もふもふ好きのお姫様

到着

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「ようこそおいでくださいました。」

　異国の言葉でこれでもかというほどに美しい毛並みをした虎猫獣人の国王夫妻並びに王子や王女、そして少しくすんでいますが、同じく綺麗な毛並みをした侍女や従者に迎えられ、長旅？によってもうぐったりしてきている私は、疲れが見えないようにして最大限笑顔を作り上げてカーテシーをしました。

「お出迎えありがとう存じます。わたくし、ルグニカ王国が使節のロッテと申します。これからしばらくの間お世話になります。こちらは兄の、」

「アルと申します。こちらは弟のアインです。馬車酔いを起こしてしまい挨拶ができる状態にないため、大変申し訳ないのですが、挨拶を省かせていただきます。後日挨拶をさせていただくので、その時までご容赦ください。」

「僕はケイトです。よろしくお願いします。」

　ケイが挨拶をした途端、獣人たちの間でガラリと空気が変わってしまいました。それまでは値踏みするかのような視線だったのにも関わらず、唐突に畏怖の空気が蔓延り始めたのです。
　ですが、その空気は国王の柔らかな声によって次の瞬間には霧散していました。

「ーーーこれはこれは、ご丁寧にありがとうございます。私は国王のフレッドです。今日はお疲れでしょうから、お部屋でお休みください。後日、正式なお迎えのご挨拶をさせていただきますね。」

「ご丁寧にありがとうございます。」

　アインスお兄様を抱えているアルノルトお兄様に変わって挨拶をし、私はできるだけ弱みを見せないように細心の注意を払います。

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