ELYSIUM

久保 ちはろ

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Part 19-2

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 夕食後、まどかソファに寝そべり、獅子王が図書館で借りてきてくれた音源をオーディオで聴いていた。
『地球の音源がいくつかあったぞ』と、彼はクラシック音楽を見立ててくれた。
 やはりオーケストラの音の重なりは素敵だ。
 しばらく音楽に集中していたまどかの耳に、短く、機械音が紛れ込んだ。おもむろに、体を捻って入り口の方を見る。
 キッチンで片付けをしていた獅子王が、手を拭きながら出て来て、ドアを開けた。
 ロボットーーポストマンから何か箱を受け取っている。それは、かなり大きい。
 白い平たい大きな箱の上にもう一つそれよりも大分小さい箱を重ねたものを、彼はまどかの前に来て差し出した。
「おまえに」
 まどかは体を起こして、それを受け取る。
「誰から?」
「シャム」
 まどかは首を傾げながら、包装も何もされてない箱の蓋をぱかっと開ける。薄紙をそっとめくると、ドレスだった。
 ホルターネックであろう、その首の部分をつまんで少し持ち上げてみる。
 とても手触りのいい、シルクのような光沢を持つ、黒いドレスだ。もう一つの箱には、黒の華奢なハイヒールとピンクパールの小振りなクラッチバッグが入っていた。
 獅子王も腰に手を当てて、不思議そうに見下ろしている。
「何かの間違いじゃない?」
 同意を求めるように獅子王を見上げた。彼はオレに聞かれてもな、と肩をすくめ、答えに困っている。
 そのとき、寝室の方でまどかのパルスがメッセージの受信を知らせた。
『件名:ハシャロム氏の夜会同伴』
 ソファの肘掛けに腰掛け、何か思案するようにじっとドレスに視線を注ぐ獅子王に、まどかはメッセージの内容を伝える。
「長官からだった。次の週末に、教授の夜会に同伴しなきゃいけないって。これを着て、迎えに来た無人タクシーに乗れって」
 獅子王は納得したように、「あぁ、あの懐古主義レトロな……」と軽く頷いた。
「知ってるの?」
「ハシャロムはバーシスここの昔の高級官職にあった人だ。引退してかなり経つ年金組だけど、たまにバーシスから誰かしらを夜会に呼ぶ。まぁ、まだ自分はバーシスと繋がっていたいって腹なんだろうけどな。あの夜会はなかなかの見物だぞ。こういう音楽流れてるし。おまえ、好きかもよ」
「行ったことある?」
「あるよ」
 まどかも彼の隣に立ち、ドレスと獅子王を交互に見やった。手を伸ばして、獅子王の腕に触れる。
「私が側にいると、迷惑?」
 彼はドレスを見た時と同じ、不思議そうな顔でまどかを見る。
「オレはおまえに付いて戻って来たんだぜ? なんでそんなこと聞く?」
 そう言われると、何も答えられなかった。まどかは少し体を彼の方へ寄せ、キスをした。
 触れるだけのキス。
 彼は逃げなかった。しかし、まどかを求めることもしなかった。


 夜会当日。
 まどかはイブニングドレスを着て、姿見の前でため息をついた。それは、まどかが今まで着たどの服よりも上等で、素敵だった。
 ホルターネックの身ごろは、デコルテの上を流れ、胸の膨らみを上品に際立たせながら腰のカーブで絞られている。腰からくるぶしまでのフルレングスは、体の線を誤摩化せない細身のマーメイドタイプだ。
 前には膝のやや上まですっとスリットが入っている。背中が大きく開いているが、そのカットも絶妙だった。
 素材が肌に吸い付くようで、気持ちがいい。アクセサリーはなかったので、夜会にはやや寂しい気がした。
 獅子王は外出していて、まどかが出るまでに帰って来なかった。
 直前に長官から来たメッセージに、メイク不要とあったのには驚いた。ーーどんな夜会なの。仮面舞踏会だろうか?
 約束された時間は、夜会にはやや早いのではと思われる時間だったが、まどかは家を出ると、すでにバーシスの正面玄関で待っていた無人タクシーに乗込んだ。
 クラッチバッグからピースを取り出し、窪みに差し込むと、どこへ向かうかはすでに入力されていたらしい。
 それは滑らかに走り出した。
 しばらく走って、着いた先はヘアサロンだった。
(あぁ、ここで支度を完璧にするのね)
 まどかが店内に入って名前を告げると、お人形のような女性技術士が満面の笑みで「承っております」と応えた。
 早速まどかは鏡の前に座らされ、ネイリストに爪を整えられ、モーブに塗られ、先にストーンを散りばめられた。
 あっという間に、セミロングの髪は夜会巻きに。
 メイクは控えめだが「これが自分か」と思う変容ぶりだった。驚きビフォー・アフター。
 地味な顔ほど化粧が映えるーーなどと、まどかは自分で納得しながら鏡を眺める。
「お肌が綺麗なので、メイクのノリがとてもいいですよね」
 女性技術士は、自分の仕事ぶりに相当満足しているようで、頰が上気していた。
 そのとき、他の店員が新たな客を迎えたようだ。
「どうぞ、お待ちしておりました」
 明るい声を頭の後ろで声を聞きながら、鏡の端に映った人影にまどかは自分の目を疑った。
(イルマ教官……!)
 それも、鏡に映っている長身の彼は……燕尾服姿だ。
 まどかは隠れるわけにもいかず、椅子の肘掛けの指先に力を入れ、石のように体を硬くしたまま、近づく鏡の中の男から目が離せずにいた。
 もちろん仕事中ではないので、メガネはかけていない。認めるのは悔しいけど、彼は美しすぎる。
 まどかの心拍数は爆上がりだ。手には、汗が滲む。
「丁度よかったですよ。今終わりました。お綺麗な方なので、メイクもすぐに終わりました」
 彼女は体を覆うケープをさらりと取り払う。
 彼はすでにまどかの後ろまで来ていて、鏡には彼のテイルコートと、その下の白いベストの胸部までしか映っていない。
「あぁ、綺麗だ」
 頭の上からすでに馴染みの、平淡な声が降ってくる。
「お疲れさまでした。もう立たれても結構ですよ」
 はっとして、慌てて肘掛けの上の手に力を入れた。
 刹那、目の前に手が差し出された。形のいい手。思わず条件反射のように、その上に自分のを乗せた。
 ぐっと体が引き上げられた。鏡の中に、どこから見ても完璧な正装をした一組の男女が映っていた。
「とてもよくお似合いです……」
 技術者が深いため息をつく。その視線はイルマ・ルイに釘付けだ。
「知ってるよ」
 彼は素早くまどかの耳元に口を寄せて囁いた。
(!!)
 まどかの目が点になるかならないうちに、彼は「会計を。少し急ぐので」と技術者を急かした。

 イルマ教官が、外に待たせておいた無人タクシーのドアをボタン一つで開け、まどかが座るのを見てから自分も隣に乗込んだ。
 ピースを差し込むと、滑らかに走り出した。教官はシートに頭をもたれさせて、私を流し目で見ている。上から下までまるで値踏みしているようだ。
 まどかはその視線に堪えられず、思い切り窓際に寄り、光の流れる夜の景色を見ていた。
「あ」
 教官が声をあげ、まどかは顔を少しだけそちらへ向けた。
 彼は少し腰を浮かせて、パンツのポケットを弄ってまさぐっている。そして、何かを取り出し、「ちょっと、こっちに来いよ」と、鼻の高さで人差し指をくいくいっと折った。
 まどかは露骨に眉間に皺を寄せつつ、やや彼の方へ体をずらした。
「体、こっちに向けて」
 言う通りにすると、目の前に、彼の両手の指先でつままれたものを見た。黒いサテンのリボンに通された大きなクリスタルのペンダントだ。
 彼はまどかの首に手を回し、リボンを首の後ろで結んだ。
 クリスタルは外から入る街の光を反射し、ミラーボールのように車中に光の粒を散らした。
「夜会ではオレはバーシスの雇われ教官。おまえはその優秀な教え子、で行くんだから、教え子はそんなに贅沢な格好しなくてもいいだろ。アクセサリーもそれほど高価じゃないが、十分だと思ってな。ま、オレの母の形見でもあるわけなんだけど」
 彼の顔はまどかの鼻と彼のが触れ合いそうなくらい近い。グリーンノートとミント、そしてわずかにジャスミンの混ざった爽やかな芳香が鼻腔をくすぐった。雨上がりの森の中をイメージさせる。
 まどかは負けじと彼を睨む。
「そ、そんな大事な物、私はつけられません」
「似合うからいいんだよ。……ところで、おまえ、逃げないの? オレ、このままキスしようと思ってるんだけど」
「逃げても、追いませんか」
「追うよ」
 彼が口の端を上げる。
「それなら、逃げるだけムダです……」
「さすが、優秀な教え子」
 まどかは顎を引き、きゅっと瞼を閉じた。
 すぐに彼の人差し指が強引に顎をすくい、唇が温かくまどかのを覆ったのもつかの間、「あ」と、彼がすぐに身を引く。
「ハシャロムに会う前に口紅が落ちたら変に思われるな。後にしよう」
「そんな機会があればの話ですけどね」
 まどかは彼を下から見据えながら、すかさず言葉を返した。一応、クラッチバッグに口紅を忍ばせていることは言わないでおいた。
 彼は親指の腹で唇に薄く付いた紅を拭いながら、可笑しそうに目だけで笑う。
「機会があればいいの?」
「そ、そういうつもりで言ったのでは……」
「あるよ。機会なんかいくらでも。無きゃ、作るまでだ」
 彼はシートに身を沈め、軽く目を閉じた。
「そのドレス、オレが選んだんだからな。夜会の男どもは腰砕けだろうな」
 彼の手がシートの上でまどかの手を包んでいる。
「どうして、エステノレス長官じゃないんですか」
「何? おまえ、あいつの方がよかったの?」
「いえ、長官から連絡を頂いたので」
 一呼吸間があって、教官が言う。
「……おまえもオレも、あいつのオモチャ、ってとこかな」
 まどかは黙って、再び窓の外を見た。だんだん街から遠ざかって行くようだった。

