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2 私の新たな生きる場所
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私は…死んだのだろうか?
でも、それならそれで良いのかもしれない。
もう疲れた。
早くお母様のところに連れて行って欲しい。
あそこに、戻りたくない。
『早く起きてください。』
冷たい声がした。
嫌、戻りたくない。
目を開けたら、またあの場所に行くのでしょう?
『……いい加減にしろ。』
急に体を起こされた。
あったのは夕日のような美しい琥珀色の瞳。
そこに映るのは……私だ。
そして流れてくるのは私の記憶。
「湊くん~」
「櫻ね、湊くんと結婚するの~!」
「なんで!?なんで好きになってくれないの!!」
「櫻は可愛いんだからッ!」
「櫻は湊くんの妻なのッ!!あんたが好かれてるとか思わないで!!」
『いい加減にしてくれ。君の父上にはお世話になっているからこの結婚を受けたが、別に君を好きな訳じゃない。』
違う。これは櫻の記憶だ。
私はルーナ、でもこの記憶は櫻のもの。
次々と浮かぶそれは見るに堪えないものだった。
櫻は良くいえば「無邪気。そして天真爛漫」
けれどはっきり言って「幼稚で自己中心的」だった。
子供の頃から可愛いと褒められ、煽てられ元々人より要領が良かったため学校生活でも苦労しなかった。だから、調子に乗った。
「パパ。櫻、湊くんと結婚したい!!」
まるで子供が玩具を強請るように。
叶うことが当たり前のように。
彼女は強請ったのだった。
彼女の父親は『立花corporation』の社長秘書。
たった1人の愛娘、亡き妻の大切な忘れ形見。
立場上叶えられないことも無いが、彼女の言う湊くんは社長の息子であり今は副社長だった。今まで娘の願いはなんでも叶えてきた。
「ありがとうパパ!」
そう笑う顔が、妻にそっくりで可愛くて愛しかった。
けれど、この願いは彼一人で簡単に決められるものではなく彼は直接社長と湊に頼んだのだった。
『いいですよ。細田さんにはいつもお世話になっていますし。』
本人である湊が了承したため、2人の結婚の話はトントン拍子に進んだ。櫻は彼の妻、兼秘書として秘書課で働くことになった。
だが妻だと言うことを笠にたて、ろくに仕事をせず自己中的な発言を繰り返す彼女は、瞬く間に会社から異物として扱われるようになった。
そうだ。目の前のこの人は、櫻の夫。
眉目秀麗とはこの人のような人を指すのだろう。
主導者としての秀でた頭脳と能力を持ち
誰もをの心を奪う深く玲瓏な声を持つ
琥珀色の冷たい瞳をしたこの人が。
『仕事ですよ。二度と、問題を起こさないでください。次は有りません。』
「……。はい。」
『全く…。なぜこの結婚を受けたのか…。』
『勘違いしないでください。私は貴方と好きで結婚した訳ではありません。あなたの父上にお世話になっているから、ただそれだけです。』
きっと、きっと櫻ならば
ここで泣いて縋るのだろう。
けれど、私はルーナだ。
『女らしく』泣いてなどやらない。
そちらがそう言うのならば、結構です。
私は
愛嬌があって、言うことを素直に聞き従い
おしとやかで、常に笑顔でいて
夫の後ろでいつだって守られているような
『女らしい』生き方は出来ませんので。
これが第2の人生として神様がくれたチャンスなら
自分らしく生きさせていただきます。
夫の出ていった扉を見て呟く。
「見ていてくださいませ。旦那様。」
「私は、自分1人でも自由に生きます。」
「貴方に愛されようとは絶対に思いません。」
「むしろ、嫌われてみせます!」
「覚悟してくださいませ!!」
でも、それならそれで良いのかもしれない。
もう疲れた。
早くお母様のところに連れて行って欲しい。
あそこに、戻りたくない。
『早く起きてください。』
冷たい声がした。
嫌、戻りたくない。
目を開けたら、またあの場所に行くのでしょう?
『……いい加減にしろ。』
急に体を起こされた。
あったのは夕日のような美しい琥珀色の瞳。
そこに映るのは……私だ。
そして流れてくるのは私の記憶。
「湊くん~」
「櫻ね、湊くんと結婚するの~!」
「なんで!?なんで好きになってくれないの!!」
「櫻は可愛いんだからッ!」
「櫻は湊くんの妻なのッ!!あんたが好かれてるとか思わないで!!」
『いい加減にしてくれ。君の父上にはお世話になっているからこの結婚を受けたが、別に君を好きな訳じゃない。』
違う。これは櫻の記憶だ。
私はルーナ、でもこの記憶は櫻のもの。
次々と浮かぶそれは見るに堪えないものだった。
櫻は良くいえば「無邪気。そして天真爛漫」
けれどはっきり言って「幼稚で自己中心的」だった。
子供の頃から可愛いと褒められ、煽てられ元々人より要領が良かったため学校生活でも苦労しなかった。だから、調子に乗った。
「パパ。櫻、湊くんと結婚したい!!」
まるで子供が玩具を強請るように。
叶うことが当たり前のように。
彼女は強請ったのだった。
彼女の父親は『立花corporation』の社長秘書。
たった1人の愛娘、亡き妻の大切な忘れ形見。
立場上叶えられないことも無いが、彼女の言う湊くんは社長の息子であり今は副社長だった。今まで娘の願いはなんでも叶えてきた。
「ありがとうパパ!」
そう笑う顔が、妻にそっくりで可愛くて愛しかった。
けれど、この願いは彼一人で簡単に決められるものではなく彼は直接社長と湊に頼んだのだった。
『いいですよ。細田さんにはいつもお世話になっていますし。』
本人である湊が了承したため、2人の結婚の話はトントン拍子に進んだ。櫻は彼の妻、兼秘書として秘書課で働くことになった。
だが妻だと言うことを笠にたて、ろくに仕事をせず自己中的な発言を繰り返す彼女は、瞬く間に会社から異物として扱われるようになった。
そうだ。目の前のこの人は、櫻の夫。
眉目秀麗とはこの人のような人を指すのだろう。
主導者としての秀でた頭脳と能力を持ち
誰もをの心を奪う深く玲瓏な声を持つ
琥珀色の冷たい瞳をしたこの人が。
『仕事ですよ。二度と、問題を起こさないでください。次は有りません。』
「……。はい。」
『全く…。なぜこの結婚を受けたのか…。』
『勘違いしないでください。私は貴方と好きで結婚した訳ではありません。あなたの父上にお世話になっているから、ただそれだけです。』
きっと、きっと櫻ならば
ここで泣いて縋るのだろう。
けれど、私はルーナだ。
『女らしく』泣いてなどやらない。
そちらがそう言うのならば、結構です。
私は
愛嬌があって、言うことを素直に聞き従い
おしとやかで、常に笑顔でいて
夫の後ろでいつだって守られているような
『女らしい』生き方は出来ませんので。
これが第2の人生として神様がくれたチャンスなら
自分らしく生きさせていただきます。
夫の出ていった扉を見て呟く。
「見ていてくださいませ。旦那様。」
「私は、自分1人でも自由に生きます。」
「貴方に愛されようとは絶対に思いません。」
「むしろ、嫌われてみせます!」
「覚悟してくださいませ!!」
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