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もしも夢がかなうなら・・・あの人に愛されたい

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両親が死んでしまった今、頼れる家族もいない私はバイトを掛け持ちして1人暮らししている。
短大の学費も稼ぐためアルバイトしている私の前に現れた男性に一目惚れしてしまった。
勇気を振り絞って告白してみれば「ごめん、女の子には興味がないんだ」そう断られてしまった。

すごく男らしい顔に筋肉質な男性なのに、彼は同性にしか興味がないなんて。
家に帰って泣いた。
泣きはらしたその夜。
夜中にぱっと目を覚ますと、そこには死んだはずのパパとママが立っていた。
「え?!ど、どうして?」そう問いかけるとママがニコッと笑顔を見せる。
「頑張っているあなたの願いをかなえてあげるわ」そう言うと、手で優しく瞼に触れた。

目を覚ますと、カーテンの隙間から気持ち良い朝日が入ってくる。
「ああ、なんだか体が軽い感じがする。今日はアルバイトも休みで暇だな」
さあ、何をしようかと考えながら洗面所に行く。
「う、うわああーー!!」鏡の中の自分を見て思わず飛び跳ねそうになってしまった。
だ、だって、男になっていたのだから。

「う、嘘だよね?」と思ったが、トイレで用を足すためパジャマをずらして見たあそこは・・・
「男だわ」初めて立ちながら小便した。
もうパニックで何がなんだか分からない。
ただ、両親が夢に出て来たことを思い出す。
「ほんとに?男にしてくれたんだ!」

男らしい顔に体格って。
「そうだ!あの人に告白できるかも」そんな淡い期待が膨らんだ。
パンツとTシャツを着て、近くにある百貨店であの人が好きそうな服装を選ぶ。
そこで着替えた後、思い切って好きな人の家へと向った。

角を曲がると、あの人が前から歩いて来た。
手には花束を持って。
「あ、誰かとデートかな」そう思うと胸が締め付けられる。
「だよね、格好いい人だもの。付き合っている人なんて何人もいるよ」
そんな人と簡単に付き合えると思った自分が恥ずかしくなってしまった。

「待てよ!」そう叫んでくるあの人の声が胸に突き刺さる。
誰かと間違ってるんだ。
そう思って振り返らずに歩くと・・・
後ろからガバッと抱きついてきて「待てよ!今日はお前とデートするんだから」
「え?!」驚いて振り向いたとき、強く唇を重ねてきた。
もう全身から力が抜けてしまい、成すがままになる。
「離さないぞ」そういってきつく抱きしめてきたその日から同棲して、愛を育んだ。
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