もふもふ好きのお姫様

大きくなった変わり姫

　ちゅんちゅんちゅん………、

「ん。」

　私は小鳥の鳴き声と共に、目を覚ましました。

「おはようございます、シャルロッテ殿下。」

「ん、おはようございます。」

　少しだけ成長したレムは、なんの躊躇いもなく私の前に少し質素なお洋服を3着並べました。淡い菫色の紫、氷のように冷たいきらきらした水色、異国のお花たる桜のようなピンク色。綺麗なワンピースは、いつのまにかコルセットを身につけるデザインをも追加されるようになっています。
　7歳の誕生日から3年余り、私は10歳になっていました。

「お洋服は水色で、髪はいつも通り、この髪飾りを使ってください。」

　10歳の誕生日プレゼントとしてケイに贈られた髪飾りは、これで4つ目です。毎年クロエーラの実家たる、ダプネー伯爵家からケイが購入してくれている髪飾りは、年々私にぴったりになっていきます。ルドルフのお話では、2年目から特注してくれているようです。

「あとは、………………。」

　7歳の時にもらったブレスレットを手に取って身につけます。このブレスレットは、アスィミとクロエーラ、ルドルフ、ケイ、アルノルトお兄様、アインスお兄様が協力して作ってくださったものです。王家の紋章が入っているブレスレットは、みんなに贈ったものと同じこだわりポイントが踏襲され、しかもケイと対になるように作られています。

「完璧。」

　鏡の前でくるりとターンすると、私は満足気に頷きます。

　コンコンコン！！

「シャル、入っていいかな？」

「えぇ、入ってらっしゃい、ケイ。」

　ガチャリ、

　隣のお部屋から、私よりも大きくなったケイが入ってきます。

「おはよう、シャル。」

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