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勇者

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「シャーリーはもう帰るのかな?」

「いいえ、今日はお兄様と落ち合って帰る予定よ。べジャミン爺がお風邪をひいてしまったみたいなの。」

「そっか………、あの元気が1番っていうべジャミン爺ももう大分歳なんだね。」

 ニックは遠い目をしてしみじみと言いました。
 その言葉、爺に言ったら馬車の運転をわざとどえらいことにされてしまいますよ?

「………………爺本人に直接言わないことをおすすめするわ。」

「あはは、流石に僕もそこまで勇者じゃないよ。」

「勇者って聞こえはいい言葉よね。」

 私は呆れて肩をすくめながら言いました。ニックが勇者か………、存外似合いそうですね。

「待ち時間はどうするの?」

 ニックが心無しかちょっとだけキラキラした目で聞いてきました。

「もうちょっとで学園の卒業パーティーでできた友達が尋ねてくるはずだから、その娘と時間を潰すつもりよ。」

「そっか、………残念。その子って女性だよね?」

 今日尋ねてくる予定のアンことを思い浮かべた私は、こくんと頷きながらニックに答えました。

「そうだけど?」

「ならよかった。」

「?」

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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