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第117話
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「主様、少しよろしいでしょうか?」
「ラウネラ、どうかした?」
日差しが強くなり夏が近づいて来たある日、普段畑や果樹園など植物の管理をしてくれているアウラウネのラウネラが話しかけてきた。普段は光合成をするために畑や果樹園で一日中過ごしているのに珍しい。ちなみに、ラウネラの他にリリネラ、ルルネラと他にもアウラウネが前から住んでいたがいつのまにか更に増えていた。皆花びらの色が違うので一目でわかるがどこかの戦隊ものみたいな色で面白い、皆土の状態や木や作物の状況を教えてくれたり必要な物を教えてくれるからすごく助かっている。
「西の沼地ですが、主様にお会いしたいという方々が来ております」
「ん? なんでわかったの?」
「森の木々達から伝言が来ました。少し事情があるようでこちらに向かえないらしく助けて欲しいとのことです」
「誰だろ? わかった、とりあえず行ってみるよ」
「沼地の中に綺麗な池ができていると思いますのでそこで待っているとのことです」
「了解!」
沼地にそんな綺麗な池あったかな? あそこにはエビやカニとかの甲殻類やナマズとかを取りに行ったりあの環境でしか入手できない植物を取りに時々行ってたけどそんな目立つ場所なかったよなぁ……
「あ、主様! 私もご一緒してもよろしいですか?」
「リュクス、妖精達はもういいの?」
とりあえず見に行くかなと思っていたらリュクスがやってきた。今妖精達は蜂と一緒に畑や果樹園を飛び回り受粉の手助けをしたり蜜をあつめたりしているのと同時にこの前産まれた子供達の面倒を見てるため大忙しなためリュクスもシンシアも暇がないはずなのだ。
「はい、今は落ち着いていますので大丈夫です。それに今回のお客様とお話するなら私も居たほうがいいかな? と」
「あれ? リュクスは誰か知ってるの?」
「はい。ですが正体は会ってからのお楽しみにしてください」
リュクスはそう言うとニコっとしてみせた。勿体ぶってくれるけど誰なんだろ? こんな言われ片したら気になってしまうじゃないか。
「じゃあ一緒に行こうか」
「はい!」
「カエデ、イリオ! ちょっと出かけてくるから後お願いね!」
「は~い!」
「お任せください!」
二人はそう言いながら手を振ってくれた。俺はそれを見ながらドラゴンモードへと変身してリュクスを連れて西の沼地に飛び立った。ちなみに籠があったほうがいいかも? とのことでいつもの愛用大きめの散策籠を持って行った。
「わ~、水どころか草木の色が全く違う……」
「すごいですね、浄化能力がユグドラシルの加護と合わさって異常な効果が出てるみたいですね」
空から見るとよくわかる、沼地の中に明らかに色が違う場所ができていた。もう暗く深い色をした沼地の中に明るく青々と生茂り中央には青く透き通る綺麗すぎる池ができていた、ほんといつの間にこんな場所ができたんだか……
「到着っと」
俺はその場違いなオアシスに着陸し人間モードへと戻るとリュクスも隣に降り立った。直接来ると改めて感じる、水も綺麗でそのまま飲んでも問題なさそうだし木々も活き活きとしているこの環境はすごすぎる。
「そもそもこの森はユグドラシルの骸です生命に満ち溢れた神獣の加護は命を落とした後も残り続けていますからね。それに他の活性化させる要素が加わればこのように異常成長をするのです」
正直その加護を最大限利用してうちの異常な豊作環境を実現しているところはある。生命を司る神獣ユグドラシル、その膨大な力は死んでなお収まらない。むしろ世界の一部として、世界の器官の一部としてその膨大な力を発揮しているのだ。まったくすごい存在だね。ちなみに名前は忘れたけどこの世界にはそう言う桁外れの神獣が他にもいるらしい、まぁ関わることは無いと思うけどね。
「さてと、会いたいって言ってたお客さんはどこに居るんだろ?」
「足元に居ますよ」
「え?」
リュクスに言われて足元を見る……なんか白いニョロニョロした物体が沸いてる!? しかも一本どころじゃない、めっちゃいる!!
