7 / 42
第一章 最早これは呪い? もう呪いとしか思えないでしょうっっ
6 ホラーそれともこれはコメディー? 七転び八起き的な私のこれまでの転生記??? Ⅳ
しおりを挟む六回目の転生の記憶は残念ながら???
いやいや実際残念なのかは――――謎。
でも六回目の人生の内容は本当に覚えてはいないのだけれども、だからと言って全くノーカウントなのかと言えばそうではないらしい。
確かに私の記憶では六回目も転生をしている。
ただ、その内容が全く思い出す事が出来ないだけ。
そして多分それが六回目なのだろうと言う何とも不確かな感覚なの。
きっとどこかの世界に存在はしているのだろうけれども、何故か私の記憶は真っ黒に塗り潰されている状態。
そんな不明瞭な六回目の転生でもきっと今までの様に元旦那様と出会い、そうして私は無残な死を迎えたのだろう。
うん、覚えていないだけで……。
そうして迎えた七回目の転生はまたしても平和な日本だった。
戦争のない……いや、確かに今でもこの世界の何処かで戦争は存在している。
ただ日本と言う国では70年前以上にあった大戦以降は平和を貫いていた。
それがどの様に難しい事なのかは、これまで繰り返した転生で十分過ぎる程理解をしている。
自分の思う通りの思想を言葉にでき、実行する自由がある。
確かに日本人全てが思い通りの人生を歩んでいるかと言えば、恐らく答えはNOだろう。
誰しも何らかの柵や制約は存在しているのだ。
中には社会より爪弾きにされ、不幸に囚われている人やまたその中でも勇気を振り絞り逞しく立ち向かう人もいる。
それでもだっっ。
大まかな国としての枠組みでしかないとしても、ここまで人権と平和を尊ぶ心をほぼ全ての国民が持っている国は他にはないだろう。
譬えひと時であったとしても王を志した人生を経験した私が思う理想の一つを、この国は現実に成し得ているのだから……。
そしてこの七回目の人生に於いての私のターニングポイントは23歳だった。
私は新人看護師としてまだまだ慣れない多くの仕事に日々忙殺していたのよね。
本当に学ぶ事は多く、また求められる事に一つでも答えたいと、忙しいながらも充実した日々を送っていたそんな頃――――。
私はまたまた再び出会ってしまったっっ。
勿論出会ったのは元旦那様……って、この展開も最早七回目ともなると感動……はない。
寧ろ絶望でしかない!!
そしてもうこれは呪いでしかないとさえ思ってもいるっっ。
何故なら元旦那様=バッドエンドだものね。
でもその絶望感ももう慣れっこ……いやいや慣れてどうする私!!
今回の私は看護師で、今度の元旦那様はやはりDr○並みの天才外科医ってドラマかっっ。
でも生憎ながら今の私の勤務先は内科病棟だからして、普通に考えれば外科とはあまり関係……なくもないか。
そう、患者さんがいる限り外科も内科も関係なく、求められればその場へ行き治療するのが仕事だものね。
あーあ、はてさて今回の私の寿命はあとどのくらいかしら。
自分の人生なのにどこか他所事?
いやいやもうバッドエンドは確定でしょ?
何故なら今現在私に過去の記憶があると言う事は、元旦那様と出逢った瞬間に戻っているのは最早御愛嬌。
流石に膨大な記憶量に一瞬眩暈を覚えたけれども、うんそれはそれでめっちゃ驚きはした。
でもだからと言って過去の様に職場放棄し、元旦那様の前より脱兎の如く逃げ出したりはしない。
そこはもう大人ですもの。
一社会人として、看護師として患者さんを置いて逃げ出す訳にはいかないでしょ。
しかしそうは言っても、まあ何もなかったかの様に、いやいや何も気が付いていない振りを全力で徹している現在進行形っっ。
一方元旦那様はと言えば何故か私へ何か言いたげな様子だけれども、そこは敢えてスルーをしています。
兎に角……そう何度も悲壮な最期を迎えるのはこちらとしても避けたい案件だったりする訳よ。
大体ごく普通に天寿を全うして迎える最期ならまだしも、毎回惨たらしく殺されたり、毒を呷るとか本当に――――ないわ!!
それにね、何故私が元旦那様と再会した瞬間に思い出さなくてもいい壮絶な過去を思い出し、そして無残に死んでいく理由を知りたい。
後それから……元旦那様ともう一人、雰囲気しかわからない女性だろうね。
何時も憎々しげに私を見て、憎しみで歪んだ表情で嘲笑いながら私を死へと導くもう死神としか思えない女性。
毎回元旦那様とは違い彼女の姿形は様々だけれど、でも彼女より発せられるであろう明らかな私への恨みとも思える雰囲気だけは間違えようもない。
そうして思う事は……。
過去に一体私は何をしたのだろう。
どうして私は元旦那様とあの女性に過去七回も再開したの?
それから後何回こんな不毛な転生を繰り返せば私は自由になるのだろう。
私から文句が言えるのであれば――――死ぬ為だけの人生なんて正直言ってご免被りたい。
一度でもいいからマトモな、幸せな人生を歩みたい!!
そうして悶々としながらも仕事で忙殺される日々を過ごして一ヶ月経った頃にその日はやってきた。
私の七回目の死刑執行のカウントダウンはついに始まったのだ!?
0
お気に入りに追加
106
あなたにおすすめの小説
アラフォー王妃様に夫の愛は必要ない?
雪乃
恋愛
ノースウッド皇国の第一皇女であり才気溢れる聖魔導師のアレクサは39歳花?の独身アラフォー真っ盛りの筈なのに、気がつけば9歳も年下の隣国ブランカフォルト王国へ王妃として輿入れする羽目になってしまった。
夫となった国王は文武両道、眉目秀麗文句のつけようがないイケメン。
しかし彼にはたった1つ問題がある。
それは無類の女好き。
妃と名のつく女性こそはいないが、愛妾だけでも10人、街娘や一夜限りの相手となると星の数程と言われている。
また愛妾との間には4人2男2女の子供も儲けているとか……。
そんな下半身にだらしのない王の許へ嫁に来る姫は中々おらず、講和条約の条件だけで結婚が決まったのだが、予定はアレクサの末の妹姫19歳の筈なのに蓋を開ければ9歳も年上のアラフォー妻を迎えた事に夫は怒り初夜に彼女の許へ訪れなかった。
だがその事に安心したのは花嫁であるアレクサ。
元々結婚願望もなく生涯独身を貫こうとしていたのだから、彼女に興味を示さない夫と言う存在は彼女にとって都合が良かった。
兎に角既に世継ぎの王子もいるのだし、このまま夫と触れ合う事もなく何年かすれば愛妾の子を自身の養子にすればいいと高をくくっていたら……。
連載中のお話ですが、今回完結へ向けて加筆修正した上で再更新させて頂きます。
琴姫の奏では紫雲を呼ぶ
山下真響
恋愛
仮想敵国の王子に恋する王女コトリは、望まぬ縁談を避けるために、身分を隠して楽師団へ入団。楽器演奏の力を武器に周囲を巻き込みながら、王の悪政でボロボロになった自国を一度潰してから立て直し、一途で両片思いな恋も実らせるお話です。
王家、社の神官、貴族、蜂起する村人、職人、楽師、隣国、様々な人物の思惑が絡み合う和風ファンタジー。
★作中の楽器シェンシャンは架空のものです。
★婚約破棄ものではありません。
★日本の奈良時代的な文化です。
★様々な立場や身分の人物達の思惑が交錯し、複雑な人間関係や、主人公カップル以外の恋愛もお楽しみいただけます。
★二つの国の革命にまつわるお話で、娘から父親への復讐も含まれる予定です。
捨てられ聖女は、王太子殿下の契約花嫁。彼の呪いを解けるのは、わたしだけでした。
鷹凪きら
恋愛
「力を失いかけた聖女を、いつまでも生かしておくと思ったか?」
聖女の力を使い果たしたヴェータ国の王女シェラは、王となった兄から廃棄宣告を受ける。
死を覚悟したが、一人の男によって強引に連れ去られたことにより、命を繋ぎとめた。
シェラをさらったのは、敵国であるアレストリアの王太子ルディオ。
「君が生きたいと願うなら、ひとつだけ方法がある」
それは彼と結婚し、敵国アレストリアの王太子妃となること。
生き延びるために、シェラは提案を受け入れる。
これは互いの利益のための契約結婚。
初めから分かっていたはずなのに、彼の優しさに惹かれていってしまう。
しかしある事件をきっかけに、ルディオはシェラと距離をとり始めて……?
……分かりました。
この際ですから、いっそあたって砕けてみましょう。
夫を好きになったっていいですよね?
シェラはひっそりと決意を固める。
彼が恐ろしい呪いを抱えているとも知らずに……
※『ネコ科王子の手なずけ方』シリーズの三作目、王太子編となります。
主人公が変わっているので、単体で読めます。
隻眼令嬢は婚約破棄してほしい
monaca
恋愛
ダージアのアリアネは名の知れた存在だった。
16歳の貴族令嬢としてではなく、女剣士として。
幼い頃に両親を盗賊に殺されたアリアネは、顔と心に取り返しのつかない深い傷を負った。
幸いというべきか、旅の剣士が稽古をつけてくれたことで、彼女は復讐に成功する。
それからの人生は、会ったこともない許婚に婚約破棄してもらい、両親の後を追うことしか頭になかった。
アリアネから婚約破棄を申し出るのは相手の家名を貶めてしまうので、これまで何度も書簡を送り、醜い傷を持つ没落令嬢を見捨てるよう促してきたのだけれど……。
とうとう約束の16歳になったアリアネは、直接会って婚約破棄を言い渡されるべく、遠く離れた許婚のもとへと馬を駆った。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
会うたびに、貴方が嫌いになる
黒猫子猫(猫子猫)
恋愛
長身の王女レオーネは、侯爵家令息のアリエスに会うたびに惹かれた。だが、守り役に徹している彼が応えてくれたことはない。彼女が聖獣の力を持つために発情期を迎えた時も、身体を差し出して鎮めてくれこそしたが、その後も変わらず塩対応だ。悩むレオーネは、彼が自分とは正反対の可愛らしい令嬢と親しくしているのを目撃してしまう。優しく笑いかけ、「小さい方が良い」と褒めているのも聞いた。失恋という現実を受け入れるしかなかったレオーネは、二人の妨げになるまいと決意した。
アリエスは嫌そうに自分を遠ざけ始めたレオーネに、動揺を隠せなくなった。彼女が演技などではなく、本気でそう思っていると分かったからだ。
婚約者の妹が悪口を言いふらしていたために周りからは悪女扱いされ、しまいに婚約破棄されてしまいました。が、その先に幸せはありました。
四季
恋愛
王子エーデルハイムと婚約していたアイリス・メイリニアだが、彼の妹ネイルの策により悪女扱いされてしまって……。
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろうにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる