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7 もう一度『初めまして』から始めよう
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「じゃあどうするの?」
問いかけた私に、父はまたにやりと笑ってみせた。
「自分でリフォームする。まあ仕事の合間を縫ってだから、何年計画になるかわからないがな」
「え……すごいじゃない」
最近は古い古民家を買って、リフォームするのが流行っているし、リノベーションしたアパートに借り手が殺到するなどの例もある。
ものを作ることが仕事の父ならば、おそらく細部にこだわって、他にはないリフォームをするのではないかと、それはそれでわくわくした。
「いいよ、いいよ。がんばって」
応援する私に、父は呆れたように言う。
「もちろんお前もやるんだよ、和奏」
「え? ……私も?」
それは発想になかったが、考えてみれば自分でやるのも楽しそうではある。
「おおもとは俺がやるけど、何か希望があったらあらかじめ言ってくれ。洗面所とは別のパウダールームがほしいなんて、後で言うなよ」
「え? なにそれ? ほしい! ほしい!」
叫ぶ私に、父は床に無造作に積まれたインテリア雑誌を指した。
「お前の部屋の内装は、お前に任せるから……いろいろと見て勉強して、考えてみろ。絵に描いてたりしてたら、夏休みなんてあっという間に終わるぞ」
「うん、そうだね」
せっかくできたと思った友だちの椿ちゃんとも、あれきり会えなくなり、私がやっぱり暇を持て余していることは、どうやら父には伝わっていたようだ。
夏全部をつぎこんでも終わりそうにない課題を出されて、私は面倒だと思う気持ちよりも、ありがたいと思う気持ちのほうが大きかった。
「ありがとう、お父さん」
お礼を言ってご飯を口の中にかきこむと、父も同じ動きをする。
「おう……」
あまり父と娘らしいとは言えないが、それは私たちにとっては心地いい距離感だった。
問いかけた私に、父はまたにやりと笑ってみせた。
「自分でリフォームする。まあ仕事の合間を縫ってだから、何年計画になるかわからないがな」
「え……すごいじゃない」
最近は古い古民家を買って、リフォームするのが流行っているし、リノベーションしたアパートに借り手が殺到するなどの例もある。
ものを作ることが仕事の父ならば、おそらく細部にこだわって、他にはないリフォームをするのではないかと、それはそれでわくわくした。
「いいよ、いいよ。がんばって」
応援する私に、父は呆れたように言う。
「もちろんお前もやるんだよ、和奏」
「え? ……私も?」
それは発想になかったが、考えてみれば自分でやるのも楽しそうではある。
「おおもとは俺がやるけど、何か希望があったらあらかじめ言ってくれ。洗面所とは別のパウダールームがほしいなんて、後で言うなよ」
「え? なにそれ? ほしい! ほしい!」
叫ぶ私に、父は床に無造作に積まれたインテリア雑誌を指した。
「お前の部屋の内装は、お前に任せるから……いろいろと見て勉強して、考えてみろ。絵に描いてたりしてたら、夏休みなんてあっという間に終わるぞ」
「うん、そうだね」
せっかくできたと思った友だちの椿ちゃんとも、あれきり会えなくなり、私がやっぱり暇を持て余していることは、どうやら父には伝わっていたようだ。
夏全部をつぎこんでも終わりそうにない課題を出されて、私は面倒だと思う気持ちよりも、ありがたいと思う気持ちのほうが大きかった。
「ありがとう、お父さん」
お礼を言ってご飯を口の中にかきこむと、父も同じ動きをする。
「おう……」
あまり父と娘らしいとは言えないが、それは私たちにとっては心地いい距離感だった。
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