25 / 27
二十五
しおりを挟む
華恋の両親との顔合わせ当日。森は緊張した面持ちで華恋と供に指定されたレストランへ向かった。レストランを予約したのは華恋の両親だ。森も聞いたことのある有名な高級レストラン。場所が場所なので、社内イベントの時に健太から渡されたスーツを再び引っ張り出した。今日は華恋も高級感漂うワンピースに身を包んでいる。
森はそっと華恋を横目で見た。着飾った華恋は……惚れた欲目かもしれないが、いつも以上に可愛い。上品さと美しさがプラスされ、一般人離れしたオーラを放っている。森は歩むスピードを華恋に合わせ、隣に並ぶと不躾な視線を向けて来る輩に眼を飛ばした。次々に視線を逸らしていく輩を見て鼻を鳴らす。
華恋が森を見上げると、森はいつもどおりの表情で首を傾げたのだった。
高級レストランはホテルの高層階にある。エレベーターを降りて、森は足を止めた。つられて華恋も足を止める。珍しく緊張した様子の森を見て、華恋は口を開いた。
「大丈夫、だよ」
そう言って腕に手を添える。
「あ、ああ」森は頷き返した。
レストラン入口で華恋がスタッフに苗字を告げる。スタッフの眉が一瞬だけぴくりと動いた。華恋の顔が曇る。が、すぐにいつも通りに戻った。
予約席に通される中、最初に聞こえてきたのは女性の笑い声。次に聞こえてきたのは男性の甘い口説き文句。何を話しているかまでは聞こえないが、男女二人の雰囲気が甘いのは何となくわかった。――――華恋と二人でくるのもいいな。
多少なりとも影響を受けた森がそんなことを考えていると、まさかの案内された先にその男女がいた。男女の席は異常に近い。もはやくっついているといってもいい。こういう店で見る光景ではない。
――――まさかこの二人が?
思わず森は華恋を見た。華恋は気まずげな笑みを浮かべて頷いた。もう一度男女に視線を向ける。子供がいるようには到底見えない若々しい美男美女。
衝撃的な事実に森が固まっていると、華恋が森の手を引いて席に座るよう促した。
とはいえ、挨拶もまだなのに座ることはできない。
「あの、初めまして」
けれど、二人から返事は返ってこなかった。華恋が森の名を呼ぶ。
「せっかく挨拶しようとしてくれたのにごめんね。この二人、自分達が満足するまでいちゃいちゃしてからじゃないと周りに目が向かないの。もう座っていいよ」
「いや、でも」
森は横目で華恋の両親に視線を向ける。華恋は溜息を吐き、立ち上がると二人に近づいた。そして、無理やり二人の後頭部を掴むと強引に唇と唇を重ねさせる。あまりにも強引な口づけだ。森は驚いて目を丸くした。数秒経ってから手を放す。
両親は互いの目を見て頬を染めていた。――――え、今のでいいんだ。
森が呆気に取られていると華恋が二人に声をかけた。
「母さん。父さん」
返事は無い。華恋は仕方なくもう一度呼びかける。
「ママ。パパ」
その単語を聞いて華恋の両親はようやく華恋達に視線を向けた。
「あら、華恋。いつからいたの?」
「さっき。こちら、私がお付き合いしている森 英治さん」
「ああ。あなたが……」
そう言って、華恋の母親が森をじっと見つめる。森は慌てて背筋を正した。
「華恋さんとお付き合いしています。森 英治、と申します」
「そう。よろしくね」
にっこりと微笑む母親とは対照的に父親の目は鋭い。何も言わず、森のことを睨み続けている。やはり、娘の彼氏は気にくわないのか。どう話しかけたものかと悩んでいると華恋の母親が助け舟を出してくれた。
