もふもふ好きのお姫様

桐生桜月姫

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王女と第2王子の兄妹喧嘩

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 加護の力を最大限に発揮し、これまで相性が良すぎて周囲に怪我をさせてしまうという理由であまり使ってこなかった炎の魔法を、私は狭い馬車の中で最高温に熱せられたの人魂のような形で顕現させます。
 ぶわっと炎が熱を放出し、馬車の中が信じられないほどの熱風に包まれ、アインスお兄様が一瞬苦しげな呻き声を上げました。

「ーーー最終警告です。真実を話しなさい。さもなくば、燃やします。」

 いやいやと首を振って離さないという意思表示をするアインスお兄様の様子に、私の怒りゲージはマックスを超えていきます。

「………アインお兄様。ご自分の墓場をお決めになりまして?」

「………はあー、」

 私の脅しに溜め息をついて面倒臭そうな表情をしたアインスお兄様は、前髪をかき上げると私にむけていた目をすっと細めました。

「ーーー少なくとも、僕は君に真実を知る覚悟があるようには思えないね。だから話せないと言っているんだ。」

「………何を戯けたことを。」

「………そういう態度だよ。君は常に王女であろうとする。王女でなくてはならないと自分に言い聞かせている。」

 それの何が悪いというのでしょうか。王家に生まれた人間ならば、そういう思考を持って行動するというのは当然のことですし、そういう心構えを持つことこそが大切なのです。
 だからこそ、私はアインスお兄様に鋭い視線を向けます。

「………私は王女です。公人として振る舞うことこそが、求められている姿です。ルグニカ王国第2皇子、アインスお兄様は違うのですか?」

 私の質問に、アインスお兄様の視線の鋭さは増していきました。

********************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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