 ハシャロム宮殿、と名付けられるほどのその屋敷は、やはりそれだけの名を恥じない代物だった。
 門から屋敷入り口の恐ろしく長いアプローチの間にもライトアップされた噴水やら、女体の彫刻やら随分贅を凝らした(と、思われる)ものを目にしたが、実際、屋敷のその豪華できらびやかなファサードにも、まどかは度肝を抜かれた。
 ヨーロッパに旅すれば、観光名所の一つになりそうな、強いて言えばロココ調スタイルの屋敷。
 玄関の前には何台ものタクシーや、美しい車から、これまたこの屋敷の装飾の一部と言ってもおかしくない様子の男女達が降りていた。
「すごい……」
 正面から屋敷全体を見た時から何となく想像はしていたものの、やはり中に入ればそれは想像していた通り、いや、それ以上だった。
 教官が左手で、まどかの背に手を添えてエスコートする。たまにその手が、肌をそっと撫でていた。
 それは彼のほんの戯れであることは分かっていたが、その手の感触を意識するなと言う方が無理だった。
 それでもそんな素振りを見せまいと、信用を寄せているかのように彼のエスコートに身を委ねる。
 室内はすでに多くの招待客と、その人いきれでむっとしていた。
 ドレスの衣擦れの音、言葉をかわす声、室内管弦楽の響きが夜会独特の雰囲気を造り上げていた。
 正面には大理石の階段が。
 それが中二階で屋敷の左翼と右翼へ別れ、さらにその階段に敷かれたレッドカーペットに導かれて上へ行くと、大広間の一つにたどり着いた。
 ここがダンスフロア、社交の場のメインになっているらしい。オーケストラの奏でる音に、既に体を密着させ、揺れている人たちもいる。
 壁からは上半身裸の美しい男性の彫刻がにょきにょきと姿を現し、天井をくまなく縁取るのは、蔦や天使の装飾だった。照明は、数えきれない程のクリスタルが連なるシャンデリア。
 その光景がドラマや映画の再現のようで、ある意味とても感動した。
「アカルディルにも、こんなところがあるんですね……」
 相変わらず背に彼の手を感じながら、ゆっくりと人の波を縫って歩く。
「アカルディルに無いものなんて無いさ」
 彼はやっとハシャロム氏を見つけると、それは慇懃に挨拶の言葉を述べた。
 恰幅のいい、やや額が後退したハシャロム氏は上機嫌で、教官の研究の功績を褒めた。そして、まどかにも握手のために手を伸ばしながら、教官に素早くウィンクして「この麗しい女性はもしや君の……」と言ったが、教官は素早く言葉を重ねた。
「いえ、彼女は私の優秀な教え子でして。金目まどかといいます。夜遊びのひとつもした事が無いと言うので、場違いかと思いながらも氏のお言葉に甘えて連れて来てしまいました。……病み付きにならないと良いのですが」と、控えめに微笑した。
(猫被り……)
 まどかが胸中で呟くのと同時に、教官の手がすっと背を撫でた。
 まどかの小さく肩が跳ねたのを見て、ハシャロムが不思議そうに片眉を上げる。まどかは慌てて握手を求めた。
「ハシャロム様、初めまして。金目まどかです。このような素敵な会にご招待ありがとうございます。どうぞ、お見知り置きを」
 こんな時の挨拶はどう言えばいいのか全くわからなかったので、自分の中では一番親しみのこもった笑顔を浮かべつつ、口早にまとめた。
 氏は慈愛の満ちた目を細めて頷いた。彼の厚みのある温かい手がまどかの手を解放すると、フルートグラスの乗った銀の盆を持つ使用人の一人に合図を送った。そして、イルマ・ルイとまどかにグラスを差し出し、自分もその華奢なグラスを取り上げた。
 目の高さにグラスを上げて「この杯は今宵の美しい黒い薔薇に。イルマ君、棘には十分注意したまえ」と、二人に悪戯な笑みを浮かべた。

 ハシャロムとの面会後も、教官は仕事関係の人たちに捕まっては、立ち話を余儀なくされた。
 色々な人たちが彼の意見や、新しい研究の進捗を聞きたがり、一度話が始まるとなかなか解放されなかった。彼の仕事の話はまどかには直接関係のないことだし邪魔になるだろうと、まどかは普段目にする機会の無い部屋を見物しに、その場を静かに離れた。
 続きの間の壁には幾つものフレスコ画だろうか、そして花が大胆に生けられているアンティークの壷、部屋の角にたたずむ彫刻の数々、美しい曲線の肘掛け椅子などが飾られていて、それらは次の間にも多数あり、いつまで見ていても飽きない。
「まどかさん?」
 突然名を呼ばれて振り向くと、見覚えの無い、いや、もし一度見たら忘れられないだろう、飴色の髪の美丈夫がにこやかに立っていた。
「えーと……」
 こんなとき、夜会慣れしている女性ならきっとすぐに『お久しぶりですわね。あまりにも久しいのでお名前がすぐに出てきませんの』などと言って、華麗に相手の名前を聞き出すのだろう。
 まどかは所詮、バーシスのしがない訓練生である。そんな科目は生憎カリキュラムにない。明らかに困っているのを察したのだろう、男性は苦笑した。
「あなたを困らせに来たわけではありません。先ほどお姿を見かけて、秘かに話す機会を狙っていたのです。あなたのお名前はハシャロム氏から、僕の宝にしている絵と引き換えに教えていただいたのです……」
「悪いが、その絵はハシャロムに寄付したとでも思うんだな」
 男性の青い目に影が差した。
 突然、まどかの腰に手が添えられ、ぐっと体が引き寄せられる。
「き、教官……失礼です……彼は何も……」
「おまえは黙ってろ」
 まどかはいきなり出現した教官を仰ぎ見ると、鋭く睨まれた。まどかは慌てて俯いた。
「おやおや、女性にそんな言い方……」
「あんたこそ、その上着に隠し切れてない下心っていうシッポが揺れてるの、丸見えだぜ? もう少しうまくやれよ、色男。相手が悪かったな」
 それだけ言うと「いくぞ」、と教官はまどかの手を取った。そして口を半ば開けている「色男」に背を向け、広い歩幅で歩き出した。
「痛い……痛いです、教官。そんなに引っ張らないでください」
 それには何も応えず、彼は掴んだ手の力を緩めることもなく、そのままダンスフロアまで戻った。部屋の隅へ来ると彼はまどかと向かい合った途端、形のいい眉を吊り上げて「おまえ、何考えてるんだ」と、声を荒げた。
「何って……教官の邪魔をしないように、お部屋を見ていただけです」
「こんな所を一人でウロウロするなんて、『声をかけてください』って体中に張り紙して歩いているようなもんだろうが!」
「そ、そんなこと……」
「知らないじゃ済まないんだ。アホウ。オレから離れるな。それでなくてもおまえは狙われ易いんだよ」
(は……? 場慣れしていないのがバレバレってこと?)
 首を傾げるまどかを見て、彼は大きなため息を一つつく。
「せっかくだから、踊るぞ。おまえは誰のものかはっきりと見せつけておかないとな」
「私、踊れません」教官のものでもありません、と言いたかったが、そこは言葉を飲み込んだ。
「分かってる。おまえはただオレにしがみ付いていればいい」
 そういうと、彼は今度はきちんと紳士らしくまどかをオーケストラの近くを占める、紳士淑女の踊りの輪までエスコートした。
 まどかの手からバッグを取り、使用人の一人に渡した。その手を彼は自分の方へ導き、背に手を這わせる。
ーー彼の言う通りだった。
 最初のうちは彼が音楽に合わせながら、まどかの耳元で「後ろに二歩」とか「そのまま左に三歩」といちいち囁いた。
 そして、まどかは体を彼のリードに預けたままその通りに動けば、戸惑っていた足もいつの間にかなんとか踊りの形になって来たのは面白かった。
 普段は彼が近づくと、毛を逆立てる猫のように神経がピリピリするのに、こんな風に「ダンス」という枠組みルールの中なら、彼の胸の中に収まっているのは心地が良かった。
「このままでずっと……」
 彼の低い声がまどかの頭の上から聞こえた気がした……のは気のせいだろうか。
 まどかの片手は彼の肩に。もう片方は彼の手の中に。
 その彼の手の熱と、背に回された手の熱で、しばらく踊っていると逆上せたようにぼうっとなってきた。
「教官、もう無理です……」
 頭を反らせて、彼の視線にぶつかると、彼の顔も心なしか染まった気がした。
「あ、ああ。悪い。熱くなって来たな。外の空気を吸おう」
 彼はまどかの手を引き、静かに人の波から離れた。
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