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第三部:セントロー王国の冒険 4
第107話 こんにちは赤ちゃん その4
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腕試し武闘大会には、様々な種類の人物が参加した。
男爵領に務める元冒険者の役人。
オーガの腕自慢。
アンドロスコルピオ。
隣の貴族領の兵士。
うちのカイル。
武器は、木の棒を短い槍くらいの長さにしたものだ。
両手剣として使ってもいいし、斧のように振り回してもいいし、槍として扱ってもいい。
ただし、無用な怪我はさせないように。
参ったと言うか、転んだら負け。
健全なルールだ。
「センセエは出ないです?」
「あのルールだと俺は弱い」
俺は断言した。
俺の強さは、なんでもありにこそある。
メインの武器はスリングだし、サブの武器はショートソードだ。
長物を振り回すようには体を作っていない。
「センセエの活躍みたかったですねえ」
クルミがしょんぼりした。
「……仕方ないなあ……。クルミのご期待に応えるために俺も出るかあ」
そういう事になってしまった。
なんということだ。
すると、途端にクルミがぱっと表情を明るくした。
「がんばるです、センセエ! クルミ、いちばん応援するですよー!!」
「はいはい」
まあ、悪い気はしない。
短めの棒をもらって参加することにした。
「オースさんが出るのか!? こりゃあ、ついに手合わせが叶うのか……。ちょっと燃えてきたぜ」
頼むから燃えないでくれ、カイル。
最初の試合は、カイルvsアンドロスコルピオ。
アンドロスコルピオはサソリの下半身をしているから、足が多い。
基本的に転倒はしない。
これはなかなか厄介な相手だぞ。
カイルと同じく、棒を槍として扱うようだ。
二人は少しだけにらみ合い、すぐに動いた。
そして、驚くほどあっけなく決着がついたのだ。
アンドロスコルピオの槍を軽々と回避したカイルが、懐に入り込む。
そして棒を相手の下に差し込み、自分の膝を支点にして、そのままテコの原理でひっくり返したのである。
「ウグワー」
アンドロスコルピオが転んだ。
瞬く間の勝利である。
周囲は一瞬呆然として、すぐに歓声が巻き起こった。
「どうもー!」
カイルが得意げに、声援に応える。
なるほど、あれは素晴らしい勝ち方だ。
誰も傷つけないものな。
アンドロスコルピオは苦笑している。
まさか、自分が転ばされるとは思ってもいなかったのだろう。
やんややんやと盛り上がる会場だが、そこにある人物がやって来たことで、盛り上がりがさらに増した。
それは、元気になったナオ夫人と、赤ちゃんである。
赤ちゃんは、大変健康な様子。
今も、大歓声の中、ぐうぐう寝ている様子は器の大きさを見せつけてくれる。
「赤ちゃん! みていいですか!」
「どうぞどうぞ」
クルミが夫人にアタックしていった。
何やら二人でお話をしているな。
『ご主人、気になるにゃ?』
「気になる」
『その気にならない男へのアプローチの仕方を聞いてるにゃ』
「うわーっ」
『あっちの女もかなり苦労したって言ってるにゃ。結婚してから一年掛けてじっくりアプローチしてやっと、だけどとても楽しい創意工夫でしたよって言ってるにゃ』
「長期戦で落としたのか……」
『クルミがうなずいてるにゃ。同じ戦法で攻めてくるにゃ。がんばるにゃ、ご主人』
「頑張るも何もないだろう。落とされるのは時間の問題だぞ」
俺はそういう免疫がほぼ無いからな。
『まあこれまでご主人を狙っていた数々の女達を陰で退けてきたのはクルミだからにゃ』
「なんだそれ初耳だぞ」
『おっと』
「おっとじゃない。こらドレ、逃げるな! おーい!」
ドレはちょろちょろと走り去ってしまった。
あいつめえ。
そして俺の番が来た。
相手はオーガの農夫。
「へっへっへ、怪我しないように気をつけるからよ。にいちゃんも気をつけろよ」
割と本気で体格差を心配してくれているらしいオーガ。
この領地には善人しかいないな。
「ご忠告どうも。俺も君に怪我をさせないように気をつけるよ」
「おお、やる気だな! よし、来い来い。どうやって俺をやっつけるのか楽しみだぜ」
ということで、オーガと試合開始だ。
こういう大きい種族は、とにかくリーチが長い。
反面、懐に入れば攻撃手段が乏しくなる。
これは先日、ラグナスで相手をしたミノタウロスと一緒だな。
そして彼らは、大まかな身体構造では人間に近い。
つまりだ。
オーガが振り回す木の棒を、俺はしゃがみながら掻い潜った。
今回は転倒するわけにはいかないから、地面をゴロゴロしながら近づくのはアウト。
だが、体勢を低くして移動するのは得意なんだ。
「うおっ、低い! 当たらねえ!」
オーガが焦る。
俺はしゃがみ移動で、普通の人の全力疾走くらいの速度で動けるからな。
そしてあっという間に懐へ。
棒を、オーガの肘に的確な角度でコツンと当てた。
「あひゃー!」
オーガの腕がじーんと痺れた。
肘のある部分には、腕を動かすための組織が集まっている。だからここを叩くと腕全体が痺れるのだ。
オーガが武器を取り落した。
「武器が!」
オーガが一歩踏み込もうとした。
その瞬間、俺は振り上げられた彼の足の、膝をコツンと叩いた。
「あひゃー!」
膝を叩かれた反射で、オーガの足がひょいっと上がった。
お、健全な反応。彼は健康だ。
男爵領の食糧事情は良好だな。
踏ん張りが効かなくなったオーガが、片足でけんけんした。
それを、俺がポンっと押す。
「ウグワー」
こてんっとオーガが転んだ。
観衆は一瞬静かになり、次いでウワーッと大歓声。
俺が短い棒一本で、オーガを倒すとは思いもしなかったようだ。
「参ったー。まるで魔法だなあ……!」
オーガが倒れながら感心している。
俺は彼を助け起こしながら、笑った。
「ここの男爵と同じ、知識と工夫だよ」
「なーるほど! ジーンさんと同じ技じゃあ勝てねえなあ」
ちなみにこれを見ていたビブリオス男爵も、俺の戦い方は気に入ったようだった。
「私もやってみたい」
「ダメです先輩。あなた、運動神経あんまりよくないんですから」
夫人にたしなめられているのだった。
男爵領に務める元冒険者の役人。
オーガの腕自慢。
アンドロスコルピオ。
隣の貴族領の兵士。
うちのカイル。
武器は、木の棒を短い槍くらいの長さにしたものだ。
両手剣として使ってもいいし、斧のように振り回してもいいし、槍として扱ってもいい。
ただし、無用な怪我はさせないように。
参ったと言うか、転んだら負け。
健全なルールだ。
「センセエは出ないです?」
「あのルールだと俺は弱い」
俺は断言した。
俺の強さは、なんでもありにこそある。
メインの武器はスリングだし、サブの武器はショートソードだ。
長物を振り回すようには体を作っていない。
「センセエの活躍みたかったですねえ」
クルミがしょんぼりした。
「……仕方ないなあ……。クルミのご期待に応えるために俺も出るかあ」
そういう事になってしまった。
なんということだ。
すると、途端にクルミがぱっと表情を明るくした。
「がんばるです、センセエ! クルミ、いちばん応援するですよー!!」
「はいはい」
まあ、悪い気はしない。
短めの棒をもらって参加することにした。
「オースさんが出るのか!? こりゃあ、ついに手合わせが叶うのか……。ちょっと燃えてきたぜ」
頼むから燃えないでくれ、カイル。
最初の試合は、カイルvsアンドロスコルピオ。
アンドロスコルピオはサソリの下半身をしているから、足が多い。
基本的に転倒はしない。
これはなかなか厄介な相手だぞ。
カイルと同じく、棒を槍として扱うようだ。
二人は少しだけにらみ合い、すぐに動いた。
そして、驚くほどあっけなく決着がついたのだ。
アンドロスコルピオの槍を軽々と回避したカイルが、懐に入り込む。
そして棒を相手の下に差し込み、自分の膝を支点にして、そのままテコの原理でひっくり返したのである。
「ウグワー」
アンドロスコルピオが転んだ。
瞬く間の勝利である。
周囲は一瞬呆然として、すぐに歓声が巻き起こった。
「どうもー!」
カイルが得意げに、声援に応える。
なるほど、あれは素晴らしい勝ち方だ。
誰も傷つけないものな。
アンドロスコルピオは苦笑している。
まさか、自分が転ばされるとは思ってもいなかったのだろう。
やんややんやと盛り上がる会場だが、そこにある人物がやって来たことで、盛り上がりがさらに増した。
それは、元気になったナオ夫人と、赤ちゃんである。
赤ちゃんは、大変健康な様子。
今も、大歓声の中、ぐうぐう寝ている様子は器の大きさを見せつけてくれる。
「赤ちゃん! みていいですか!」
「どうぞどうぞ」
クルミが夫人にアタックしていった。
何やら二人でお話をしているな。
『ご主人、気になるにゃ?』
「気になる」
『その気にならない男へのアプローチの仕方を聞いてるにゃ』
「うわーっ」
『あっちの女もかなり苦労したって言ってるにゃ。結婚してから一年掛けてじっくりアプローチしてやっと、だけどとても楽しい創意工夫でしたよって言ってるにゃ』
「長期戦で落としたのか……」
『クルミがうなずいてるにゃ。同じ戦法で攻めてくるにゃ。がんばるにゃ、ご主人』
「頑張るも何もないだろう。落とされるのは時間の問題だぞ」
俺はそういう免疫がほぼ無いからな。
『まあこれまでご主人を狙っていた数々の女達を陰で退けてきたのはクルミだからにゃ』
「なんだそれ初耳だぞ」
『おっと』
「おっとじゃない。こらドレ、逃げるな! おーい!」
ドレはちょろちょろと走り去ってしまった。
あいつめえ。
そして俺の番が来た。
相手はオーガの農夫。
「へっへっへ、怪我しないように気をつけるからよ。にいちゃんも気をつけろよ」
割と本気で体格差を心配してくれているらしいオーガ。
この領地には善人しかいないな。
「ご忠告どうも。俺も君に怪我をさせないように気をつけるよ」
「おお、やる気だな! よし、来い来い。どうやって俺をやっつけるのか楽しみだぜ」
ということで、オーガと試合開始だ。
こういう大きい種族は、とにかくリーチが長い。
反面、懐に入れば攻撃手段が乏しくなる。
これは先日、ラグナスで相手をしたミノタウロスと一緒だな。
そして彼らは、大まかな身体構造では人間に近い。
つまりだ。
オーガが振り回す木の棒を、俺はしゃがみながら掻い潜った。
今回は転倒するわけにはいかないから、地面をゴロゴロしながら近づくのはアウト。
だが、体勢を低くして移動するのは得意なんだ。
「うおっ、低い! 当たらねえ!」
オーガが焦る。
俺はしゃがみ移動で、普通の人の全力疾走くらいの速度で動けるからな。
そしてあっという間に懐へ。
棒を、オーガの肘に的確な角度でコツンと当てた。
「あひゃー!」
オーガの腕がじーんと痺れた。
肘のある部分には、腕を動かすための組織が集まっている。だからここを叩くと腕全体が痺れるのだ。
オーガが武器を取り落した。
「武器が!」
オーガが一歩踏み込もうとした。
その瞬間、俺は振り上げられた彼の足の、膝をコツンと叩いた。
「あひゃー!」
膝を叩かれた反射で、オーガの足がひょいっと上がった。
お、健全な反応。彼は健康だ。
男爵領の食糧事情は良好だな。
踏ん張りが効かなくなったオーガが、片足でけんけんした。
それを、俺がポンっと押す。
「ウグワー」
こてんっとオーガが転んだ。
観衆は一瞬静かになり、次いでウワーッと大歓声。
俺が短い棒一本で、オーガを倒すとは思いもしなかったようだ。
「参ったー。まるで魔法だなあ……!」
オーガが倒れながら感心している。
俺は彼を助け起こしながら、笑った。
「ここの男爵と同じ、知識と工夫だよ」
「なーるほど! ジーンさんと同じ技じゃあ勝てねえなあ」
ちなみにこれを見ていたビブリオス男爵も、俺の戦い方は気に入ったようだった。
「私もやってみたい」
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