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もう1つの可能性
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「では、1番怪しいのは騎士様達との訓練中ですね。」
「……そう、なるな。」
アルノルトお兄様は途端に歯切れが悪くなり、視線を外しました。
………これは何かやましいことがありそうですね。
「では、訓練中について詳しくお話し願いますね。」
「……あぁ。」
若干の放心状態と化しているアルノルトお兄様から、気の入っていないお返事が返ってきます。
「アルお兄様、怒らないので、正直に話していただけませんか?」
できる限り優しく微笑みかけて話しかけますが、アルノルトお兄様からは視線を外されてしまいます。
「……そこだけ記憶が朧気なんだ。」
「え……?」
「だーかーら、そこだけよく覚えていないんだよ!!」
私はぴきりと、ジャスト10秒間目を見開いて固まってしまいました。
ーーー覚えていない………。覚えていないってどういうことなのでしょうか………。
どういうことなのか分かっているのにも関わらず、私の脳は理解を拒みます。
ですが、私はそんな自分を押さえ込んで、震える声で必死に言葉を紡ぎます。
「つまり、騎士団での訓練中の記憶があやふやだということでしょうか……。」
「……そうなるな。」
普通の日常であれば、ただ偶然記憶が曖昧なのだろうという考えに至るでしょうけれど、今日は呪いによる魔力暴走の事件があったのです。偶然という可能性は、絶対にあり得ません。
ならば、考えられる最も高い可能性は魔法による記憶の削除です。
魔法が効きにくいアルノルトお兄様でさえこの状態なのです。メイソンは十中八九訓練がいつも通りあったという記憶しか残っていないでしょう。
ここまで来て手がかりに消えられるなんてまっぴらごめんですし、とっても悔しいです。
何か、何かないでしょうか……。
*******************
読んでいただきありがとうございます😊😊😊
「……そう、なるな。」
アルノルトお兄様は途端に歯切れが悪くなり、視線を外しました。
………これは何かやましいことがありそうですね。
「では、訓練中について詳しくお話し願いますね。」
「……あぁ。」
若干の放心状態と化しているアルノルトお兄様から、気の入っていないお返事が返ってきます。
「アルお兄様、怒らないので、正直に話していただけませんか?」
できる限り優しく微笑みかけて話しかけますが、アルノルトお兄様からは視線を外されてしまいます。
「……そこだけ記憶が朧気なんだ。」
「え……?」
「だーかーら、そこだけよく覚えていないんだよ!!」
私はぴきりと、ジャスト10秒間目を見開いて固まってしまいました。
ーーー覚えていない………。覚えていないってどういうことなのでしょうか………。
どういうことなのか分かっているのにも関わらず、私の脳は理解を拒みます。
ですが、私はそんな自分を押さえ込んで、震える声で必死に言葉を紡ぎます。
「つまり、騎士団での訓練中の記憶があやふやだということでしょうか……。」
「……そうなるな。」
普通の日常であれば、ただ偶然記憶が曖昧なのだろうという考えに至るでしょうけれど、今日は呪いによる魔力暴走の事件があったのです。偶然という可能性は、絶対にあり得ません。
ならば、考えられる最も高い可能性は魔法による記憶の削除です。
魔法が効きにくいアルノルトお兄様でさえこの状態なのです。メイソンは十中八九訓練がいつも通りあったという記憶しか残っていないでしょう。
ここまで来て手がかりに消えられるなんてまっぴらごめんですし、とっても悔しいです。
何か、何かないでしょうか……。
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読んでいただきありがとうございます😊😊😊
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