「なにこれ!? ミミズ? 目??」
その白いにょろにょろにはくりくりとした二つの眼にエラみたいに三本ほど突起がついている、触覚だろうか? そして全員? 俺を見つめながらめっちゃくねくねにょろにょろ動いている、なんとなく嬉しそうにしている気がする。てかこんな生物を妖精のアニメやファンタジーゲームで見たことある気がする。てかめっちゃ似てる!
「こ、こいつらは?」
「彼らは地精霊ノームです」
「わっつ!? ノーム!?」
「土を司り住み着いた土地を活性化させる農家にとっては神として崇められることもあるんですよ」
「そうなのね」
「ヴリトラ様、わざわざお越しくださりありがとうございます。お会いできて光栄ですっとおっしゃっていますよ」
「リュクス、ノームの言葉わかるの?」
「はい、妖精と精霊は似ている存在ですからね」
「そうなのね」
ツンツンとノーム達をつついてみるとくすぐったそうに大きくくねくねと動いて見せる。ちょっとかわいく見えて来たかも。
「でも土精霊のノーム達だけじゃここまで沼地を変化させれないよね?」
「それは我々が説明させていただきます」
ノーム達と戯れている時、ふと声が聞こえた。そちらの方に振り向くと美女が立っていたしかも二人、もちろん普通の人間ではございません。綺麗な水色の肌に踊り子のような妖艶な衣装を身にまとった綺麗な女性とスタイルのいい美しい姿に見惚れてしまいそうな上半身に青くぬらぬらと煌めく鱗が綺麗に生え並ぶ蛇のような下半身、背中には翼を持ち、よくよく見ると頭にも青い角が生えていた。
「貴方達は?」
「申し遅れました。私はウンディーネ、水精霊と呼ばれております」
「私はメリジナ、メリュジーヌです」
ウンディーネにメリュジーヌ、ゲームやファンタジーに出てくる存在だよね水の精霊ウンディーネ、なるほど水が綺麗になった理由がわかった気がした。
「メリュジーヌとは珍しいですね、貴方達はラミア系の特殊個体と聞いております」
「正解です、私はとあるラミアの部族で仲間と暮らしていたのですが、成長するにつれ明らかに違う存在となってしまい孤立してしまい挙句部族を追い出されてしまいました。ですがそこを運よくウンディーネ様が見つけて拾ってくださり共に生活しておりました」
「まだ幼い彼女を放っておくことはできませんでした。種族は違えど同じ水の加護を受けた者、これは神がめぐり合わせてくれた運命なのだと感じました」
ちょっと複雑な過去と言うか厄介なフラグが立ちそうなので詳しいことは暇な時にゆっくり聞くことにしよう。早い話がメジリナはフラムやアイナと同じ特殊個体であり二人は親のおかげもあって部族から愛されていたけど彼女は逆に気味悪がられててしまったということなのだと思う、そこをウンディーネが拾って親代わりに育ててたってとこかな。
「それはわかったけど、なぜ急にここに?」
そう、生い立ちはわかったけどなぜ急にここに来たのか。本題がまだ聞けてないのだ。
「実は今ここに居るのは私とメジリナ、そしてノーム達だけではないのです」
「ん?」
「あ、主様。すみません、言い忘れてました! よーく周りを見てみてください魔力を感じるのと同じ感じです」
リュクスにそう言われて意識を周囲に向けて集中していく。正直いつも勢いとノリと感覚で魔法をぶっ放しているから言われても理解はできなかった……
「魚? 違う……こっちはミミズ? でもない? なんだろう……形がわからない、でも生きてるのは感じる」
確かにそこに居るのを感じる、しかしぼやけてハッキリしない。でも生きているということだけははっきり伝わってくる、それが結構な数存在しているのだ。
「これが精霊、エレメントです主様は見るのは初めて見たいですね」
「妖精とは違うの?」
「似た存在です、でもこの子達には私達と違い意思が無いのです。そして弱い存在、彼らは自分達を守ってくれる王が必要なのです」
「それがその属性のエレメントの代表となる大精霊、私達ですね」
リュクスの話を聞いているとウンディーネにそう言われた。確かにゲームでもウンディーネやノームは有名だしなぁ……ってことはシルフやイフリートも居るのかこれ?
「小精霊達には適した環境、そして安全が必要なのです」
あ、なんとなくわかったかも……俺に接触してきた理由が。
「ヴリトラ様、率直に申し上げます。私達を保護していただきたいのです!」
はい、いつものパターンでございます! 知ってましたとも!!
