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先輩!? 私のニューカマー編
第111話 ダンスレッスンと出発の準備伝説
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ダンスレッスン……。
私が避けていたものだ……!
なんか、リズムに合わせて体を動かすのがすっごくダメなんだよね。
私の苦手なものは星の数ほどあるけど、ダンスは特にダメだと思う!
シカコ氏を伴って行ったダンスレッスンで、先生が引きつった笑顔になった。
ムキムキのお兄さんで、うちの兄と八咫烏さん関係の同人誌を書いている人らしい。
「ど……独特のリズム感があるのね」
「は、はい……」
なうファンタジーの人たちにも教えてるらしい先生も、初めて見るタイプらしい。
「先生、はづき先輩はこのリズム感が絶望的にないのが一番の売りなんでー!」
「ひい、シカコ氏からとんでもない援護射撃が来た!! ……先輩?」
「先輩でしょー。尊敬してますー!!」
シカコ氏からのリスペクトの視線が凄い!!
学校ではどちらかというと無気力な感じの彼女が、めちゃくちゃやる気なのだ。
どうも、家の事情とか心配で心配で仕方なく、何もする気にならなかったらしい。
だけど、今は自分の頑張りで家庭を救える……ということで、シカコ氏はやる気に満ち溢れているのだった。
ちなみに……彼女のリズム感は抜群だった。
「いいわねあなた! センスあるわ! 小柄だから、スピーディな動きも映えるし……。先輩とは全く違ったスタイルになりそうね」
「同じ路線をやるのはうちには不可能なんで」
「そうよねー」
なんでわかり合っているのだ。
ということで、シカコ氏は歌とダンスの路線になることが決まった。
歌もかなり上手い。
これはボイトレでいくらでも化けるらしい。
「わ、私は……」
「あなたは独特の声だしそのままでも……」
わ、私だけ素材のまま!!
さらに夕方には、シカコ氏のキャラのラフが来た。
エンジンが掛かったエメラクさんの仕事は早い!
「焦げ茶の髪でサイドテール、パン屋っぽいエプロンドレスの女の子……! ななめにちょこんと被った小さい帽子に、子鹿の顔が描かれてる! かわいいー」
「こ、これがうち……? かわいい……」
二人でぽーっとする。
「あれ? うちの耳が尖ってて長いんですけど」
「ほんとだ。エルフになってる。多分エメラクさんの性癖だと思う……」
「ははあ……」
まだこの業界が浅いシカコ氏には難しかったかな!
それにしても、随分カワイイ感じでまとめてきたなあ。
むっ!?
私とデザインの路線があまりにも違うのでは!?
「お前は一番最初のテストケースだし、お前が自分で作ったアバターだろう」
「はっ」
「えっ!? はづき先輩、自分で作ってたんですかー!?」
「うん、自分でちょいちょいと絵を描いてAフォンに読み込ませて……」
「才能ー」
「そ、そんな大したものじゃないよー」
私は大変照れた。
いいものだなあ、後輩!!
こうして先輩風を吹かせ、いい気分になった私。
ここからは事務所でアメリカ行きの準備だ。
受付さんと二人で、でっかいアタッシュケースにもりもりと荷物を詰め込んでいく。
下着下着下着下着、ジャージジャージジャージ、味噌醤油かつおぶし。
向こうとは電圧が違うらしいから、それを調整する機械とか色々……。
「……はづきちゃん、女の子なのに荷物少なくない?」
「着替えは大体ジャージで行けるんで……」
「あっちでお洒落しようという気持ちは……」
「ないですねー」
受付さんが私へ、不思議な生き物を見るような目を向けてきた。
なんだなんだ……!?
私のよそ行きは、夏場がワンピースで他の季節はジャージが多いのだ!
「ゴボウは当日に買っていきますし、これで!」
「なうファンタジーからプレゼントが来てたぞ」
兄が何か手渡してくる。
なんだなんだ。
あっ、こ、これはーっ!!
「バーチャルゴボウ!!」
「バーチャル!?」
「ゴボウ!?」
受付さんとシカコ氏が目を剥いた。
こうして見るとただの棒だけど、バーチャライズするとゴボウみたいな見た目になる棒なのだ。
なうファンタジーの技術によって作られた、私以外にはなんの役にも立たない棒。
「なるほど、これなら腐らないな。強力な武器だ。はづきとゴボウの組み合わせがシナジーを生むからな」
「あー、はづきっち先輩と言えばゴボウですもんねー」
納得するシカコ氏。
「うちもそんな、うちと言えばこれ!みたいなのができるといいなあ……」
きっとできる!
頑張るのだ後輩……!
私は先輩風を吹かせるのだった。
それはそうと……。
「はづきちゃんのメイド服ラフも着てるんだけど……。エメラクさんほんとに仕事早いなあ!」
受付さんの感心する声が聞こえる。
「えっ、もうですか!?」
ラフとは言うけど、線がラフなだけでそこにある程度色が乗せてあるのだ。
「おほー! メイド服かわいいー」
「はづきっちのおほー声だ……。やっぱり本物だ……」
なんか後ろでシカコ氏が変なところに感激しているな。
私のメイド服は、実際に着ていた黒っぽいのベースじゃなくて、ピンクになっていた。
ピンク色!!
髪の色とは違って、割りと濃いピンクだ。
「ほぼ現実と同じプロポーション感だな。あいつめ、全力で目コピしたな」
兄が複雑そうな物言いをする。
何が気になるのか。
「ちなみにこちらの作業は急ピッチで進めている。社内でお前のアバターを作れるよう、作業体制も確立する方針だ。そして我が社はこれより、株式会社イカルガエンターテイメントとなる……」
「話が大きくなってきた!!」
「はづきちゃんのアクスタでちっちゃいビルが建つくらい稼げたのよ」
「私のアクスタで!?」
そんなに売れたのか……!!
「抱きまくらカバーでもう一個ちっちゃいビルが建つくらい稼げる予定だよ」
「あひー」
な、何が起こっているのだ!!
私が避けていたものだ……!
なんか、リズムに合わせて体を動かすのがすっごくダメなんだよね。
私の苦手なものは星の数ほどあるけど、ダンスは特にダメだと思う!
シカコ氏を伴って行ったダンスレッスンで、先生が引きつった笑顔になった。
ムキムキのお兄さんで、うちの兄と八咫烏さん関係の同人誌を書いている人らしい。
「ど……独特のリズム感があるのね」
「は、はい……」
なうファンタジーの人たちにも教えてるらしい先生も、初めて見るタイプらしい。
「先生、はづき先輩はこのリズム感が絶望的にないのが一番の売りなんでー!」
「ひい、シカコ氏からとんでもない援護射撃が来た!! ……先輩?」
「先輩でしょー。尊敬してますー!!」
シカコ氏からのリスペクトの視線が凄い!!
学校ではどちらかというと無気力な感じの彼女が、めちゃくちゃやる気なのだ。
どうも、家の事情とか心配で心配で仕方なく、何もする気にならなかったらしい。
だけど、今は自分の頑張りで家庭を救える……ということで、シカコ氏はやる気に満ち溢れているのだった。
ちなみに……彼女のリズム感は抜群だった。
「いいわねあなた! センスあるわ! 小柄だから、スピーディな動きも映えるし……。先輩とは全く違ったスタイルになりそうね」
「同じ路線をやるのはうちには不可能なんで」
「そうよねー」
なんでわかり合っているのだ。
ということで、シカコ氏は歌とダンスの路線になることが決まった。
歌もかなり上手い。
これはボイトレでいくらでも化けるらしい。
「わ、私は……」
「あなたは独特の声だしそのままでも……」
わ、私だけ素材のまま!!
さらに夕方には、シカコ氏のキャラのラフが来た。
エンジンが掛かったエメラクさんの仕事は早い!
「焦げ茶の髪でサイドテール、パン屋っぽいエプロンドレスの女の子……! ななめにちょこんと被った小さい帽子に、子鹿の顔が描かれてる! かわいいー」
「こ、これがうち……? かわいい……」
二人でぽーっとする。
「あれ? うちの耳が尖ってて長いんですけど」
「ほんとだ。エルフになってる。多分エメラクさんの性癖だと思う……」
「ははあ……」
まだこの業界が浅いシカコ氏には難しかったかな!
それにしても、随分カワイイ感じでまとめてきたなあ。
むっ!?
私とデザインの路線があまりにも違うのでは!?
「お前は一番最初のテストケースだし、お前が自分で作ったアバターだろう」
「はっ」
「えっ!? はづき先輩、自分で作ってたんですかー!?」
「うん、自分でちょいちょいと絵を描いてAフォンに読み込ませて……」
「才能ー」
「そ、そんな大したものじゃないよー」
私は大変照れた。
いいものだなあ、後輩!!
こうして先輩風を吹かせ、いい気分になった私。
ここからは事務所でアメリカ行きの準備だ。
受付さんと二人で、でっかいアタッシュケースにもりもりと荷物を詰め込んでいく。
下着下着下着下着、ジャージジャージジャージ、味噌醤油かつおぶし。
向こうとは電圧が違うらしいから、それを調整する機械とか色々……。
「……はづきちゃん、女の子なのに荷物少なくない?」
「着替えは大体ジャージで行けるんで……」
「あっちでお洒落しようという気持ちは……」
「ないですねー」
受付さんが私へ、不思議な生き物を見るような目を向けてきた。
なんだなんだ……!?
私のよそ行きは、夏場がワンピースで他の季節はジャージが多いのだ!
「ゴボウは当日に買っていきますし、これで!」
「なうファンタジーからプレゼントが来てたぞ」
兄が何か手渡してくる。
なんだなんだ。
あっ、こ、これはーっ!!
「バーチャルゴボウ!!」
「バーチャル!?」
「ゴボウ!?」
受付さんとシカコ氏が目を剥いた。
こうして見るとただの棒だけど、バーチャライズするとゴボウみたいな見た目になる棒なのだ。
なうファンタジーの技術によって作られた、私以外にはなんの役にも立たない棒。
「なるほど、これなら腐らないな。強力な武器だ。はづきとゴボウの組み合わせがシナジーを生むからな」
「あー、はづきっち先輩と言えばゴボウですもんねー」
納得するシカコ氏。
「うちもそんな、うちと言えばこれ!みたいなのができるといいなあ……」
きっとできる!
頑張るのだ後輩……!
私は先輩風を吹かせるのだった。
それはそうと……。
「はづきちゃんのメイド服ラフも着てるんだけど……。エメラクさんほんとに仕事早いなあ!」
受付さんの感心する声が聞こえる。
「えっ、もうですか!?」
ラフとは言うけど、線がラフなだけでそこにある程度色が乗せてあるのだ。
「おほー! メイド服かわいいー」
「はづきっちのおほー声だ……。やっぱり本物だ……」
なんか後ろでシカコ氏が変なところに感激しているな。
私のメイド服は、実際に着ていた黒っぽいのベースじゃなくて、ピンクになっていた。
ピンク色!!
髪の色とは違って、割りと濃いピンクだ。
「ほぼ現実と同じプロポーション感だな。あいつめ、全力で目コピしたな」
兄が複雑そうな物言いをする。
何が気になるのか。
「ちなみにこちらの作業は急ピッチで進めている。社内でお前のアバターを作れるよう、作業体制も確立する方針だ。そして我が社はこれより、株式会社イカルガエンターテイメントとなる……」
「話が大きくなってきた!!」
「はづきちゃんのアクスタでちっちゃいビルが建つくらい稼げたのよ」
「私のアクスタで!?」
そんなに売れたのか……!!
「抱きまくらカバーでもう一個ちっちゃいビルが建つくらい稼げる予定だよ」
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