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革命
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「父上はねぇー、革命を起こす気なんだよ?」
「はい?」
私の背中に嫌な汗が流れます。
ーーー嵌められたーーー
気がついた時には時すでに遅し、周りには防音魔法が張り巡らされ、私とアインスお兄様のみの会話空間が作り出されていました。
ごくり
緊張によって沢山の空気を飲み込み、喉が鳴ってしまいます。
「この話を聞くのは私だけでいいと?」
「巻き込みたいの?」
緊張によって震えた声に、アインスお兄様が冷静な声音を返します。
癪ですが、この判断は正しいとしか言いようがありません。レムやメイソン、何よりケイは巻き込むべきではありません。
「ふぅー、………お父様は他の種族との共存をお目指しなのですね。」
「あぁ、」
息を深く吐き出して、気持ち落ち着きを取り戻した私の確認に、アインスお兄様は簡潔に返事をし、緩慢な仕草で目を閉じました。
「父上は共存を、友好をお望みだよ。全ての種族で仲良く手を繋いで平和に生きる未来を………。」
目を閉じ続けているアインスお兄様の声音には嘲りが含まれていて、それが黒く染まり切った心の内を透かしていました。
「アインお兄様は馬鹿げた事だとお思いなのですね。」
「無理に決まっているだろう?」
目を開けたアインスお兄様は挑発的な笑みを浮かべ、私を睨みつけます。
「決めつけてしまえば、できることもできませんよ。」
ムッとして返した返事にはアインスお兄様を動かすほどの力はない、知っていて尚言わずにはいられませんでした。
「甘いね。」
視線に冷たさが混ざり、私を試しているのが目に見えます。
「甘くて結構ですよ。……だって私は甘いもの。」
「王女失格だ。」
「アインお兄様には言われたくありませんね。」
だから、堂々と笑ってみせます。
私は屈しませんよ、アインスお兄様。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「はい?」
私の背中に嫌な汗が流れます。
ーーー嵌められたーーー
気がついた時には時すでに遅し、周りには防音魔法が張り巡らされ、私とアインスお兄様のみの会話空間が作り出されていました。
ごくり
緊張によって沢山の空気を飲み込み、喉が鳴ってしまいます。
「この話を聞くのは私だけでいいと?」
「巻き込みたいの?」
緊張によって震えた声に、アインスお兄様が冷静な声音を返します。
癪ですが、この判断は正しいとしか言いようがありません。レムやメイソン、何よりケイは巻き込むべきではありません。
「ふぅー、………お父様は他の種族との共存をお目指しなのですね。」
「あぁ、」
息を深く吐き出して、気持ち落ち着きを取り戻した私の確認に、アインスお兄様は簡潔に返事をし、緩慢な仕草で目を閉じました。
「父上は共存を、友好をお望みだよ。全ての種族で仲良く手を繋いで平和に生きる未来を………。」
目を閉じ続けているアインスお兄様の声音には嘲りが含まれていて、それが黒く染まり切った心の内を透かしていました。
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「無理に決まっているだろう?」
目を開けたアインスお兄様は挑発的な笑みを浮かべ、私を睨みつけます。
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ムッとして返した返事にはアインスお兄様を動かすほどの力はない、知っていて尚言わずにはいられませんでした。
「甘いね。」
視線に冷たさが混ざり、私を試しているのが目に見えます。
「甘くて結構ですよ。……だって私は甘いもの。」
「王女失格だ。」
「アインお兄様には言われたくありませんね。」
だから、堂々と笑ってみせます。
私は屈しませんよ、アインスお兄様。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
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