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さくら、逃げる
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「さ、さくらぁ、もか、もう限界………」
もかがつんつんとさくらの服の袖を引っ張って訴えてくるのを受け、さくらは周囲の障害物を泣け無しの体力でくぐり抜けて海岸近くの岩場に逃げ込んだ。
「ああああああああ♪」
「ぐあああああああ♪」
そこにはウミガメとグリフォンというなんとも奇妙な先客が存在していた。そして、さくらともかは馬鹿馬鹿しいこと極まりない話と歌を長時間聞くことになった。
げんなりと溜め息をついて、さくらはもかをぎゅっと抱きしめた。
「ふわわっ!く、くすぐったいよ、さくら」
「そーだねぇー」
「さくらって本当にもふもふが好きだね!!」
「そう?」
言いながらもわしゃわしゃと撫でる手を休めないさくらは、もかに癒しを求める。
ーーーさく、さくさくっ、
唐突にウミガメとグリフォンの無意味な会話の間に砂を踏み締める音が響き始めて、さくらは音の方にもかを抱いたまま視線を向けた。やってきたのはこの場に全く似合わない豪奢なドレスを身につけた不可解なところばかりの公爵夫人だった。
「ご機嫌よう」
にこりと模範のような微笑んだ公爵夫人はなぜか上機嫌で、さくらは首を傾げる。
「あの、何をしに………」
「この世に意味のない行動なんてたくさん存在しているわ。だから、その1つ1つに意味を見出してはいけないの」
「は、はあ?じゃあ、何故ここに………」
「わたくしが来たかったからよ。人の元を訪れること、それはつまりその人に用事があって行動しているの」
(………さっきと言ってたことが噛み合っていないような………?)
さくらは首を傾げて苦笑いを浮かべたのだった。
******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
もかがつんつんとさくらの服の袖を引っ張って訴えてくるのを受け、さくらは周囲の障害物を泣け無しの体力でくぐり抜けて海岸近くの岩場に逃げ込んだ。
「ああああああああ♪」
「ぐあああああああ♪」
そこにはウミガメとグリフォンというなんとも奇妙な先客が存在していた。そして、さくらともかは馬鹿馬鹿しいこと極まりない話と歌を長時間聞くことになった。
げんなりと溜め息をついて、さくらはもかをぎゅっと抱きしめた。
「ふわわっ!く、くすぐったいよ、さくら」
「そーだねぇー」
「さくらって本当にもふもふが好きだね!!」
「そう?」
言いながらもわしゃわしゃと撫でる手を休めないさくらは、もかに癒しを求める。
ーーーさく、さくさくっ、
唐突にウミガメとグリフォンの無意味な会話の間に砂を踏み締める音が響き始めて、さくらは音の方にもかを抱いたまま視線を向けた。やってきたのはこの場に全く似合わない豪奢なドレスを身につけた不可解なところばかりの公爵夫人だった。
「ご機嫌よう」
にこりと模範のような微笑んだ公爵夫人はなぜか上機嫌で、さくらは首を傾げる。
「あの、何をしに………」
「この世に意味のない行動なんてたくさん存在しているわ。だから、その1つ1つに意味を見出してはいけないの」
「は、はあ?じゃあ、何故ここに………」
「わたくしが来たかったからよ。人の元を訪れること、それはつまりその人に用事があって行動しているの」
(………さっきと言ってたことが噛み合っていないような………?)
さくらは首を傾げて苦笑いを浮かべたのだった。
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読んでいただきありがとうございます😊😊😊
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