もふもふ好きのお姫様

桐生桜月姫

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第1王子は問われる

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「で?シャル、君は誰に外への出方を尋ねたんだい?」

お父様との問答が終わったと判断したアインスお兄様が満面の腹黒な笑みを浮かべて私に話しかけてきます。それにしても、アインスお兄様はやっぱり意地悪です。分かっていることをわざわざ尋ねてきますし、笑顔の裏がありありと分かるなんて器用すぎます。

「さあ?取引上お教えできません。」

「だ、そうだが?アル兄上。」

「ひっ、」

弟に悲鳴をあげる兄とはなんとも情けのないことです。正々堂々『俺がやった!!』と言えば、話はまあるく収まりますのに。ま、それも酷ですよね。

「アルお兄様は関係ありません。言いましたでしょう?あくまで私が街のことについて知ったのは取引の一環であると。」

「それでもだよ。」

アインスお兄様は優しい表情で肩をすくめますが、目の奥が笑っていません。相当お怒りのようですね。常日頃から紳士で微笑みを浮かべている方ほど怒らせてはいけないというのは、あながち間違いな考え方ではないのかもしれません。

「アルお兄様、何かおしゃべりするようであれば、氷付けにします。お話しは以上です。クロエーラ嬢とルドルフ様、あと、アスィミ嬢にお手紙を書いてきます。………ケイ、ケイの文章も添えていただけますか?」

「分かっちゃ!!」

「それではお父様、また後ほど。」

私はにこっと笑ってからカーテシーをし、アインスお兄様にあっかんべーをしてからお部屋に戻りました。今日の私は、なんだか怖いもの知らずな気分なようです。………明日の報復なんて気にしません、気にしません。
ぶるっと身体が震えてしまったのは気のせいです。

「だいじょーぶ?」

「えぇ、大丈夫ですよ。」

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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