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第二章 どうやら成人する前に色々と人生を詰んでいるみたいです
9 ジャ○アンの主張!! アンセルムSide
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俺様の名はアンセルム・ボリス・カルネウス。
我がアールグレン王国内でも屈指の名門バルテルス公爵家の嫡男であり、この国の王女エヴェリーナの婚約者だっっ。
俺とエヴェリーナとの出逢いは今から二年前――――王妃主催のお茶会の席へ母親に半ば無理やり連れて来られ、そこで逢ったのがエヴェリーナだった。
当時彼女はまだ5歳の女の子。
だが明らかに周りにいる同じ年齢の令嬢や子息達とは全く違ったんだ。
真冬の凍れる滝の様なキラキラと輝きを放つ銀色の髪、アールグレンの至宝と呼ばれる翆玉と瓜二つの、鮮やかな緑色の中に一つの青い星が輝き、美しいも穢れを知る事のない神々しい光を放つ翆玉の瞳だけじゃあないっっ。
彼女の纏うドレスより垣間見える項やほっそりとした腕は、山深くに積る深雪の様に真っ白で沁み一つないミルクの様な肌、そして俺らとは違う少し……いや多分凄く大人びた不思議なお姫様。
それが初めて見た俺の婚約者の姿だ。
そうしてエヴェリーナもまたこの日初めて公式のお茶会への参加でもあった。
今にして思えば随分と同じ年頃の子供が多いな……と思ったんだ。
それもそうだろう。
出席を許された貴族は所謂高位の、王家に近い家柄が多い。
そしてそれは暗にエヴェリーナの学友兼将来女王と立つ彼女の王配候補や側近になりえたる者の選定の場でもあったのだからな。
まあ将来の王配はこの俺に決まっているのだからそれはもういいだろう。
後は適当にエヴェリーナの外にならない学友と側近候補を大人達が決めればいいだけの事。
俺としては今からでも婚約者に変な虫さえ付かなければそれでいい。
何しろ父上があの御茶会の後で俺に告げたんだ。
「いいかアンセルムよ、お前は将来エヴェリーナ様の夫としてしっかりとお支え申しあげるのだぞ」
「父上それは……」
「ああそうだともアンセルム。この国で屈指の名門バルテルス公爵家より格の高い家はいない。だから自然とエヴェリーナ王女殿下のお相手はお前となるのだ。なあに正式な宣下は恐らく来年の王女殿下の誕生の宴で発表されるであろうが、何も臆する事はないぞ。今より……そうたった今から王女殿下の婚約者として立派な男となるように心掛けなさい」
「はいっ、父上!!」
俺は心が、いいや身体中が高揚していく気持ちが抑えられなかった。
あの美しくも不思議な魅力を持つエヴェリーナが俺のモノとなる事に興奮しっぱなしだったんだ。
恐らくアイツは覚えてもいないだろう。
まあ幾ら聡い姫だと言っても所詮はまだ5歳の幼児だ。
忘れたとしても仕方がないが少し俺は寂しいし悔しい。
何故ならあの御茶会でたった一度だけだが俺達は言葉を交わしたのだから……。
我がアールグレン王国内でも屈指の名門バルテルス公爵家の嫡男であり、この国の王女エヴェリーナの婚約者だっっ。
俺とエヴェリーナとの出逢いは今から二年前――――王妃主催のお茶会の席へ母親に半ば無理やり連れて来られ、そこで逢ったのがエヴェリーナだった。
当時彼女はまだ5歳の女の子。
だが明らかに周りにいる同じ年齢の令嬢や子息達とは全く違ったんだ。
真冬の凍れる滝の様なキラキラと輝きを放つ銀色の髪、アールグレンの至宝と呼ばれる翆玉と瓜二つの、鮮やかな緑色の中に一つの青い星が輝き、美しいも穢れを知る事のない神々しい光を放つ翆玉の瞳だけじゃあないっっ。
彼女の纏うドレスより垣間見える項やほっそりとした腕は、山深くに積る深雪の様に真っ白で沁み一つないミルクの様な肌、そして俺らとは違う少し……いや多分凄く大人びた不思議なお姫様。
それが初めて見た俺の婚約者の姿だ。
そうしてエヴェリーナもまたこの日初めて公式のお茶会への参加でもあった。
今にして思えば随分と同じ年頃の子供が多いな……と思ったんだ。
それもそうだろう。
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そしてそれは暗にエヴェリーナの学友兼将来女王と立つ彼女の王配候補や側近になりえたる者の選定の場でもあったのだからな。
まあ将来の王配はこの俺に決まっているのだからそれはもういいだろう。
後は適当にエヴェリーナの外にならない学友と側近候補を大人達が決めればいいだけの事。
俺としては今からでも婚約者に変な虫さえ付かなければそれでいい。
何しろ父上があの御茶会の後で俺に告げたんだ。
「いいかアンセルムよ、お前は将来エヴェリーナ様の夫としてしっかりとお支え申しあげるのだぞ」
「父上それは……」
「ああそうだともアンセルム。この国で屈指の名門バルテルス公爵家より格の高い家はいない。だから自然とエヴェリーナ王女殿下のお相手はお前となるのだ。なあに正式な宣下は恐らく来年の王女殿下の誕生の宴で発表されるであろうが、何も臆する事はないぞ。今より……そうたった今から王女殿下の婚約者として立派な男となるように心掛けなさい」
「はいっ、父上!!」
俺は心が、いいや身体中が高揚していく気持ちが抑えられなかった。
あの美しくも不思議な魅力を持つエヴェリーナが俺のモノとなる事に興奮しっぱなしだったんだ。
恐らくアイツは覚えてもいないだろう。
まあ幾ら聡い姫だと言っても所詮はまだ5歳の幼児だ。
忘れたとしても仕方がないが少し俺は寂しいし悔しい。
何故ならあの御茶会でたった一度だけだが俺達は言葉を交わしたのだから……。
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