もふもふ好きのお姫様

桐生桜月姫

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第2王子の発明品

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「そうかそうか。好きなだけムカついておけ。」

「じゃあ、特大級魔法を5、6発………、」

「それはダメ。」

 わきわきと手を動かして悪戯っぽく言うと、アインスお兄様は満面の笑みで私の首筋に魔道具を差し出してきました。魔法禁止装置マジックキャンセラーと言う名の首輪は、魔法使いの犯罪人を捕縛するための特別な魔導部です。そして、歴史に名を残すであろう、アインスお兄様の発明品のうちの1つです。今までは、魔法使いの犯罪人が出た際にはたくさんの魔法使いが出動して、必死になって周囲に被害が出ないように気をつけながら、犯罪者を捕縛していましたからね………。本当に、アインスお兄様は世界の救世主です。捕縛に今まで3時間も4時間もかかっていたような人間が、たったの数分で捕まえられるようになったのですから。
 ですが、それとこれとは話が別。私はその首輪をつけられたくありません。あれ、本当に魔法使いにとってはなんとなくと言うか、結構気持ち悪いのですよね………。本当に、むず痒いような、這いつくばるような、這い上がってくるような、そんな感覚が身体にねっとりとまとわりついてくるのです。本当に、試作品段階で付けさせられて以降、もう絶対につけたくありません。

「好きにすれば良いって言ったのはアインスお兄様でしてよ?」

「それはそれ。これはこれ。」

 手で左右に置くジェスチャーをしたアインスお兄様に、私はじとっとした目を向けます。

「………往生際が悪いのは治したほうがよろしいかと存じます。」

「そうかそうか。可愛い愚妹は、今日も頭の回転が早いようだ。」

 嬉しそうなアインスお兄様は、目を優しく細めました。

********************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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