「勿論タダでとは申しません、私達水の精霊は水源を、ノーム達土の精霊は大地をより豊かに活性化させることができます」
「その代わりに俺達に求めることは?」
「安全と平和、そして私の娘。メリジナの将来です」
「あら!」
リュクスがニヤッとしたきがしたけど気にしないでおこう……
「了解した、リュクスやラウネラに籠が居るかも? って言われた理由がわかったよ」
「ふふふっ! そう言うことです!」
そのやり取りを見ていたウンディーネ達は不思議そうにしていた。
「主様はこう見えてとてもお優しい方なんですよ? 自分を頼ってやってきた人達をけっして無下にはしないのです」
「別に見返りは後々皆と仲良くやって言ってくれれば気にしなくていいよ。俺達は新たな家族を歓迎するだけだ」
ウンディーネ達は驚いた顔をし、すぐに嬉しそうに笑ってみせた。ノーム達も体をくねらせウェーブをして喜んでいるのが伝わってくる。
「本当に、噂通りのお方だった……ありがとうございます、ヴリトラ様! 感謝いたします!!」
どんな噂か気になるけどまぁ、後ででいっか。
「籠に皆入るかな?」
「はい、精霊たちはヴリトラ様の強い魔力を分けてもらえれば大丈夫ですしノーム達のために土ごと籠に入れてもらえれば!」
あ、ノーム達はあの国民的ゲームのモグラモンスターみたいに全身は見せてくれないのね。これ系は謎のままにしておくのがお約束だしツッコムのは無しで行こう。気になるけどね!!
「それじゃ帰ろうか」
「はい、皆さんにも紹介しなければいけませんしね!」
「ヴリトラ様、これからよろしくお願いします」
ずっとウンディーネの隣で様子を見ていたメリジナを腕に乗せてあげた時そう言いながら彼女は微笑んでくれた。正直好みの美人さんでドキッとした。
「よし、準備完了っと。家に帰るよ」
「はい!」
こうして俺達は新たな家族を連れて家へと帰っていくのだった。もちろん皆大歓迎だし夜遅くまで歓迎会という名の大宴会が行われたのはもう言わなくてもわかっちゃうよね。
「ラウネラ、どうかした?」
日差しが強くなり夏が近づいて来たある日、普段畑や果樹園など植物の管理をしてくれているアウラウネのラウネラが話しかけてきた。普段は光合成をするために畑や果樹園で一日中過ごしているのに珍しい。ちなみに、ラウネラの他にリリネラ、ルルネラと他にもアウラウネが前から住んでいたがいつのまにか更に増えていた。皆花びらの色が違うので一目でわかるがどこかの戦隊ものみたいな色で面白い、皆土の状態や木や作物の状況を教えてくれたり必要な物を教えてくれるからすごく助かっている。
「西の沼地ですが、主様にお会いしたいという方々が来ております」
「ん? なんでわかったの?」
「森の木々達から伝言が来ました。少し事情があるようでこちらに向かえないらしく助けて欲しいとのことです」
「誰だろ? わかった、とりあえず行ってみるよ」
「沼地の中に綺麗な池ができていると思いますのでそこで待っているとのことです」
「了解!」
沼地にそんな綺麗な池あったかな? あそこにはエビやカニとかの甲殻類やナマズとかを取りに行ったりあの環境でしか入手できない植物を取りに時々行ってたけどそんな目立つ場所なかったよなぁ……
「あ、主様! 私もご一緒してもよろしいですか?」
「リュクス、妖精達はもういいの?」
とりあえず見に行くかなと思っていたらリュクスがやってきた。今妖精達は蜂と一緒に畑や果樹園を飛び回り受粉の手助けをしたり蜜をあつめたりしているのと同時にこの前産まれた子供達の面倒を見てるため大忙しなためリュクスもシンシアも暇がないはずなのだ。
「はい、今は落ち着いていますので大丈夫です。それに今回のお客様とお話するなら私も居たほうがいいかな? と」
「あれ? リュクスは誰か知ってるの?」
「はい。ですが正体は会ってからのお楽しみにしてください」
リュクスはそう言うとニコっとしてみせた。勿体ぶってくれるけど誰なんだろ? こんな言われ片したら気になってしまうじゃないか。
「じゃあ一緒に行こうか」
「はい!」
「カエデ、イリオ! ちょっと出かけてくるから後お願いね!」
「は~い!」
「お任せください!」
二人はそう言いながら手を振ってくれた。俺はそれを見ながらドラゴンモードへと変身してリュクスを連れて西の沼地に飛び立った。ちなみに籠があったほうがいいかも? とのことでいつもの愛用大きめの散策籠を持って行った。
「わ~、水どころか草木の色が全く違う……」
「すごいですね、浄化能力がユグドラシルの加護と合わさって異常な効果が出てるみたいですね」
空から見るとよくわかる、沼地の中に明らかに色が違う場所ができていた。もう暗く深い色をした沼地の中に明るく青々と生茂り中央には青く透き通る綺麗すぎる池ができていた、ほんといつの間にこんな場所ができたんだか……
「到着っと」
俺はその場違いなオアシスに着陸し人間モードへと戻るとリュクスも隣に降り立った。直接来ると改めて感じる、水も綺麗でそのまま飲んでも問題なさそうだし木々も活き活きとしているこの環境はすごすぎる。
「そもそもこの森はユグドラシルの骸です生命に満ち溢れた神獣の加護は命を落とした後も残り続けていますからね。それに他の活性化させる要素が加わればこのように異常成長をするのです」
正直その加護を最大限利用してうちの異常な豊作環境を実現しているところはある。生命を司る神獣ユグドラシル、その膨大な力は死んでなお収まらない。むしろ世界の一部として、世界の器官の一部としてその膨大な力を発揮しているのだ。まったくすごい存在だね。ちなみに名前は忘れたけどこの世界にはそう言う桁外れの神獣が他にもいるらしい、まぁ関わることは無いと思うけどね。
「さてと、会いたいって言ってたお客さんはどこに居るんだろ?」
「足元に居ますよ」
「え?」
リュクスに言われて足元を見る……なんか白いニョロニョロした物体が沸いてる!? しかも一本どころじゃない、めっちゃいる!!
「なにこれ!? ミミズ? 目??」
その白いにょろにょろにはくりくりとした二つの眼にエラみたいに三本ほど突起がついている、触覚だろうか? そして全員? 俺を見つめながらめっちゃくねくねにょろにょろ動いている、なんとなく嬉しそうにしている気がする。てかこんな生物を妖精のアニメやファンタジーゲームで見たことある気がする。てかめっちゃ似てる!
「こ、こいつらは?」
「彼らは地精霊ノームです」
「わっつ!? ノーム!?」
「土を司り住み着いた土地を活性化させる農家にとっては神として崇められることもあるんですよ」
「そうなのね」
「ヴリトラ様、わざわざお越しくださりありがとうございます。お会いできて光栄ですっとおっしゃっていますよ」
「リュクス、ノームの言葉わかるの?」
「はい、妖精と精霊は似ている存在ですからね」
「そうなのね」
ツンツンとノーム達をつついてみるとくすぐったそうに大きくくねくねと動いて見せる。ちょっとかわいく見えて来たかも。
「でも土精霊のノーム達だけじゃここまで沼地を変化させれないよね?」
「それは我々が説明させていただきます」
ノーム達と戯れている時、ふと声が聞こえた。そちらの方に振り向くと美女が立っていたしかも二人、もちろん普通の人間ではございません。綺麗な水色の肌に踊り子のような妖艶な衣装を身にまとった綺麗な女性とスタイルのいい美しい姿に見惚れてしまいそうな上半身に青くぬらぬらと煌めく鱗が綺麗に生え並ぶ蛇のような下半身、背中には翼を持ち、よくよく見ると頭にも青い角が生えていた。
「貴方達は?」
「申し遅れました。私はウンディーネ、水精霊と呼ばれております」
「私はメリジナ、メリュジーヌです」
ウンディーネにメリュジーヌ、ゲームやファンタジーに出てくる存在だよね水の精霊ウンディーネ、なるほど水が綺麗になった理由がわかった気がした。
「メリュジーヌとは珍しいですね、貴方達はラミア系の特殊個体と聞いております」
「正解です、私はとあるラミアの部族で仲間と暮らしていたのですが、成長するにつれ明らかに違う存在となってしまい孤立してしまい挙句部族を追い出されてしまいました。ですがそこを運よくウンディーネ様が見つけて拾ってくださり共に生活しておりました」
「まだ幼い彼女を放っておくことはできませんでした。種族は違えど同じ水の加護を受けた者、これは神がめぐり合わせてくれた運命なのだと感じました」
ちょっと複雑な過去と言うか厄介なフラグが立ちそうなので詳しいことは暇な時にゆっくり聞くことにしよう。早い話がメジリナはフラムやアイナと同じ特殊個体であり二人は親のおかげもあって部族から愛されていたけど彼女は逆に気味悪がられててしまったということなのだと思う、そこをウンディーネが拾って親代わりに育ててたってとこかな。
「それはわかったけど、なぜ急にここに?」
そう、生い立ちはわかったけどなぜ急にここに来たのか。本題がまだ聞けてないのだ。
「実は今ここに居るのは私とメジリナ、そしてノーム達だけではないのです」
「ん?」
「あ、主様。すみません、言い忘れてました! よーく周りを見てみてください魔力を感じるのと同じ感じです」
リュクスにそう言われて意識を周囲に向けて集中していく。正直いつも勢いとノリと感覚で魔法をぶっ放しているから言われても理解はできなかった……
「魚? 違う……こっちはミミズ? でもない? なんだろう……形がわからない、でも生きてるのは感じる」
確かにそこに居るのを感じる、しかしぼやけてハッキリしない。でも生きているということだけははっきり伝わってくる、それが結構な数存在しているのだ。
「これが精霊、エレメントです主様は見るのは初めて見たいですね」
「妖精とは違うの?」
「似た存在です、でもこの子達には私達と違い意思が無いのです。そして弱い存在、彼らは自分達を守ってくれる王が必要なのです」
「それがその属性のエレメントの代表となる大精霊、私達ですね」
リュクスの話を聞いているとウンディーネにそう言われた。確かにゲームでもウンディーネやノームは有名だしなぁ……ってことはシルフやイフリートも居るのかこれ?
「小精霊達には適した環境、そして安全が必要なのです」
あ、なんとなくわかったかも……俺に接触してきた理由が。
「ヴリトラ様、率直に申し上げます。私達を保護していただきたいのです!」
はい、いつものパターンでございます! 知ってましたとも!!
「勿論タダでとは申しません、私達水の精霊は水源を、ノーム達土の精霊は大地をより豊かに活性化させることができます」
「その代わりに俺達に求めることは?」
「安全と平和、そして私の娘。メリジナの将来です」
「あら!」
リュクスがニヤッとしたきがしたけど気にしないでおこう……
「了解した、リュクスやラウネラに籠が居るかも? って言われた理由がわかったよ」
「ふふふっ! そう言うことです!」
そのやり取りを見ていたウンディーネ達は不思議そうにしていた。
「主様はこう見えてとてもお優しい方なんですよ? 自分を頼ってやってきた人達をけっして無下にはしないのです」
「別に見返りは後々皆と仲良くやって言ってくれれば気にしなくていいよ。俺達は新たな家族を歓迎するだけだ」
ウンディーネ達は驚いた顔をし、すぐに嬉しそうに笑ってみせた。ノーム達も体をくねらせウェーブをして喜んでいるのが伝わってくる。
「本当に、噂通りのお方だった……ありがとうございます、ヴリトラ様! 感謝いたします!!」
どんな噂か気になるけどまぁ、後ででいっか。
「籠に皆入るかな?」
「はい、精霊たちはヴリトラ様の強い魔力を分けてもらえれば大丈夫ですしノーム達のために土ごと籠に入れてもらえれば!」
あ、ノーム達はあの国民的ゲームのモグラモンスターみたいに全身は見せてくれないのね。これ系は謎のままにしておくのがお約束だしツッコムのは無しで行こう。気になるけどね!!
「それじゃ帰ろうか」
「はい、皆さんにも紹介しなければいけませんしね!」
「ヴリトラ様、これからよろしくお願いします」
ずっとウンディーネの隣で様子を見ていたメリジナを腕に乗せてあげた時そう言いながら彼女は微笑んでくれた。正直好みの美人さんでドキッとした。
「よし、準備完了っと。家に帰るよ」
「はい!」
こうして俺達は新たな家族を連れて家へと帰っていくのだった。もちろん皆大歓迎だし夜遅くまで歓迎会という名の大宴会が行われたのはもう言わなくてもわかっちゃうよね。
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