149 / 173
第四部:オケアノス海の冒険 5
第140話 沼地のヒュドラー……じゃなくヒドラ その2
しおりを挟む
ヒドラの正体は、ヒュドラーによく似たウミウシ的な生き物だった。
いやあ、大きい。
確かに大きい。
『もげもげー』
凄い鳴き声を出すし。
「よーし、どれどれ……っと、足場が悪いなここ」
沼地をびしゃびしゃと踏むアルディ。
なるほど、沼の奥には踏み込めないな。
『もげもげー』
「あっ、首? 首っぽいのが伸びてきましたわ! きゃあ!」
アリサを目掛けて、首とも触手ともつかないものが伸びてくる。
あれか。
狙いやすいところが分かっているのか?
「ひゃあ、変なのがきたですよー! えいやー!!」
クルミにも触手が伸びてきたが、これは彼女が炸裂弾を投げつけて撃退する。
触手の先端は破裂してしまったが、すぐににょきにょきと生え変わる。
「ははあ、なるほどヒュドラーっぽい」
「オースさん! 感心してないで助けてほしいのですけどおー!!」
「神聖魔法で撃退しては? っと!」
俺はノーマルな弾を投げつけて、触手を弾いた。
おや、長く伸びると力が弱くなるようだ。
スリングからの一撃で弾かれてしまったな。
「神聖魔法は直接的に攻撃をできるものは、水場と相性が悪いのですわー! それにわたくし、体を動かすこと全般が苦手なのですけどー!!」
「神都ラグナスでは一人で脱走してきたのに?」
「人間、窮地に陥ると力が出るものですわ」
「ここは窮地じゃないってことか。余裕だなあ」
「ああ、うそうそ! 余裕はありませんわー! わたくしの全力でもあのぬめぬめは躱せませんわー!」
「だってさ、ブラン」
『わっふう』
ブランが口角を上げてみせた。
そして、水の上を歩いてアリサの元へ。
彼女の襟首を咥えると、ひょいっと放り上げて自分の背中に着地させた。
「じゃあアリサ、全体への補助を頼むよ」
「うほーっ!! モフモフの上なら元気百倍ですわあー!! やりますわよおー!!」
「リーダー俺にも頼む!」
アルディが足場をご所望だ。
「フランメ、頼まれてくれるか?」
『任せるチュン。我はあんなヌメヌメに触りたくないチュン。またあの人間に斬らせるチュン!!』
ジャンプしたアルディの足の下に、フランメが滑り込み、巨大化する。
水面ギリギリを、真紅のフェニックスが飛んでいった。
『もげもげもげー!』
「おっと、俺に標的を変えたな? ……あ、いや違うか」
『うにゃー!! 助けるにゃごしゅじーん!! 己はああいうのに精神攻撃が効かなそうだし、触手で叩くのも汚れそうでめちゃくちゃいやにゃああああ』
ドレが必死になって逃げてくる。
「よーし、こっちだドレ! 俺の肩に駆け上がれ!」
『ちゅっちゅーい!』
ここで俺のポケットから顔を出したローズが、気合を入れて鳴いた。
すると彼の額の宝石がぼんやり輝き、そこから光が一条放たれる。
光は水面を叩き……そこから、魚が一匹跳ね上がった。
『もげー!』
ヒドラの触手が魚を追いかける。
ドレから注意が逸れた。
この隙に、猫は俺の肩にしがみついた。
『うにゃー!! 助かったにゃあああああ!! ローズ、恩に着るにゃあ!』
『ちゅちゅーい!』
ローズが胸を張った。
そんな風にドレを受け止めながらも、俺の反撃準備は整っている。
手にしているのは炎晶石。
次々にぶち当てて、効果を検証していくとしよう。
今も頭上では、フランメに乗ったアルディが剣を振り回している。
彼の鋭い斬撃が、何本もの触手を切り落とすが、それは次々に再生してきてしまう。
「さて……こちらには乗り物が無いし、周囲を歩きながら攻撃して検証だ。それっ!!」
まずは炎晶石。
炸裂した炎は、触手を炎で焼き切り弾き飛ばす。
すると、焼けた後が再生しない。
いきなり当たりだった。
「早い……。普通こういうのは何発か試したあとだろ。それにヒュドラーまんまの弱点とかどうなんだ。ああ、いや、ヒドラだもんな。ヒュドラーの真似したモンスターみたいなもんだ……」
「どうしたですかセンセエ?」
「ああ、いやなんでもない。クルミ、炎晶石で攻撃だ!」
「はいです!!」
二人ならんで、炎晶石を投げつける……のでは効率が悪いな。
「アルディ、頼む! 片っ端から触手を切り落としてくれ!」
「おう!! 任せてくれ!」
フランメが凄まじい速度でヒドラに迫る。
掠めるように飛翔すると、その翼が触手を焼き、剣が触手を切り飛ばす。
なるほど、ヒドラを相手取るには最高のコンビだ。
だが、驚くべきことにアルディの手数は、フェニックスがヒドラを燃やすよりも遥かに多い。
虹色の剣閃が瞬き、巨大なウミウシの怪物を凄まじい勢いで切り裂いていく。
フランメが飛翔した先に、切り裂かれた跡が広がっているのだ。
「好都合! 行くぞクルミ! アルディが傷をつけたところに投げ込んでいけ!」
「はいですよー!! とりゃとりゃとりゃー!!」
俺とクルミの連続投擲。
炎晶石の雨が、ヒドラの体に叩き込まれていく。
焼かれた部分は再生しない。
つまり、そこを更に切り裂いて、切り裂かれた部分に炎を叩き込んでいく。
『も、もげ、もげええええええっ!!』
ある程度叩き込んだところで、ヒドラが断末魔の悲鳴を上げて、真っ二つに裂けた。
じっと確認していると、再生する気配はない。
「よしよし! 戦闘終了だな。ブラン! 俺をそこまで連れて行ってくれ!」
『わふーん』
アリサが接近を嫌がったため、結局そのへんをトコトコ走り回っていただけだったブラン。
元気に戻ってきた。
そして、アリサをぺいっと横に降ろす。
「あーれえー。いけずですわブランちゃーん」
そして、次いでブランにまたがるのは、俺とクルミである。
沼の上を走りながら、ヒドラの死体に向かってみる。
大変生臭い香りがする。
だが、じゅうじゅうと焼けている所はまあまあ美味しそうな匂いが……。
「ウミウシも貝の仲間だからかな……。しかし、どうしてウミウシがこんなに大きく……。ひょっとして、神話返りってのは、有名なモンスターによく似た姿に、動物達が変異して暴れてるんじゃないだろうな」
「動物が変わっちゃうですか!? それって、だれがやったですかねえ?」
クルミが後ろで疑問を口にする。
それで、ピンときた。
「そうか、原因があるかもしれないんだな。何か動物をモンスターに変えるような……って。まだまだ、ヒドラ一匹だけしか確認してないけどね。さあみんな、街に戻ってまた情報収集と行こうじゃないか!」
俺の声に、アルディとフランメが元気に応じる。
対して、ドレとアリサが休みたい休みたいとぶうぶう言うのだった。
いやあ、大きい。
確かに大きい。
『もげもげー』
凄い鳴き声を出すし。
「よーし、どれどれ……っと、足場が悪いなここ」
沼地をびしゃびしゃと踏むアルディ。
なるほど、沼の奥には踏み込めないな。
『もげもげー』
「あっ、首? 首っぽいのが伸びてきましたわ! きゃあ!」
アリサを目掛けて、首とも触手ともつかないものが伸びてくる。
あれか。
狙いやすいところが分かっているのか?
「ひゃあ、変なのがきたですよー! えいやー!!」
クルミにも触手が伸びてきたが、これは彼女が炸裂弾を投げつけて撃退する。
触手の先端は破裂してしまったが、すぐににょきにょきと生え変わる。
「ははあ、なるほどヒュドラーっぽい」
「オースさん! 感心してないで助けてほしいのですけどおー!!」
「神聖魔法で撃退しては? っと!」
俺はノーマルな弾を投げつけて、触手を弾いた。
おや、長く伸びると力が弱くなるようだ。
スリングからの一撃で弾かれてしまったな。
「神聖魔法は直接的に攻撃をできるものは、水場と相性が悪いのですわー! それにわたくし、体を動かすこと全般が苦手なのですけどー!!」
「神都ラグナスでは一人で脱走してきたのに?」
「人間、窮地に陥ると力が出るものですわ」
「ここは窮地じゃないってことか。余裕だなあ」
「ああ、うそうそ! 余裕はありませんわー! わたくしの全力でもあのぬめぬめは躱せませんわー!」
「だってさ、ブラン」
『わっふう』
ブランが口角を上げてみせた。
そして、水の上を歩いてアリサの元へ。
彼女の襟首を咥えると、ひょいっと放り上げて自分の背中に着地させた。
「じゃあアリサ、全体への補助を頼むよ」
「うほーっ!! モフモフの上なら元気百倍ですわあー!! やりますわよおー!!」
「リーダー俺にも頼む!」
アルディが足場をご所望だ。
「フランメ、頼まれてくれるか?」
『任せるチュン。我はあんなヌメヌメに触りたくないチュン。またあの人間に斬らせるチュン!!』
ジャンプしたアルディの足の下に、フランメが滑り込み、巨大化する。
水面ギリギリを、真紅のフェニックスが飛んでいった。
『もげもげもげー!』
「おっと、俺に標的を変えたな? ……あ、いや違うか」
『うにゃー!! 助けるにゃごしゅじーん!! 己はああいうのに精神攻撃が効かなそうだし、触手で叩くのも汚れそうでめちゃくちゃいやにゃああああ』
ドレが必死になって逃げてくる。
「よーし、こっちだドレ! 俺の肩に駆け上がれ!」
『ちゅっちゅーい!』
ここで俺のポケットから顔を出したローズが、気合を入れて鳴いた。
すると彼の額の宝石がぼんやり輝き、そこから光が一条放たれる。
光は水面を叩き……そこから、魚が一匹跳ね上がった。
『もげー!』
ヒドラの触手が魚を追いかける。
ドレから注意が逸れた。
この隙に、猫は俺の肩にしがみついた。
『うにゃー!! 助かったにゃあああああ!! ローズ、恩に着るにゃあ!』
『ちゅちゅーい!』
ローズが胸を張った。
そんな風にドレを受け止めながらも、俺の反撃準備は整っている。
手にしているのは炎晶石。
次々にぶち当てて、効果を検証していくとしよう。
今も頭上では、フランメに乗ったアルディが剣を振り回している。
彼の鋭い斬撃が、何本もの触手を切り落とすが、それは次々に再生してきてしまう。
「さて……こちらには乗り物が無いし、周囲を歩きながら攻撃して検証だ。それっ!!」
まずは炎晶石。
炸裂した炎は、触手を炎で焼き切り弾き飛ばす。
すると、焼けた後が再生しない。
いきなり当たりだった。
「早い……。普通こういうのは何発か試したあとだろ。それにヒュドラーまんまの弱点とかどうなんだ。ああ、いや、ヒドラだもんな。ヒュドラーの真似したモンスターみたいなもんだ……」
「どうしたですかセンセエ?」
「ああ、いやなんでもない。クルミ、炎晶石で攻撃だ!」
「はいです!!」
二人ならんで、炎晶石を投げつける……のでは効率が悪いな。
「アルディ、頼む! 片っ端から触手を切り落としてくれ!」
「おう!! 任せてくれ!」
フランメが凄まじい速度でヒドラに迫る。
掠めるように飛翔すると、その翼が触手を焼き、剣が触手を切り飛ばす。
なるほど、ヒドラを相手取るには最高のコンビだ。
だが、驚くべきことにアルディの手数は、フェニックスがヒドラを燃やすよりも遥かに多い。
虹色の剣閃が瞬き、巨大なウミウシの怪物を凄まじい勢いで切り裂いていく。
フランメが飛翔した先に、切り裂かれた跡が広がっているのだ。
「好都合! 行くぞクルミ! アルディが傷をつけたところに投げ込んでいけ!」
「はいですよー!! とりゃとりゃとりゃー!!」
俺とクルミの連続投擲。
炎晶石の雨が、ヒドラの体に叩き込まれていく。
焼かれた部分は再生しない。
つまり、そこを更に切り裂いて、切り裂かれた部分に炎を叩き込んでいく。
『も、もげ、もげええええええっ!!』
ある程度叩き込んだところで、ヒドラが断末魔の悲鳴を上げて、真っ二つに裂けた。
じっと確認していると、再生する気配はない。
「よしよし! 戦闘終了だな。ブラン! 俺をそこまで連れて行ってくれ!」
『わふーん』
アリサが接近を嫌がったため、結局そのへんをトコトコ走り回っていただけだったブラン。
元気に戻ってきた。
そして、アリサをぺいっと横に降ろす。
「あーれえー。いけずですわブランちゃーん」
そして、次いでブランにまたがるのは、俺とクルミである。
沼の上を走りながら、ヒドラの死体に向かってみる。
大変生臭い香りがする。
だが、じゅうじゅうと焼けている所はまあまあ美味しそうな匂いが……。
「ウミウシも貝の仲間だからかな……。しかし、どうしてウミウシがこんなに大きく……。ひょっとして、神話返りってのは、有名なモンスターによく似た姿に、動物達が変異して暴れてるんじゃないだろうな」
「動物が変わっちゃうですか!? それって、だれがやったですかねえ?」
クルミが後ろで疑問を口にする。
それで、ピンときた。
「そうか、原因があるかもしれないんだな。何か動物をモンスターに変えるような……って。まだまだ、ヒドラ一匹だけしか確認してないけどね。さあみんな、街に戻ってまた情報収集と行こうじゃないか!」
俺の声に、アルディとフランメが元気に応じる。
対して、ドレとアリサが休みたい休みたいとぶうぶう言うのだった。
11
お気に入りに追加
3,102
あなたにおすすめの小説
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
ユニークスキルの名前が禍々しいという理由で国外追放になった侯爵家の嫡男は世界を破壊して創り直します
かにくくり
ファンタジー
エバートン侯爵家の嫡男として生まれたルシフェルトは王国の守護神から【破壊の後の創造】という禍々しい名前のスキルを授かったという理由で王国から危険視され国外追放を言い渡されてしまう。
追放された先は王国と魔界との境にある魔獣の谷。
恐ろしい魔獣が闊歩するこの地に足を踏み入れて無事に帰った者はおらず、事実上の危険分子の排除であった。
それでもルシフェルトはスキル【破壊の後の創造】を駆使して生き延び、その過程で救った魔族の親子に誘われて小さな集落で暮らす事になる。
やがて彼の持つ力に気付いた魔王やエルフ、そして王国の思惑が複雑に絡み大戦乱へと発展していく。
鬱陶しいのでみんなぶっ壊して創り直してやります。
※小説家になろうにも投稿しています。
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
向原 行人
ファンタジー
僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。
実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。
そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。
なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!
そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。
だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。
どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。
一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!
僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!
それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?
待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
金貨増殖バグが止まらないので、そのまま快適なスローライフを送ります
桜井正宗
ファンタジー
無能の落ちこぼれと認定された『ギルド職員』兼『ぷちドラゴン』使いの『ぷちテイマー』のヘンリーは、職員をクビとなり、国さえも追放されてしまう。
突然、空から女の子が降ってくると、キャッチしきれず女の子を地面へ激突させてしまう。それが聖女との出会いだった。
銀髪の自称聖女から『ギフト』を貰い、ヘンリーは、両手に持てない程の金貨を大量に手に入れた。これで一生遊んで暮らせると思いきや、金貨はどんどん増えていく。増殖が止まらない金貨。どんどん増えていってしまった。
聖女によれば“金貨増殖バグ”だという。幸い、元ギルド職員の権限でアイテムボックス量は無駄に多く持っていたので、そこへ保管しまくった。
大金持ちになったヘンリーは、とりあえず念願だった屋敷を買い……スローライフを始めていく!?
雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる