12 / 29
第1章 序章
第12話 初任務
しおりを挟む
頼経は、10人を1小隊として90人を9つの小隊に分けた。
第一小隊は、柔道10名。第二小隊は、弓10名。第三小隊は、プロレス10名。第四小隊は、棍棒10名。第五小隊は、刀10名。第六小隊は、鉄球10名。第七小隊は、短刀・クナイ10名。第八小隊は、槍10名。第九小隊は、空手10名という割り振りをした。といっても戦闘スタイル毎に小隊を組んだだけだが。課題はやはり小隊長か。
まだ何の実績もない、出来たばかりのこの組織では、名門といわれる家からは、中々人材を派遣してはもらえないだろうし。こればかりは仕方ないか。と、妥協する頼経。ひとまず小隊の中で一番の年長者にやってもらうか。機械的に選べば文句を言う者はおるまい。そして小隊毎に一番の年長者が便宜上小隊長に選ばれ、ひとまず形としては組織が出来上がった。
そこへ、慌てて走りこんでくる者がひとり。
「頼経様!い、一大事で御座います!」
頼経「なんじゃ?」
「大変です!六条河原にてあの面をした男達が暴れまわっておりまする!」
頼経「なんと!奴らか!して数は?」
「10名程です。しかし、その中に異様に強いものが一人いまして、その男は、たいそう立派な鎧に身を包み、たいそう立派な太刀を振るっているとか。しかもその男は面をしておらず、素顔を晒しているそうです。」
頼経「なんと、ではその男の顔を見れば、奴らの素性がわかるかもしれんな。よし、者ども、初任務じゃ!第二小隊
と第五小隊は付いて来い!」
「たったそれだけでよいのですか?もっと多く連れていかれては?」
頼経「たくさん連れて行くと、移動が遅くなる。その間に奴らに逃げられてしまう。必要最低限、2倍の人数がいれ
ば十分だろう。」
頼経は第二・第五小隊20名を引き連れて六条河原へと急ぐ。刀でオーソドックスに近距離戦に対応、弓で遠距離からサポートして戦いを有利に進めるつもりだろう。頼経一行は六条河原に到着するやいなや、目の前に広がる光景に度肝を抜かれる。ひどく殴られた男達がそこら中に転がっており、女子供達は、何やら怪しい箱に次々と放り込まれている。拉致されているようだ。
頼経「なんということじゃ、許せぬ!者ども、あの女子供達を救うのじゃ!行くぞ!先ずは第二小隊、射かけよ!」
弓小隊が次々と矢を放つ。何人かに命中し、2.3人が倒れた。
頼経「よし!第五小隊、かかれぇ!」
刀小隊が一気に雪崩れ込み、切り合いとなる。初めは、数で勝る頼経方が押していたが、
中央にいる立派な鎧を着た男の強力な一振りで第五小隊の者が一気に4人切られ、その場に倒れる。
どうやらあの男が例の面をしていない男のようだ。
頼経「あの男か、素顔を晒している男というのは。確かに立派な鎧に立派な太刀、一体何者じゃ。」
第五小隊の隊員「あ、あの男は、平重盛!!!」
50代くらいの隊員がそう叫ぶ。
頼経「平重盛?おじい様から聞いた話では、平重盛は平清盛の嫡男と聞いている。なら、もうとっくに死んでいるは
ずだが、どういうことだ?」
第五小隊の隊員「よくわかりませんが、彼は大変武勇に長けた男です!用心なされませ!」
頼経「わ、訳が分からぬ。一体どうなっておるのだ」
頼経が混乱してる間に、気づけば第五小隊はほぼ全員大けがを負ってしまっており、その場にうずくまってしまっていた。皆、平重盛にやられてしまったのである。そのあまりにもの強さに足がすくんで動けなくなってしまう頼経。
そこに重盛が接近し、頼経に切りかかる!
頼経「うわぁぁぁぁ!父上ぇ!お助けくださぇぇぇぇ!」
ガチィィン!!
頼経「!!?」
恐怖から目をつぶってしまった頼経は、恐る恐る目を開けると、目の前に一人の女がいた。そしてこの女が、重盛の太刀を受け止めていた。どうやら頼経は、この女によって命を救われたようだ。
それにしても、この女、顔は見えぬがこれまたたいそう立派な着物を着ている。加えて、重盛の太刀を受け止めるとは、この女は一体何者なのか?(続く)
第一小隊は、柔道10名。第二小隊は、弓10名。第三小隊は、プロレス10名。第四小隊は、棍棒10名。第五小隊は、刀10名。第六小隊は、鉄球10名。第七小隊は、短刀・クナイ10名。第八小隊は、槍10名。第九小隊は、空手10名という割り振りをした。といっても戦闘スタイル毎に小隊を組んだだけだが。課題はやはり小隊長か。
まだ何の実績もない、出来たばかりのこの組織では、名門といわれる家からは、中々人材を派遣してはもらえないだろうし。こればかりは仕方ないか。と、妥協する頼経。ひとまず小隊の中で一番の年長者にやってもらうか。機械的に選べば文句を言う者はおるまい。そして小隊毎に一番の年長者が便宜上小隊長に選ばれ、ひとまず形としては組織が出来上がった。
そこへ、慌てて走りこんでくる者がひとり。
「頼経様!い、一大事で御座います!」
頼経「なんじゃ?」
「大変です!六条河原にてあの面をした男達が暴れまわっておりまする!」
頼経「なんと!奴らか!して数は?」
「10名程です。しかし、その中に異様に強いものが一人いまして、その男は、たいそう立派な鎧に身を包み、たいそう立派な太刀を振るっているとか。しかもその男は面をしておらず、素顔を晒しているそうです。」
頼経「なんと、ではその男の顔を見れば、奴らの素性がわかるかもしれんな。よし、者ども、初任務じゃ!第二小隊
と第五小隊は付いて来い!」
「たったそれだけでよいのですか?もっと多く連れていかれては?」
頼経「たくさん連れて行くと、移動が遅くなる。その間に奴らに逃げられてしまう。必要最低限、2倍の人数がいれ
ば十分だろう。」
頼経は第二・第五小隊20名を引き連れて六条河原へと急ぐ。刀でオーソドックスに近距離戦に対応、弓で遠距離からサポートして戦いを有利に進めるつもりだろう。頼経一行は六条河原に到着するやいなや、目の前に広がる光景に度肝を抜かれる。ひどく殴られた男達がそこら中に転がっており、女子供達は、何やら怪しい箱に次々と放り込まれている。拉致されているようだ。
頼経「なんということじゃ、許せぬ!者ども、あの女子供達を救うのじゃ!行くぞ!先ずは第二小隊、射かけよ!」
弓小隊が次々と矢を放つ。何人かに命中し、2.3人が倒れた。
頼経「よし!第五小隊、かかれぇ!」
刀小隊が一気に雪崩れ込み、切り合いとなる。初めは、数で勝る頼経方が押していたが、
中央にいる立派な鎧を着た男の強力な一振りで第五小隊の者が一気に4人切られ、その場に倒れる。
どうやらあの男が例の面をしていない男のようだ。
頼経「あの男か、素顔を晒している男というのは。確かに立派な鎧に立派な太刀、一体何者じゃ。」
第五小隊の隊員「あ、あの男は、平重盛!!!」
50代くらいの隊員がそう叫ぶ。
頼経「平重盛?おじい様から聞いた話では、平重盛は平清盛の嫡男と聞いている。なら、もうとっくに死んでいるは
ずだが、どういうことだ?」
第五小隊の隊員「よくわかりませんが、彼は大変武勇に長けた男です!用心なされませ!」
頼経「わ、訳が分からぬ。一体どうなっておるのだ」
頼経が混乱してる間に、気づけば第五小隊はほぼ全員大けがを負ってしまっており、その場にうずくまってしまっていた。皆、平重盛にやられてしまったのである。そのあまりにもの強さに足がすくんで動けなくなってしまう頼経。
そこに重盛が接近し、頼経に切りかかる!
頼経「うわぁぁぁぁ!父上ぇ!お助けくださぇぇぇぇ!」
ガチィィン!!
頼経「!!?」
恐怖から目をつぶってしまった頼経は、恐る恐る目を開けると、目の前に一人の女がいた。そしてこの女が、重盛の太刀を受け止めていた。どうやら頼経は、この女によって命を救われたようだ。
それにしても、この女、顔は見えぬがこれまたたいそう立派な着物を着ている。加えて、重盛の太刀を受け止めるとは、この女は一体何者なのか?(続く)
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
検非違使異聞 読星師
魔茶来
歴史・時代
京の「陰陽師の末裔」でありながら「検非違使」である主人公が、江戸時代を舞台にモフモフなネコ式神達と活躍する。
時代は江戸時代中期、六代将軍家宣の死後、後の将軍鍋松は朝廷から諱(イミナ)を与えられ七代将軍家継となり、さらに将軍家継の婚約者となったのは皇女である八十宮吉子内親王であった。
徳川幕府と朝廷が大きく接近した時期、今後の覇権を睨み朝廷から特殊任務を授けて裏検非違使佐官の読星師を江戸に差し向けた。
しかし、話は当初から思わぬ方向に進んで行く。
番太と浪人のヲカシ話
井田いづ
歴史・時代
木戸番の小太郎と浪人者の昌良は暇人である。二人があれやこれやと暇つぶしに精を出すだけの平和な日常系短編集。
(レーティングは「本屋」のお題向け、念のため程度)
※決まった「お題」に沿って777文字で各話完結しています。
※カクヨムに掲載したものです。
※字数カウント調整のため、一部修正しております。
金陵群芳傳
春秋梅菊
歴史・時代
明末、南京(金陵)の街を舞台に生きる妓女達の群像劇。
華やかだけれど退廃しきっていた時代、その中を必死に生きた人々の姿を掻いていきたいと思います。
小説家になろうで連載中の作品を転載したものになります。
暗闇から抜け出す日
みるく
歴史・時代
甲斐国躑躅ヶ崎に、春日源五郎という者がいた。彼はもともと百姓の身であり武田信玄に才を買われて近習として仕えた。最終的には上杉の抑えとして海津城の城代となる。異例の大出世を遂げたが、近習時代は苦しい日々だったという。
そんな彼の近習時代を中心に書いてみました。
※いつも通り創作戦国です。武将のキャラ設定は主観です。基本的に主人公視点で物語は進みます。
内容もあくまで筆者の想像にすぎません。
四本目の矢
南雲遊火
歴史・時代
戦国大名、毛利元就。
中国地方を統一し、後に「謀神」とさえ言われた彼は、
彼の時代としては珍しく、大変な愛妻家としての一面を持ち、
また、彼同様歴史に名を遺す、優秀な三人の息子たちがいた。
しかし。
これは、素直になれないお年頃の「四人目の息子たち」の物語。
◆◇◆
※:2020/06/12 一部キャラクターの呼び方、名乗り方を変更しました
北海帝国の秘密
尾瀬 有得
歴史・時代
十一世紀初頭。
幼い頃の記憶を失っているデンマークの農場の女ヴァナは、突如としてやってきた身体が動かないほどに年老いた戦士トルケルの側仕えとなった。
ある日の朝、ヴァナは暇つぶしにと彼が考えたという話を聞かされることになる。
それは現イングランド・デンマークの王クヌートは偽物で、本当は彼の息子であるという荒唐無稽な話だった。
本物のクヌートはどうしたのか?
なぜトルケルの子が身代わりとなったのか?
そして、引退したトルケルはなぜ農場へやってきたのか?
トルケルが与太話と嘯きつつ語る自分の半生と、クヌートの秘密。
それは決して他言のできない歴史の裏側。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる