ゴボウでモンスターを倒したら、トップ配信者になりました。

あけちともあき

文字の大きさ
上 下
78 / 517
キラキラ? 私の夏休みラスト編

第78話 ボイトレへのお誘い伝説

しおりを挟む
 夏休みも終盤になったある時……。

「はづきちゃんってさ、ボイトレ行ったりしないの?」

 トライシグナルの水無月さんがそんな事を尋ねてきたのだ。

「ボ、ボ、ボイトレですか?」

 個室レストランで三人とお昼ごはんをしてた私は、突然のことに混乱した。
 どこからそんな話が……!?

 そうしたら、カンナちゃんが補足してくれた。

「私たちトライシグナルって、配信も歌もやるユニットなのね。だからきちんとトレーナー付けて、ボイストレーニングしてるわけ。もちろん、アカデミーでもレッスン受けてきたし」

「うんうん。ダンジョンでも声を張り上げられるに越したことはないもの! それに、声が通ると配信に映えるしね!」

 卯月さんの言葉で納得。
 そう言えば元々地声の大きい卯月さんを除いて、カンナちゃんも水無月さんもその気になれば、通る声出せるもんなあ。
 私は基本的にヘロヘロした蚊の鳴くような声である。

「なるほどです~」

「あっ、一時返答を保留して食べる方に集中した」

「いつもながらの大物ぶり……」

 別に大物ではない……!
 その後ショッピングに付き合い、なぜだか四人で水着を買おうという話になってしまい、清楚かつ悩ましボデーのカンナちゃん、スレンダーだけど出るとこ出てる水無月さん、元気100%でたまらんひとにはたまらない卯月さんなどを見て……。

「わ、私はいいので……。水に沈む……いや、凄く浮かぶけど強い太陽光に晒されるとダメージを受けるので……」

「屋内プール屋内プール!」

「はづきちゃん絶対凄いから! ほら、これとかどう!?」

 卯月さんが持ってきたのはもう、胸と腰回りをちょっと覆うだけの布!!

「あひー!? か、勘弁してくださあい」

「あれ? この鳴き声は」「はづきっちがいる!?」「ざわ、ざわ」

 いけない!
 私は慌てて口を抑えて、トライシグナルのみんなは私を隠すようにスクラムを組んだ。

「はづきちゃん、定番の叫びはめっちゃ通るよねえ」

「うんうん。声も結構特徴的だからわかりやすいかも……」

「これ、ボイトレしたら伸びるよ! それはそうと水着、水着!」

「あひー」

 結局三人に押し切られて、水着を買うことになってしまった。

「はづきちゃんは恥ずかしがり屋だから、タンキニがいいでしょ」

 カンナちゃん、私への解像度が高い。
 なんかぐねぐねした柄のタンキニ?とかいう水着を試着した。

 これは胸とかが目立ちづらいらしい。
 三人は着替えた私を見て、

「おお……」

「確かに他の水着よりは目立たないけど……」

「ちょっと太って見える?」

 そうかも知れない……!
 だけど、肌の隠れる部分が多いからこれで!
 私は水着を買い、近々三人とプールに行く約束をしたのだった。

 ちなみに、インドア派でスポーツを好まない私だけど、泳ぎだけは別だ。
 放っておくとプカーっと浮かぶし、そのままバチャバチャしていると先に進むので大変楽ちん。

 ただ、人混みが苦手なので海やプールにあまり行かないのである……!

 家に帰ると、母が水着を見てニコニコした。

「まあ! 三人とプールに行くの? お母さん、あなたがちゃんと青春してて嬉しいなあ」

「大変恥ずかしくはあるんだけどね……!」

「若いうちはバンバン挑戦しなくちゃ! 頑張って! 応援してるわね!」

「それとお母さん、なんかボイトレっていうのがあるそうで……」

「あら、お兄ちゃんも行ってたやつでしょう? いいんじゃない? お腹から声が出て悪いことは無いわよ」

「お兄ちゃんも行ってたんだ……。じゃ、やるかあ」

 身内がやってたとなると、急にハードルが低くなる私なのだ。
 泳ぎもそうだったし、配信もそうだしなー。

 その後、兄にも連絡を取った。
 ボイトレは二つ返事でOKをもらい、プールの話をしたら、

『なにっ! では斑鳩合同会社も参加する。我が社の看板であるお前を守らねばならんからな』

『えっ、斑鳩さんとプール行けるんですか!? よっしゃー!! 泳ぐぞ! 超布地が少ない水着買ったんですよね!』

『お前何を企んでいる……!?』

 なんか向こうで受付の人の声が凄く聞こえる!
 これもボイトレ効果か……!!

