もふもふ好きのお姫様

遊学へ

「今日、お前を遊学へと出発させることになった。そして、獣人国間との外交が決定し、代表国も大方決まった。獣人国のみ、4年後ではなく2年後に友好条約を結ぶ運びになった。代表国はブラックムーン皇国だ。」

　聞いたことのない皇国のお名前に首を傾げて、私はお父様に対して質問をしたい衝動に駆られますが、今はお父様に命じられた通りに外遊国へと向かうことが最優先です。私はお父様に向けて微笑みを浮かべて、深々と頭を下げます。

「………………では、準備して参ります。お忙しいであろうお兄様たちのご予定は、問題ないのですか？」

「あぁ、問題ない。だから、躊躇いなく思いっきり羽根を伸ばしてこい。………あの妙に色っぽい王子とは性格が合わんのだろう？日に日に目に見えてやつれていくのが見るに耐えん。」

「っ、」

　お父様の言葉に、私はそんなに分かりやすくやつれていたのかと項垂れてしまいます。これでは王女失格ですわね。

「………申し訳ございません。」

　私には謝ること以外できません。だって、私は王女でありながら、私自身にはもうどうすることもできないのですから。

「謝るな。」

　けれど、お父様はなおのこと困った表情をして他の言葉が欲しいとおっしゃいます。私はぐるぐると考えて、やがて気がついた言葉をぷつりと声に出しました。

「………行って参ります。」

「あぁ、行ってこい。」

　にこやかな表情に、私はほっと息をこぼして、そしてくるりと踵を返そうとしましたが、お父様のお声にまた振り返りました。

「くれぐれも、秘密裏に動くことになっているから、慎重に動けよ。」

「はい、存じております。」

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

新作
『ふむふむ成る程、わたくし、虐めてなどおりませんわよ？』を始めました。
紹介文は
　ミルフィーユ・アフォガードは虐めっ子が原因で婚約破棄されたけれど、実は正義の味方だった！？
　この際、自分を馬鹿にしてくる血筋至上主義のおバカどもを懲らしめます！！
　さあ！泣いて喚くのよ！！
です。是非読んでみてください！！