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64 侯爵邸での特訓・5
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カモミールの身支度が済んですぐ、昼食に招かれた。侯爵は忙しいらしく、昼食の席を同じくするのは侯爵夫人とそのこどもたちだと聞いて一安心する。
「……妖精の君!」
カモミールを見た途端、ジョナスが椅子から降りて一直線に向かってくる。目を輝かせてカモミールを見上げながら、彼は片膝を付いて礼を取った。
「またお会い出来て光栄です! 我が家の客人として滞在されること、このジョナス・アーサー・ジェンキンス望外の喜びにて!」
どうすべきかと侯爵夫人に視線を送ると、「どうぞお好きになさい」とでも言うような笑顔で頷かれた。
カモミールは美しい姿勢だったドロシーのお辞儀を見習い、手を重ねて深く頭を下げる。
「カモミール・タルボットにございます。ジョナス様におかれましてはお健やかにお過ごしのようで、わたくしも大変嬉しゅうございます」
「麗しき妖精の君、席までエスコートする栄光を賜っても?」
「え、ええ。喜んで」
ジョナスが手を伸ばしてきたので、その小さな手に自分の手を重ねる。途端にパアアアと笑顔になったのが7歳らしい。――その7歳が花も恥じらうような扱いをカモミールにしている事実が凄いと思うのだが。
距離にして10歩ほど。カモミールは侯爵令息のエスコートを受けて席まで案内された。既に侍女が椅子を引いて待っていたので、侯爵夫人とアナベルには会釈をして席に着く。
一方ジョナスはスキップの一歩手前くらいの浮かれた足取りで自分の席へ戻っていった。
「マーガレット様、素敵なドレスをありがとうございます」
「カモミールをこの屋敷に招こうと思ったときから思いついて、実家から引き取っておいたのよ。私の両親が思い出にと取っておいてくれてちょうど良かったわ。
ほら、私たちって身長は違うけれども体型としてはかなり近いでしょう? わざわざ誂えるよりも、私が以前着ていた服の方があなたも気が楽だろうと思って」
確かに誂えられるよりは気が楽だけども、案外どっちもどっちです――そう言いたくなるのをぐっと笑顔で飲み込む。
「はい。お心遣いありがとうございます。ドロシーとサマンサが、私に似合うよう頑張ってくれました」
マーガレットのお下がりだけあって、本来赤髪にはあまり似合わない明るい水色だ。この色は金髪の人が好んで着る事が多い。髪の毛を目立たなくすれば、工房に籠もっているせいで色白のカモミールにはよく似合った。
「思ったより良い調子ね。『このようなドレスをわざわざわたくしなどのために』なんて言わなくなったのは進歩だわ」
「すてきよ、ミリー。ねえおかあしゃま、あのドレス、私も大きくなったら着られる?」
「そうねえ、では侍女にお願いして傷まないよう大事に取っておきましょうね。ふふっ、親子二代で着られるドレスはきっと幸せね」
侯爵夫人とアナベルの会話を聞いてカモミールも胸が温かくなった。流行の型でなくても、「素敵」と言ってもらえるドレスを作った職人は誇りに思うだろう。それに、「似たものを新しく作ってあげる」ではなく「侍女に頼んで傷まないよう大事に取っておきましょう」と言った侯爵夫人の言葉にも職人として心震える。
侯爵家であれば新しいドレスを作るのが当たり前かもしれない。けれど、アナベルが「着たい」と言ったのは今カモミールが着ているこのドレスなのだ。別の物で代用してはアナベルの気持ちが無視されてしまうことを侯爵夫人はよくわかっている。
「それでは、私もお借りしている間大切に着させていただきます」
アナベルに向かって微笑むと、小さな姫君は花が咲くように笑った。
昼食はテーブルマナーを問われない、手で食べる形式の物が出てほっとした。昼食を食べる習慣ができてからの歴史は案外浅いというので、軽く済ませるのが貴族も庶民も定番なのだ。
「そうそう、晩餐は夫も同席をするわ。いきなりのことであなたが卒倒したら大変だから先に言っておくわね。テーブルマナーに関しては、行儀作法の先生にも事情を伝えておきました。――まあ、我が家には厳しく言う人は……イザベラが厳しいわね。でもそれは侯爵家内でのことで、客人に対して失礼にも叱るなんてことはしないから安心して」
イザベラというのはマーガレット付の筆頭侍女で、マーガレットの幼少期から側仕えをしている最古参の侍女だとサマンサから聞いている。侯爵夫人も彼女にだけは頭が上がらないそうで、それは関係上仕方ないのだろう。
「ミリー、午後はグリエルマせんせいのレッスンよ。いっしょに行きましょう」
アナベルが手を伸ばしてくるので、頷いてぷっくりした柔らかな手を握る。
「礼儀作法の先生はグリエルマ先生と仰るんですか?」
「ええ、そうよ。とっても、とーってもきびしくて、でも時々びっくりするくらい優しいの。ミリーもきっとさいしょはこわい思いをすると思うのだわ」
「姫様が一緒にいてくださるから、大丈夫ですよ、きっと」
歩きながら言った言葉は、半分以上自分に言い聞かせたものだった。
緊張するが、繋がれた温かいアナベルの手の感触に安心する。
5歳のアナベルが一緒なのだから大丈夫――それほど高度なことは要求されないだろうし、とずっと自分に言い聞かせている。自分は20歳だ。アナベルができることができないようでは恥ずかしい。
ある一室の前でアナベルは立ち止まった。精一杯の背伸びをして、内緒話のように小さな声で「ここでグリエルマせんせいがお待ちなの。ミリー、じゅんびはいい?」と聞いてくる。
カモミールが無言で頷くと、アナベルは部屋をノックした。中からは厳めしい中年女性の声で「どうぞ」と応えがあった。
「ごきげんよう、グリエルマせんせい」
「ごきげんよう、アナベル様」
先に入室したアナベルがカーテシーを取る。それに対してグリエルマの取ったカーテシーは全くぐらつきのない、滑らかで美しい所作だった。
「お初にお目にかかります。カモミール・タルボットと申します。本日からよろしくお願いいたします」
先程ジョナスにしたように、カーテシーではなく一般的なお辞儀をする。グリエルマはカモミールの挨拶を受けて頷いた。
「私はグリエルマ・グレイス・ベイクウェル子爵夫人です。講義の間はグリエルマ先生と呼んでください。それ以外の時にはベイクウェル夫人でもなんでも結構よ。
今日から3日間の短い間ですが、あなたに剣と鎧を授けるために尽くしましょう。――それにしても、根っからの平民という割には言葉遣いがとても綺麗ですね。緊張はしているようだけれど」
黒髪をひっつめ、丈の長いドレスを身にまとったグリエルマは侯爵夫人よりも威厳に満ちていた。年齢は50代くらいだろうか。アナベルが厳しいと言ったのがその佇まいからも滲み出ている。
「わたくしは15歳まで農家で育ち、その後カールセンへとやってきて師に弟子入りしました。師であるロクサーヌ・シンクはわたくしたちが作る化粧品は貴族階級の方々が主な購買層になることを想定しておりましたので、将来的に顧客と直接のやりとりがあっても困らないようにと、言葉遣いだけは厳しく教えてくれたのです」
「なるほど。言葉遣い『だけは』ね。侯爵夫人からあなたの卑下癖と緊張癖については伺っています。
あなたにはアナベル様と同じく礼儀作法のなんたるかと、特別にテーブルマナーなどを教えるように仰せつかっております。厳しいことも言うけれども、淑女の戦場と思って臨みなさい」
「淑女の戦場、ですか」
想像していた「礼儀作法の授業」と全く違う。カモミールが思わず聞き返すと、グリエルマは笑顔も浮かべずに頷く。
「礼儀作法とは時に身を守る鎧となり、剣ともなるものです。
私は剣を授ける者、それが侯爵令嬢であっても、平民であっても変わりはありません。必要とする者にはそれを授けます。
アナベル様もカモミール嬢もお掛けなさい。アナベル様には少し難しい話かもしれませんが、礼儀作法の本質から話をいたしましょう」
「……失礼いたします」
「しつれいいたします」
この部屋にあるのはソファではなくテーブルと椅子だった。侍女が踏み台を用意し、アナベルはそれを使って椅子に座る。
カモミールも椅子に座ったところで「背筋を伸ばしなさい」と早速グリエルマの鋭い指摘が入った。
慌てて背筋をピンと伸ばしながら、アナベルと一緒だから難しいことはないと思った自分は間違いだったのだとカモミールは気づき始めていた。
「……妖精の君!」
カモミールを見た途端、ジョナスが椅子から降りて一直線に向かってくる。目を輝かせてカモミールを見上げながら、彼は片膝を付いて礼を取った。
「またお会い出来て光栄です! 我が家の客人として滞在されること、このジョナス・アーサー・ジェンキンス望外の喜びにて!」
どうすべきかと侯爵夫人に視線を送ると、「どうぞお好きになさい」とでも言うような笑顔で頷かれた。
カモミールは美しい姿勢だったドロシーのお辞儀を見習い、手を重ねて深く頭を下げる。
「カモミール・タルボットにございます。ジョナス様におかれましてはお健やかにお過ごしのようで、わたくしも大変嬉しゅうございます」
「麗しき妖精の君、席までエスコートする栄光を賜っても?」
「え、ええ。喜んで」
ジョナスが手を伸ばしてきたので、その小さな手に自分の手を重ねる。途端にパアアアと笑顔になったのが7歳らしい。――その7歳が花も恥じらうような扱いをカモミールにしている事実が凄いと思うのだが。
距離にして10歩ほど。カモミールは侯爵令息のエスコートを受けて席まで案内された。既に侍女が椅子を引いて待っていたので、侯爵夫人とアナベルには会釈をして席に着く。
一方ジョナスはスキップの一歩手前くらいの浮かれた足取りで自分の席へ戻っていった。
「マーガレット様、素敵なドレスをありがとうございます」
「カモミールをこの屋敷に招こうと思ったときから思いついて、実家から引き取っておいたのよ。私の両親が思い出にと取っておいてくれてちょうど良かったわ。
ほら、私たちって身長は違うけれども体型としてはかなり近いでしょう? わざわざ誂えるよりも、私が以前着ていた服の方があなたも気が楽だろうと思って」
確かに誂えられるよりは気が楽だけども、案外どっちもどっちです――そう言いたくなるのをぐっと笑顔で飲み込む。
「はい。お心遣いありがとうございます。ドロシーとサマンサが、私に似合うよう頑張ってくれました」
マーガレットのお下がりだけあって、本来赤髪にはあまり似合わない明るい水色だ。この色は金髪の人が好んで着る事が多い。髪の毛を目立たなくすれば、工房に籠もっているせいで色白のカモミールにはよく似合った。
「思ったより良い調子ね。『このようなドレスをわざわざわたくしなどのために』なんて言わなくなったのは進歩だわ」
「すてきよ、ミリー。ねえおかあしゃま、あのドレス、私も大きくなったら着られる?」
「そうねえ、では侍女にお願いして傷まないよう大事に取っておきましょうね。ふふっ、親子二代で着られるドレスはきっと幸せね」
侯爵夫人とアナベルの会話を聞いてカモミールも胸が温かくなった。流行の型でなくても、「素敵」と言ってもらえるドレスを作った職人は誇りに思うだろう。それに、「似たものを新しく作ってあげる」ではなく「侍女に頼んで傷まないよう大事に取っておきましょう」と言った侯爵夫人の言葉にも職人として心震える。
侯爵家であれば新しいドレスを作るのが当たり前かもしれない。けれど、アナベルが「着たい」と言ったのは今カモミールが着ているこのドレスなのだ。別の物で代用してはアナベルの気持ちが無視されてしまうことを侯爵夫人はよくわかっている。
「それでは、私もお借りしている間大切に着させていただきます」
アナベルに向かって微笑むと、小さな姫君は花が咲くように笑った。
昼食はテーブルマナーを問われない、手で食べる形式の物が出てほっとした。昼食を食べる習慣ができてからの歴史は案外浅いというので、軽く済ませるのが貴族も庶民も定番なのだ。
「そうそう、晩餐は夫も同席をするわ。いきなりのことであなたが卒倒したら大変だから先に言っておくわね。テーブルマナーに関しては、行儀作法の先生にも事情を伝えておきました。――まあ、我が家には厳しく言う人は……イザベラが厳しいわね。でもそれは侯爵家内でのことで、客人に対して失礼にも叱るなんてことはしないから安心して」
イザベラというのはマーガレット付の筆頭侍女で、マーガレットの幼少期から側仕えをしている最古参の侍女だとサマンサから聞いている。侯爵夫人も彼女にだけは頭が上がらないそうで、それは関係上仕方ないのだろう。
「ミリー、午後はグリエルマせんせいのレッスンよ。いっしょに行きましょう」
アナベルが手を伸ばしてくるので、頷いてぷっくりした柔らかな手を握る。
「礼儀作法の先生はグリエルマ先生と仰るんですか?」
「ええ、そうよ。とっても、とーってもきびしくて、でも時々びっくりするくらい優しいの。ミリーもきっとさいしょはこわい思いをすると思うのだわ」
「姫様が一緒にいてくださるから、大丈夫ですよ、きっと」
歩きながら言った言葉は、半分以上自分に言い聞かせたものだった。
緊張するが、繋がれた温かいアナベルの手の感触に安心する。
5歳のアナベルが一緒なのだから大丈夫――それほど高度なことは要求されないだろうし、とずっと自分に言い聞かせている。自分は20歳だ。アナベルができることができないようでは恥ずかしい。
ある一室の前でアナベルは立ち止まった。精一杯の背伸びをして、内緒話のように小さな声で「ここでグリエルマせんせいがお待ちなの。ミリー、じゅんびはいい?」と聞いてくる。
カモミールが無言で頷くと、アナベルは部屋をノックした。中からは厳めしい中年女性の声で「どうぞ」と応えがあった。
「ごきげんよう、グリエルマせんせい」
「ごきげんよう、アナベル様」
先に入室したアナベルがカーテシーを取る。それに対してグリエルマの取ったカーテシーは全くぐらつきのない、滑らかで美しい所作だった。
「お初にお目にかかります。カモミール・タルボットと申します。本日からよろしくお願いいたします」
先程ジョナスにしたように、カーテシーではなく一般的なお辞儀をする。グリエルマはカモミールの挨拶を受けて頷いた。
「私はグリエルマ・グレイス・ベイクウェル子爵夫人です。講義の間はグリエルマ先生と呼んでください。それ以外の時にはベイクウェル夫人でもなんでも結構よ。
今日から3日間の短い間ですが、あなたに剣と鎧を授けるために尽くしましょう。――それにしても、根っからの平民という割には言葉遣いがとても綺麗ですね。緊張はしているようだけれど」
黒髪をひっつめ、丈の長いドレスを身にまとったグリエルマは侯爵夫人よりも威厳に満ちていた。年齢は50代くらいだろうか。アナベルが厳しいと言ったのがその佇まいからも滲み出ている。
「わたくしは15歳まで農家で育ち、その後カールセンへとやってきて師に弟子入りしました。師であるロクサーヌ・シンクはわたくしたちが作る化粧品は貴族階級の方々が主な購買層になることを想定しておりましたので、将来的に顧客と直接のやりとりがあっても困らないようにと、言葉遣いだけは厳しく教えてくれたのです」
「なるほど。言葉遣い『だけは』ね。侯爵夫人からあなたの卑下癖と緊張癖については伺っています。
あなたにはアナベル様と同じく礼儀作法のなんたるかと、特別にテーブルマナーなどを教えるように仰せつかっております。厳しいことも言うけれども、淑女の戦場と思って臨みなさい」
「淑女の戦場、ですか」
想像していた「礼儀作法の授業」と全く違う。カモミールが思わず聞き返すと、グリエルマは笑顔も浮かべずに頷く。
「礼儀作法とは時に身を守る鎧となり、剣ともなるものです。
私は剣を授ける者、それが侯爵令嬢であっても、平民であっても変わりはありません。必要とする者にはそれを授けます。
アナベル様もカモミール嬢もお掛けなさい。アナベル様には少し難しい話かもしれませんが、礼儀作法の本質から話をいたしましょう」
「……失礼いたします」
「しつれいいたします」
この部屋にあるのはソファではなくテーブルと椅子だった。侍女が踏み台を用意し、アナベルはそれを使って椅子に座る。
カモミールも椅子に座ったところで「背筋を伸ばしなさい」と早速グリエルマの鋭い指摘が入った。
慌てて背筋をピンと伸ばしながら、アナベルと一緒だから難しいことはないと思った自分は間違いだったのだとカモミールは気づき始めていた。
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