「恋爾君のことは気にしないで座ってちょうだい」
戸惑いながらも森は座った。華恋はすでに座っている。さて、きちんと挨拶をしなければ……という森の意気込みは早々に握り潰された。目の前の夫婦によって。
「でね。恋爾君ったらその女をばっさり振ったかと思ったら、大勢の人がいる前で私への愛を語り始めちゃったの。私、恥ずかしくて恥ずかしくて」
「そんなこと言いながら、蓮華は喜んでいただろ?」
「そんなこと……あるけど」
頬を染め、見つめ合う夫婦はどちらかというと『新婚』というか『カップル』と言った方がしっくりくる。
森は眉間に皺を寄せていた。先程から華恋とのことを話す隙を窺っているのだが、そんな隙が一向に訪れない。ずーっと二人のターンが続いている。惚気が止まらない。次第にもしやこれは華恋とのことを認めないという意趣返しなのではと疑い始めた。
が、隣に座っている華恋を見て違うようだと思いなおす。
華恋はハイライトが消えた目でもくもくと食事を進めていた。その表情に既視感を覚える。心がざわついた。このままではいけない気がした。
「あのっ」
思い切って二人の話を遮る。不愉快そうに恋爾の眉が上がった。蓮華が小首を傾げ、森を見る。森は真剣な表情で二人を見つめ返した。
「今日会っていただいたのは、お二人に挨拶をしたかったからです。自分は華恋さんと真剣にお付き合いをしていて、将来は結婚を」
「あら! いつ?」
「え? いや、まだ先のことなので」
「決まったら早めに教えてちょうだいね! 色々と準備しないといけないから。ああ楽しみだわ~どんな衣装にしようかしら。ヘアスタイルやネイルも、考えることがいっぱいだわ」
「どんな衣装でも蓮華なら着こなすことができるさ。でも、そうだね。せっかくなら僕と御揃いの衣装をオーダーメイドしに行くのはどうかな?」
「素敵! そうしましょう!」
「ああ」
蓮華が恋爾に抱き着き、恋爾も蓮華を抱きしめ返す。森はその光景を唖然と見ていたが、恋爾と目が合い、睨みつけられ慌てて視線を逸らす。
そして、気づいた。娘の彼氏だから睨まれていたわけではないと。蓮華に近よるなと威嚇されていたのだ。
いやいや、なんでだ。と心の中で突っ込みを入れた森。
口を閉ざした森の腕を華恋が引く。
「英治さん」
「どうし、た」
引き寄せられ、頬に柔らかなものが触れる。それが華恋の唇だと気付くまで数秒かかった。
固まった森の横で華恋が真っすぐに両親を見据える。
「こういうことだから。私達の邪魔をしないでね。詳しいことが決まったら連絡するから。後は二人で楽しんで」
「もちろんよ。私達程ではないけどなかなか絵になるわね。さすが私達の愛の結晶だわ」
「そうだな」
うんうんと頷き合う二人を無視して立ち上がる華恋。森も腕を引かれ立ち上がった。
「それじゃあ」
「ええ。あ、華恋。もし喧嘩するようなことがあったらいつでも連絡してちょうだい。仲直りのコツを教えてあげるから」
一度足を止めた華恋だったが、すぐに再び歩き始める。食事の途中だが、そのことについて指摘するものは誰もいない。このタイミングでの解散は皆が望んだことだった。森もそれを理解して華恋の後に続く。ただ、帰り際に少しだけ振り向いて後ろを見た。
華恋の両親は……すでに華恋達のことなど忘れ、二人の世界に入りこんでいた。森の眉間に皺が寄る。
森は華恋の手を握り直すと歩くスピードを速めた。この場から遠ざかる為に。
二人は目的もなく歩き続け、気づけば人気のない道を歩いていた。華恋が足をぴたりと止め、森も合わせて足を止める。
手を繋いだまま、華恋は森を見上げた。
「ごめんね」
「え?」
「びっくりしたでしょう?」
その対象が、華恋の両親を指していることには気づいた。気づいたが、なんと返していいのかわからない。そんな森の心境を理解しているように華恋は苦笑した。
「昔からそうなの。あの二人にとって、大事なのは互いだけ。他人は……娘であるはずの私ですらあの二人にとっては邪魔者で」
「っそんなこと「でも私は慣れているから! ただ、英治さんに申し訳なくて。せっかく、挨拶したいって言ってくれたのに……あんな……ごめん」
「華恋は謝る必要ないだろう。挨拶したいっていうのだって俺の自己満足だ。むしろ、俺の我儘に付き合ってくれてありがとう」
「そんなこと」「これからは」
珍しく言葉を被せてきた森に華恋は顔を上げる。森が真剣な目で華恋を見ていることに気づいて口を閉ざす。
「俺がいるから。華恋には俺がついているから」
「っ」
泣くつもりなんてなかったのに、涙がこぼれ、頬を伝う。森はその涙を拭うでもなく、華恋を優しく抱き寄せた。森のスーツに華恋の涙が吸い込まれていく。涙どころか化粧がスーツにつきそうで慌てて離れようとしたが、森は許してくれなかった。諦めて森を抱きしめ返す。心がポカポカした。この瞬間、華恋はようやく自分だけの居場所を見つけた気がした。
しばらく抱きしめ合った後、どちらともなくそっと身体を離す。手を繋ぎ、二人は森の家へ向かって歩き始めた。
森はそっと華恋を横目で見た。着飾った華恋は……惚れた欲目かもしれないが、いつも以上に可愛い。上品さと美しさがプラスされ、一般人離れしたオーラを放っている。森は歩むスピードを華恋に合わせ、隣に並ぶと不躾な視線を向けて来る輩に眼を飛ばした。次々に視線を逸らしていく輩を見て鼻を鳴らす。
華恋が森を見上げると、森はいつもどおりの表情で首を傾げたのだった。
高級レストランはホテルの高層階にある。エレベーターを降りて、森は足を止めた。つられて華恋も足を止める。珍しく緊張した様子の森を見て、華恋は口を開いた。
「大丈夫、だよ」
そう言って腕に手を添える。
「あ、ああ」森は頷き返した。
レストラン入口で華恋がスタッフに苗字を告げる。スタッフの眉が一瞬だけぴくりと動いた。華恋の顔が曇る。が、すぐにいつも通りに戻った。
予約席に通される中、最初に聞こえてきたのは女性の笑い声。次に聞こえてきたのは男性の甘い口説き文句。何を話しているかまでは聞こえないが、男女二人の雰囲気が甘いのは何となくわかった。――――華恋と二人でくるのもいいな。
多少なりとも影響を受けた森がそんなことを考えていると、まさかの案内された先にその男女がいた。男女の席は異常に近い。もはやくっついているといってもいい。こういう店で見る光景ではない。
――――まさかこの二人が?
思わず森は華恋を見た。華恋は気まずげな笑みを浮かべて頷いた。もう一度男女に視線を向ける。子供がいるようには到底見えない若々しい美男美女。
衝撃的な事実に森が固まっていると、華恋が森の手を引いて席に座るよう促した。
とはいえ、挨拶もまだなのに座ることはできない。
「あの、初めまして」
けれど、二人から返事は返ってこなかった。華恋が森の名を呼ぶ。
「せっかく挨拶しようとしてくれたのにごめんね。この二人、自分達が満足するまでいちゃいちゃしてからじゃないと周りに目が向かないの。もう座っていいよ」
「いや、でも」
森は横目で華恋の両親に視線を向ける。華恋は溜息を吐き、立ち上がると二人に近づいた。そして、無理やり二人の後頭部を掴むと強引に唇と唇を重ねさせる。あまりにも強引な口づけだ。森は驚いて目を丸くした。数秒経ってから手を放す。
両親は互いの目を見て頬を染めていた。――――え、今のでいいんだ。
森が呆気に取られていると華恋が二人に声をかけた。
「母さん。父さん」
返事は無い。華恋は仕方なくもう一度呼びかける。
「ママ。パパ」
その単語を聞いて華恋の両親はようやく華恋達に視線を向けた。
「あら、華恋。いつからいたの?」
「さっき。こちら、私がお付き合いしている森 英治さん」
「ああ。あなたが……」
そう言って、華恋の母親が森をじっと見つめる。森は慌てて背筋を正した。
「華恋さんとお付き合いしています。森 英治、と申します」
「そう。よろしくね」
にっこりと微笑む母親とは対照的に父親の目は鋭い。何も言わず、森のことを睨み続けている。やはり、娘の彼氏は気にくわないのか。どう話しかけたものかと悩んでいると華恋の母親が助け舟を出してくれた。
「恋爾君のことは気にしないで座ってちょうだい」
戸惑いながらも森は座った。華恋はすでに座っている。さて、きちんと挨拶をしなければ……という森の意気込みは早々に握り潰された。目の前の夫婦によって。
「でね。恋爾君ったらその女をばっさり振ったかと思ったら、大勢の人がいる前で私への愛を語り始めちゃったの。私、恥ずかしくて恥ずかしくて」
「そんなこと言いながら、蓮華は喜んでいただろ?」
「そんなこと……あるけど」
頬を染め、見つめ合う夫婦はどちらかというと『新婚』というか『カップル』と言った方がしっくりくる。
森は眉間に皺を寄せていた。先程から華恋とのことを話す隙を窺っているのだが、そんな隙が一向に訪れない。ずーっと二人のターンが続いている。惚気が止まらない。次第にもしやこれは華恋とのことを認めないという意趣返しなのではと疑い始めた。
が、隣に座っている華恋を見て違うようだと思いなおす。
華恋はハイライトが消えた目でもくもくと食事を進めていた。その表情に既視感を覚える。心がざわついた。このままではいけない気がした。
「あのっ」
思い切って二人の話を遮る。不愉快そうに恋爾の眉が上がった。蓮華が小首を傾げ、森を見る。森は真剣な表情で二人を見つめ返した。
「今日会っていただいたのは、お二人に挨拶をしたかったからです。自分は華恋さんと真剣にお付き合いをしていて、将来は結婚を」
「あら! いつ?」
「え? いや、まだ先のことなので」
「決まったら早めに教えてちょうだいね! 色々と準備しないといけないから。ああ楽しみだわ~どんな衣装にしようかしら。ヘアスタイルやネイルも、考えることがいっぱいだわ」
「どんな衣装でも蓮華なら着こなすことができるさ。でも、そうだね。せっかくなら僕と御揃いの衣装をオーダーメイドしに行くのはどうかな?」
「素敵! そうしましょう!」
「ああ」
蓮華が恋爾に抱き着き、恋爾も蓮華を抱きしめ返す。森はその光景を唖然と見ていたが、恋爾と目が合い、睨みつけられ慌てて視線を逸らす。
そして、気づいた。娘の彼氏だから睨まれていたわけではないと。蓮華に近よるなと威嚇されていたのだ。
いやいや、なんでだ。と心の中で突っ込みを入れた森。
口を閉ざした森の腕を華恋が引く。
「英治さん」
「どうし、た」
引き寄せられ、頬に柔らかなものが触れる。それが華恋の唇だと気付くまで数秒かかった。
固まった森の横で華恋が真っすぐに両親を見据える。
「こういうことだから。私達の邪魔をしないでね。詳しいことが決まったら連絡するから。後は二人で楽しんで」
「もちろんよ。私達程ではないけどなかなか絵になるわね。さすが私達の愛の結晶だわ」
「そうだな」
うんうんと頷き合う二人を無視して立ち上がる華恋。森も腕を引かれ立ち上がった。
「それじゃあ」
「ええ。あ、華恋。もし喧嘩するようなことがあったらいつでも連絡してちょうだい。仲直りのコツを教えてあげるから」
一度足を止めた華恋だったが、すぐに再び歩き始める。食事の途中だが、そのことについて指摘するものは誰もいない。このタイミングでの解散は皆が望んだことだった。森もそれを理解して華恋の後に続く。ただ、帰り際に少しだけ振り向いて後ろを見た。
華恋の両親は……すでに華恋達のことなど忘れ、二人の世界に入りこんでいた。森の眉間に皺が寄る。
森は華恋の手を握り直すと歩くスピードを速めた。この場から遠ざかる為に。
二人は目的もなく歩き続け、気づけば人気のない道を歩いていた。華恋が足をぴたりと止め、森も合わせて足を止める。
手を繋いだまま、華恋は森を見上げた。
「ごめんね」
「え?」
「びっくりしたでしょう?」
その対象が、華恋の両親を指していることには気づいた。気づいたが、なんと返していいのかわからない。そんな森の心境を理解しているように華恋は苦笑した。
「昔からそうなの。あの二人にとって、大事なのは互いだけ。他人は……娘であるはずの私ですらあの二人にとっては邪魔者で」
「っそんなこと「でも私は慣れているから! ただ、英治さんに申し訳なくて。せっかく、挨拶したいって言ってくれたのに……あんな……ごめん」
「華恋は謝る必要ないだろう。挨拶したいっていうのだって俺の自己満足だ。むしろ、俺の我儘に付き合ってくれてありがとう」
「そんなこと」「これからは」
珍しく言葉を被せてきた森に華恋は顔を上げる。森が真剣な目で華恋を見ていることに気づいて口を閉ざす。
「俺がいるから。華恋には俺がついているから」
「っ」
泣くつもりなんてなかったのに、涙がこぼれ、頬を伝う。森はその涙を拭うでもなく、華恋を優しく抱き寄せた。森のスーツに華恋の涙が吸い込まれていく。涙どころか化粧がスーツにつきそうで慌てて離れようとしたが、森は許してくれなかった。諦めて森を抱きしめ返す。心がポカポカした。この瞬間、華恋はようやく自分だけの居場所を見つけた気がした。
しばらく抱きしめ合った後、どちらともなくそっと身体を離す。手を繋ぎ、二人は森の家へ向かって歩き始めた。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
史上最強魔導士の弟子になった私は、魔導の道を極めます
白い彗星
ファンタジー
魔力の溢れる世界。記憶を失った少女は最強魔導士に弟子入り!
いずれ師匠を超える魔導士になると豪語する少女は、魔導を極めるため魔導学園へと入学する。しかし、平穏な学園生活を望む彼女の気持ちとは裏腹に様々な事件に巻き込まれて…!?
初めて出会う種族、友達、そして転生者。
思わぬ出会いの数々が、彼女を高みへと導いていく。
その中で明かされていく、少女の謎とは……そして、彼女は師匠をも超える魔導士に、なれるのか!?
最強の魔導士を目指す少女の、青春学園ファンタジーここに開幕!
毎日更新中です。
小説家になろう、ノベルピア、カクヨムでも連載しています!
ご期待に沿えず、誠に申し訳ございません
野村にれ
恋愛
人としての限界に達していたヨルレアンは、
婚約者であるエルドール第二王子殿下に理不尽とも思える注意を受け、
話の流れから婚約を解消という話にまでなった。
ヨルレアンは自分の立場のために頑張っていたが、
絶対に婚約を解消しようと拳を上げる。
魔がさした? 私も魔をさしますのでよろしく。
ユユ
恋愛
幼い頃から築いてきた彼との関係は
愛だと思っていた。
何度も“好き”と言われ
次第に心を寄せるようになった。
だけど 彼の浮気を知ってしまった。
私の頭の中にあった愛の城は
完全に崩壊した。
彼の口にする“愛”は偽物だった。
* 作り話です
* 短編で終わらせたいです
* 暇つぶしにどうぞ
白紙にする約束だった婚約を破棄されました
あお
恋愛
幼い頃に王族の婚約者となり、人生を捧げされていたアマーリエは、白紙にすると約束されていた婚約が、婚姻予定の半年前になっても白紙にならないことに焦りを覚えていた。
その矢先、学園の卒業パーティで婚約者である第一王子から婚約破棄を宣言される。
破棄だの解消だの白紙だのは後の話し合いでどうにでもなる。まずは婚約がなくなることが先だと婚約破棄を了承したら、王子の浮気相手を虐めた罪で捕まりそうになるところを華麗に躱すアマーリエ。
恩を仇で返した第一王子には、自分の立場をよおく分かって貰わないといけないわね。
愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「お腹の子も君も僕のものだ。
2度目の離婚はないと思え」
宣利と結婚したのは一年前。
彼の曾祖父が財閥家と姻戚関係になりたいと強引に押したからだった。
父親の経営する会社の建て直しを条件に、結婚を承知した。
かたや元財閥家とはいえ今は経営難で倒産寸前の会社の娘。
かたや世界有数の自動車企業の御曹司。
立場の違いは大きく、宣利は冷たくて結婚を後悔した。
けれどそのうち、厳しいものの誠実な人だと知り、惹かれていく。
しかし曾祖父が死ねば離婚だと言われていたので、感情を隠す。
結婚から一年後。
とうとう曾祖父が亡くなる。
当然、宣利から離婚を切り出された。
未練はあったが困らせるのは嫌で、承知する。
最後に抱きたいと言われ、最初で最後、宣利に身体を預ける。
離婚後、妊娠に気づいた。
それを宣利に知られ、復縁を求められるまではまあいい。
でも、離婚前が嘘みたいに、溺愛してくるのはなんでですか!?
羽島花琳 はじま かりん
26歳
外食産業チェーン『エールダンジュ』グループご令嬢
自身は普通に会社員をしている
明るく朗らか
あまり物事には執着しない
若干(?)天然
×
倉森宣利 くらもり たかとし
32歳
世界有数の自動車企業『TAIGA』グループ御曹司
自身は核企業『TAIGA自動車』専務
冷酷で厳しそうに見られがちだが、誠実な人
心を開いた人間にはとことん甘い顔を見せる
なんで私、子供ができた途端に復縁を迫られてるんですかね……?
離縁の脅威、恐怖の日々
月食ぱんな
恋愛
貴族同士は結婚して三年。二人の間に子が出来なければ離縁、もしくは夫が愛人を持つ事が許されている。そんな中、公爵家に嫁いで結婚四年目。二十歳になったリディアは子どもが出来す、離縁に怯えていた。夫であるフェリクスは昔と変わらず、リディアに優しく接してくれているように見える。けれど彼のちょっとした言動が、「完璧な妻ではない」と、まるで自分を責めているように思えてしまい、リディアはどんどん病んでいくのであった。題名はホラーですがほのぼのです。
※物語の設定上、不妊に悩む女性に対し、心無い発言に思われる部分もあるかと思います。フィクションだと割り切ってお読み頂けると幸いです。
※なろう様、ノベマ!様でも掲載中です。
【完結】優しくて大好きな夫が私に隠していたこと
暁
恋愛
陽も沈み始めた森の中。
獲物を追っていた寡黙な猟師ローランドは、奥地で偶然見つけた泉で“とんでもない者”と遭遇してしまう。
それは、裸で水浴びをする綺麗な女性だった。
何とかしてその女性を“お嫁さんにしたい”と思い立った彼は、ある行動に出るのだが――。
※
・当方気を付けておりますが、誤字脱字を発見されましたらご遠慮なくご指摘願います。
・★が付く話には性的表現がございます。ご了承下さい。
契約結婚!一発逆転マニュアル♡
伊吹美香
恋愛
『愛妻家になりたい男』と『今の状況から抜け出したい女』が利害一致の契約結婚⁉
全てを失い現実の中で藻掻く女
緒方 依舞稀(24)
✖
なんとしてでも愛妻家にならねばならない男
桐ケ谷 遥翔(30)
『一発逆転』と『打算』のために
二人の契約結婚生活が始まる……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる