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神を殺す武器の巻
第231話 寧々ちゃん最強計画
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「う、うちのクラスで武器クラフトやってるのって誰だっけ」
「須藤とか金子とか……クラフトって女子は主張が強いけど、男子ってあんまり『何作りたい』とか言わないからわからないよね」
「あー、それそれ。2年生の中盤まではっきりしない人とかいるよ」
私と彩花ちゃんが「武器クラフト誰」と頭を抱えていたら、悟りを開いたような顔で五十嵐先輩が交じってきた。
そっか、案外固定されてないもんなんだ……。
「クラフトを武器と防具とか兼ねてる人っているんですか?」
「あー、たまにいるよ。どっちにしようか迷って初期レシピ両方取っちゃって、上級になるにつれてレシピを取るDEXが足りなくなってどっちつかずになっちゃったりね」
「そうか。クラフトはLV上げにくいから、専業制なんだ。……ってことは、逆に言えばDEX200クラスまで上げちゃえば、武器と防具とか武器とアイテムとか兼業できるんじゃないですか?」
「ええええー……」
聖弥くんのちょっと無茶振りな発言に、五十嵐先輩がスマホを出して何かを調べ始める。そして、ちょっと嫌そうな顔でこくりと頷いた。
「理論上は可能だね。そこまで上げるのが大変だからやる人がいないだけで」
「じゃあ行けるわ! 1週間あればLV60まで育てられるから!」
颯姫さんが拳を突き上げて叫ぶ。わー、嫌な予感……。てか、どういうパワーレベリングだろう。1週間でLV60って正気!?
「藤さん藤さん、それ、あまり大きな声で言わない方がいいよ」
「いや、今隠してられないでしょ? モブさんのことだってちょっとだけど連れてったんだし。――とにかく、LVを短期間で上げる方法はあります。後は、『誰に作って貰うか』なんだけどこれはゆ~かちゃんたちに候補を出してもらうしかない」
私と彩花ちゃんは顔を見合わせてから頭を抱えた。
武器クラフト目指してる人って、仲がいい友達の中にいないんだよね。あいちゃんも寧々ちゃんも防具だし、五十嵐先輩はアイテムクラフトだし。
「とりあえず、あいちゃんと寧々ちゃんと……あとは須藤くんに訊いてみるか」
割と満遍なくクラスメイトとは仲良くしてるけど、男子クラフトの中だとやっぱり須藤くんが一番しゃべるからね。
私はスマホを手に取って3人へ宛てたメッセージを打ち始める。そこへ、ナイスタイミングで寧々ちゃんから電話が架かってきた。
『柚香ちゃん! 配信見てたよ、体大丈夫?』
「うん、私はそんなに大変なことにはなってないんだ。ありがとう」
『でね、さっきチャンネルに上がった動画と、スレにしてた相談見たんだけど……その武器を作るのって、どのくらいの期限か決まってる?』
「ちょ、ちょっと待って寧々ちゃん! 今ここにライトニング・グロウの人たちとかママとか彩花ちゃんとかいるんだけど、スピーカーにしていい!? まさにその話してたの!」
灯台が歩いてきたよ! 2回目!
私は慌ててモードをスピーカーに切り替えて、寧々ちゃんとの会話を続けた。
『実は経緯を見てたお父さんがね、私にやってみないかって言ったの。ほら、うちのお父さん防具クラフトでしょ? 私も服を作るのが好きだから防具クラフトを今は目指してるけど、武器クラフトも同時にやったらいいんじゃないかって。そしたら、法月紡績関係で武器防具全部揃えられるから』
「あああー、なるほどーー。親子で発注食い合わないためにね」
すっごい合理的な理由だった……。これは納得できるわ。
「でもさ、両方するにはDEX200以上必要なんじゃないの?」
『そこなの。マユちゃんをテイムしたおかげでDEXの成長率が上がって、今LV24で95なのね』
「それあいちゃんより高いじゃん!?」
『うん、多分成長率に関して言えばクラスでトップレベルだと思う。ただ、24で95ってことは単純に考えてLV50以上まで上げないといけないから、上級に籠もってもどのくらい掛かるか……』
「大丈夫よ! 1週間、いや、5日でDEX200まで育てましょう!」
私の横から颯姫さんが叫んだ。寧々ちゃんがびっくりしてるのがスマホ越しに伝わってくる。
「初めまして! 私ライトニング・グロウの藤堂颯姫と申します。横須賀の破城槌って言った方が通りがいいかな? 端的に言うと、私今LV84なのね。あんまり知ってる人はいないんだけど、経験値だけが異様に入るダンジョンがあって、実はそこでLV上げしてるの。で、うちのパーティーに交じってパワーレベリングしたら5日もあれば確実にLV50はいけるから! 保証します! 検討してもらえるかな」
怪しげな勧誘に聞こえるけど、実際颯姫さんは嘘を言ってないだろうなあ。LV84ってあまりにも高すぎるもん。バス屋さんだってLV72だっけ、それを3年で達成できるのはちょっとおかしい。
土日使って学校数日休んで、とか颯姫さんと寧々ちゃんが話を詰めに入っている。
そして最後に寧々ちゃんは一言条件を付けて、話を承諾してくれたのだった。
『マユちゃんも一緒に連れて行っていいならやります!』
マユちゃんを……そしたら多分マユちゃんもLV50位まで上がるんだよね。
アルミラージに進化したマユちゃんのLV50か……想像つかないわ。
「須藤とか金子とか……クラフトって女子は主張が強いけど、男子ってあんまり『何作りたい』とか言わないからわからないよね」
「あー、それそれ。2年生の中盤まではっきりしない人とかいるよ」
私と彩花ちゃんが「武器クラフト誰」と頭を抱えていたら、悟りを開いたような顔で五十嵐先輩が交じってきた。
そっか、案外固定されてないもんなんだ……。
「クラフトを武器と防具とか兼ねてる人っているんですか?」
「あー、たまにいるよ。どっちにしようか迷って初期レシピ両方取っちゃって、上級になるにつれてレシピを取るDEXが足りなくなってどっちつかずになっちゃったりね」
「そうか。クラフトはLV上げにくいから、専業制なんだ。……ってことは、逆に言えばDEX200クラスまで上げちゃえば、武器と防具とか武器とアイテムとか兼業できるんじゃないですか?」
「ええええー……」
聖弥くんのちょっと無茶振りな発言に、五十嵐先輩がスマホを出して何かを調べ始める。そして、ちょっと嫌そうな顔でこくりと頷いた。
「理論上は可能だね。そこまで上げるのが大変だからやる人がいないだけで」
「じゃあ行けるわ! 1週間あればLV60まで育てられるから!」
颯姫さんが拳を突き上げて叫ぶ。わー、嫌な予感……。てか、どういうパワーレベリングだろう。1週間でLV60って正気!?
「藤さん藤さん、それ、あまり大きな声で言わない方がいいよ」
「いや、今隠してられないでしょ? モブさんのことだってちょっとだけど連れてったんだし。――とにかく、LVを短期間で上げる方法はあります。後は、『誰に作って貰うか』なんだけどこれはゆ~かちゃんたちに候補を出してもらうしかない」
私と彩花ちゃんは顔を見合わせてから頭を抱えた。
武器クラフト目指してる人って、仲がいい友達の中にいないんだよね。あいちゃんも寧々ちゃんも防具だし、五十嵐先輩はアイテムクラフトだし。
「とりあえず、あいちゃんと寧々ちゃんと……あとは須藤くんに訊いてみるか」
割と満遍なくクラスメイトとは仲良くしてるけど、男子クラフトの中だとやっぱり須藤くんが一番しゃべるからね。
私はスマホを手に取って3人へ宛てたメッセージを打ち始める。そこへ、ナイスタイミングで寧々ちゃんから電話が架かってきた。
『柚香ちゃん! 配信見てたよ、体大丈夫?』
「うん、私はそんなに大変なことにはなってないんだ。ありがとう」
『でね、さっきチャンネルに上がった動画と、スレにしてた相談見たんだけど……その武器を作るのって、どのくらいの期限か決まってる?』
「ちょ、ちょっと待って寧々ちゃん! 今ここにライトニング・グロウの人たちとかママとか彩花ちゃんとかいるんだけど、スピーカーにしていい!? まさにその話してたの!」
灯台が歩いてきたよ! 2回目!
私は慌ててモードをスピーカーに切り替えて、寧々ちゃんとの会話を続けた。
『実は経緯を見てたお父さんがね、私にやってみないかって言ったの。ほら、うちのお父さん防具クラフトでしょ? 私も服を作るのが好きだから防具クラフトを今は目指してるけど、武器クラフトも同時にやったらいいんじゃないかって。そしたら、法月紡績関係で武器防具全部揃えられるから』
「あああー、なるほどーー。親子で発注食い合わないためにね」
すっごい合理的な理由だった……。これは納得できるわ。
「でもさ、両方するにはDEX200以上必要なんじゃないの?」
『そこなの。マユちゃんをテイムしたおかげでDEXの成長率が上がって、今LV24で95なのね』
「それあいちゃんより高いじゃん!?」
『うん、多分成長率に関して言えばクラスでトップレベルだと思う。ただ、24で95ってことは単純に考えてLV50以上まで上げないといけないから、上級に籠もってもどのくらい掛かるか……』
「大丈夫よ! 1週間、いや、5日でDEX200まで育てましょう!」
私の横から颯姫さんが叫んだ。寧々ちゃんがびっくりしてるのがスマホ越しに伝わってくる。
「初めまして! 私ライトニング・グロウの藤堂颯姫と申します。横須賀の破城槌って言った方が通りがいいかな? 端的に言うと、私今LV84なのね。あんまり知ってる人はいないんだけど、経験値だけが異様に入るダンジョンがあって、実はそこでLV上げしてるの。で、うちのパーティーに交じってパワーレベリングしたら5日もあれば確実にLV50はいけるから! 保証します! 検討してもらえるかな」
怪しげな勧誘に聞こえるけど、実際颯姫さんは嘘を言ってないだろうなあ。LV84ってあまりにも高すぎるもん。バス屋さんだってLV72だっけ、それを3年で達成できるのはちょっとおかしい。
土日使って学校数日休んで、とか颯姫さんと寧々ちゃんが話を詰めに入っている。
そして最後に寧々ちゃんは一言条件を付けて、話を承諾してくれたのだった。
『マユちゃんも一緒に連れて行っていいならやります!』
マユちゃんを……そしたら多分マユちゃんもLV50位まで上がるんだよね。
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