もふもふ好きのお姫様

確信犯

「あぁー、めんどくさそうだったからわざと置いてきた。」

私がポンと手を叩きながらいうと、アインスお兄様はまさかの確信犯でした。あ～あ、後でメイソンから逆襲を喰らいますよ、アインスお兄様。ただでさえ色々と恨まれちゃっているんですから。

「後ろから刺されても俺は助けないぞ。」

「私も助けませんよ。」

「薄情すぎないか？」

けろりと言ったアルノルトお兄様と私に、アインスお兄様は殆困ったように肩をすくめました。普段の行動から来る自業自得だと思いますがね。

「自業自得だからな。」

言った、勇者なアルノルトお兄様は言いました！というか、あの腹黒で根に持ちやすいアインスお兄様に直球ストレートを投げるとか死にたいのでしょうか。いや、ただ馬鹿なだけですね。アルノルトお兄様は兄妹の中でも頭が1番弱い脳筋ですから。

「シャル、お前なんか失礼なこと考えてないか？」

「いえ、何も。ただ、今のは相変わらず素晴らしい野生の感だなと思いましたね。」

「そうだろう、そうだろう。俺の感は鋭いからな！！」

貶したはずなのに誉めているように受け取られ、喜ばれるのはなんとも複雑な気分です。というか、気がついているアインスお兄様は爆笑していらっしゃいますし。

「あぁー、もうっ、さっさとお父様とお義母様にご報告に参りましょう！2人とも物凄く心配していらしたのですよ！！」

「あぁー、それは悪いことをしたなー。よしっ、ここはいっちょ剣舞をお見せしようかな！！」

「こんの、脳筋がっ！！」

切れたアインスお兄様が、アルノルトお兄様の頭をバコッと殴って見事な逆襲を受けました。アルノルトお兄様は石頭ですからね。

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