もふもふ好きのお姫様

変な兄さま

「………考えてはダメだ。質問してもダメだ。ロッテ、ただ感じ取るんだ。」

「………ついにはアイン兄さまも壊れてしまったようね。」

　私は溜め息をついてから、急いでお着替えを済ませようとしましたが、お着替えがありません。それに、枕元に紙が置いてあって、この国のお洋服はお着替えが大変な形だから、侍女を呼ぶようにとあります。えっと………、これってもしかしなくとも侍女さんが来るまで私だけ待つパターンでしょうか。

「ロッテ、着替えないのか？」

「………お着替えが大変だから、侍女を呼ぶようにとあるわ。アイン兄さま、呼んできてくださる？」

「僕は着替え方の紙と一緒に服が置いてあったけれど、ロッテは侍女を呼ぶようにとなっているんだね。分かった。呼んでくるよ。」

「ありがとう。」

　アインスお兄様を使いっ走りにした私は、ぐーっと背のびをして、カオスな状態になっているアルノルトお兄様とケイ、そしてグルータス殿下の乱闘の音に耳を傾けました。なんというか、何故ここまで来てわざわざ朝から剣を握っているのでしょうか。

「失礼いたします、ロッテさま。昨晩はよく眠れましたか？」

　涼しげな声が聞こえて、私は微笑んで振り返りました。昨晩案内してくださった侍女さんがどうやら私の担当となったようです。

「えぇ、とっても。ここの国では紗でしかお外との壁がないから、朝日がよく通るから久しぶりに早起きができましたわ。こんな時間に起きたのは久しぶり。」

「そうですか。」

　少し茶目っ気を入れて微笑むと、侍女さんは優しく私に笑いかけてくれます。どうやら少しながら母性をつっついたようですわね。


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