1 / 27
【1】高校二年 進級クラス替え
しおりを挟む
高校1年生の夏に恋して付き合った2歳年上の彼氏とは、彼の高校卒業、そして進学を迎える事をひとつの区切りと考え、互いに話し合った結果、桜の舞う季節にお別れすることになった。
私はこの恋の結末に後悔も悲しみもなく、ただ「成長させてくれてありがとう」って気持ちでいっぱいだった。
精一杯恋愛出来た事を誇りにすら思う。
ただ、しばらくは「彼氏」ってカテゴライズされたものはいらないかなって思っていた。
精一杯恋愛したから少し休憩。
今の私にはカッコイイ男子を遠目から見てるくらいがちょうどいいかも。
高校二年に進級し、クラス替えが行われた。
私の在籍する少数精鋭クラス、【特進S】。
成績が芳しくない者は、【進A】へ落とされてしまう。逆に進Aで成績が良い者が特進Sに繰り上がる事もできる。
成績下位の者達は、胸元の『S』のバッジを手放したくなくて、ドキドキしていた。
私はというと、特進クラス内でただ一人、『E組』へ移った。
E組と言うのは普通科クラスだ。
家庭の事情で進学を断念せざるを得ない状況になった私は、担任との相談の末、普通科へ変更してもらっていた。
特進Sクラスのメンバーは、新学年のクラス発表時にその事を知り、ざわついた。
「え!?どうして!?」
「なんでるあだけ普通科に行っちゃうの!?」
家の諸事情など詳しい事を説明するのが嫌だったので、
「成績がハンパじゃなくヤバいから普通科に落ちたんじゃない?」
と笑いながら嘘をついた。
私は普通科で頑張るよ。
皆元気でね。特進Sの女子たち、私は面白くて大好きでした。
完全アウェイな普通科に、今日から一人乗り込む 。
ドキドキしながら普通科【E組】の廊下に張り出された名簿を確認する。
誰か知り合い……いないかな。
上から順に確認していくと、いつもSクラスに現れては絡んでくる野球部の陽キャ『蒼太くん 』、マネージャー時代に仲良かったバスケ部の『武輝くん 』、それと元カレの拓真くんに似てる雰囲気の『杉浦くん 』って男子がいた。
ああ……知ってる顔がいた……!
ちょっとホッとした。
だがしかし!!
女子の知り合い誰もいな ──い!!!
座席表を見て、席に着席。
特進Sと全然違う風景。
お洒落で今風の女子たちがキラキラして見えた。
私のようなコミュ障に友達……出来るかな。
不安でいっぱいだったけど、クラス全体の雰囲気が垢抜けていてこの空間にいるだけで自分のテンションが上がっているのを感じた。
「るあちゃーん!!
クラス表見てビックリしたよ ────!!!
同じクラスだねーっ♡
よろしくね~!!」
完全アウェイな中、いつも特進Sクラスに遊びに来ていた野球部の蒼太くんに元気よく話しかけられた。
「あ、ウン。よろしくー。」
緊張の中、ホッと気が緩み、つい、いつも彼に見せない笑顔を見せる。
「何その笑顔!!
初めて見た!!ヤバい!今、キューン♡ってなった!w
これって……恋♡!?」
お得意の何処まで真面目に言っているのか、ふざけているのかわからない、蒼太節が炸裂。
どうでもいいけど声大きすぎ!
もうちょいボリューム落として欲しい(汗)
身振り手振りも大袈裟過ぎて周りからの注目浴びちゃう!初日から悪目立ちしたくない。
私は苦笑いしながら口を噤む。
でも、ひとりで心細かったから
話しかけてくれて嬉しいには嬉しかった。
蒼太くんとそんなやりとりしていると、近くでその一部始終を見ていたギャル集団の中のボス的女子から
(눈_눈)ギロッ‼
とすっごい目付きで睨まれた。
ゲッ!!!
クラス替え早々ボスギャルに目を付けられた(((°Д°; )))!?
怖すぎるんだけど!!
ギャルグループの頂点に君臨するのがボスギャルのクロミさん。
明らかに校則違反のロングのメッシュブリーチヘアをクルクルと毛先を大きめに巻いている。
ゴールドのラメの入ったアイシャドウにかなりガッツリ引いたコアブラックのアイライン。
バサバサのマツエクに色の濃いリップグロス。
そして、美人ではあるけれどとても気の強そうな顔。
見ただけでうわ~っ‼ てなる
the☆ギャルだった。
私はこのクロミさんにクラス替え早々、思いっきり目を付けられた様だった。
だけど私はうろたえる姿は見せず、涼し気な顔をしていた。
ボスに嫌われていてもイイや。
ギャルグループのご機嫌取りながら、ヘラヘラと媚び売るの苦手だし。
つまらない嫉妬だと思って堂々としてる事に決めた。
折角自由のきかない「囚われのS組」から解放されたんだし。
私は私らしく、普通科クラスでの学校生活を楽しんでみせる!!
私はこの恋の結末に後悔も悲しみもなく、ただ「成長させてくれてありがとう」って気持ちでいっぱいだった。
精一杯恋愛出来た事を誇りにすら思う。
ただ、しばらくは「彼氏」ってカテゴライズされたものはいらないかなって思っていた。
精一杯恋愛したから少し休憩。
今の私にはカッコイイ男子を遠目から見てるくらいがちょうどいいかも。
高校二年に進級し、クラス替えが行われた。
私の在籍する少数精鋭クラス、【特進S】。
成績が芳しくない者は、【進A】へ落とされてしまう。逆に進Aで成績が良い者が特進Sに繰り上がる事もできる。
成績下位の者達は、胸元の『S』のバッジを手放したくなくて、ドキドキしていた。
私はというと、特進クラス内でただ一人、『E組』へ移った。
E組と言うのは普通科クラスだ。
家庭の事情で進学を断念せざるを得ない状況になった私は、担任との相談の末、普通科へ変更してもらっていた。
特進Sクラスのメンバーは、新学年のクラス発表時にその事を知り、ざわついた。
「え!?どうして!?」
「なんでるあだけ普通科に行っちゃうの!?」
家の諸事情など詳しい事を説明するのが嫌だったので、
「成績がハンパじゃなくヤバいから普通科に落ちたんじゃない?」
と笑いながら嘘をついた。
私は普通科で頑張るよ。
皆元気でね。特進Sの女子たち、私は面白くて大好きでした。
完全アウェイな普通科に、今日から一人乗り込む 。
ドキドキしながら普通科【E組】の廊下に張り出された名簿を確認する。
誰か知り合い……いないかな。
上から順に確認していくと、いつもSクラスに現れては絡んでくる野球部の陽キャ『蒼太くん 』、マネージャー時代に仲良かったバスケ部の『武輝くん 』、それと元カレの拓真くんに似てる雰囲気の『杉浦くん 』って男子がいた。
ああ……知ってる顔がいた……!
ちょっとホッとした。
だがしかし!!
女子の知り合い誰もいな ──い!!!
座席表を見て、席に着席。
特進Sと全然違う風景。
お洒落で今風の女子たちがキラキラして見えた。
私のようなコミュ障に友達……出来るかな。
不安でいっぱいだったけど、クラス全体の雰囲気が垢抜けていてこの空間にいるだけで自分のテンションが上がっているのを感じた。
「るあちゃーん!!
クラス表見てビックリしたよ ────!!!
同じクラスだねーっ♡
よろしくね~!!」
完全アウェイな中、いつも特進Sクラスに遊びに来ていた野球部の蒼太くんに元気よく話しかけられた。
「あ、ウン。よろしくー。」
緊張の中、ホッと気が緩み、つい、いつも彼に見せない笑顔を見せる。
「何その笑顔!!
初めて見た!!ヤバい!今、キューン♡ってなった!w
これって……恋♡!?」
お得意の何処まで真面目に言っているのか、ふざけているのかわからない、蒼太節が炸裂。
どうでもいいけど声大きすぎ!
もうちょいボリューム落として欲しい(汗)
身振り手振りも大袈裟過ぎて周りからの注目浴びちゃう!初日から悪目立ちしたくない。
私は苦笑いしながら口を噤む。
でも、ひとりで心細かったから
話しかけてくれて嬉しいには嬉しかった。
蒼太くんとそんなやりとりしていると、近くでその一部始終を見ていたギャル集団の中のボス的女子から
(눈_눈)ギロッ‼
とすっごい目付きで睨まれた。
ゲッ!!!
クラス替え早々ボスギャルに目を付けられた(((°Д°; )))!?
怖すぎるんだけど!!
ギャルグループの頂点に君臨するのがボスギャルのクロミさん。
明らかに校則違反のロングのメッシュブリーチヘアをクルクルと毛先を大きめに巻いている。
ゴールドのラメの入ったアイシャドウにかなりガッツリ引いたコアブラックのアイライン。
バサバサのマツエクに色の濃いリップグロス。
そして、美人ではあるけれどとても気の強そうな顔。
見ただけでうわ~っ‼ てなる
the☆ギャルだった。
私はこのクロミさんにクラス替え早々、思いっきり目を付けられた様だった。
だけど私はうろたえる姿は見せず、涼し気な顔をしていた。
ボスに嫌われていてもイイや。
ギャルグループのご機嫌取りながら、ヘラヘラと媚び売るの苦手だし。
つまらない嫉妬だと思って堂々としてる事に決めた。
折角自由のきかない「囚われのS組」から解放されたんだし。
私は私らしく、普通科クラスでの学校生活を楽しんでみせる!!
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
恋愛
早瀬 果歩はごく普通のOL。
あるとき、元カレに酷く振られて、1人でハワイへ傷心旅行をすることに。
そこで逢見 翔というパイロットと知り合った。
翔は果歩に素敵な時間をくれて、やがて2人は一夜を過ごす。
しかし翌朝、翔は果歩の前から消えてしまって……。
**********
●早瀬 果歩(はやせ かほ)
25歳、OL
元カレに酷く振られた傷心旅行先のハワイで、翔と運命的に出会う。
●逢見 翔(おうみ しょう)
28歳、パイロット
世界を飛び回るエリートパイロット。
ハワイへのフライト後、果歩と出会い、一夜を過ごすがその後、消えてしまう。
翌朝いなくなってしまったことには、なにか理由があるようで……?
●航(わたる)
1歳半
果歩と翔の息子。飛行機が好き。
※表記年齢は初登場です
**********
webコンテンツ大賞【恋愛小説大賞】にエントリー中です!
完結しました!
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
JC💋フェラ
山葵あいす
恋愛
森野 稚菜(もりの わかな)は、中学2年生になる14歳の女の子だ。家では姉夫婦が一緒に暮らしており、稚菜に甘い義兄の真雄(まさお)は、いつも彼女におねだりされるままお小遣いを渡していたのだが……
ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~
菱沼あゆ
恋愛
念願のランプのショップを開いた鞠宮あかり。
だが、開店早々、植え込みに猫とおばあさんを避けた車が突っ込んでくる。
車に乗っていたイケメン、木南青葉はインテリアや雑貨などを輸入している会社の社長で、あかりの店に出入りするようになるが。
あかりには実は、年の離れた弟ということになっている息子がいて――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる