123 / 306
冒険者科夏合宿の巻
第115話 「2分ください」
しおりを挟む
「レア湧きィ?」
大泉先生の嫌そうーな声が、すっごく場違いに明るく聞こえた気がした。
「中級ダンジョンでレア湧きって、日本中でも1年に1件くらいでしたよね? どんだけ運が悪いんだ!」
「運が悪い……」
片桐先生の「運が悪い」という呟きに、何故かその場の3分の2くらいの視線が蓮に向く。
アッ、ハイ。ソーデスネ。
レアを「運悪く」引き当てる有名人って言ったら蓮だもんねー。
「お、俺? 俺関係ないでしょう、今回は!」
うろたえて立ち上がりながら蓮が叫んだ。片桐先生が「まあまあ」と周囲に着席を促す。
実技指導の技術教官がこの場には3人、それと各学年の担任がいて、先生は合わせて6人。
パーティーの人数としては適正。……だけど、先生は「先生」であって、「現役冒険者」ではないのだ。それに、生徒のためにこの場に残る人も必要になる。
「先生っ! 私たち装備持ってきてます! 出られます!」
蓮に駆け寄ってその手をガバッと握って挙手させると、その場の視線が全部私に集まってきた。期待に満ちた視線が半分と、戸惑いの視線が半分。
「お、俺も!?」
「あったり前でしょ!? 日本最強クラスの魔法使いなんだよ!? 経験はともかくとして、強さで言ったら多分この場で一番強いのは蓮なんだから! 先生が的確に指示を出してくれれば、私たちは上級ダンジョンの敵でも倒せます!」
大山阿夫利ダンジョンでデストードをひとりで倒しましたと続けると、先生たちが顔を見合わせる。……これは、検討されている反応だ。
「蓮と聖弥くん一緒に来て! とにかく装備だけでもするよ!」
「う、うん」
救出戦力に入れてくださいという私の申し出が、受け入れられるかはわからない。
ただ、先生たちはかなり正確に私たちの戦力を把握してる。動画も見られてるし、蓮と聖弥くんは転入時に細かくチェックされたらしいし。
大泉先生はヒーラーだ。パーティーには必須だけど、戦闘能力は高くない。技術教官の先生も「指導力」が高いんであって、実際のダンジョン戦闘は不向きでやめたって聞いたことがある。
着替えるだけなら、無駄にはならない。
部屋に駆けていってアイテムバッグから蓮と聖弥くんの装備を出してふたりに渡すと、彼らはそれを持って自分たちの部屋へ走って行った。
ぽいぽいとジャージを脱ぎ捨てて、アポイタカラ・セットアップに着替える。こういうとき布防具は早くていい。
ベルトを巻いて村雨丸を佩き、右太ももに5本の棒手裏剣がセットされた革ベルトを装着する。
後は、早足で歩きながら両手にリングブレスを付けた。
アイテムバッグを斜め掛けにして食堂に戻ると、片桐先生と安達先生がいなかった。大泉先生がしっぶい顔で腕を組んで立っている。
「今デストードの痺れ毒持ってるので、今のうちに棒手裏剣の先に塗っておきます」
「やる気と正義感があるのはいいんだけどなあ……頼むから暴走するなよ? 片桐先生の指示に従うんだぞ?」
「えー、私暴走したことないですよ。暴走するのはヤマトですよう」
「そういえばそうだな!?」
目から鱗が落ちた! と大泉先生が叫ぶ。私って暴走してるイメージが付いてるのか……。倉橋くんといい、大泉先生といい、なんか変なイメージ先行してない?
自分で覚えてる限り、バーサークしたことないんだけどなあ。
「今片桐先生と安達先生は装備をしに行ってる。パーティーリーダーは片桐先生だ。経験で言ったら不安はあるが、柳川と安永と由井のフル装備時のステータスはその不安を補って余りあるからな。一番安全なメンバーだと先生の間でも認識が一致した」
うん、そうなんだよ。特に聖弥くんなんだけど、防御がガッチガチだから。
蓮は遠距離で魔法を打ってればまず危険なことにならないし、私は実技でも先生のお墨付きを貰ってる。
「待って! 私、その毒をシート加工できます! 毒液をそのまま付けたら危ないから!」
聞いたことのある声が割り込んできて、みんながそちらを注目する。
手を上げていたのは……バスに乗る前に話した、柴犬仲間の五十嵐先輩だ!
「五十嵐、時間はどのくらい掛かる?」
「2分ください!」
「十分だ、安達先生たちが戻るまでにできればいい」
おおおおおお……かっこいい!
「2分ください」とか私も言ってみたい! クラフトじゃないけど!
私が毒液の入った湿った袋を差し出すと、五十嵐先輩は慎重にそれを少量テーブルに垂らし、私に袋を返してきた。
私と同じポニーテールの黒髪をばさっと振って、昨日とは違う厳しい表情で五十嵐先輩が素材に向かう。
「棒手裏剣5本だよね? 誰か、カッター持ってきて」
スマホを弄らず、直接毒液の上に手をかざして五十嵐先輩は集中を始めた。
これは、フリークラフトだ! レシピがないものでも作れるけど、MP消費が高いって奴。さすが3年生のクラフト専攻!
その場にいたクラフト志望の人たちの視線が、全て五十嵐先輩に集中していた。特に1年生は見ているだけで緊張するのか、寧々ちゃんとか手を握りしめて顔を真っ白にしている。
先輩が素材と格闘していたのは30秒ほどだった。細長くシート状になった痺れ毒を、カッターでスパッと5等分にする。そして、私が棒手裏剣を並べるとその先端に切り分けたシートをペタッと付けてクルッとテーブルの上で回転させて……手で触れることなく、棒手裏剣に毒を塗布した!
「凄っ! 先輩器用ですね、リスペクト!」
棒手裏剣なんて普段触らないはずなのに、扱いが鮮やかだ。思わず拍手すると、五十嵐先輩がニパッと笑った。
「いやー、そんなことあるよー。任せろ! 今ビニールは用意できなかったから毒シートの予備は作れない。だから5本投げきったら終わりだよ、気を付けてね」
ポケットから出したハンドタオルで、汗だくの顔を拭う先輩。めちゃくちゃかっこいい!
決めた、この痺れ毒のシート加工は五十嵐先輩に頼もう。もちろん、プロのクラフトマンに払うのと同じ金額で。
絶対信頼できるもん。
大泉先生の嫌そうーな声が、すっごく場違いに明るく聞こえた気がした。
「中級ダンジョンでレア湧きって、日本中でも1年に1件くらいでしたよね? どんだけ運が悪いんだ!」
「運が悪い……」
片桐先生の「運が悪い」という呟きに、何故かその場の3分の2くらいの視線が蓮に向く。
アッ、ハイ。ソーデスネ。
レアを「運悪く」引き当てる有名人って言ったら蓮だもんねー。
「お、俺? 俺関係ないでしょう、今回は!」
うろたえて立ち上がりながら蓮が叫んだ。片桐先生が「まあまあ」と周囲に着席を促す。
実技指導の技術教官がこの場には3人、それと各学年の担任がいて、先生は合わせて6人。
パーティーの人数としては適正。……だけど、先生は「先生」であって、「現役冒険者」ではないのだ。それに、生徒のためにこの場に残る人も必要になる。
「先生っ! 私たち装備持ってきてます! 出られます!」
蓮に駆け寄ってその手をガバッと握って挙手させると、その場の視線が全部私に集まってきた。期待に満ちた視線が半分と、戸惑いの視線が半分。
「お、俺も!?」
「あったり前でしょ!? 日本最強クラスの魔法使いなんだよ!? 経験はともかくとして、強さで言ったら多分この場で一番強いのは蓮なんだから! 先生が的確に指示を出してくれれば、私たちは上級ダンジョンの敵でも倒せます!」
大山阿夫利ダンジョンでデストードをひとりで倒しましたと続けると、先生たちが顔を見合わせる。……これは、検討されている反応だ。
「蓮と聖弥くん一緒に来て! とにかく装備だけでもするよ!」
「う、うん」
救出戦力に入れてくださいという私の申し出が、受け入れられるかはわからない。
ただ、先生たちはかなり正確に私たちの戦力を把握してる。動画も見られてるし、蓮と聖弥くんは転入時に細かくチェックされたらしいし。
大泉先生はヒーラーだ。パーティーには必須だけど、戦闘能力は高くない。技術教官の先生も「指導力」が高いんであって、実際のダンジョン戦闘は不向きでやめたって聞いたことがある。
着替えるだけなら、無駄にはならない。
部屋に駆けていってアイテムバッグから蓮と聖弥くんの装備を出してふたりに渡すと、彼らはそれを持って自分たちの部屋へ走って行った。
ぽいぽいとジャージを脱ぎ捨てて、アポイタカラ・セットアップに着替える。こういうとき布防具は早くていい。
ベルトを巻いて村雨丸を佩き、右太ももに5本の棒手裏剣がセットされた革ベルトを装着する。
後は、早足で歩きながら両手にリングブレスを付けた。
アイテムバッグを斜め掛けにして食堂に戻ると、片桐先生と安達先生がいなかった。大泉先生がしっぶい顔で腕を組んで立っている。
「今デストードの痺れ毒持ってるので、今のうちに棒手裏剣の先に塗っておきます」
「やる気と正義感があるのはいいんだけどなあ……頼むから暴走するなよ? 片桐先生の指示に従うんだぞ?」
「えー、私暴走したことないですよ。暴走するのはヤマトですよう」
「そういえばそうだな!?」
目から鱗が落ちた! と大泉先生が叫ぶ。私って暴走してるイメージが付いてるのか……。倉橋くんといい、大泉先生といい、なんか変なイメージ先行してない?
自分で覚えてる限り、バーサークしたことないんだけどなあ。
「今片桐先生と安達先生は装備をしに行ってる。パーティーリーダーは片桐先生だ。経験で言ったら不安はあるが、柳川と安永と由井のフル装備時のステータスはその不安を補って余りあるからな。一番安全なメンバーだと先生の間でも認識が一致した」
うん、そうなんだよ。特に聖弥くんなんだけど、防御がガッチガチだから。
蓮は遠距離で魔法を打ってればまず危険なことにならないし、私は実技でも先生のお墨付きを貰ってる。
「待って! 私、その毒をシート加工できます! 毒液をそのまま付けたら危ないから!」
聞いたことのある声が割り込んできて、みんながそちらを注目する。
手を上げていたのは……バスに乗る前に話した、柴犬仲間の五十嵐先輩だ!
「五十嵐、時間はどのくらい掛かる?」
「2分ください!」
「十分だ、安達先生たちが戻るまでにできればいい」
おおおおおお……かっこいい!
「2分ください」とか私も言ってみたい! クラフトじゃないけど!
私が毒液の入った湿った袋を差し出すと、五十嵐先輩は慎重にそれを少量テーブルに垂らし、私に袋を返してきた。
私と同じポニーテールの黒髪をばさっと振って、昨日とは違う厳しい表情で五十嵐先輩が素材に向かう。
「棒手裏剣5本だよね? 誰か、カッター持ってきて」
スマホを弄らず、直接毒液の上に手をかざして五十嵐先輩は集中を始めた。
これは、フリークラフトだ! レシピがないものでも作れるけど、MP消費が高いって奴。さすが3年生のクラフト専攻!
その場にいたクラフト志望の人たちの視線が、全て五十嵐先輩に集中していた。特に1年生は見ているだけで緊張するのか、寧々ちゃんとか手を握りしめて顔を真っ白にしている。
先輩が素材と格闘していたのは30秒ほどだった。細長くシート状になった痺れ毒を、カッターでスパッと5等分にする。そして、私が棒手裏剣を並べるとその先端に切り分けたシートをペタッと付けてクルッとテーブルの上で回転させて……手で触れることなく、棒手裏剣に毒を塗布した!
「凄っ! 先輩器用ですね、リスペクト!」
棒手裏剣なんて普段触らないはずなのに、扱いが鮮やかだ。思わず拍手すると、五十嵐先輩がニパッと笑った。
「いやー、そんなことあるよー。任せろ! 今ビニールは用意できなかったから毒シートの予備は作れない。だから5本投げきったら終わりだよ、気を付けてね」
ポケットから出したハンドタオルで、汗だくの顔を拭う先輩。めちゃくちゃかっこいい!
決めた、この痺れ毒のシート加工は五十嵐先輩に頼もう。もちろん、プロのクラフトマンに払うのと同じ金額で。
絶対信頼できるもん。
13
お気に入りに追加
70
あなたにおすすめの小説
護国の鳥
凪子
ファンタジー
異世界×士官学校×サスペンス!!
サイクロイド士官学校はエスペラント帝国北西にある、国内最高峰の名門校である。
周囲を海に囲われた孤島を学び舎とするのは、十五歳の選りすぐりの少年達だった。
首席の問題児と呼ばれる美貌の少年ルート、天真爛漫で無邪気な子供フィン、軽薄で余裕綽々のレッド、大貴族の令息ユリシス。
同じ班に編成された彼らは、教官のルベリエや医務官のラグランジュ達と共に、士官候補生としての苛酷な訓練生活を送っていた。
外の世界から厳重に隔離され、治外法権下に置かれているサイクロイドでは、生徒の死すら明るみに出ることはない。
ある日同級生の突然死を目の当たりにし、ユリシスは不審を抱く。
校内に潜む闇と秘められた事実に近づいた四人は、否応なしに事件に巻き込まれていく……!
ループn回目の妹は兄に成りすまし、貴族だらけの学園へ通うことになりました
gari
ファンタジー
────すべては未来を変えるため。
転生者である平民のルミエラは、一家離散→巻き戻りを繰り返していた。
心が折れかけのn回目の今回、新たな展開を迎える。それは、双子の兄ルミエールに成りすまして学園に通うことだった。
開き直って、これまでと違い学園生活を楽しもうと学園の研究会『奉仕活動研究会』への入会を決めたルミエラだが、この件がきっかけで次々と貴族たちの面倒ごとに巻き込まれていくことになる。
子爵家令嬢の友人との再会。初めて出会う、苦労人な侯爵家子息や気さくな伯爵家子息との交流。間接的に一家離散エンドに絡む第二王子殿下からの寵愛?など。
次々と襲いかかるフラグをなぎ倒し、平穏とはかけ離れた三か月間の学園生活を無事に乗り切り、今度こそバッドエンドを回避できるのか。
【完結】追放された生活錬金術師は好きなようにブランド運営します!
加藤伊織
ファンタジー
(全151話予定)世界からは魔法が消えていっており、錬金術師も賢者の石や金を作ることは不可能になっている。そんな中で、生活に必要な細々とした物を作る生活錬金術は「小さな錬金術」と呼ばれていた。
カモミールは師であるロクサーヌから勧められて「小さな錬金術」の道を歩み、ロクサーヌと共に化粧品のブランドを立ち上げて成功していた。しかし、ロクサーヌの突然の死により、その息子で兄弟子であるガストンから住み込んで働いていた家を追い出される。
落ち込みはしたが幼馴染みのヴァージルや友人のタマラに励まされ、独立して工房を持つことにしたカモミールだったが、師と共に運営してきたブランドは名義がガストンに引き継がれており、全て一から出直しという状況に。
そんな中、格安で見つけた恐ろしく古い工房を買い取ることができ、カモミールはその工房で新たなスタートを切ることにした。
器具付き・格安・ただし狭くてボロい……そんな訳あり物件だったが、更におまけが付いていた。据えられた錬金釜が1000年の時を経て精霊となり、人の姿を取ってカモミールの前に現れたのだ。
失われた栄光の過去を懐かしみ、賢者の石やホムンクルスの作成に挑ませようとする錬金釜の精霊・テオ。それに対して全く興味が無い日常指向のカモミール。
過保護な幼馴染みも隣に引っ越してきて、予想外に騒がしい日常が彼女を待っていた。
これは、ポーションも作れないし冒険もしない、ささやかな錬金術師の物語である。
彼女は化粧品や石けんを作り、「ささやかな小市民」でいたつもりなのだが、品質の良い化粧品を作る彼女を周囲が放っておく訳はなく――。
毎日15:10に1話ずつ更新です。
この作品は小説家になろう様・カクヨム様・ノベルアッププラス様にも掲載しています。
蟲神様の加護を授って新しい家族ができて幸せですが、やっぱり虫は苦手です!
ちゃっぷ
ファンタジー
誰もが動物神の加護を得て、魔法を使ったり身体能力を向上させたり、動物を使役できる世界であまりにも異質で前例のない『蟲神』の加護を得た良家の娘・ハシャラ。
周りの人間はそんな加護を小さき生物の加護だと嘲笑し、気味が悪いと恐怖・侮蔑・軽蔑の視線を向け、家族はそんな主人公を家から追い出した。
お情けで譲渡された辺境の村の領地権を持ち、小さな屋敷に来たハシャラ。
薄暗く埃っぽい屋敷……絶望する彼女の前に、虫型の魔物が現れる。
悲鳴を上げ、気絶するハシャラ。
ここまでかと覚悟もしたけれど、次に目覚めたとき、彼女は最強の味方たちを手に入れていた。
そして味方たちと共に幸せな人生を目指し、貧しい領地と領民の正常化・健康化のために動き出す。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
婚約破棄に効く薬
ひろか
ファンタジー
「ルビエット! 君との婚約を破棄し、ここにいるハルーシャを新たな婚約者とする!」
婚約とは家同士の契約。
平民に心奪われたわたくしの婚約者さま。よろしいですわ。わたくしはわたくしのやり方で貴方の心を奪い返しましょう。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる