168 / 506
恋って凄い!!
しおりを挟む
「……おはようございます、あいんおにーさま………。」
私は疲れ切った気持ちでアインスお兄様にご挨拶をしました。
「おはよう?どうしたんだいシャル、そんなに絶望しきったかのような疲れ切った顔をして……。」
アインスお兄様は不安げな表情で私を見た後、困ったようなキラキラした優しい微笑みを浮かべて私に話しかけました。
「…おにーさま、おちゃはちびちびちょっとずつのむことをおすすめいたします。」
レムとレナの魔力の気配がこの部屋に向けて戻ってきていたので、私は手短に必要最低限説明いたしました。
「それはどういう、」
「「お茶をお持ちいたしました。」」
焦ったようなアインスお兄様の言葉を遮って双子は、おそらく恐ろしいことになっているであろうお茶を持ってきました。
何故分かったかというと、レナが諦めを含んだ遠い目をして私に向けて僅かに首を横に振っていたからです。
「あぁ、ありがとう、いただくよ。」
「………わたしはさっきもらったのでおなかがいっぱいなのでだいしょーぶです。」
アインスお兄様はレムとレナが淹れてくれたお茶だと分かると、少し顔を赤くして嬉しそうにお茶を受けとり、口をつけました。
(……あぁ、またぎせーしゃがふえてしまいました。)
アインスお兄様の悲惨な未来を予測していた私は憐憫の籠った瞳でアインスお兄様を眺めていましたが、アインスお兄様は顔色ひとつ変えずに、美味しそうにお茶を飲み干しました。
「ありがとう、美味しかったよ。」
「「え……。」」
今度は私とレナの声がぴったりと重なりました。
……アインスお兄様は至って普通の味覚をお持ちだったはずです。
決して、誓って、アインスお兄様は味音痴では無かったはずなのですが……、これが俗に言う、“恋の力”と言うやつでしょうか……?
もしもそれならば、恋は素敵ですし、最強ですね。
*******************
読んでいただきありがとうございます♪♪♪
次の更新は明日の朝9時です。
宣伝です。
新作「冷酷無慈悲なお兄さまに認められたい」を始めました。
作品紹介としては
わたしの名前はレティシア• マイグレックヒェン。
公爵令嬢にして冷酷無慈悲な公爵家当主兼兄の妹。
8歳にして初めてお会いしたとても冷たいお兄さまに殺されてしまわないないように、幼馴染にして従僕のジェフリー•ガルシアと共に殺害回避に臨むことにした。
なんとかしてお兄様に利用価値を認められたら殺されないわよね……?
とりあえず、苦手で嫌いなお父さまとお母さまと同じように無残に早死にしないように努力はするわ。
目指せ、老衰!
です。
お時間があれば覗いてみてください!
私は疲れ切った気持ちでアインスお兄様にご挨拶をしました。
「おはよう?どうしたんだいシャル、そんなに絶望しきったかのような疲れ切った顔をして……。」
アインスお兄様は不安げな表情で私を見た後、困ったようなキラキラした優しい微笑みを浮かべて私に話しかけました。
「…おにーさま、おちゃはちびちびちょっとずつのむことをおすすめいたします。」
レムとレナの魔力の気配がこの部屋に向けて戻ってきていたので、私は手短に必要最低限説明いたしました。
「それはどういう、」
「「お茶をお持ちいたしました。」」
焦ったようなアインスお兄様の言葉を遮って双子は、おそらく恐ろしいことになっているであろうお茶を持ってきました。
何故分かったかというと、レナが諦めを含んだ遠い目をして私に向けて僅かに首を横に振っていたからです。
「あぁ、ありがとう、いただくよ。」
「………わたしはさっきもらったのでおなかがいっぱいなのでだいしょーぶです。」
アインスお兄様はレムとレナが淹れてくれたお茶だと分かると、少し顔を赤くして嬉しそうにお茶を受けとり、口をつけました。
(……あぁ、またぎせーしゃがふえてしまいました。)
アインスお兄様の悲惨な未来を予測していた私は憐憫の籠った瞳でアインスお兄様を眺めていましたが、アインスお兄様は顔色ひとつ変えずに、美味しそうにお茶を飲み干しました。
「ありがとう、美味しかったよ。」
「「え……。」」
今度は私とレナの声がぴったりと重なりました。
……アインスお兄様は至って普通の味覚をお持ちだったはずです。
決して、誓って、アインスお兄様は味音痴では無かったはずなのですが……、これが俗に言う、“恋の力”と言うやつでしょうか……?
もしもそれならば、恋は素敵ですし、最強ですね。
*******************
読んでいただきありがとうございます♪♪♪
次の更新は明日の朝9時です。
宣伝です。
新作「冷酷無慈悲なお兄さまに認められたい」を始めました。
作品紹介としては
わたしの名前はレティシア• マイグレックヒェン。
公爵令嬢にして冷酷無慈悲な公爵家当主兼兄の妹。
8歳にして初めてお会いしたとても冷たいお兄さまに殺されてしまわないないように、幼馴染にして従僕のジェフリー•ガルシアと共に殺害回避に臨むことにした。
なんとかしてお兄様に利用価値を認められたら殺されないわよね……?
とりあえず、苦手で嫌いなお父さまとお母さまと同じように無残に早死にしないように努力はするわ。
目指せ、老衰!
です。
お時間があれば覗いてみてください!
0
お気に入りに追加
163
あなたにおすすめの小説
新婚なのに旦那様と会えません〜公爵夫人は宮廷魔術師〜
秋月乃衣
恋愛
ルクセイア公爵家の美形当主アレクセルの元に、嫁ぐこととなった宮廷魔術師シルヴィア。
宮廷魔術師を辞めたくないシルヴィアにとって、仕事は続けたままで良いとの好条件。
だけど新婚なのに旦那様に中々会えず、すれ違い結婚生活。旦那様には愛人がいるという噂も!?
※魔法のある特殊な世界なので公爵夫人がお仕事しています。
〖完結〗旦那様には出て行っていただきます。どうか平民の愛人とお幸せに·····
藍川みいな
恋愛
「セリアさん、単刀直入に言いますね。ルーカス様と別れてください。」
……これは一体、どういう事でしょう?
いきなり現れたルーカスの愛人に、別れて欲しいと言われたセリア。
ルーカスはセリアと結婚し、スペクター侯爵家に婿入りしたが、セリアとの結婚前から愛人がいて、その愛人と侯爵家を乗っ取るつもりだと愛人は話した……
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全6話で完結になります。
あなたが「消えてくれたらいいのに」と言ったから
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
「消えてくれたらいいのに」
結婚式を終えたばかりの新郎の呟きに妻となった王女は……
短いお話です。
新郎→のち王女に視点を変えての数話予定。
4/16 一話目訂正しました。『一人娘』→『第一王女』
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
心の声が聞こえる私は、婚約者から嫌われていることを知っている。
木山楽斗
恋愛
人の心の声が聞こえるカルミアは、婚約者が自分のことを嫌っていることを知っていた。
そんな婚約者といつまでも一緒にいるつもりはない。そう思っていたカルミアは、彼といつか婚約破棄すると決めていた。
ある時、カルミアは婚約者が浮気していることを心の声によって知った。
そこで、カルミアは、友人のロウィードに協力してもらい、浮気の証拠を集めて、婚約者に突きつけたのである。
こうして、カルミアは婚約破棄して、自分を嫌っている婚約者から解放されるのだった。
探さないでください。旦那様は私がお嫌いでしょう?
雪塚 ゆず
恋愛
結婚してから早一年。
最強の魔術師と呼ばれる旦那様と結婚しましたが、まったく私を愛してくれません。
ある日、女性とのやりとりであろう手紙まで見つけてしまいました。
もう限界です。
探さないでください、と書いて、私は家を飛び出しました。
愛することをやめたら、怒る必要もなくなりました。今さら私を愛する振りなんて、していただかなくても大丈夫です。
石河 翠
恋愛
貴族令嬢でありながら、家族に虐げられて育ったアイビー。彼女は社交界でも人気者の恋多き侯爵エリックに望まれて、彼の妻となった。
ひとなみに愛される生活を夢見たものの、彼が欲していたのは、夫に従順で、家の中を取り仕切る女主人のみ。先妻の子どもと仲良くできない彼女をエリックは疎み、なじる。
それでもエリックを愛し、結婚生活にしがみついていたアイビーだが、彼の子どもに言われたたった一言で心が折れてしまう。ところが、愛することを止めてしまえばその生活は以前よりも穏やかで心地いいものになっていて……。
愛することをやめた途端に愛を囁くようになったヒーローと、その愛をやんわりと拒むヒロインのお話。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID 179331)をお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる