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第三部:セントロー王国の冒険 1
第89話 ここは地下世界レイアス その1
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神都ラグナスと、そこで過ごした仲間達に別れを告げたモフライダーズ。
次なる目的地、セントロー王国目指して旅が始まる。
とは言っても、のどかなものだ。
王国が用意してくれた大きな馬車にのり、かっぽかっぽと王国を縦断していく。
野山に、放牧されている羊達に、よく手入れされた林や泉。
牧歌的な風景が視界を流れていく。
大きな馬車を貸してもらったので、後ろの方には動物用の荷馬車がくっついてきている。
そこをブランが独り占めし、まったりと寝そべっていた。
いつもは荷馬車を引っ張るような仕事ばかりだものな。
ここぞとばかりに、引っ張ってもらうだけの楽な旅を満喫しているようだ。
「ほわほわほわ……眠くなってくるですねえ」
ぼーっと外を眺めていたクルミが、大あくびをした。
「寝たらいいよ。目的地までは3日かかるそうだし、たまにはこうしてのんびりするのもいいんじゃないかな」
「そうですねえー」
クルミは口をむにゅむにゅさせると、そのまま俺に寄りかかって、ぐうぐう寝てしまった。
あっ、参ったな。
俺が身動きできなくなったぞ。
『どうせ少しくらい動いてもクルミは寝たままだにゃ』
「そんなもんかな」
『己もちょっとやそっとでは起きないにゃ。生理的には寝る必要がないけど』
ドレは無いだろうなあ。
ブランと同じような強大なモンスターだし。
『ちゅっちゅ』
ローズは馬車の中の探検に飽きてきたらしく、俺の腕をぺちぺち叩いている。
「なんだい?」
『ちゅうー』
「オースさん! ローズちゃんが暇なようなら、わたくしが遊んであげますわ……!!」
『ちゅちゅっ!』
「あ、避難したい? はいはい」
俺が傍らに置いた袋の口を開けると、そこにローズが潜り込んでいった。
ローズは狭いところが大好きなのだ。
「ああ~」
アリサが無念そうに呻いた。
「つーかアリサもめげねえよなあ……。なんでそんなにモフモフが好きなんだよ」
まったりしていたカイルがふと尋ねる。
「それはもう! ……なんか気付いたら大好きだったのですわ! モフモフが嫌いな人なんていませんもの!!」
「理由が無いのか……!」
「ああー。ローズちゃんが最近構ってくれませんの! わたくし、モフモフの禁断症状が出てしまいます……! ドレちゃん!!」
『う、うわーっ己に来たにゃーっ』
「むっふっふ、狭い車内なら逃げ場所はありませんでしょう!!」
それなりに広い馬車の中なんだけどな。
モフモフを相手取った時だけ、運動能力がドレを超えるらしいアリサが、あっさりと猫を捕まえてしまった。
じたばたするドレだったが、ブラッシングを巧みな技量でやられてすぐ骨抜きになってしまった。
アリサも腕を上げている……。
このまま何事もなく旅は続き、やがて目的地へやって来た。
そこは海が見える、イリアノス法国の辺境の村。
漁を生業としているようだが、最近になって地下世界への入り口が発見されたらしい。
村の中ほどに、小さな砦に似た建造物がある。
「あれが地下世界への入り口か」
どうやって地下世界へ行くのだろう。
まさか、下り階段を使って降りていくとか?
ははは、無い無い。
馬車から降りて、旅をともにした御者に別れを告げる。
そして俺達は、地下世界への入り口をくぐった。
そこは……下り階段だった。
「階段かあ……」
「まっくらですねえー」
クルミが目を細めて、先を見通そうとする。
だが、本当に明かり一つ無い暗闇だったので、何も見えなかったようだ。
「大教会から連絡は受け取っております。この魔法のランタンを使ってください」
入り口の管理人がやって来て、俺達に魔法のアイテムをくれた。
魔法のランタン。
これは、持ち手が魔力を込めることで、その魔力に応じた光を放つアイテムだ。
強く輝かせることもできるが、そうすると魔力消費が大きくなりすぎてしまう。
そこそこで止めておくのがテクニックだな。
「よーし、それじゃあ行ってみようか」
「うっす!!」
カイルはやる気満々。
旅の間は無気力だったが、どうやら彼は荒事の可能性が出てくると生き生きしてくる人種らしい。
「俺が先頭を切るっすよ! 任せて欲しいっす!」
「気をつけてね。というか、片手にランタンだとコルセスカ使えないだろ。あ、屋内だから短槍使うのか」
「そういうことっす」
「クルミはですねー。センセエと手をつなぎたいのです!」
「はいはい」
クルミに片手を掌握されて、俺も戦闘に移るのは大変になった。
まあたまにはこういうのもいい。
アリサなんかドレを全力で抱っこしていて、両手と五感の半分がモフモフで塞がっているからな。
『わふ』
ずっと休んでたから元気いっぱい、僕に任せてよ、とブランが頼もしい。
だけど君、階段の一番後ろを歩くよね?
どうやって前に出るんだろうか。
疑問などを覚えつつ、俺は地下世界への階段を下っていった。
足を踏み外さないよう、慎重に一歩一歩。
どこまで続くか分からないほど長い階段だ。
この階段を作った人は、大したものだ。
遥かな地下から、どれだけの時間を掛けたのだろうか。
あ、いや、ラグナ新教の謎の魔法技術を考えると、ちゃちゃっと作ってしまった可能性もあるのか。
うーん、それもまた趣が無いと言うか何というか。いや、便利なことはいいことなんだけど。
「センセエ、むつかしいこと考えてるです?」
「別にそうでもない」
どうでもいいことを考えていたのだ。
さて、本来地下と言えば、空気は淀んで妙な臭いがついてたりするものだ。
地下室なんかはそんな感じだね。
だが、地下世界へとつながる階段は、下っていっても地下室などに特有の臭いはない。
それどころか、それなりに新鮮な空気が地下から地上へと吹き上がっていくのを感じる。
地底に風が吹いているのだ。
間違いなく、俺の知らない世界がそこにあるのだろう。
「そう考えると、確かにワクワクしてくるな」
「ワクワクです?」
「ワクワクだ」
「そうですか! センセエがワクワクしてると、クルミもワクワクするですよ!」
暗くてよく見えないが、クルミがいい笑顔を浮かべているであろうことは分かるのだった。
次なる目的地、セントロー王国目指して旅が始まる。
とは言っても、のどかなものだ。
王国が用意してくれた大きな馬車にのり、かっぽかっぽと王国を縦断していく。
野山に、放牧されている羊達に、よく手入れされた林や泉。
牧歌的な風景が視界を流れていく。
大きな馬車を貸してもらったので、後ろの方には動物用の荷馬車がくっついてきている。
そこをブランが独り占めし、まったりと寝そべっていた。
いつもは荷馬車を引っ張るような仕事ばかりだものな。
ここぞとばかりに、引っ張ってもらうだけの楽な旅を満喫しているようだ。
「ほわほわほわ……眠くなってくるですねえ」
ぼーっと外を眺めていたクルミが、大あくびをした。
「寝たらいいよ。目的地までは3日かかるそうだし、たまにはこうしてのんびりするのもいいんじゃないかな」
「そうですねえー」
クルミは口をむにゅむにゅさせると、そのまま俺に寄りかかって、ぐうぐう寝てしまった。
あっ、参ったな。
俺が身動きできなくなったぞ。
『どうせ少しくらい動いてもクルミは寝たままだにゃ』
「そんなもんかな」
『己もちょっとやそっとでは起きないにゃ。生理的には寝る必要がないけど』
ドレは無いだろうなあ。
ブランと同じような強大なモンスターだし。
『ちゅっちゅ』
ローズは馬車の中の探検に飽きてきたらしく、俺の腕をぺちぺち叩いている。
「なんだい?」
『ちゅうー』
「オースさん! ローズちゃんが暇なようなら、わたくしが遊んであげますわ……!!」
『ちゅちゅっ!』
「あ、避難したい? はいはい」
俺が傍らに置いた袋の口を開けると、そこにローズが潜り込んでいった。
ローズは狭いところが大好きなのだ。
「ああ~」
アリサが無念そうに呻いた。
「つーかアリサもめげねえよなあ……。なんでそんなにモフモフが好きなんだよ」
まったりしていたカイルがふと尋ねる。
「それはもう! ……なんか気付いたら大好きだったのですわ! モフモフが嫌いな人なんていませんもの!!」
「理由が無いのか……!」
「ああー。ローズちゃんが最近構ってくれませんの! わたくし、モフモフの禁断症状が出てしまいます……! ドレちゃん!!」
『う、うわーっ己に来たにゃーっ』
「むっふっふ、狭い車内なら逃げ場所はありませんでしょう!!」
それなりに広い馬車の中なんだけどな。
モフモフを相手取った時だけ、運動能力がドレを超えるらしいアリサが、あっさりと猫を捕まえてしまった。
じたばたするドレだったが、ブラッシングを巧みな技量でやられてすぐ骨抜きになってしまった。
アリサも腕を上げている……。
このまま何事もなく旅は続き、やがて目的地へやって来た。
そこは海が見える、イリアノス法国の辺境の村。
漁を生業としているようだが、最近になって地下世界への入り口が発見されたらしい。
村の中ほどに、小さな砦に似た建造物がある。
「あれが地下世界への入り口か」
どうやって地下世界へ行くのだろう。
まさか、下り階段を使って降りていくとか?
ははは、無い無い。
馬車から降りて、旅をともにした御者に別れを告げる。
そして俺達は、地下世界への入り口をくぐった。
そこは……下り階段だった。
「階段かあ……」
「まっくらですねえー」
クルミが目を細めて、先を見通そうとする。
だが、本当に明かり一つ無い暗闇だったので、何も見えなかったようだ。
「大教会から連絡は受け取っております。この魔法のランタンを使ってください」
入り口の管理人がやって来て、俺達に魔法のアイテムをくれた。
魔法のランタン。
これは、持ち手が魔力を込めることで、その魔力に応じた光を放つアイテムだ。
強く輝かせることもできるが、そうすると魔力消費が大きくなりすぎてしまう。
そこそこで止めておくのがテクニックだな。
「よーし、それじゃあ行ってみようか」
「うっす!!」
カイルはやる気満々。
旅の間は無気力だったが、どうやら彼は荒事の可能性が出てくると生き生きしてくる人種らしい。
「俺が先頭を切るっすよ! 任せて欲しいっす!」
「気をつけてね。というか、片手にランタンだとコルセスカ使えないだろ。あ、屋内だから短槍使うのか」
「そういうことっす」
「クルミはですねー。センセエと手をつなぎたいのです!」
「はいはい」
クルミに片手を掌握されて、俺も戦闘に移るのは大変になった。
まあたまにはこういうのもいい。
アリサなんかドレを全力で抱っこしていて、両手と五感の半分がモフモフで塞がっているからな。
『わふ』
ずっと休んでたから元気いっぱい、僕に任せてよ、とブランが頼もしい。
だけど君、階段の一番後ろを歩くよね?
どうやって前に出るんだろうか。
疑問などを覚えつつ、俺は地下世界への階段を下っていった。
足を踏み外さないよう、慎重に一歩一歩。
どこまで続くか分からないほど長い階段だ。
この階段を作った人は、大したものだ。
遥かな地下から、どれだけの時間を掛けたのだろうか。
あ、いや、ラグナ新教の謎の魔法技術を考えると、ちゃちゃっと作ってしまった可能性もあるのか。
うーん、それもまた趣が無いと言うか何というか。いや、便利なことはいいことなんだけど。
「センセエ、むつかしいこと考えてるです?」
「別にそうでもない」
どうでもいいことを考えていたのだ。
さて、本来地下と言えば、空気は淀んで妙な臭いがついてたりするものだ。
地下室なんかはそんな感じだね。
だが、地下世界へとつながる階段は、下っていっても地下室などに特有の臭いはない。
それどころか、それなりに新鮮な空気が地下から地上へと吹き上がっていくのを感じる。
地底に風が吹いているのだ。
間違いなく、俺の知らない世界がそこにあるのだろう。
「そう考えると、確かにワクワクしてくるな」
「ワクワクです?」
「ワクワクだ」
「そうですか! センセエがワクワクしてると、クルミもワクワクするですよ!」
暗くてよく見えないが、クルミがいい笑顔を浮かべているであろうことは分かるのだった。
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