もふもふ好きのお姫様

桐生桜月姫

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次にケイがカードを引こうとしました。すると、ルドルフは分かりやすく表情を変えます。見慣れた光景なのか、クロエとアスィミは普通の何食わぬ表情をしています。

「うわあぁ!!」

「るじーわかりやちゅい。」

ケイ、そこまではっきり言わなくてもいいかと思いますよ。心の中でそっと呟き、私は自分にカードを眺めます。ですが、ゲームはこれからとんとん拍子に進んでしまい、結局ルドルフの元からカードが動くことはありませんでした。

「私、そろそろ帰るね。」

「あ、本当だ。もう2時だね。」

「うわー、めんどくせー。」

「馬鹿ルディ、さっさと帰んないと仕事増やされるぞ。」

私の言葉に、アスィミ、ルドルフ、クロエが順に答えました。私はケイと手を繋ぎ、エマさんの方に足を向けます。机を拭いていた彼女は、私に気がついて振り返りました。

「お代、いくらですか?」

「そんなの要らないわよ。美味しかったのでしょう?」

「はい、だからこそ、払わせてください。」

エマさんがお代を断るのは目に見えていた。ルドルフとクロエはそのことを見越してか、こっそりとエマさんのポケットにお金を入れていたくらいだ。

「う~ん、じゃあこのくらいかな。」

彼女は5本指を立てたので、私はケイの分と合わせて12枚の銀貨を手渡しました。

「え、ちが、銅貨よ。銅貨!!」

「お礼です。久しぶりにとっても美味しい温かい物が食べられたので。ふふっ、貰っておいてください。」

私はその後、アスィミに手を振ってクロエとルドルフと共にお店の外に出ました。本当にびっくりするくらいに居心地の良いお店でした。

*******************

読んでいただきありがとうございます😊😊😊

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