「よし、じゃあなんかボイトレとかプールとか、色々計画がついたから……。もう一回だけ水着を試着しておこう……」

 私はいそいそと着替えた。
 水着を身に着け、よし、それでは母の部屋の姿見を借りてチェックを……と思ったら。
 脱ぎ捨てた服につまずいて、私はすてーんと転んだ。

「あひー!」

 ちょうどそこに、スカートのポケットに入っていたAフォンが!
 そんなことある?

※『配信が始まってる!』『ゲリラということは重要な配信だな』『何も見えないぞ』『おーい、はづきっちー!』

「あひー! 始まってしまった!」

 Aフォンはいらんところで気が利くので、ふわっと浮かび上がって私を映し出した。
 同時に、私はバーチャライズしている。

※『!?!?!?!?!』『唐突な水着』『な、なんですってー!!』

「こ、こんな時に中身だけバーチャライズとかしなくていいのに!? あひー」

 水着お披露目になってしまった。

※エメラク『うおーっ!! 創作意欲が湧いてきました! 水着、作らせていただきます! 勝手にやります!』斑鳩『待って下さい。今正式に依頼を出しますので』

 コメント欄でエメラクさんと兄がビジネスのやり取り始めた!
 すっごいスピード感。
 そして盛り上がるチャット。

「あの、あの! 今回は、私がボイトレ行きますーっていう報告だけなんで! あ、あと、カンナちゃんたちトライシグナルとプール行きます! 夏の終わりくらい!」

※『うおおおおおおお』『すばらああああああ』『助かるううううう』

 うわーっと盛り上がるチャット。
 もう凄い速さで流れていくし同接ももりもり増える。

「こ、これで終わり! 終わりです!」

 私は慌てて配信を切ったのだった。
 配信時間は5分。

 後にアーカイブで、おこのみによる『あああああああリアルタイムで見れなかった辛いぃぃぃぃぃ』という魂の叫びとともに、赤スパが投げつけられていたのだった。
しおりを挟む
感想 189

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

社畜の俺の部屋にダンジョンの入り口が現れた!? ダンジョン配信で稼ぐのでブラック企業は辞めさせていただきます

さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。 冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。 底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。 そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。  部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。 ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。 『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】 その攻撃、収納する――――ッ!  【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。  理由は、マジックバッグを手に入れたから。  マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。  これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

異世界帰還者、現実世界のダンジョンで装備・知識・経験を活かして新米配信者として最速で成り上がる。

椿紅颯
ファンタジー
異世界から無事に帰還を果たした、太陽。 彼は異世界に召喚させられてしまったわけだが、あちらの世界で勇者だったわけでも英雄となったわけでもなかった。 そんな太陽であったが、自分で引き起こした訳でもないド派手な演出によって一躍時の人となってしまう。 しかも、それが一般人のカメラに収められて拡散などされてしまったからなおさら。 久しぶりの現実世界だからゆっくりしたいと思っていたのも束の間、まさかのそこにはなかったはずのダンジョンで活動する探索者となり、お金を稼ぐ名目として配信者としても活動することになってしまった。 それでは異世界でやってきたこととなんら変わりがない、と思っていたら、まさかのまさか――こちらの世界でもステータスもレベルアップもあるとのこと。 しかし、現実世界と異世界とでは明確な差があり、ほとんどの人間が“冒険”をしていなかった。 そのせいで、せっかくダンジョンで手に入れることができる資源を持て余らせてしまっていて、その解決手段として太陽が目を付けられたというわけだ。 お金を稼がなければならない太陽は、自身が有する知識・装備・経験でダンジョンを次々に攻略していく! 時には事件に巻き込まれ、時にはダンジョンでの熱い戦いを、時には仲間との年相応の青春を、時には時には……――。 異世界では英雄にはなれなかった男が、現実世界では誰かの英雄となる姿を乞うご期待ください!

処理中です...