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第56話
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グルグナハ王国への挨拶に行った結果貰った二つの箱、帰ってから確認したが片方は金銀財宝。もう片方の中身は金色の派手な盾、扱いにくそうな大斧、赤黒いなんだか禍々しい長剣、全て古代武装というらしくゲームで言うアーティファクトとかレリックとかのあれだった。ルーフェが言うにはどれも強力の能力を持つが癖のある一品とのことだ、とりあえず今は勇者達から没収した装備とまとめて倉庫で放置している。
「おはようございます主様」
「ザウ、おはよ。稲の収穫ありがとうね」
「いえ、お任せください!」
一応ザウ達に元住んでいた集落を解放したこと、戻るなら送っていくことを伝えたのだがここに住み恩返しをすると断られてしまった。ちなみに今は魚の管理や稲の収穫などをやってくれている。
「あるじおやすみ~」
「今日はおやすみ~」
「たまにはいいの!」
妖精達が笑いながら飛んで行った。俺はアズハが膝枕してくれると言うので今日は甘えてのんびり過ごしている。ルーフェがすごく羨ましそうに見つめてきたが気づかなかったことにしよう……
「アズハ、重くない?」
「平気、たまにはいいでしょ?」
時々優しく頭を撫でてくれるのがすごく安らぎを感じて癒される。こんな幸せ地球に居た頃じゃ絶対感じられなかった。
「もうすぐ冬だね~」
「備蓄とか大丈夫そう?」
「うん、人数も増えたけどその分生産物も増えたし。皆頑張ってくれてるから大丈夫」
穀物を多めに作っていたのもあるけど、魔法のお陰で冷凍保存ができるのがデカい。最初期から旬じゃない野菜などを凍結させて長期保存できるのはホント助かっているし、乾燥系の保存食や加工が上手くいってるのもありがたい。肉は山のように手に入ってたしね。
「主様、アズハさん、せっかくの水入らずの時間に申し訳ないんですけど」
申し訳なさそうにリュクスがやって来る。確かにイチャイチャしてたかもしれないけど別にそんな申し訳なさそうにしなくてもいいんだよ? いつでもできるし!
「リュクス、どうかしたの?」
「はい、元々私達の住んでいた森なんですけど」
「あぁ、あの森ね。覚えてるよ」
精霊樹を回収しに行ったアレクロン王国方面のあの森の事だと思う。もう行くことは無いと思ってたけどどうかしたんだろうか?
「実はあの森には私達以外にも複数の種族が集落を作って暮らしているんですが……」
「どうかしたの?」
「この前住処を移動したことなどを伝えに行ってきて長達といろいろ話しまして」
最近リュクス見ないなと思っていたら出かけていたのね。彼女は飛べるし、俺が移動の時に使う魔法ミラーハイドを覚えてほぼ安全に移動できるようになったおかげかよく出かけている気がする。
「なにか問題でもあった?」
「はい、人族の暴走もあってどの部族も食料が不足しているらしく助けてほしいと……」
そういえば王城突撃するまでいろいろ好き放題だったんだよなぁあの国。
「参考になればと、ここの生活をお話して教えたのですが、全種族と部族で協力しても足りないとのことでして……」
「狩りとかは上手くいかない感じ?」
「はい、ここは主様以外にもセッカさんやヨゾラ達狩りの得意な強者が多いですが。普通はなかなかそうはいきませんし」
確かにここの戦闘力はやけに高いとは思うけど、狩りって難しいんだなぁ。
「リュクスは助けて欲しい感じなの?」
「そうですね、昔からの縁がありますしできるなら……もちろんお礼もするとのことでしたし、いかがでしょうか?」
リュクスは妖精女王だし昔からの縁も少なくないだろうし、家族のお願いなら聞いてあげるべきだよなぁ。アズハを見ると笑顔で頷いている、考えてることはお見通しって感じだ。
「セナ!」
「は~い、何でしょうか?」
俺は起き上がりながらセナを呼んだ。食糧管理とか細かいところをアズハと協力してやってくれてるからこういう話をするなら必須だろう。
「リュクスのお願いで他の場所に支援しようと思うんだけどこっちの食料の余裕はある?」
「そうですね、ギガマウスの干し肉や燻製。ジャガイモ辺りならだいぶ余裕がありますよ」
確かにあのカエル肉、勝手に集まってくるから大量にあるんだよなぁ……ジャガイモも異常なくらいデカく育つから使いきれないくらいにはなるんだよなぁ。
「じゃあ支援物資としてそこらへんを持って行こうか」
「わかりました、支援品として食糧の用意しますね」
「ありがと、任せちゃっていい?」
「大丈夫で~す」
そう言うとセナは早速準備を始めてくれた。
「準備ができ次第出発でいいかな?」
「はい、冬前でしたら大丈夫だと思います」
「行く時は場所わかんないしリュクス付き合ってね」
「もちろんです!」
他に支援できるくらい余裕があるのはいいことだろう。と言っても、ここもお義父さんの支援を受けてはいる状態なんだよなぁ、まぁ我儘言わなければ別に平気なんだけど食事にはこだわりたいし余裕もあるから多少はね。
「大籠使えばそれなりの量運べるよね? 一回分で足りそう?」
「はい、あの籠いっぱいでしたら十分かと」
いつも使っている籠よりも大きな籠を各種族協力の元作成したのだ、大きいから散策向きじゃないけど荷物運びならこっちの方が向いてると思う。とりあえず準備ができたら支援に出発しよう、まだ二年も経ってないのにこんなに安定してるなんて運がいいのか環境がいいのか、俺は幸運な方なんだろうな。
「おはようございます主様」
「ザウ、おはよ。稲の収穫ありがとうね」
「いえ、お任せください!」
一応ザウ達に元住んでいた集落を解放したこと、戻るなら送っていくことを伝えたのだがここに住み恩返しをすると断られてしまった。ちなみに今は魚の管理や稲の収穫などをやってくれている。
「あるじおやすみ~」
「今日はおやすみ~」
「たまにはいいの!」
妖精達が笑いながら飛んで行った。俺はアズハが膝枕してくれると言うので今日は甘えてのんびり過ごしている。ルーフェがすごく羨ましそうに見つめてきたが気づかなかったことにしよう……
「アズハ、重くない?」
「平気、たまにはいいでしょ?」
時々優しく頭を撫でてくれるのがすごく安らぎを感じて癒される。こんな幸せ地球に居た頃じゃ絶対感じられなかった。
「もうすぐ冬だね~」
「備蓄とか大丈夫そう?」
「うん、人数も増えたけどその分生産物も増えたし。皆頑張ってくれてるから大丈夫」
穀物を多めに作っていたのもあるけど、魔法のお陰で冷凍保存ができるのがデカい。最初期から旬じゃない野菜などを凍結させて長期保存できるのはホント助かっているし、乾燥系の保存食や加工が上手くいってるのもありがたい。肉は山のように手に入ってたしね。
「主様、アズハさん、せっかくの水入らずの時間に申し訳ないんですけど」
申し訳なさそうにリュクスがやって来る。確かにイチャイチャしてたかもしれないけど別にそんな申し訳なさそうにしなくてもいいんだよ? いつでもできるし!
「リュクス、どうかしたの?」
「はい、元々私達の住んでいた森なんですけど」
「あぁ、あの森ね。覚えてるよ」
精霊樹を回収しに行ったアレクロン王国方面のあの森の事だと思う。もう行くことは無いと思ってたけどどうかしたんだろうか?
「実はあの森には私達以外にも複数の種族が集落を作って暮らしているんですが……」
「どうかしたの?」
「この前住処を移動したことなどを伝えに行ってきて長達といろいろ話しまして」
最近リュクス見ないなと思っていたら出かけていたのね。彼女は飛べるし、俺が移動の時に使う魔法ミラーハイドを覚えてほぼ安全に移動できるようになったおかげかよく出かけている気がする。
「なにか問題でもあった?」
「はい、人族の暴走もあってどの部族も食料が不足しているらしく助けてほしいと……」
そういえば王城突撃するまでいろいろ好き放題だったんだよなぁあの国。
「参考になればと、ここの生活をお話して教えたのですが、全種族と部族で協力しても足りないとのことでして……」
「狩りとかは上手くいかない感じ?」
「はい、ここは主様以外にもセッカさんやヨゾラ達狩りの得意な強者が多いですが。普通はなかなかそうはいきませんし」
確かにここの戦闘力はやけに高いとは思うけど、狩りって難しいんだなぁ。
「リュクスは助けて欲しい感じなの?」
「そうですね、昔からの縁がありますしできるなら……もちろんお礼もするとのことでしたし、いかがでしょうか?」
リュクスは妖精女王だし昔からの縁も少なくないだろうし、家族のお願いなら聞いてあげるべきだよなぁ。アズハを見ると笑顔で頷いている、考えてることはお見通しって感じだ。
「セナ!」
「は~い、何でしょうか?」
俺は起き上がりながらセナを呼んだ。食糧管理とか細かいところをアズハと協力してやってくれてるからこういう話をするなら必須だろう。
「リュクスのお願いで他の場所に支援しようと思うんだけどこっちの食料の余裕はある?」
「そうですね、ギガマウスの干し肉や燻製。ジャガイモ辺りならだいぶ余裕がありますよ」
確かにあのカエル肉、勝手に集まってくるから大量にあるんだよなぁ……ジャガイモも異常なくらいデカく育つから使いきれないくらいにはなるんだよなぁ。
「じゃあ支援物資としてそこらへんを持って行こうか」
「わかりました、支援品として食糧の用意しますね」
「ありがと、任せちゃっていい?」
「大丈夫で~す」
そう言うとセナは早速準備を始めてくれた。
「準備ができ次第出発でいいかな?」
「はい、冬前でしたら大丈夫だと思います」
「行く時は場所わかんないしリュクス付き合ってね」
「もちろんです!」
他に支援できるくらい余裕があるのはいいことだろう。と言っても、ここもお義父さんの支援を受けてはいる状態なんだよなぁ、まぁ我儘言わなければ別に平気なんだけど食事にはこだわりたいし余裕もあるから多少はね。
「大籠使えばそれなりの量運べるよね? 一回分で足りそう?」
「はい、あの籠いっぱいでしたら十分かと」
いつも使っている籠よりも大きな籠を各種族協力の元作成したのだ、大きいから散策向きじゃないけど荷物運びならこっちの方が向いてると思う。とりあえず準備ができたら支援に出発しよう、まだ二年も経ってないのにこんなに安定してるなんて運がいいのか環境がいいのか、俺は幸運な方なんだろうな。
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