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第一章 転生先は物語と酷似している世界の中二人の転生者は……。
8 ヒロイン エラ エラSide Ⅱ
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あれは今から丁度四年前くらいかしらね。
その頃の私は11歳。
この世界じゃあ17歳で成人だったりする。
前世じゃあ20歳で成人だったけれども、この世界じゃあ三年早くお酒や煙草……お酒は特に年齢制限はない。
煙草は興味がないって言うか、煙草……この世界じゃあ葉巻だね。
まあどっちにしても煙たいし特に興味もないからどうでもいいわ。
13歳にもなれば憧れの舞踏会への出席は出来なくても簡単なお茶会……うん、私から言えばどこの世界でも同じく金と暇のあるおばさん達金と暇のあるが集う井戸端会議と一緒。
訳のわからない事ばかりだらだら時間を掛けて喋るだけの集まり。
ただ皆が言うにはこのくだらないお茶会でこれまで必死になって身に付けた礼儀作法を披露し、成人するまでにより一層完璧な淑女として磨かなくてはいけないと言う。
だけど私はそんな面倒なのは大っ嫌い。
抑々1ミリも面白くなんかないのに、にっこりと微笑んで喋るなんて微笑んでクソ詰まんない。
それにね、そう言う事は私以外の人間達がすればいいのよ。
ふふ、何故って?
だって決まっているじゃないっっ。
私はあのシンデレラのヒロインなのよ!!
ヒロインはぁ、問答無用でヒーローである王子様と出逢いそしてジェットコースター並みの速さで恋に堕ちて恋に堕ちて即結婚するのっっ。
そして幸せは永遠に続くのも当たり前。
だ・か・らっ、私には皆の言う常識が当て嵌まらないの。
そう、私は選ばれた存在。
特別な女の子。
それがシンデレラなのよ。
あ、ちょっと話が逸れちゃったよね。
まあそんなお茶会へ参加するまでの後二年と言う私の貴重な時間を使ってさ、片っ端から国中の貴族や裕福な家を虱潰しに調べたんだ。
うふ、当然の事ながら私が使って直接調べたりはしない。
そんな面倒な事は屋敷の執事に可愛らしくニコッと笑ってお願いしたよ。
「あのねお父様、お母様を亡くされてからとても元気がないでしょう。だからエラが新しいお義母様を見つけたいの。だってお母さまを亡くされてからのお父様はとても悲しそうにお笑いになるでしょう。エラはそれがとてもお労しいのだもの。大好きなエラのお父様には絶対に誰よりも幸せになって欲しいのっっ。だからお願い、新しいお義母様を探すのを手伝って。ええ勿論お父様には絶対内緒よ。素敵なお義母様を見つけて差し上げて吃驚させるのだもの」
「お嬢様っ、そこまで旦那様の事を……。確かにそうで御座いますね、分かりましたこの執事に全てお任せ下さいませ。エラ様、そして旦那様に相応しい女性を見つけてみせます!!」
「うん有難う。でも選ぶのは私がしたいから、あなたは私にわかり易いようにリストを作って頂戴」
ふん、ほんと男って何処の世界でもチョロイんだ。
ちょっと可愛くお願いするだけで、ほら、鼻の下を思いっきり伸ばしてデレデレしているわっっ。
そんな姿はめっちゃキモい。
大体いいおじさんの癖にさ、いたいけな10代の女の子相手に何考えてんだよっっ。
ちょっとでも手を出してきたら、元の世界じゃあセクハラで訴えられるんだからね!!
まあ兎に角このおじさんを上手く使って二年と言う時間を掛けて、私は数名の女性をピックアップしたわ。
勿論その中にはあのトレメイン夫人も入っている。
相手も丁度問題なく未亡人になっているらしいしね。
そうして二年が経ち、私は13歳となったわ。
これでお茶会への出席が堂々と出来る!!
問題のトレメイン夫人が物語通りの意地悪おばさんなのかもちゃんと会って調べないとね。
だけど物語通り余り意地悪過ぎるのも嫌だよね。
だって私は苛めるのは好きだけれど、虐められるのは好きじゃないもん。
あ、そうか、虐められそうになったら逆に虐めたらいいだけよっっ。
そう物語に支障が出ない様に相手を虐めて抑え込んでしまえば問題ない!!
さあ仕度を整えて、それもうんと可愛くね。
誰もが振り向く様な美しい私に磨きを掛けていざ出陣!!
待っててね、未来のお義母さまっっ。
貴女の未来の義娘が今直ぐ会いに行くからねっっ。
そしてそう遠くない未来に貴女とお義姉様達をこれ以上ないってくらい奈落の底へと、バッドエンドへ沈めてあげるわっっ。
その頃の私は11歳。
この世界じゃあ17歳で成人だったりする。
前世じゃあ20歳で成人だったけれども、この世界じゃあ三年早くお酒や煙草……お酒は特に年齢制限はない。
煙草は興味がないって言うか、煙草……この世界じゃあ葉巻だね。
まあどっちにしても煙たいし特に興味もないからどうでもいいわ。
13歳にもなれば憧れの舞踏会への出席は出来なくても簡単なお茶会……うん、私から言えばどこの世界でも同じく金と暇のあるおばさん達金と暇のあるが集う井戸端会議と一緒。
訳のわからない事ばかりだらだら時間を掛けて喋るだけの集まり。
ただ皆が言うにはこのくだらないお茶会でこれまで必死になって身に付けた礼儀作法を披露し、成人するまでにより一層完璧な淑女として磨かなくてはいけないと言う。
だけど私はそんな面倒なのは大っ嫌い。
抑々1ミリも面白くなんかないのに、にっこりと微笑んで喋るなんて微笑んでクソ詰まんない。
それにね、そう言う事は私以外の人間達がすればいいのよ。
ふふ、何故って?
だって決まっているじゃないっっ。
私はあのシンデレラのヒロインなのよ!!
ヒロインはぁ、問答無用でヒーローである王子様と出逢いそしてジェットコースター並みの速さで恋に堕ちて恋に堕ちて即結婚するのっっ。
そして幸せは永遠に続くのも当たり前。
だ・か・らっ、私には皆の言う常識が当て嵌まらないの。
そう、私は選ばれた存在。
特別な女の子。
それがシンデレラなのよ。
あ、ちょっと話が逸れちゃったよね。
まあそんなお茶会へ参加するまでの後二年と言う私の貴重な時間を使ってさ、片っ端から国中の貴族や裕福な家を虱潰しに調べたんだ。
うふ、当然の事ながら私が使って直接調べたりはしない。
そんな面倒な事は屋敷の執事に可愛らしくニコッと笑ってお願いしたよ。
「あのねお父様、お母様を亡くされてからとても元気がないでしょう。だからエラが新しいお義母様を見つけたいの。だってお母さまを亡くされてからのお父様はとても悲しそうにお笑いになるでしょう。エラはそれがとてもお労しいのだもの。大好きなエラのお父様には絶対に誰よりも幸せになって欲しいのっっ。だからお願い、新しいお義母様を探すのを手伝って。ええ勿論お父様には絶対内緒よ。素敵なお義母様を見つけて差し上げて吃驚させるのだもの」
「お嬢様っ、そこまで旦那様の事を……。確かにそうで御座いますね、分かりましたこの執事に全てお任せ下さいませ。エラ様、そして旦那様に相応しい女性を見つけてみせます!!」
「うん有難う。でも選ぶのは私がしたいから、あなたは私にわかり易いようにリストを作って頂戴」
ふん、ほんと男って何処の世界でもチョロイんだ。
ちょっと可愛くお願いするだけで、ほら、鼻の下を思いっきり伸ばしてデレデレしているわっっ。
そんな姿はめっちゃキモい。
大体いいおじさんの癖にさ、いたいけな10代の女の子相手に何考えてんだよっっ。
ちょっとでも手を出してきたら、元の世界じゃあセクハラで訴えられるんだからね!!
まあ兎に角このおじさんを上手く使って二年と言う時間を掛けて、私は数名の女性をピックアップしたわ。
勿論その中にはあのトレメイン夫人も入っている。
相手も丁度問題なく未亡人になっているらしいしね。
そうして二年が経ち、私は13歳となったわ。
これでお茶会への出席が堂々と出来る!!
問題のトレメイン夫人が物語通りの意地悪おばさんなのかもちゃんと会って調べないとね。
だけど物語通り余り意地悪過ぎるのも嫌だよね。
だって私は苛めるのは好きだけれど、虐められるのは好きじゃないもん。
あ、そうか、虐められそうになったら逆に虐めたらいいだけよっっ。
そう物語に支障が出ない様に相手を虐めて抑え込んでしまえば問題ない!!
さあ仕度を整えて、それもうんと可愛くね。
誰もが振り向く様な美しい私に磨きを掛けていざ出陣!!
待っててね、未来のお義母さまっっ。
貴女の未来の義娘が今直ぐ会いに行くからねっっ。
そしてそう遠くない未来に貴女とお義姉様達をこれ以上ないってくらい奈落の底へと、バッドエンドへ沈めてあげるわっっ。
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