ししたら、イカルガの社内チャットがにぎやかになった。
『昨日の今日ではづきさんが二つも企画書を書いて送ってきた!!』『内容は堅実……!』『あの人なんでもできるな……』『短期間で実現可能な内容だ』『現場は不安よな、営業、実行に動きます』
おおー、有能。
営業の人と企画の人があちこちに広報を頑張ってくれて、プログラム班もバリバリ準備を始めたみたいだ。
私はこの光景をチャットで見ててニコニコした。
「皆さんよろしくお願いします……っと!」
私の書き込みに、元気な返事がたくさん帰ってきた。
よろしいー。
みんな私より年上で社会人経験もある大人なんだけど、なんだか可愛い後輩がたくさん増えたみたいで嬉しい。
「身も心も満足したので、後は趣味を満足させに行きますか……。ビクトリアー! アニメショップ行こ!」
「行く!」
残り少ない春休みを、大いに堪能するのだ!
春休み最終日、私は自室でまったりしていた。
イベントの評判は色々。
モンスター襲撃はイカルガの仕込みだ! とか……。
あれを仕込めるとしたら凄すぎるでしょ……!
イカルガのメンバー勢ぞろいで壮観だった! とか。
そうだねえ。これからデビューする二人も一緒にいたからねえ。
斑鳩が一晩限りの復活! 衰えを見せない魅せるガンカタは健在! みんな画面の前でニッコニコ! とか。
うん、話題の半分はこっちだったね!
あとは純粋に私の一周年を祝う声とか。
兄の名前に惹かれて私をフォローした人とかは、斑鳩復活が嬉しかったみたいねー。
しっかし、兄、あんな強かったんだなあ……。
私が今まで見てきた配信者の中でも、トップクラスだと思う。
色々権利問題があったので今まで使えなかったのを、水面下でのなうファンタジーとの交渉が終わって晴れて使えるようになったと。
詳しくは、物凄いお金が動いた……!
『お前が頑張ってくれたおかげだ。俺のために金を使ってしまうのは心苦しいがな……』
「いやいや、お兄ちゃんがサポートしてくれたお陰でここまで来てるでしょ。いいのいいの! また私がバンバン配信するから」
というようなやり取りをした。
この話をカンナちゃんとのザッコでお話をしたら、
『えっ、あの斑鳩さんとはづきちゃんのやり取り……エッモ……!!』
とか言われてしまった。
そうなのか……!?
『ちょっとあの動画見返すね。本人から情報をもらってから見る『いかきら』尊い……兄弟愛……』
「カンナちゃん? か、カンナちゃーん」
おお、なんか変なスイッチが入ってしまった……。
仕方ないので、私は明日以降のイベントの企画書を作ることにした。
昨日営業さんにやり方を教わったんだよね。
ぼたんちゃんとはぎゅうちゃんのデビュー……。
二人のイベントは同時にやっちゃって、それでそこからお互いのチャンネルに誘導っと。
しばらく二人はダンジョンに潜ってもらって、登録者数を稼いでもらうのだ。
「二人のためのダンジョンはガッツリ枕投げっていうコメント投稿サービスで情報をもらってるもんね。そこそこ強力なダンジョンだから、他の企業系配信者さんが行かない限りは残ってると思うけど……」
一応、各配信者系企業にも連絡を入れているのだ。
ダンジョンを確保しておくのは大事。
日数制限があるから、被害が出ない程度の期間で攻略しないといけないけど。
「で、ビクトリアの50万人記念でしょ? えーと、こっちは事務所のスタジオを使って、ラノベ部屋を作り上げて……参加するラノベ作家さんやマンガ家さんの配信者はこの人たちで……」
カチャカチャとタイピングで企画書を仕上げていく。
うんうん、いいぞいいぞ。
「リーダー、リーダーママからお茶とお菓子をどうぞって」
「ありがとー!」
ビクトリアが差し入れを持ってきてくれた。
彼女は私がバリバリ企画書を作っているのを見て、目を丸くした。
「せっかくのオフなのに、リーダー仕事しているの!?」
「趣味みたいなもんだよー。新しいことができるようになったら試してみたいし……」
「勤勉……。リーダーが配信者界の頂点に君臨している理由が分かる気がする……」
「そ、そんな大したものではないですよー」
すぐにビクトリアは持ち上げてくるんだから!
さて、本日のお茶は温かい緑茶で、お菓子は茶色いおまんじゅうです。
あんこぎっしり。
これは堪らん……。
一口かじると、頭脳労働した体に甘味が染み渡っていく……。
最高。
やる気がバリバリ湧いてくる。
「なんかリーダー、ちょっと変わったよね」
「そお?」
もぐもぐやりながら首を傾げる。
「カンナを助けたときから、こう……ちょっと大人っぽくなったみたいな。前はもっとカッとなって動いてる感じだったでしょ」
「言われてみれば……。こうねえ、私が守護らねば……! みたいな気持ちがもりもりっと強くなっていてですね」
「オー、業界をプッシュアップするリーダーの自覚!」
「そんな大層なものでは……!」
だけど褒められると嬉しくなってしまうのだ。
甘味とお茶でエネルギーを補給し、ビクトリアに褒められてハートのエネルギーも補給した。
さあ、やるぞう。
春休み最終日は引きこもって企画書を仕上げるのだ!
……と思ったら、普通に昼過ぎに終わってしまった。
「うーん! 詰め方とかわからないからこのまま送信」
ポチッとな。
少ししたら、イカルガの社内チャットがにぎやかになった。
『昨日の今日ではづきさんが二つも企画書を書いて送ってきた!!』『内容は堅実……!』『あの人なんでもできるな……』『短期間で実現可能な内容だ』『現場は不安よな、営業、実行に動きます』
おおー、有能。
営業の人と企画の人があちこちに広報を頑張ってくれて、プログラム班もバリバリ準備を始めたみたいだ。
私はこの光景をチャットで見ててニコニコした。
「皆さんよろしくお願いします……っと!」
私の書き込みに、元気な返事がたくさん帰ってきた。
よろしいー。
みんな私より年上で社会人経験もある大人なんだけど、なんだか可愛い後輩がたくさん増えたみたいで嬉しい。
「身も心も満足したので、後は趣味を満足させに行きますか……。ビクトリアー! アニメショップ行こ!」
「行く!」
残り少ない春休みを、大いに堪能するのだ!
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