添い寝屋浅葱

加藤伊織

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浅葱編

「僕も君に触りたい」

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「飲んじゃった? いつもそんなことしてるの?」
「しない。口に出されるのも本当は好きじゃない。でもあんたのはこうしたかった」
「ねえ、そんなこと言われると、僕のストッパーどっかに飛んでいくよ?」
「じゃあ、俺が飛ばしてやる」

 射精したばかりだが十分に硬度のある玲一のものに手を添えて、コンドームのパッケージを見せつけるように口で破いた。中身を取り出して、玲一に被せる。サイズはギリギリで、大きいものを次は用意しないと駄目だなと頭の片隅で思った。
 玲一を仰向けにしたままで、その腹に手を置いた。固い筋肉を掌で感じながら、もう片方の手で玲一を握る。
 浅葱は先ほど自分でほぐした場所へその先端を当てて、ゆっくりと腰を落として飲み込んでいった。

 玲一の太さは確かに少し心配だったが、潤滑剤の助けを借りて一番太い部分を越えれば、後はそう苦しいものではない。尻たぶに玲一の固い下生えを感じながら、浅葱はほう、と息を吐く。

「気持ち悪くないか?」

 初めて男を味わう玲一がどう思うのか、やはり不安で思わず尋ねた。玲一は浅葱の手に指を
絡めて握りながら、首を振ってみせる。
 
「気持ち悪くなんかない。君の中がこんなだなんて、考えたこともなかった。熱くてとろとろで、気持ちいいよ」
「よかった。――じゃあ、好きにさせて貰うからな」
「え? ちょっと待っ……」

 ぐい、と腰を上げて、ギリギリまで玲一のものを引き抜く。そこからばちゅんと音がするほど、激しく自分の中に玲一を打ち付けた。

「はぁ……んっ……」

 普段は届くことのない最奥まで届いてしまう。そこをこじ開けるのはまだ早いと、浅いところで玲一を感じた。張り出したエラが内壁を抉る感覚がたまらなくて、自分の感じるところに玲一をこすりつける。

「あ、浅葱」

 玲一が掠れた声で名を呼んだ。浅葱は声を堪えることなく腰を動かしながら、自分の乳首に指を持って行った。指で押し潰すと、中がきゅっと締まって玲一が呻く。動きを止めて乳首の快感だけを貪欲に追うと、その度に中がうねって玲一を追い詰めていく。

「僕も君に触りたい」

 胸に向かって伸ばされる手を、自分の手で握って躱す。

「今まで散々客のあんたにサービスされてたんだ。俺にさせてくれ」
「君だってサービスしてただろう。僕が求めたものをちゃんと与えてくれてた」

 玲一がぐいと上体を起こす。突然の事に体勢を崩しかけた浅葱の背に玲一の腕が回ってしっかりと受け止められていた。
 体を繋げたままで、玲一の背に腕を回す。思いのままに抱きしめて、彼の肩に頭を乗せて、覗き込んでくる蜜色を見つめ返しながら囁いた。

「本当は――玲一とずっとこうしたかった」

 目を潤ませた浅葱の唇を、玲一が自分のそれで塞いだ。
 尻に手を添えられて、玲一が浅葱の体を揺する。口から漏れる喘ぎも、吐息も、全て玲一に吸い取られた。
 そのまま姿勢を変えられて、シーツの感触を背中で感じた。
 脚を開いたままで、膝を折り曲げられる。玲一が腰を突き入れる度に、張り詰めた自分の先端が腹を打った。

「今、これが現実だなんて信じられないよ。本当に、君を抱いてるなんて」

 厚い体がのしかかってきて、濡れた舌に耳穴をかき回された。ぞわりと全身に鳥肌が立つが、玲一の手に撫でられると収まっていく。彼に触れられるのは、全て気持ちが良かった。

「浅葱、凄く可愛い顔してるよ。あんな強気なこと言ってたのに」
「う、うるさい」

 余裕を見せる玲一が腹立たしくて、可愛いと言われたのは気恥ずかしく、ぎゅっと根元を締め付けてやった。玲一が顔を歪めて呻いたのがいい気分だ。


「浅葱、浅葱」

 抱き込まれたままで玲一が激しく中を穿つ。声が上擦ってきていて、玲一が限界に近いことがわかった。

「いい? 出すよ? ああっ!」

 玲一の動きが止まって、どくりどくりと浅葱の中に脈動が伝わる。ぎゅっと玲一を抱きしめたままで、浅葱は全身で玲一を感じていた。
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