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3話 神様から事情を聞く話 《2》 俺の冒険はまだまだだ!
しおりを挟む『それじゃぁぁぁぁっ!!!!!!』
「うぉっ!?ちょ!まぶっ‥!まぶしっ!」
神様は我が意を得たりとばかりにテンションをMAXにしすぎたせいか凄まじい光を放ちはじめた。
陽貴はいきなり光だした爺さんを直視できず目を細めている。
『ふぉ!ふぉ!そうじゃよ!陽貴くん!!まさにその゛異世界゛へと行っ「爺さん!光ってるから!めっちゃ眩しいって!それ抑えてくれ!」って‥あ、しもた!すまぬすまぬ』
そう言って聖なる気を静める神様。やがて徐々に光が薄れていった。
‥が、いつも薄毛を気にしている割には頭まで気が回らなかったのであろうか?下半身、上半身と順に光が消えていったのだが悲しいかな頭頂部から発する光はそのまま消え去らず、未だ爛々と輝き続けている。
「‥‥‥。(何かの罰ゲームかな?)」
神様の頭を見ないようにツッコミたい衝動を必死に堪こらえ、陽貴は耐えた。
(だってツッコミ入れたらまた爺さんヘコんで話が進まないしな。)
『すまんのぅ。つい゛後光゛が差してしもうたわい!ふぉふぉ』
(゛後光゛だったのかアレ‥めっさ爺さん自身・・が光ってたけど゛後光゛だったんだね‥。今やもう゛頭光゛になっちゃってるけど‼くっ!我慢だ俺!)
『これで大丈夫じゃろ?(大丈夫じゃねえよ!頭が!)。さて、どうして異世界へ行けるのか聞きたいじゃろ?』
「ああ、まさかとは思ったが爺さん本当に俺は異世界に行けるのか?ってか普通は地球で生まれ変わるとかじゃないの?ほら輪廻転生ってやつ」
『それがのぅ。普通なら主の言うとおり地球で゛生゛を終えた魂は輪廻の輪に入るんじゃ。
魂というのはいくら善行を重ねていても少なからず悪意に触れておったり、負の気を含んでおる。
本人は自覚がなくても長く生きている中で知らず知らず溜まってしまうものなのじゃ。悪行を働いた者はいわずもがなじゃな。
そこで天国と地獄という場所が必要になってくるわけじゃ。輪廻の輪に入る前に魂を清める場と考えてもらってええじゃろ。
清められた魂はまた輪の中に入り新しい生命として旅立っていくのじゃ。』
「ふむふむ、なるほどな~。それなら俺は殺されたとはいえ、一応地球で゛生゛を終えた事になるんじゃないのか?」
『うむ、ココが一番重要なんじゃがお主は゛別世界の者に命を奪われた。これが問題でのぅ。別世界‥いわゆる異世界の存在に殺されてしまった者の魂は地球の輪廻に入れんのじゃよ。手は尽くしてみたがダメじゃった‥お主の魂は、お主を殺した者の世界ベリルトの輪廻の輪に組み込まれてしまっておったんじゃ。』
「え!?それって‥つまり、どういうことだってばよ!」
『う~む。簡単に言うとじゃな、お主は違う世界の者に殺されてしもうたから魂は向こうの世界の輪廻に入る。
だが、お主は向こうの世界ベリルトでは存在すらしなかった者じゃ。生きた証ともいうべき゛経験゛が何も無いのは当たり前なんじゃがその状態で向こうの輪廻に入ってしまうと…』
「…は、入っちゃうと?(汗」
『転生することもできず、゛消滅゛してしまうじゃろうな。』
「はあぁぁぁっ!?ちょ、はぁあ!?」
『落ち着くのじゃ!異世界へ行けるというたじゃろ?』
「え!?あ!そっか!!いやぁ~本気で焦ったわ~。ん?ちょっと読めたんだけど俺の行くことになる異世界ってやっぱりその‥」
『そうじゃ。異世界ベリルトじゃな。』
(ですよねー!!…いや?考えようによってはあの化物に一発くれてやる絶好の機会になるんじゃないのか?
SO・RE・DA!!
あの化物は向こうの魔物らしいからな。魔物かぁ…魔物とくればやっぱり剣と魔法の世界なのか?そうだったら向こうで強くなってボコるの決定だな。うん。)
「爺さん、爺さんそのベリルトって世界どういう所??」
『そうじゃなぁ、管理下が違うので詳しくはわからなんだが、お主を殺めた魔物の゛記憶゛を覗いてみた限り、文明は地球程あまり発達してはおらんじゃろう。
俗にいう剣と魔法が主流の世界じゃよ。』
「ハイ!ボコるの決定しましたー!ありがとうございますー!」
『ぬぉ!?ぼ、ボコるというのか!!?わ、わしを?』
「いやいやいや!爺さんをじゃないって!それはこっちの話だから気にしないでよ!」
『そうなの?何の脈絡もなくわし殴られるのかとドキドキしたわい。神様なのに。
うぉっほん!つまりは゛経験゛が無い為に消滅してしまうのじゃから、ベリルトという世界に行き、その世界で生きる事で゛経験゛を積めば良いのじゃ。
特別な事はしなくても普通に生活すればええぞ?』
「おk!ま、あとは行ってみてからだな。そういや爺さん俺このままの格好でそのベリルトってとこに行ったらヤバくないか?」
陽貴の現在の格好はフード付きのパーカーに下は、ジーンズにスニーカーである。
殺された際に付着した血液等は無くなっているが、思いっきり地球ファッションである。剣と魔法の世界ではえらい違和感があるだろう。
『ヤバいじゃろうな。うむ、それはあの魔物の゛記憶゛にあった゛冒険者゛という者達の服装を複写して着ればええじゃろう。
すでに準備しておるよ。それとは別に゛記憶゛の中に面白い要素があってのぅ。
自分の能力が視覚的に確認できる《ステータス》という自己開示スキルというものがあったのじゃよ』
「おぉぉぉっ‥!!異世界って感じがする言葉ランキング上位!!《ステータス》さんと《スキル》さんっ!」
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