仲良しな天然双子は、王族に転生しても仲良しで最強です♪

桐生桜月姫

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16 双子の決意

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 双子がいる部屋から、たくさんの武装した軍人たちが散り散りになっていく。アキレスは内心でほくそ笑んだ。この空間は余程のことがないと見つけられないはずだ。この部屋に大量に人員を派遣するのではなく、このお屋敷や裏の森を筆頭とした全てを探すのであれば、徹底的にこの部屋は洗えない。アキレスは命拾いしたことにほっとした。
 あとは12時間この中で隠れ続け、警備の目を抜けて逃げ出すだけだ。アキレスは自分も仮眠を取ることにして、眠たい目をそうっと閉じた。なんて言ったって、心は15歳でも身体は5歳なのだ。ショートスリープではどうしても眠たくなってしまう。それに、幼児にお昼寝は必須事項だ。
 アキレスは眠たいお目々をゴシゴシしながら、暖かい姉の肩に寄りかかって深い眠りの底に落ちていった。

▫︎◇▫︎

「どうして見つからないんだっ!!」
「!?」

 怒鳴り声で目覚めるというなんとも目覚めの悪い目覚め方をしたアキレスは、アイリスが自分の肩で大人しく眠っているのを確認しながら双子の部屋の中にいる人間たちの気配を探った。

「………だれもいない」

 どうやら今現在誰もいないらしい。
 アキレスはしめしめと思いながら、自分の肩に乗っているこの世で唯一信用できて、唯一大切で、最も大切なアイリスを揺すった。

(起きて、そろそろ動くよ)
「ん、」
(声出しちゃダメ。気づかれちゃう)

 アキレスに起こされたアイリスは、始めの方こそぼーっとしていたがやがてパチパチと瞬きをするとある程度覚醒した。まだ顔色は青白く、身体が熱い。

(………………ごめん、アキレス。それで、お外の様子は?)
(無人だ)
(じゃあ出られないじゃない)

 アイリスはむすっとした表情でアキレスに苦言を呈した。

(いや、隠し通路を使えば問題ない)
(でもアレは………)

 アイリスはそっと視線を下げた。

(あそこの正体を知っているのはあの女だけだ。それに、使用した痕跡も見つけにくい)
(………時間は稼いでくれる、か………………)
(あぁ、使用した痕跡は絶対に消せない。けれど、逃げることを優先するならば、アレを使うしかない)

 アキレスの声には焦燥が滲み出ていた。冷静沈着な彼らしくない声に、双子の姉たるアイリスは今がどれだけ危ない状況かを悟った。

(逃げよう)
(ありがとう、アイリス。精一杯守るから)

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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